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原田 知世_PAVANE ◇ 2009年 05月 11日
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毎年GWの頃になると暑い日があるのですが、今年も例外ではないようで日本各所で5月としては観測史上最も高い気温を記録している所もあるとか・・・。
夏は決して嫌いではないので個人的には嫌ではないのですが、近い将来日本は南国になってしまうのではないかとさえ思ってしまいますね(笑)
さて、暑くなってくるとせめて音楽だけでも涼しげなものが聴きたくなるのが人情ですよね。
そんな訳で今回は、聴いていて涼しく爽やかな気分にさせてくれるアルバムを紹介しましょう。

取り上げるのは、原田 知世が1985年にリリースした3rdアルバム『PAVANE』です。
3rdアルバムとは言え、1stと2ndがミニ・アルバムだったのでフル・アルバムとしては実質的には1枚目となるのかも知れません。
実はこのアルバム、個人的にはかなりの名盤だと思っております。原田 知世本人よりも彼女を囲むスタッフの本気を感じさせるアルバムです。

とにかくスタッフ陣が凄い!エグゼクティブ・プロデュースは角川 春樹、スーパーバイザーに酒井 政利、リリック・プロデュースに康 珍化、ディレクションには当時南野 陽子等も担当していた吉田 格。この顔触れだけでも原田 知世に寄せられた期待の大きさというのが分かりますし、スタッフ陣に先見の目があったというプロの凄さを感じました。

作家陣もバラエティに富んだ実に豪華な布陣で、作詞には康 珍化、吉元 由美、大貫 妙子、戸沢 暢美、当山ひとみ、佐藤 純子、麻生 圭子、佐藤ありすに加え、原田 知世が1曲書いています。作曲は山川 恵津子、かしぶち哲郎、佐藤 隆、大貫 妙子、中崎 英也、水越 恵子、加藤 和彦、伊藤 銀次、岸 正之、REIMY、大沢 誉志幸という顔触れです。

『PAVANE』の面白いところは、アナログ盤A面にあたる6曲が"Water Side"と名付けられ、水や自然をモチーフとした落ち着いた雰囲気の楽曲が集められています。ある意味、現在に至る彼女の音楽のルーツみたいな感じがしますね。
"Water Side"のアレンジを担当しているのが萩田 光雄。彼の素晴らしいアレンジが堪能出来ます。特に彼のストリングス・アレンジが素晴らしく、緻密で繊細な萩田 光雄の本領発揮といった感じでアレンジですね。
"Water Side"の参加ミュージシャンは、中西 康晴(key)、倉田 信雄(key)、大谷 和夫(key)、松原 正樹(g)、鳥山 雄司(g)、高水 健司(b)、岡沢 章(b)、富倉 安生(b)、渡辺 直樹(b)、山木 秀夫(ds)、滝本 季延 (ds)、吉川 忠英(a-g)、安田 裕美(a-g)、斉藤ノブ(per)、堀口ノア(cho)等が参加しています。

一方アナログ盤B面にあたる5曲が"Light Side"と名付けられ、POPな感じの楽曲が集められています。
この中には以前紹介した後藤 次利プロデュースの『NEXT DOOR』や『Soshite』の世界観に通じる楽曲も含まれており興味深いものがあります。"Water Side"を陰とするならば"Light Side"は陽といった感じでしょうか・・・。
"Light Side"のアレンジを手掛けているのが井上 鑑。こちらも実に井上 鑑らしさが出ているアレンジばかりです。
"Light Side"の参加ミュージシャンは、井上 鑑(key)、今 剛(g)、鳥山 雄司(g)、高水 健司(b)、山木 秀夫(ds)、笛吹 利明(a-g)、浜口 茂外也(per)、土岐 英史(sax)、惣領 智子(cho)、浜田 良美(cho)、比山 貴詠史(cho)、木戸 やすひろ(cho)、岸 正之(cho)等が参加しています。

『原田 知世 / PAVANE』
Water Side
01. 水枕羽枕
02. 羊草食べながら
03. 姫魔性
04. 紅茶派
05. 早春物語
06. 夢七曜
Light Side
07. カトレア・ホテルは雨でした
08. HELP ME LINDA
09. いちばん悲しい物語
10. ハンカチとサングラス
11. 続けて

作詞:康 珍化、作曲:山川 恵津子による01。瑞々しいという表現がぴったりな感じの曲です。特徴のあるメロディーという訳では無いのですが、原田 知世の歌声とよくマッチしていて心地良く聴ける曲ですね。ここではストリングスを使わないシンプルなアレンジで聴かせます。

作詞:康 珍化、作曲:かしぶち哲郎による02。川のせせらぎのSEや美しいストリングス・アレンジが印象的な曲です。ヨーロピアンな雰囲気と日本の情緒みたいなものが融合したという感じでしょうか・・・。涼しげな渓谷の情景が思い浮かんできます。

作詞:吉元 由美、作曲:佐藤 隆による03。いかにも佐藤 隆らしいメロディー・ラインの曲で、タイトルの「姫魔性」は歌詞の中に繰り返し出てくる"秘めましょう"にかかっています。どことなく怪しげな雰囲気と原田 知世の透明感のある歌声はミスマッチのようにも思えますが、全然そんなことはなくてなかなか似合ってますね。堀口ノアのコーラスが良い雰囲気を醸し出してます。緻密に計算されているアレンジだと思います。

作詞・作曲:大貫 妙子による04。とにかく萩田 光雄のアレンジが秀逸です。大貫 妙子の世界観を上手く引き出しています。原田 知世も大貫 妙子の歌唱指導のおかげなのか、決して上手いとは言えないけれど良い歌を聴かせてくれます。これは良い曲ですね。

作詞:康 珍化、作曲:中崎 英也によるシングル曲としても有名な05。シングルのアレンジは大村 雅朗ですが、ここでは萩田 光雄のストリングスが印象的なアルバム・ヴァージョンになっています。オリジナルのイメージを損なうこと無く、このアルバムのカラーにピッタリのアレンジが施されています。ストリングスの美しさに耳を奪われる1曲です。

作詞:原田 知世、作曲:水越 恵子による06。私が1番気に入っている曲です。水越 恵子のソングライターとしての才能を再確認させられたような楽曲でした。自分で書いた詞ということもあって実に気持ち良さそうに歌っているように聴こえます。地味ですがアレンジがAORチックで本当に良い曲ですね。

作詞:戸沢 暢美、作曲:加藤 和彦による07。チャイニーズ・ムードの漂うキャッチーで軽快なナンバーです。こういう雰囲気のアレンジは井上 鑑の得意とするところですね。

作詞:当山ひとみ、作曲:伊藤 銀次による英語詞のナンバー08。当山ひとみが英語の発音指導もしたようです。実に銀次らしいと言えるリバプール風サウンドの曲です。当山ひとみは発音の指導もしたようで、発音が良いのか悪いのかは不明ですが頑張ってます(笑)。浜田 良美のコーラスと今 剛のペダル・スチール・ギターが渋いです。

作詞:佐藤 純子、作曲:岸 正之による09。アイドル・原田 知世としては1番お似合いの曲かも知れません。岸 正之らしい繊細なメロディーが良いです。井上 鑑にしては凄く地味な部類のアレンジという感じですが、この辺りの使い分けの上手さは流石だなと感じます。

作詞:麻生 圭子、作曲:REIMYによる10。夏の終わりの海辺という雰囲気が漂うナンバーです。高水 健司のベースが影の主役といった感じで、派手さはありませんが渋いプレイを聴かせてくれます。

作詞:佐藤ありす、作曲:大沢 誉志幸による11。アルバム中最もリズムが協調されたFUNKYなナンバーです。とは言え、原田 知世の声量、声質に合わせて控え目のFUNKYというアレンジが絶妙です(笑)。こういう曲を最後に持ってくるのは珍しいですね。後藤 次利プロデュースの次作に繋がっていく布石というのは考え過ぎでしょうか・・・。

まだまだ歌はこれからという感じですが、単なるアイドル歌手ということで終わらせたくないというスタッフの意気込みみたいなものを感じます。
当時、同世代には歌の上手い人も沢山いる中で、スタッフをその気にさせた原田 知世には分かる人には分かる魅力を持ち合わせていたんでしょうね。
私はたまに寝る前にこのアルバムを聴くんですが、"Water Side"があまりに心地良いので"Light Side"を聴く前に必ず深い眠りに陥ってしまいます(笑)
車を運転しながらというより、どこかに腰を落ち着かせて聴くというのが似合っているアルバムなのかも知れません。
地味ですが良いアルバムなので、興味があったら聴いてみて下さい。
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by kaz-shin | 2009-05-11 21:18 | J-POP | Trackback | Comments(4) | |
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Commented by 哲学者になりたい猫 at 2009-05-17 23:07 x
いまだ誰もコメント残していないので不相応ながら私が。原田さんは先輩薬師丸さんと同じ軌跡kitty⇒東芝EMIを辿りますが、薬師丸さんが東芝で鈴木Pと出会い歌手開眼していったのに対し、原田さんは良作を出し続けていたもののシングル中心に留まり、本格的に歌手活動を本格化したのさらに移籍したCBSソニーで、その中でも一番の人気作がこのアルバムではないでしょうか。レコ時代の良さ、A面、B面サイドを二人の編曲家で色をわけ、各作家陣が原田さんのために素晴らしい仕事をしてますよね。その後は秋元ー後藤体制で作品を残していく事になり、あくが強いこの二人が中心となった作品群は原田ファンの中では嫌う人も多くなってしまうわけですが…。しかし、現在だったら言うまでも無く、後何年か遅くれていてもこの才能を育て活かせるだけの音楽界じゃなくなっていくだけに、本当に時代に選ばれた人と言う気がしてます原田さんという人は。昨年25周年コンサートでは高橋、大貫、鈴木慶一等の豪華ゲストと一緒に、そして今年はある番組でユーミンと「ダンデライオン」を歌っていましたが、超一流のアーティストにまったく遜色ないその存在感となんとも言えないその歌声に改めて驚愕しました。
Commented by kaz-shin at 2009-05-18 23:28
哲学者になりたい猫さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
相変わらず詳しいですね。いつも勉強になります。
レコード時代はA面とB面でこういう色を変えた作品が多かったですよね。
CDですとレコードのようにA面からB面に切り替えるというインターバルが無いので、どうしてもこういう企画には向きませんね。
角川映画出身の特に薬師丸さんと原田さんは歌の上手い下手と言うより、やはり声質の魅力で聴かせるタイプのシンガーですね。
そういう意味では個性的で良いシンガーであると思います。
Commented by 通りすがりの、大井川以西 の人 at 2009-09-26 21:33 x
はじめまして。
原田知世さんの「羊草べながら」は、
昔、FM静岡でやっていた、大橋祐子アナ(当時)の
「祐子のスイートピーノート」(1980年代 の番組)で、
カセットに収録し、何十回も聴いていました。

曲名が判明し、ありがとうございます。
Commented by kaz-shin at 2009-09-26 23:47
通りすがりの、大井川以西の人さん、はじめまして。コメントありがとうございます。

私の紹介記事が少しでもお役に立てたとしたら本当に嬉しいです。
人それぞれに心に残っていながらも曲名やアーティスト名がはっきりしない曲ってありますよね。
私もふと中古で買ったCDに思わず「この曲知ってる!結構好きだったなぁ」なんて曲に出会うこともしばしば・・・。

通りすがりの、大井川以西の人さんにとって「羊草食べながら」が、これからも想い出の曲として心に残っていくことを願っております。
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