山下 達郎が直接フランク永井にお願いして実現した企画ですが、もともとはアルバム制作の予定だったようです。しかし、当時こういう試みがあまり無かったこともあり、数々の諸問題が発生して結局シングル1枚の制作に終わってしまったらしいのです。
達郎が危惧していた当時より、現在の方がはるかに世代間の音楽的ギャップが大きくなっている気がします。
まだ"歌謡曲"というジャンルが存在した頃は、"歌謡曲"を中心としたTVの音楽番組が結構な数存在していて、まだ家族で音楽を楽しむというスタイルが残っていました。
しかし、"歌謡曲"という名前が消え、いつしか特定のジャンルを除いて日本の音楽は"J-POP"というとてつもなく大きな括りになってしまいました。同時に家族で楽しめるような音楽番組がどんどん減っていきました。
段々と時代を超えて愛されていくような曲が減り、その時代その時代に流行った音楽をただ楽しむような印象を感じてしまうのは、私だけでしょうか。
山下 達郎がフランク永井をプロデュースしたというのは、当時驚きでしたし、一体どんな歌なのかも興味深々でした。
昭和34年生まれの私でさえ、フランク永井の代表曲「有楽町で逢いましょう」位は知っていても、実際にレコードなんて聴いたことはありません。
おそらく達郎がプロデュースしていなかったら未だにフランク永井のレコードを購入はおろか、聴くことは無かったでしょうね。そういう意味では達郎の試みは成功だったのかも知れません。ただ、ムーヴメントにはならなかったということなんでしょう。
今夜は私に音楽が持つ大きな可能性を感じさせてくれた「WOMAN」を聴いてみて下さい。
「WOMAN」 / 作詞・作曲・編曲:山下 達郎、ストリングス編曲:乾 裕樹
Guitar(Left)、Glocken、Tubular Bell、Percussion & Background Vocal : 山下 達郎
Drums : 青山 純
Bass : 伊藤 広規
Guitar(Right) : 松木 恒秀
Keyboards : 清水 信之
Percussion : 浜口 茂外也
Tenor Sax Solo : 井上 大輔
Background Vocal : 山川 恵津子、鳴海 寛
Trumpet : 数原 晋、小林 正弘
Trombone : 向井 滋春、粉川 忠範
Tenor Sax : 村岡 健
Bariton Sax : 砂原 俊三
Strings : 多 忠明グループ
あまり情報もない時代だったので、とにかくレコードを購入するだけでも大変でした。
ちょっとしたレコード屋には、あの頃フランク永井なんて(出身地である宮城県でさえ)置いてなかったですからね。
ちなみにワタシが買った1番の理由は、B面の「愛のセレナーデ」の作詞が伊藤銀次だったので!そっちの方が興味がありました。
懐かしいです。ありがとうございました。
この曲、僕も好きでした
初めて聴いた時にヤラれましたね
普通じゃない――と
タツローと知って「なるほど・・・」と思いましたけど
「よっ! フランク永井!」
彼の野太い声、良いですよね
kaz-shinさんの記事の”歌謡曲””家族”というキーワード
僕の記憶の中では
高橋真梨子の『アフロディーテ』 あたりが混じってきます
私も「愛のセレナーデ」は大好きで、どちらをUPしようか迷ったくらいです(笑)
「愛のセレナーデ」は、もともとキング・トーンズの為に1974年に書かれたもののようですね。
そうなると名曲が8年もの間お蔵入りしていたことになるんですね~。
82年に書かれた曲なら然程驚きませんが、74年に書かれたものと知って銀次と達郎コンビの恐ろしさを実感しました(笑)
お久しぶりです!
高橋真梨子さんの「アフロディーテ」、良い曲ですね!
家族揃って楽しんだ音楽(曲)って、"想い出の1曲"になってませんか?
昔話になりますが、山口百恵さんの「秋桜」をTVで歌っているのを見て、家族全員で「良い曲だね~」と話した記憶があります。
現在ではそういう曲がなかなか見つかりませんよね。
今日本の音楽業界に足りないのは、色んな世代の人が「良い曲だね」と言える曲なのかも知れません。
若い人に、ハッパをかけていきたいですね。
この頃は、大滝詠一=小林旭、森進一というコラボもあり、山下達郎は
本質的には、キングトーンズとシャネルズを、ほぼ同時に手がけており、
フランク永井は、昔からやりたかった「リクエスト」なのじゃ、ないでしょうか。
音楽、芸能界の良い所は、そういう範となるべき人がいて、若い才能が
続くという、古典芸能でもそうですが、それが残っている最後が、奥田民生くらいでしょうか。
ただ、フランク永井は、洋楽育ちのようで本質は昔の日本人です。
「お前に」のような曲は大好きですが、この作品はバーボンに成り損ねた
日本ウイスキー(昔の)ような甘ったるい味じゃないかな、と思います。
>お誕生日おめでとうという歳でもありませんが~
仰るとおりですね。
なので今年はひっそりと記事に紛れ込まして書いてみました(笑)
AORが全盛の頃、洋楽においてもベテランが勢いのあるアーティストとのコラボによって息を吹き返した例もありました。
日本では縦社会の影響か、ベテランからのアプローチというのは多いとは言えないような気がしますが、このようなコラボは有意義だと思っています。
現在ではベテランの歌手は、地方の営業か懐メロ番組、バラエティ番組が活躍の中心になってしまっていますね。
音楽の持つ可能性は大きいのに、なかなか形になっていかないというのは寂しいですね。
実はミュージシャン・クレジットは、シングル・レコードには記載されていませんでした。
達郎さんのファン・クラブで購入出来るCD、『The Works Of Tatsuro Yamashita vol.1』で初めて参加ミュージシャンを知りました。
達郎さんの凄いところは、当時のバンド・メンバーに固定せず、ミュージシャンを適材適所で起用するところですね。
この曲のコーラスの『東北新幹線』コンビもその良い例ですよね。
あとドラムの渡嘉敷祐一さんの起用にいつもうなされます(笑)
この曲は青山さんですけど・・・。
当時を懐かしんで楽しんで下されば嬉しいです。