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大橋 純子&美乃家セントラル・ステイション_CRYSTAL CITY ◇ 2009年 06月 13日
大橋 純子&美乃家セントラル・ステイション_CRYSTAL CITY_e0081370_085679.jpg 

今回紹介するのは、今年デビュー35周年を迎え、この6月10日にはフォノグラム時代のオリジナル・アルバム11枚と2枚組のシングル・コレクション、ソニー時代の2枚組ゴールデン・ベスト、そしてニュー・アルバム1枚の合計14枚ものアルバムをリリースした大橋 純子の通算4枚目、大橋 純子&美乃家セントラル・ステイション名義としては2枚目となる『CRYSTAL CITY』(1977年リリース)です。

何より嬉しかったのは、フォノグラム時代のオリジナル・アルバム11枚がリイシュー(うち3枚は初CD化です)されたことですね。本当は全部欲しいのですが、予算の都合上で美乃家セントラル・ステイション絡みのアルバムを中心に5枚購入しました。特に私の大好きな『FULL HOUSE』(1979年)がCDで聴けるのは本当に嬉しいです。リマスターされており音質もかなり良いですし、ボーナス・トラックも付いて2,000円はお買い得だと思います。

さて『CRYSTAL CITY』ですが、まだまだ歌謡曲が全盛で、ようやくニューミュージックが広がり始めたというような時代に制作されています。当時これだけFUNKYな曲を歌っていたシンガーは大橋 純子と吉田 美奈子くらいなものでしょう。しかし、ヴォーカルの迫力、声量の凄さという点では、元祖FUNKの女王は大橋 純子かなという気がします。
アルバムの収録されている楽曲はバラエティに富んでおり、CITY POPあり、FUNKあり、Mellowありと言った感じで32年も前に制作されているにも関わらず、今聴いても全く古さを感じさせません。これはバック・バンドである美乃家セントラル・ステイションの演奏力や佐藤 健、林 哲司、土屋 昌巳、増尾 元章、梅垣 達志、深町 純といった作家陣の書いたセンスの良い楽曲のおかげでしょう。
特に美乃家セントラル・ステイションのFUSIONテイストたっぷりの演奏は本当に素晴らしいです。美乃家セントラル・ステイションはアルバム毎に若干メンバーの違いがありますが、このアルバムの演奏メンバーは、
佐藤 健(key)、菊池 ひみこ(key)、見砂 和照(ds)、土屋 昌巳(g)、松本 正嗣(g)、杉本 和也(b)、高杉 登(per)の7人です。FUSIONが好きな方には憶えのある名前が多いと思います。
凄い演奏と凄い大橋 純子のヴォーカルを堪能出来るアルバムです。

『大橋 純子&美乃家セントラル・ステイション / CRYSTAL CITY』
01. クリスタル・シティー
02. 霧に抱かれて
03. FUNKY LITTLE QUEENIE
04. 男と女のいる舗道
05. 落日風景
06. アラビアン・ナイト
07. 夜のハイウェイ
08. 炎のヒロイン
09. 風のシルエット
10. LIKE A SEA GULL
BONUS TRACKS
11. FUNKY LITTLE QUEENIE (プロモーション・ロング・ヴァージョン)
12. FUNKY LITTLE QUEENIE (英語ロング・ヴァージョン)

歌詞、メロディー、アレンジ共にCITY POPの見本とも言える名曲01。リズム・セクション、ホーン・セクション、ストリングスが見事に融合している佐藤 健のアレンジが秀逸です。

作・編曲:林 哲司によるバラード・ナンバー02。綺麗なメロディーですが、どことなく暗さが漂う曲でもありますね。美しいストリングスが印象的なんですが、ストリングス・アレンジは萩田 光雄が手掛けています。

強烈なFUNKナンバー03。あの小さい体のどこからあんな凄い声が出るのかと不思議でなりません。土屋 昌巳のアレンジ曲で、菊池 ひみこのエレピ・ソロ、村岡 健のサックス・ソロがフィーチャーされています。しかし、やはり大橋 純子の迫力あるヴォーカルが光っています。

ボッサ・ナンバー04。この曲もまさにCITY POPなナンバーです。デュエット・ヴォーカルは佐藤 健で、上手くは無いのですが良い味出してます。ジェイク・H・コンセプションの美しいフルート・ソロが素晴らしいですね。

何とも優雅でアダルトなナンバー05。JAZZYなアレンジは萩田 光雄です。曲は増尾 元章。それにしても大橋 純子はどんなタイプの曲においても素晴らしい歌声を聴かせてくれますね。03と全く違うヴォーカル・スタイルですが、実に上手いです。

作詞・作曲・編曲:土屋 昌巳による06。パーカッションを効かせたアレンジは、まさにタイトル通りアラビアンな感じに仕上がっています。土屋 昌巳らしい個性的な曲です。

萩田 光雄のアレンジが光る07は、まさに都会の夜を連想させます。渋いメロディーとアレンジが絶妙にマッチしています。作曲は梅垣 達志。

作詞:松本 隆、深町 純の作・編曲による08。この曲では深町 純自身もキーボードで参加しています。アレンジはPOP色が強いですが、大橋 純子のヴォーカルは結構FUNKYです(笑)

メロウ・ナンバー09。佐藤 健の書いた01、04とこの09は3曲ともCITY POP色が強く、本当にセンスの良いメロディーを書きますね。大橋 純子のヴォーカルが風のように心地良く響きます。

林 哲司の作・編曲によるしっとりとしたバラード曲10。02よりも林 哲司らしいメロディーです。特にサビのメロディーは洋楽チックです。まだ作曲家としてブレイク前ですが、この時点で既に才能は開花しつつあったということを強く感じさせる曲です。

大橋 純子という人は、歌を歌う為に生まれてきた人なんだと強く感じますね。
声量・音域・表現力全てにおいて超一流です。ここまで歌えるシンガーってそうは存在しません。どんなタイプの曲も歌いこなせるシンガーとしてのキャパシティは相当なものです。
一般的に大橋 純子と言えば、「たそがれマイ・ラブ」や「シルエット・ロマンス」を思い浮かべる人が多いと思いますが、彼女の本当の凄さはアルバムを聴かないと分からないかも知れません。これから先何度かリイシューされたアルバムを紹介しようと思っていますので、記事を読んで興味が湧いたアルバムがあったら、ぜひ聴いてみて下さい。その格好良さにきっと驚くはずですから・・・(笑)
by kaz-shin | 2009-06-13 02:09 | CITY POP / J-AOR系 | Comments(16) | |
Commented by Apollo at 2009-06-13 08:58 x
ちっ!先を越されてしまいました!

当時私がハマッて聴いていたのは「Rainbow」でした。
ホントに擦り切れるほど聴いたものです。
今日、買いに行く予定ですので、運良くゲットできたらレヴュー書きますね。
Commented by サラ at 2009-06-13 20:24 x
こんばんわ
そうなんですか~!大橋 純子&美乃家セントラル・ステイションのCD再発ですか、なかったんですよね~。
私もお財布と相談して何枚か買いです!(笑)
「Rainbow」はお気に入りですし、「CRYSTAL CITY」もレコードは持っていました。たしかコンサートにも行きました。今ではあの土屋昌巳さんが居たなんて信じられませんね~!
Commented by ギムリン at 2009-06-13 21:34 x
おおお、大橋純子さん再発ですか。これは予算に入れなくては。
夕張応援のカバーアルバム第2弾も出てましたっけ?

ところで、ご本人は、歌手でなくアナウンサーとかDJ志望だったんですよね~。まあ、どっちにしても声を使うお仕事ですが。
ちなみに、現在の純子さんのバンマスの和田さんは、20代後半の岩崎宏美さんのバックバンド「激光旋律団」でピラミッド前で演奏した方でもあります。
Commented by まつのすけ at 2009-06-13 23:16 x
大橋さんのリイシューをとある方のブログで知って気になっていました。私のような若造にオススメのものはあります?
因みに、吉田美奈子さんの曲は好きな曲もあるので大丈夫です。大橋さんは、シルエット ロマンスのイメージが強すぎて、取っつきにくい感じもします。
Commented by kaz-shin at 2009-06-13 23:35
Apolloさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
先を越してしまい、申し訳ありませんでした(笑)

このリイシューは本当に嬉しかったので、書かずにいれませんでした。
『Rainbow』は名盤ですね。私も大好きな1枚です。
紹介記事、楽しみにしてます。
Commented by kaz-shin at 2009-06-13 23:40
サラさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
フォノグラム時代のオリジナル・アルバムが初CD化も含め、全部リイシューされました。
ボートラ付きで1枚2,000円ですからお買い得だと思います。
やはり『Rainbow』がお気に入りですか!確かに名盤ですからね。
第1期の美乃家セントラル・ステイションの土屋 昌巳さんの存在は大きかったですね。
FUNKYな曲はほとんど土屋さんが書いてましたよね。
Commented by kaz-shin at 2009-06-13 23:56
ギムリンさん、コメントありがとうございます。
『TERRA』は北海道出身のアーティストのカヴァーでしたが、
今回リリースされた『TERRA 2』はいわゆる大橋純子と同じ時代を活躍してきて、
現在もなお一線で頑張っているアーティストの曲をカヴァーしているとのことです。
Commented by kaz-shin at 2009-06-14 00:12
まつのすけさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
お薦めのアルバムですか~、責任重大ですね(笑)
あくまでも私の好きなアルバムということでご了承下さいね。
私は大橋純子名義のアルバムよりも大橋 純子&美乃家セントラル・ステイション名義のアルバムが好きなんです。
そこで私の推薦盤としてのベスト3は、
第一位、『FULL HOUSE』
第二位、『RAINBOW』
第三位、『CRYSTAL CITY』
以上3枚です。
試聴出来るところがあれば、試聴してから購入した方が良いかも知れません。
Commented by kotaro at 2009-06-14 05:13 x
そうですね、この一曲目がボーカリスト、大橋純子としての真骨頂ではないでしょうか。
いきなりこれをもってくるkaz-shinさんの思い入れを感じます。

美乃家セントラル・ステイションにあの土屋昌巳がいたということも、後の伝説の付け加えの1ページに過ぎません。むろん彼の演奏は歌番組でも目立っていましたね。

それよりこの女(ひと)が所属していたこの時代の北島音楽事務所には、山本譲二、もんたよしのり、といった超個性的な声の総合百貨店的なメンバーが所属していたことが凄い。
なんといっても、トップが「与作〜♪」の御大ですからね。
いまのオフィス・オーガスタも目じゃない。ジャパニーズ・ソウル&ファンクミュージックの殿堂でっせ。(笑い)

音楽好き仲間と「きっとハナ式呼吸で歌う特訓があるんだ」とか無責任なこと言ってましたが、この事務所のアーチストたちは目が離せませんでしたね。
「夜霧のハウスマヌカン」もここからです。
Commented by kaz-shin at 2009-06-14 21:28
kotaroさん、コメントありがとうございます。
今回のリイシューには、アルバムにまつわるエピソードを大橋さん、佐藤健さん、ディレクターの本城さんの対談形式で載っています。
凄いと思ったのは、当時の北島事務所がきちんと大橋さんの方向性を捉えていたことです。
事務所側がプロデューサーに依頼をかけていたようです。
北島事務所と言うと、どうしても演歌中心と思いがちですが、きちんと音楽を理解しているスタッフがいたんでしょうね。

第一期の美乃家セントラル・ステイションは、佐藤健さん、土屋昌巳さんの二つの個性が良い意味でぶつかり合っていた面白さがありますね。
演奏力も相当高かったと思います。
逆に第二期の美乃家セントラル・ステイションでは、サウンド的にも楽曲にも個性的な曲が少なくなった分、
まとまりがあって曲も平均的に聴き易くなった印象があります。
個人的には演奏力では第一期が好きなんですが、アルバムのトータル的なバランスだと第二期が好きですね。
だから『FULL HOUSE』が1番のお気に入りになってます。
Commented by まるいチ-ズ at 2009-06-15 07:59 x
おはようございます
結局、全部買ってしまいました(うう、、)
以前に村田和人さんが再発された時、一部を後回しにして何枚か買いそびれてしまった後悔が今も残ってまして(苦笑)、、一気に行ってしまいました(汗)
このアルバムは77年の秋だったと記憶しています、秋~冬のイメージの曲が多く、都会に暮らす女性(OLさん)の日常、心象を歌っていますよね。純子さんの歌、美乃家の演奏は素晴らしいの一言、アナログ盤のA面01~05の流れが素晴らしいです。
kaz-shin さんは近年のものも聴かれていると思いますが、感想は如何ですか?私はミスセレナスやFor Tomorrow 、trinta などが好きでよく聴いています。


Commented by kaz-shin at 2009-06-15 21:54
まるいチーズさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
そうですか!全部買いましたか!羨ましい(笑)
確かに買える時に買っておかないと、いつのまにか入手困難になってたということありますね。

実は私、フォノグラム時代以外のアルバムってほとんど聴いたことがありません。
まるいチーズさんが好きだというアルバム3枚、今度探してみますね。
この3枚のアルバムにもFUNKYな曲ってありますかね?
Commented by まるいチ-ズ at 2009-06-16 07:57 x
おはようございます
特にFor Tomorrow 、trintaは美乃家時代を思い起こさせる印象があります。trintaでは土屋さんとの競演もありますよ。FUNKYな曲あり、当時のCITY POP風ありで純子さんの歌も変わらない素晴らしさです。
BOOK OFFで250円で可能かと(笑)
Commented by kaz-shin at 2009-06-16 23:59
まるいチーズさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
『For Tomorrow』、『trinta』の2枚、探してみます!
俄然聴いてみたくなりました(笑)
ありがとうございました。
Commented by LOVE☆YUYA at 2010-05-03 20:00 x
確かに『Trinta』は名盤ですよね。大橋純子のリイシューシリーズもあと少しで全部揃います(笑)『CRYSTAL CITY』はジャケットもいいですし、1曲目と最後の曲だけでもシティポップの教科書みたいな作品ですよね(笑)佐藤健って、大橋純子はもちろん、松原みきなどにもいくらか曲提供してますが、他ではあまりみかけませんよね?中山美穂の87年のアルバムには結構、佐藤健の曲がたくさん入っていてなかなかいいですよ。全曲松本×筒美のアルバム(86)と角松プロデュースのアルバム(88)の間に佐藤健ってなかなか感慨深いものがあります。後、同時期に佐藤健の作曲センスが光る名曲「東京SICKNESS(芳本美代子)」も小ヒットしていい時代でした。
Commented by kaz-shin at 2010-05-04 08:12
LOVE☆YUYAさん、コメントありがとうございます。
佐藤 健さんは結構色んなアーティストに提供してますよ。
私のYouTubeにUpした伊東ゆかりさんのアルバム、国分友里恵さんのアルバム、香坂みゆきさんのアルバムのも曲を書いてます。
林哲司さんのプロデュース作品に曲を書いているケースが多いみたいです。
昔から一緒に仕事してきた盟友ですからね。
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