今回紹介するのは、大貫 妙子が1977年にリリースした2ndソロ・アルバム『SUNSHOWER』です。
以前3rdアルバム『MIGNONNE』を紹介しましたが、大貫 妙子が1970年代にリリースした『GREY SKIES』、『SUNSHOWER』、『MIGNONNE』の3枚はどれも甲乙付け難い名盤が揃っています。
特に『SUNSHOWER』、『MIGNONNE』に関しては、ある意味神懸りとしか言い様の無い坂本 龍一の素晴らしいアレンジがあってこその作品だと思っています。
参加しているミュージシャンは、スタッフのクリストファー・パーカー(ds)、細野 晴臣(b)、後藤 次利(b)、渡辺 香津美(g)、大村 憲司(g)、松木 恒秀(g)、坂本 龍一(key)、今井 裕(key)、斉藤 ノブ(per)、向井 滋春(trombone)、清水 靖晃(sax)、山下 達郎(cho)という面々です。
『大貫 妙子 / SUNSHOWER』
01. Summer Connection
02. くすりをたくさん
03. 何もいらない
04. 都会
05. からっぽの椅子
06. Law of Nature
07. 誰のために
08. Silent Screamer
09. Sargasso Sea
10. 振り子の山羊
爽快なサマー・ソング01。軽快なリズムに溌剌としたター坊のヴォーカルが気持ち良いナンバー。後藤 次利のベース、大村 憲司のギター・ソロが素晴らしいです。
何となく意味深なタイトルな02ですが、これが実にグルーヴィーなナンバー。斉藤 ノブのラテン・パーカッションとクリス・パーカーのドラミングが印象的です。
後藤 次利のベースの生み出すグルーヴが格好良い03。坂本 龍一のオルガン・ソロ、松木 恒秀のカッティング、渡辺 香津美のギター・ソロなど聴き所満載の1曲。
清水 靖晃のサックスをフィーチャーした04は、あのマーヴィン・ゲイの名曲「What's Going On」を彷彿させる名曲です。まさにCITY POPと呼ぶにふさわしいナンバー。細野 晴臣のベースも渋いの一言です。
バラード曲05。坂本 龍一のローズを中心として、松木 恒秀、後藤 次利、清水 靖晃、今井 裕によるJAZZYなプレイがお洒落なナンバー。
テンポのあってフュージョン色の強いアレンジが印象的な06。圧巻は渡辺 香津美のスリリングなギター・ソロでしょう。
シンプルながら都会的なエッセンスたっぷりの演奏の07。坂本 龍一のピアノが素晴らしい1曲。
後藤 次利のベースで始まる08は、テンポが変化する面白い曲です。トロンボーン・ソロはもちろん向井 滋春です。
坂本 龍一のシンセ、ピアノ、ローズのみで奏でられる09。シンセを巧みに使って、海の中を漂うような雰囲気を醸し出しています。不思議な感覚に陥る曲ですね。
私には難解な歌詞の曲10。スケールの大きさを感じる曲です。間奏での素晴らしいピアノ・ソロと後半での大村 憲司のギター・ソロに耳を奪われます。
曲によっては難解な歌詞・メロディーのものもありますが、坂本 龍一のアレンジ・センスの素晴らしさによって、どの曲も凄く良い仕上がりになっています。
特に01~04の流れは素晴らしく、70年代におけるCITY POPと呼べるものでしょう。そして、このアルバムがCITY POP創世記のアルバムの1枚であるのは確かだと思います。
CITY POP好きな人には、ぜひ聴いて欲しい1枚です。
『み空』は、金延 幸子のアルバムではないですか?
確かに雰囲気は似ていますから・・・。
大貫さんの初期の作品は、あまりBOOK OFFでも見かけませんね。
ただ、最近紙ジャケで再発されていますので、新品なら入手しやすいと思いますよ。
最初に聴くなら『MIGNONNE』をお薦めしておきます
私も1番好きなアルバムです。ヨーロピアン路線になってから殆ど聴いていないので、
私にとって大貫さんと言えば、必然的に初期の作品になってしまいます(笑)
曲も魅力的ですが、坂本 龍一さんのアレンジがとにかく凄いですね。