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浜本 沙良_PUFF ◇ 2009年 08月 16日
浜本 沙良_PUFF_e0081370_2144814.jpg 

今回紹介するのは、BOOK OFFの250円コーナーで見つけたアルバムで、浜本 沙良というシンガーが1994年にリリースしたデビュー・アルバム『PUFF』です。BOOK OFFでは比較的目にすることが多いので、聴いたことは無いけど見かけたことがあるという人も多いでしょう。
今回このアルバムを取り上げたのは、いつも当ブログでお世話になっているKotaroさんが、コメントにこのアルバムの事を書いて下さったので、この機会に紹介することにしました。

彼女に関して全く知識・情報が無いのですが、時代背景を考えると第二の"今井 美樹"をフォーライフが狙っていたのかも知れませんね。
サウンド・プロデュースを手掛けているのは有賀 啓雄。ミュージシャンもどちらかと言えば渋めのミュージシャンを集めてますね。有賀 啓雄、安部 恭弘、羽場 仁志が曲を提供、アレンジはもちろん有賀 啓雄が全曲手掛けています。
アルバムの印象としては、浜本 沙良の自然体で清々しいヴォーカルが心地良いガールズ・ポップスで、彼女のヴォーカルの魅力を上手く引き出している有賀 啓雄の手腕が光っている作品だと思います。

『浜本 沙良 / PUFF』
01. distance
02. ・・・WHY
03. 最後の休日
04. WONDER RAIN
05. FOLLOW ME
06. MORNING MOON
07. いつもeyes to me
08. さよならは天使のはじまり
09. 嫌いになりたい
10. 素顔でいいから

快晴の天気を思わせる軽快なポップ・ナンバー01。バンド・スタイルのリズム・セクションとホーン・セクション、そしてシンセによるオーケストレーションのバランスが絶妙で、心地良い空気感の漂う1曲です。アルバムの冒頭を飾る曲としてピッタリな曲と言えるかも知れません。

都会的でグルーヴィーなナンバー02。私はこの手の曲に滅法弱いです(笑)。打ち込みによるリズムと林部 直樹の軽妙なギター・カッティングが実に気持ちが良いです。CITY POP色が強い洒落たナンバーで、有賀 啓雄の作曲によるナンバーです。

02とは対極的なナンバー03。アコースティックなサウンドのボッサ・ナンバーで、曲調や歌にどこか"今井 美樹"を彷彿させるところがありますね。アコースティック・ギターは斎藤 誠、美しいフルートを聴かせてくれるのは本田 雅人です。生っぽく聴こえますがリズムは打ち込みですね。

独身時代の竹内 まりやの作品を彷彿させるオールディーズ風な04。作曲は安部 恭弘です。打ち込みにベース、ギター、サックス、コーラスというシンプルな構成ですが、有賀 啓雄のベース、本田 雅人のサックスのプレイが光ってますね。

バンド・スタイルの演奏が夏っぽくて心地良いポップ・ナンバー05。羽場 仁志の作曲ですが、彼にしてはかなりPOP寄りの曲という気がします。決してインパクトの強い曲ではありませんが、繰り返して聴いても厭きのこないタイプの曲だと思います。今の季節にぴったりな1曲です。

雰囲気のあるバラード・ナンバー06。パーカッションにピアノのサウンドが軸になっており、フリューゲル・ホーンを使うことで未明の風景を上手く表現していると思います。メロディー自体は地味な印象ですが、アレンジが良いのでバランス良くまとまっていると思います。

05同様、バンド・スタイルの演奏が心地良い07。海岸線をドライブしながら聴ききたい、そんなナンバーですね。演奏と浜本 沙良のヴォーカルがとにかく爽やかです。

キャッチーなメロディーと軽やかなリズムが心地良いGIRLS POPナンバー08。浜本 沙良のシングルについては全く知らないのですが、このアルバムの中では1番シングル向けかなと感じた1曲です。浜本 沙良のヴォーカルの良いところは自然体とも思える歌い方でしょうね。変に力が入っていたり、感情移入があったりしない分、心地良く歌声が耳に届いてきますね。

アーバン・メロウといった感じのバラード・ナンバー09。綺麗な声質で、何回も書いてますが自然体とも言える浜本 沙良のヴォーカルは、リゾート感溢れる曲にも都会的な曲にも似合うので、コンセプト・アルバムを作ったら面白いだろうなと思いますね。

曲としては悪くはないのですが、アルバムの最後の曲としては少し地味過ぎるかなと感じた10。アルバムの最後の曲によって、アルバム全体の印象が変わってしまうケースもあるので結構重要だと思っています。メロディーは良いのですが、アレンジ面で地味な感じが否めません。ちょっと惜しい気のする1曲です。

シンガー、ヴォーカリストとして素晴らしい素質を持っていながら、フォーライフ時代は2枚のアルバムをリリースしただけで、成功を収めたとは決して言えなかったと思います。調べてみるとSarah と改名してテイチクから再デビューしたようですが、現在は活動を休止しているようですね。
もちろんレコード会社のプロモーションに問題もあるのでしょうね。でも90年代のデビューというのも大きかったのかも知れません。
聴く側が貪欲に良い音楽を求め、探していた80年代とは違って、コマーシャル次第で売り上げが大きく左右され始め、そこそこのヒットでは生き残れないという環境に変わってきたというところも大きいのかも知れませんね。
なかなか良いアルバムだと思いますし、浜本 沙良の歌声も本当に魅力的なのでガールズ・ポップスが好きな方は聴いて損は無いと思いますよ。
BOOK OFFを探せばきっと見つかると思いますので、興味があったら聴いてみて下さい。
by kaz-shin | 2009-08-16 22:29 | 250 - BOOK OFF | Comments(10) | |
Commented by Sugar Time at 2009-08-17 00:30 x
こんばんは!

いつもながら何が出てくるかわかりませんね。
この方、近いうちに紹介したいと思っていた一人でした(Sarah時代の2枚も入手したので、品を変えていずれ・・・)。

手元に一冊だけある95年のGirl-pop誌では、見開き2ページで紹介されており、ラジオのGirl Pop'95でも「2月のアーティスト」としてPushされていたようですが、今ひとつだったようですね。というか、この号だけでも同等以上の取り上げられ方してるボーカリストが40人(組)くらいいますから、過剰気味ですよね(^^;
この中で特色を出していくというのはなかなか難しいし、彼女のようなどちらかというと噛めば噛むほど味が出るタイプは、苦戦したのだと思います。
Commented by kotaro at 2009-08-17 08:04 x
ローテーションの谷間にこのような作品を取り上げていただきありがとうございます。
力量感あふれる作品ばかりでなく、私のような25年「中継ぎ」サラリーマン人生を送っているものは、彼女のような光る作品を見出した時の喜びも嬉しいです。
ムラカミ的にいうと1Q95あたりでオウムと震災でエデン追放後の日本と日本人が始まります。

「あゆ」の登場がもうちょっとあとで、そこからシンガーは曲も自家製が当たり前に。現行のような方式が主流になったのは、利益が分散しなくて儲かった理由が最初でしょうが、今では制作費を抑えるのために当然になり、職業的作詞家、作曲家の時代は終わり編曲(アレンジ)はクレジットされなくなります。
このブログで皆さんがいつもいってる「不満」ですね(笑)

この作品くらいでも打ち込み中心でkaz-shinさんが好きな手抜きでない本物の音楽は終わっています。でも結構いい。1曲1曲はかなりのレベルと思いませんか。個人的には09なんてたまりません。
ところが浜本沙良を取り上げた記事やブログは非常に少ない。
今回ここで取り上げたのでこれから聴いてみようと思う人の指針になります。去り行く夏にいい記事が載って心より嬉しく思います。
Commented by Musicman at 2009-08-17 11:26 x
お久しぶりです!
彼女アルバムは(意外かもしれませんが)全部持ってます(笑)。
っていうか、昔一緒にお仕事をした経緯もあって。
確かにヴォーカルは弱いですけど、なかなかいい作品を出していましたね!
今は何をされているか存じませんが、復活して欲しいものです。
Commented by kaz-shin at 2009-08-17 22:29
Sugar Timeさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
私はこのアルバムしか聴いていないので、ぜひ他のアルバムの紹介を
お願いします。
特にSara名義になってから、音楽的に変化があったのかも興味ありますから・・・。
記事のアップ、楽しみにしてますね。
Commented by kaz-shin at 2009-08-17 22:40
kotaroさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
いつか紹介しようと思っていたアルバムだったので、丁度良い機会を作って頂きました。
素晴らしい才能を持っており、良い作品を作っていても脚光を浴びないままに消えていってしまうアーティストって多いですよね。
仕方のないことと言ってしまえばそれまでですが、そんなアーティストを随分後になってしまったとしても紹介していきたいなと思いますね。
売れたとか売れないとかを別にして、良い作品は良いのですから・・・。
私のブログに影響力なんて無いのは分かってはいますが、このブログを覗いて下さる皆さんの音楽ライフが少しでも豊かになればと嬉しいです。
このアルバムは打ち込みと生のリズムの使い分けが上手くて、聴き易いですね。
それぞれのグルーヴ感の違いなんかも感じながら聴くのも一興かと思います。
Commented by kaz-shin at 2009-08-17 22:46
Musicmanさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
そうですか!一緒に仕事されたことがあったんですか!
声質も良いですし、落ち着いたヴォーカルは結構好きです。
彼女のようなアーティストが地道に活動できるような音楽環境って、現在では難しくなっているんでしょうね。
お金を使わないと売れない、だから売れる音楽に執着する。売れたらお金をかけてより売れる音楽を作る・・・。
なんだか単純過ぎませんかね(笑)
Commented by MOTO at 2009-08-25 12:55 x
はじめまして! kaz-shinさん
いつも愛読させていただいてましたが
浜本沙良の1STのレビューに
思わずコメントしたくなってしまいました。

自分も彼女の2nd発売時に、プロモで
ご一緒したことがあったのです。
本人は人見知りで、とてもシャイな方でしたネ。

SARAH名義作品は、もっとヒーリングに近い
アコースティックなサウンドだったと記憶してますが
自分にとっては、フォーライフ時代の2作品を
きっと、ずっと愛聴して行くと思います。
1STなら「嫌いになりたい」
2NDなら「クール・ウォーター」
この2曲を是非聴いてほしいですネ。
有賀さんのアレンジメントも素晴らしい!!
Commented by kaz-shin at 2009-08-27 01:20
MOTOさん、はじめまして。コメントありがとうございます。

学生時代だった70年代~80年代の初め頃というのは、とにかく良い音楽を探してました。
売れる売れないとか知名度に関係無く、自分にとって良い音楽、気持ち良い音楽を探すことに貪欲でした。

社会人になってからはその貪欲さが少しづつ失われてしまいました。
このブログを始めてから、沢山の人の出合いの中でまたあの学生の頃のように気持ち良い音楽を探すようになりました。

浜本沙良さんの作品もそんな中の1枚です。
失礼な言い方ですが、知名度が低くても売れなかったにしてもこの作品のように良いモノはいつの時代も存在するんですよね。

私も「嫌いになりたい」は好きです。
記事にも書きましたが、この曲の路線でアルバムを作って欲しかったなという気持ちがあります。

中古でかなり安い値段で買えるので、興味がある方にはぜひ聴いて欲しいですね。
Commented by kotaro at 2009-09-08 04:55 x
こんにちは。涼しい夜に、このアルバムをまた聴いています。
i-podにいれたりMDにコピーして車の中で聴いたり。後ろから
2曲目をリピートでかけて、これってやっぱりいいなあと3つ星評価しています。
この声が今井美樹さんだったら、詞に対してベストじゃないと思う。
その名の通りさらっとしたボイスなので「嫌いになりたいわ…」のサビが
穏やかな波のようにしみてきます。

ボブ・ディランが米のスタバで(マーケットして)復活したように
#9をいま流したらこのアルバムはきっと売れるでしょうね。

で、オンラインでデマンドできたら、面白いだろうな。
東京か大阪の店舗を選んで、どこか実験してくれる店はないものか。

 私らは名曲復活への志士ですね。
Commented by kaz-shin at 2009-09-13 00:11
kotaroさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
レスが遅くなりました。すみません。

実は先週の出張中、博多のBOOK OFFで浜本さんの2nd見つけました。値段はそこそこしましたが・・・(笑)
でも1stに負けない位に良いアルバムでした。ヘビーローテーションになりそうです。
2ndでも有賀さんが良い仕事してます。

結構埋もれてしまっている良いアルバムって存在するんだなとつくづく感じました。
良い作品が必ずしも売れないというのは承知していますが、良い作品は多くの音楽を愛する人の耳に届いて欲しいですね。
このブログがその手助けというかきっかけとなってくれれば良いなと願っています。
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