今回はBOOK OFFの250円コーナーで見つけたお気に入りのアルバムを紹介します。
1989年にアイドル・グループ、ribbonでデビュー。ribbon解散後は現在に至るまで女優として活躍している永作 博美が1993年にリリースしたソロとしては1stアルバムとなる『N』です。
このアルバムは、随分前からBOOK OFFで見かけており、聴いてみたいなと思っていながらもなかなか購入まで至らずにいました。先日、またこのアルバムをBOOK OFFの250円コーナーで見つけたので思い切って購入しました。
実際に聴いてみたところ、予想以上に心地良いアルバムだったので今回紹介してみることにしました。
私はriboon時代の曲は全く知りません。容姿に関しても私好みではないので、特別彼女に興味があった訳でもありません。しかし女優としての彼女は独特な存在感があり、そこに不思議な魅力を感じていたんで女優のアルバムという観点で興味を持ったというのが本音です。
このアルバムの良さは、永作 博美のヴォーカルの魅力はもちろんですが、やはり亀田 誠治のアレンジの良さにあると思います。ご存知の方も多いと思いますが、亀田 誠治はプロデューサー、アレンジャーとして活躍しており、椎名 林檎、スピッツ、平井 堅、スガシカオ等のプロデュースやアレンジを手掛けており、ベーシストとして東京事変でも活躍しています。その亀田 誠治のアコースティックなサウンドを軸にしたアレンジが素晴らしく、このアルバムの心地良さはまさに彼のアレンジの賜物だと思います。
『永作 博美 / N』
01. Prelude
02. Go Alone For Love
03. 私のままに
04. My Home Town (Album Version)
05. 告白
06. 雨の月曜日
07. いちばんの友達 ~I Hope Your Happiness~
08. With
09. EAST
亀田 誠治作・編曲による01は、歌詞が無く永作 博美のスキャットのみで聴かせる短いナンバーです。これが程よく気持ち良くて、続く曲へ期待感が膨らみます。
作詞:山本 秀行、作曲:尾関 昌也、編曲:亀田 誠治によるPOPチューン02。亀田 誠治のアレンジが秀逸です。特に渡辺 等のウッド・ベース、古川 昌義のアコースティック・ギター、中西 俊博のヴァイオリンという生の弦楽器の使い方が巧みで、心地良いサウンドを作り上げています。間奏の富樫 春生のピアノ・ソロも良いです。
作詞:山本 秀行、作・編曲:亀田 誠治によるミディアム・ナンバー03。打ち込みのリズムに吉川 忠英のアコースティック・ギターのバッキング、山田 秀俊のピアノという生楽器を加えて独特なグルーヴを醸し出しています。どの曲にも共通しているのですが、永作 博美の歌声とバックのサウンドの相性が良いというのが、気持ち良さに繋がっているように思います。
作詞:秋谷 銀四郎、作曲:黒沢 健一、編曲:亀田 誠治によるシングル曲04。素朴という感じのメロディーで、耳にすんなり馴染んでくる曲です。この曲もアレンジの良さが光ります。サビ部の男性ヴォーカルは比山 貴詠史です。インパクトは無いですが、聴くほどに沁み込んでくるような曲ですね。
作詞:永作 博美、作曲:秋元 薫、編曲:亀田 誠治によるバラード・ナンバー05。シンプルなアレンジが永作 博美のヴォーカルを際立たせています。特に比山 貴詠史、木戸 やすひろ、広谷 順子によるコーラス・ワークの美しさと永作 博美のヴォーカルが絶妙にマッチしています。
作詞:山本 秀行、作曲:あらい あきの、編曲:亀田 誠治による軽快なナンバー06。普通だったら月曜日に雨というのは気分が滅入るようなものですが、この曲を聴くとそんな気分を晴らしてくれそうな気がします(笑)。
作詞:山本 秀行、作曲:清岡 千穂、編曲:亀田 誠治によるキャッチーなPOPナンバー07。メロディー、アレンジ共にアルバムで1番お気に入りのナンバーです。土方 隆行の絶妙なギター・カッティング、古川 昌義のスパニッシュ風アコースティック・ギター、ジェイク・H・コンセプションのサックス・ソロがたまらなく格好良いです。
作詞:渡辺 なつみ・永作 博美、作曲:米村 裕美、編曲:亀田 誠治によるバラード曲08。重実 徹のピアノ伴奏主体で歌われており、そのシンプルな演奏が美しいメロディーを際立たせています。
作詞:山崎 羽咲、作曲:山崎 利明、編曲:亀田 誠治によるミディアム・ナンバー09。スケールの大きさを感じさせるアレンジで、梶原 順のダイナミックなギターが曲を盛り上げています。
特に「この曲が凄い!」という曲は無いのですが、素直なメロディーと素直のヴォーカルを亀田 誠治のセンスの良いアレンジで一気に聴かせてしまうという感じのアルバムです。この心地良さが癖になって、また聴きたくなってくるんですよね(笑)。
永作 博美のヴォーカルも上手いとは言えないまでも丁寧に歌っていますし、何より声質の良さもあって凄く聴き易いです。
春から夏、あるいは夏から秋といった過ごし易い季節にピッタリではないかと思います。
興味があったら聴いてみて下さい。
何がいいんだかの私家集的なアルバムですがこういうのを
メジャーなアルバムの合間に。まめに取り上げられるkaz-shinさんに敬服します。
音楽業界の良さというのは決して多数決的な答えばかりでない。
解はリスナーの数だけあるということです。
¥250で味わえるリバティー、そう思えばナイスなやり方です。
私も人が見向きしなくなったものにもう一度再評価を与えたまには
光を当ててやりたい。そんな(仕事)を続けています。
それって仏教でいう「成仏」かな(笑)、いやいや、kaz-shinさんはもう名僧の域に達していますよ。
このアルバム、聴いてみたいですねー。
なかなか豪華なミュージシャンにも興味がありますが、なんと言っても亀田誠治のアレンジを聴いてみたいです。まだ、メジャーな人気を得る前ですもんね。
このアルバム、探してみます。
亀田誠治さん名前は、椎名林檎の頃に知ってたんですが、これの前の作品は、良いですね。最近ではベースを弾いてますが、この頃のサウンドは、作らないですかね。
この後の2nd アルバム「Here and Now」も秀逸です。「N」と同じく、軽やかなサウンドです。音としては、嫌みはないと思います。こちらもアレンジは、亀田誠治さんです。
Kaz-Shinさんは、以前好きなリズム隊は、渡嘉敷祐一さんと岡沢 章さんのコンビが好きと仰ってましたが、夏川りみさんのニューアルバムに渡嘉敷さんと岡沢さんのコンビが1曲載ってました。
もう一つ、「最後の雨」を歌った中西保志さんが「LAST CALL」というバラード曲を出したん(日本移動通信(現在のKDDI)のCMソング)ですが、この曲に渡嘉敷さんと岡沢さんのコンビが参加してました。アレンジとギターは鳥山雄司さんです。良い歌ですよ。
私が"250-BOOK OFF"というカテゴリを作ってアルバムを紹介しているのは、
単純にこの値段でこんなに楽しいアルバムが聴けるということを知って欲しかったのと、
普段興味の無いアーティストや音楽ジャンルであっても、250円という価格であれば冒険しても良いのでは?という思いがありました。
最近のBOOK OFFは昔に比べて値段の付け方がシビアになってしまって昔みたいになかなか良いアルバムには出会えませんが、
これからも面白いアルバムを250円で探したいと思います。
そしてこのブログを訪れてくれる方の音楽ライフに少しでも貢献出来れば嬉しいなと勝手に思っています(笑)
永作 博美さんがストライク・ゾーンなら買って損はありませんよ。
特にファンでもない私が良いと思えるのですから。
亀田さんのアレンジが本当に良いんですよ。打ち込み、生のリズム隊に使い分けも見事ですし、センスの良さが光っています。
探せば見つかると思いますので、ぜひ。
このアルバムを聴いてから、2ndアルバムも探しているのですが、まだ見つけられていません。
ぜひ聴いてみたいと思っています。
渡嘉敷さんと岡沢さんのコンビが夏川りみさんのアルバムに参加しているというのは、ちょっと意外でした。
中西さんも「最後の雨」をリリースした頃のアルバムは聴いてましたが、最近は聴いていません。
機会があれば聴いてみたいと思います。情報ありがとうございました。
訂正です。
「LAST CALL」という曲は、最近の曲ではなくて、「最後の雨」(1992年)をリリースした1年後の1993年にリリースしてます。手に入るのなら、オリジナルなら、「Warmin'」(1993年)と「It's only a Ballade」(1995年)というバラードアルバムで手に入ると思います。申し訳ございません。
>渡嘉敷さんと岡沢さんのコンビが夏川りみさんのアルバムに参加しているというのは、ちょっと意外でした。
これは、「光らない星」という曲で参加してます。アレンジは坂本昌之さん。