アーティスト系プロデューサーが一時期ブームとなった。今でもその風潮は少なからず残っている。
本来、プロデュース業なるものは完全に裏方の仕事で地味なものである。
それが小室哲哉やつんくの出現以来、花形職業となった(笑)それと同時にプロデュースされた作品は、プロデューサーの色が強く反映されるようになった。つまり出来上がった作品は、プロデュースされる側のアーティスト色よりプロデューサーの色が強いのである。セールス面で言えばそれも仕方が無いのかも知れない。
プロデューサー・ブームのずっと以前から、自身がアーティストでありながらプロデューサーとして活躍していた人達もいた。山下達郎や角松敏生、細野晴臣、高橋ユキヒロ等である。そんな中、裏方に徹したプロデュースをしていた山下達郎のプロデュース作品が、このアン・ルイスの『PINK PUSSY CAT』である。
1979年に作られたこのアルバムは、それからのアン・ルイスの歌手としての方向性を決めた作品と言えるかもしれない。それまでのアン・ルイスは、歌謡曲路線で曲も地味なものが多かった。どちらかと言えば静。そしてこのアルバムや同じ達郎のプロデュースしたシングル『恋のヴギ・ウギ・トレイン』以降、動へと変化していく。
後に『六本木心中』でブレイクして、独自のロック歌謡というジャンルを切り開く事になる。
その過渡期としてこのアルバムは、重要なものであると思うのだ。
達郎の曲提供は1曲のみ。あとはアレンジャーとして関わっているだけだ。当時流行っていたディスコ調なサウンドを基調として、様々なタイプの曲をアン・ルイスに歌わせている。非常にのびやかなボーカルで、歌の上手さに驚かされる。アン・ルイスのアルバムの中では、1番好きなアルバムであるし、達郎プロデュース作品の中でも特に好きなアルバムである。
CD化されたようだが、今では入手困難のようだ。
検索でここに辿りつき同好の士がおられるのを嬉しく思い
ました、更新が途絶えてるようですがどのブログもそんなもんです
ピンクキャットいいですね~!