今回紹介するのは、当ブログで3月17日に1stアルバム『さよならの場所で会いましょう』を取り上げたばかりの西脇 唯の2ndアルバム『いちばんやさしい風はあなたが持っている』(1994年)です。
私のブログでこんなに短期間に同じアーティストの作品を取り上げるのは珍しいのですが、それだけ今嵌っているアーティストの一人なんです。
以前の記事にも書きましたが、西脇 唯を聴くようになったのはつい最近のこと。実に1stアルバムがリリースされてから15年以上もも経過してからということになります(笑)
私自身、1番音楽に触れていなかった90年代の作品とは言え、実に勿体無かったと今更ながら感じている次第です。
それにしても本当に良い曲を書く人だと思います。
しかし、嵌っているのはそれだけの理由ではありません。実は西脇 唯が私にとって特異なアーティストになりつつあるのです。
どんな部分が"特異"なのかと言いますと、歌を聴いていて"歌詞"がすんなりと頭に入ってくるからなんです。恥ずかしい話、私は本当に"歌詞"に関しては無頓着な人間で、歌を口ずさんでいる癖に、歌詞カードを読んではじめて内容を理解しているようなタイプの人間なんです(恥)。
そんな人間が音楽ブログを立ち上げているのもどうかと思いますが・・・(汗)。
ところが彼女の曲に関しては、ストレートに歌詞が頭に入ってくるんですね。これは今まで色んなアーティストの音楽を聴いてきましたが、こんなことは私にとって本当に珍しいことなんですね。
それだけ彼女が歌詞とメロディーが上手く溶け合っている曲を書ける素晴らしいソングライターであるということなのでしょう。
詞の中身としては、"恋愛"に関するものが大半でしかも女性目線のものなので、今年五十路となる私には少し気恥ずかしいものが多いのですが、ただ切ない歌であってもメロディーに"暗さ"が無くて、どこか前向きな感じがするのも良いですね。
前置きが長くなりましたが、今回紹介する『いちばんやさしい風はあなたが持っている』も良い曲が揃ってますね。もちろん全曲、西脇 唯の作詞・作曲です。彼女の曲の良さは楽曲自体の良さは勿論ですが、やはりアレンジが大きく影響していると思います。本作も加藤 みちあき、奥 慶一、新川 博、清水 信之、大村 雅朗という5人がアレンジを手掛けています。普通サウンド面で統一感を出したいのなら、一人のアレンジャーに任せるケースが多いのですが、西脇 唯のアルバムに関しては、アレンジャー各々がしっかり西脇 唯の個性を活かしたアレンジを施していて、アルバムを通して聴いても違和感を全く感じないのが凄いですね。
『西脇 唯 / いちばんやさしい風はあなたが持っている』
01. 窓をあけてドアをあけて
02. 天使のような風の吹く日
03. いちばんやさしい風はあなたが持っている (Album Remix)
04. KNOCKDOWN
05. "彼女"になりたかった日
06. 出会った頃のように (Album Version)
07. ひぐらし
08. WISH
09. 見つめずには いられない (Album Remix)
10. あの場所から
快晴の朝に聴きたくなる、そんな清々しいナンバー01。彼女の楽曲と1番相性が良いと思っている加藤 みちあきがアレンジです。聴いていて気持ちが良いのと、不思議とテンションが上がってくるので最近は通勤の為に朝家を出ると同時にこの曲を聴いてます(笑)。青山 純と美久月 千晴のリズム隊が良い仕事してます。やはり生のリズムは良いですよね。
02のタイトル通り、風のそうに実に爽やかなナンバーです。アレンジは奥 慶一。曲の良さは勿論ですが、西脇 唯のヴォーカルが本当に気持ち良いですね。美声という感じでは無いのですが、聴きやすくて嫌味の無いヴォーカル・スタイルが彼女の魅力という気がします。
アルバム・タイトル曲03。長いタイトルですが、これも良い曲です。陽射しは暑いのだけれど、吹く風は心地良いというこれからの季節にぴったりかも知れません。それにしてもキャッチーなメロディーに上手く歌詞を乗せる人だと感心します。アレンジは新川 博です。
都会的でCOOLな打ち込みのサウンドが魅力の04。CITY POP系のナンバーと言える1曲ですね。珍しくグルーヴィーなナンバーですが、楽曲はまさに西脇 唯ワールドが広がっています。新川 博のアレンジが秀逸です。
清水 信之らしいポップなアレンジがたまらない05。この曲に励まされた女の子って多かったのではないでしょうか・・・(笑)。可愛らしくもあり、元気をもらえる、そんな曲で、聴いていてその歌詞に思わず微笑んでしまいます。
珍しく外人のコーラス隊をバックに迎えている06。切ない歌詞なんですが、サウンドはカラッとしていて暗さを微塵も感じないどころか爽やかな印象があります。西脇作品の特徴として、どんなに悲しい出来事でも自分を見失わない芯の強さみたいなものを感じますね。そこが暗くならない大きな要因なのでしょうね、きっと。淵野 繁雄のサックス・ソロが渋いです。アレンジは加藤 みちあき。
しっとりとしたバラード・ナンバー07。地味な曲と言えなくもないのですが、味わい深い曲で個人的には結構好きな曲です。打ち込みのリズムと弦楽器との組み合わせが面白いアレンジは奥 慶一です。ちょっと郊外の緑の沢山残っている光景を連想させるナンバーです。
軽快なポップ・チューン08。POPなアレンジとくればやはり清水 信之ですね。清水 信之って本当に器用な人で、ここでもなかなかギター・カッティングを披露しています。疾走感溢れる曲なんで、車で聴くにはピッタリでしょう。
CITY POP好きにはたまらないナンバー09。1stアルバムの「7月の雨なら」とこの曲の2曲だけ聴いても、西脇 唯のソングライターとしての素晴らしい感性・才能を感じますね。理屈抜きで大好きな曲です。アレンジは新川 博です。この曲では名手・梶原 順がカッティングにソロにと素晴らしいギター・プレイが特に光ってます。
どこかフィリー・サウンドを彷彿させる大村 雅朗のアレンジが印象的なバラード・ナンバー10。さすがにプロのアレンジだなと思わせます。松原 正樹のギター、エレキ・シタールが味わい深いですね。アルバムの最後に相応しいバラード曲だと思います。
とにかく捨て曲なんぞ皆無の1枚です。本当に凄いソングライターですね。個人的には今まで出会った女性のソングライターでは1番好きかも知れません。歌詞をメロディーに乗せることの上手さ、キャッチーで聴き易いメロディーの数々、本当に素晴らしいソングライターに出会えました。
西脇 唯の作品は、BOOK OFFでは250円コーナーの常連になってしまってますが、もしまだ聴いたことが無ければBOOK OFFへ出かけて下さい。
250円でこのアルバムが聴けるなら絶対にお得ですから・・・(笑)
自信を持ってお薦め出来るアーティストであり、アルバムです。
「巡り合い」ですね。
1st「さよならの場所で会いましょう」を紹介された時に、このアルバムも
買ってきましたよ~!
kaz-shinさんの「星三っつ~!」がつきましたので、
CDケースを交換して愛聴盤とさせていただきます。
声の伸び具合が大好きです。
西脇さんは私の中で、大フィーバー(古っ!、笑)中です。
特に1stと2ndは本当によく聴いてますね。
>声の伸び具合が大好きです。
実に良い表現ですね!
私も同感です。もっともっと注目されても良いアーティストですよね?
もしかしたら90年代はかなり注目されていて、私だけが知らなかっただけかも知れませんが・・・(笑)
1st 最高位7位 2nd 最高位3位でしたよ~!
知らなかったのは午前様ばかりしてた、僕らだけ?
2004年に最後(最新?)のアルバムだしてますね。
ここに出てくるアルバム達に比べて有名過ぎるかもしれませんが、
大切なミュージシャンとして憶えておきます。
私が耳にしていた曲が多く収録されていたというのもありますが。このアルバムは、打ち込みメインでありながら、ギターが前面に出ていてロック色のあるアルバムですね。鳥山雄司さんや水島康貴さんなどがアレンジされていまして、梶原順さんのハードなギターも聴くことができます。
レスが遅くなってすみませんでした。
やはり知らなかったのは私だけだったんですね~(笑)
アルバムの売り上げでベスト10内に入っていたくらいですから、相当人気があったんですね。
売り上げの順位もアルバムの内容を考えると順当な気がします。
完成度や曲の良さで言えば、2ndに軍配が上がるかなと思ってます。
でも1stも捨て難い・・・(笑)
本当に素晴らしいソング・ライターに出会えて良かったです。
『LEKTION』はまだ聴いたことがないですね~。どんな感じですか?
少しずつ西脇さんのアルバムを集めようと思っているのですが、BOOK OFFで見かけるのは1stと2ndばかりで、なかなか集まりません。
西脇の曲は大半が打ち込みのリズムなんですが、本当に違和感を感じません。
アレンジャーのセンスなんでしょうが、西脇さんの歌声にも秘密があるような気がしてます(笑)
西脇 唯さんの2枚目ですか。
コメントつけるのがずいぶんと遅くなっちゃいましたけど一応、Upされた日から見てはいました。
・・・実はコメントつけるのに調べようと思っていたことがあったんですが、挫折。。。
何を調べようとしていたかといいますと、
先日、「YUI NISHIWAKI SINGLES COLLECTION」を入手できたので、「見つめずには いられない (Album Remix)」とシングルの違いを調べようとして、・・・どこが違っていたんだろう?
(何回聞いても、ついつい歌詞のほうに意識がいって見つけられない。。。10秒以上ちがう様ですが・・・)
そんなことはさておき、このアルバムでは
「見つめずには いられない」が一番好きですね。
(他の曲もいいんですが。)
で、この曲は特に思うんですが、
(「七月の雨なら」もその傾向があるので西脇唯さんの曲の特徴なのかもしれません)
あるときはピアノの音、あるときはギターの音(かな?)
といろいろな楽器がかわるがわる主役を演じて
バランスよく歌声をサポートしていると思うんですが、
どうでしょう?
レスが遅くなってすみませんでした。
西脇さんの曲のアレンジは本当に素晴らしいものが多いと思います。
どのアレンジャーもメロディーと歌声をより魅力的に聴こえるようなアレンジを施していますね。
仰るようにギターやピアノといった楽器を上手く取り入れているのは、リズムが打ち込みが多い為に柔らかさというか温もりを出しているのかなと言う気がします。
私の場合、本来打ち込みのリズムってあまり好きではないのですが、西脇さんの曲に関しては打ち込みということが全く気になりません。
おそらくアレンジャーもその辺りを狙っているのかな~なんて思ったりもしてます。
それにしてもシングル・ヴァージョンとアルバム・リミックスの違いが気になります(笑)
気付いたらぜひ教えて下さい!
長ーいゴールデンウィークが終わりまして、通常の日です。。
西脇さんのアルバムは、2枚持ってまして「恋していた時間が忘れるための時間」と「いつもひとつしか傘はいらなかった」という1997年の作品。どちらも長いタイトルですが、「恋していた~」は、アレンジャー陣に、武部聡志さん、新川 博さん、佐藤 準さん、大村雅朗さん、加藤みちあきさんが参加。ミュージシャンには、松原正樹さん、沼澤 尚さん、岡沢 章さん、北島健二さん、国吉良一さん、鳥山雄司さんなどなど。サウンドは好みですね。「いつもひとつしか~」は、アレンジャー陣に、武部聡志さん、本間昭光さん、重実 徹さん、亀田誠治さん、羽毛田丈史さん、鳥山雄司さんなど。カラフルに染まってます。ただ、打ち込みが多いのが残念です。ミュージシャンは、青木智仁さん、吉川忠英さん、梶原 順さんあたりです。
こういちさんも西脇さんを聴いているのですね~。良いですよね。
私はまだ最近知ったばかりなんですが、結構集まってきました。
『恋していた時間が忘れるための時間』は持っているのですが、『いつもひとつしか傘はいらなかった』はまだ見つけられてません。
西脇さんはアレンジャーに恵まれてますね。私も基本的に打ち込みのリズムは好きではないのですが、西脇さんの曲に関しては不思議と苦になりません。
リズムは打ち込みですが、生音を上手く取り入れていることと西脇さんの声の魅力によって全体的に柔らかなムードになっているのかも知れませんね。
これらをあげた方々は、ストリングスやブラスのアレンジ(スコアリング)が好きな方達。こういう視点は面白いと思います。
シングル・ヴァージョンとアルバム・リミックスの違いは・・・
両方並べてかけてみてもよくわかりませんでした。。。
最後の演奏がフェードアウトするまでが、アルバムバージョンのほうが長いのですが、他がわからない。
(ま、音を聞いて楽器を見分けるのも下手なほうなので気づいてないだけの可能性は大きいですが。
岩崎宏美のダルセーニョ・リミックスでも、書いていてもらって 初めてわかったり、書いていてもらっててもピンとこなかったり
だったし・・・)
ちなみに、Unisonが手に入ったので当分はこちらばかり聞いていそうです。
仰るように私もアレンジャーは、ある意味ではシェフだと思っています。
楽曲は素材ですね。素材だけでも十分おいしいものをさらにおいしくするのも、素材の味を殺してしまってまずい料理にするのもシェフの腕次第って感じでしょうかね。
大村さんは80年代を代表するアレンジャーですね。ある意味天才だと尊敬している人です。
特に専業アレンジャーとしては素晴らしい仕事をしてきた方ですね。本当に亡くなってしまったのが未だに残念でなりません。
ベーシストのアレンジャーだと、有賀啓雄さん、小松秀行さん、大御所・細野晴臣さんも素晴らしいアレンジを聴かせてくれますね。
なかなかミックス違いを聴き分けるのは難しいでしょうね。
わざわざありがとうございました。
今度は私がシングル・バージョンの音源入手して聴き比べてみます。
『Unison』は冬向けって感じですが、良いアルバムですね。私も好きです。
というか西脇さんの作品は皆気に入ってますが・・・(笑)
>『Unison』は冬向けって感じですが、良いアルバムですね。
そうですね。確かに冬向けの曲が多いので、この時期聞くのも
なんなんですが、聞いていてなかなかいいなって思ってます。
ちなみに、西脇唯さんって、冬に出したアルバムに冬向けの曲を
入れる傾向があるみたいです。
(誰でも当たり前かもしれませんが。。。)
で、集大成+アルファしたのが
Noёl~yui's winter collection
これには、Unisonから3曲も入ってました。
新作(もしくは出所不明)が3曲。
(アルバム全部持っているわけではないので。)
後は他のアルバムからでした。
※Noelのeのうえに点々が文字化けしたらごめんなさい。
(機種依存文字じゃないけどUnicodeしかないと思うので。)
西脇さんを必死で集めているところですが、なかなかベスト盤まで手が届いていません。
でもいつかは集めたいと思っています。
西脇さんの曲って季節をテーマにしていたとしても、本当に聴き易いメロディーばかりなので単純にいつの季節に聴いても楽しめますよね。
色々教えて下さってありがとうございます。
BOOK OFF探索にますます気合が入ります(笑)
文字化けは大丈夫みたいですね。