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渡辺 貞夫_SADAO WATANABE ◇ 2009年 06月 13日
渡辺 貞夫_SADAO WATANABE_e0081370_21323235.jpg 

今回紹介するのは、日本を代表するJAZZ MANである"ナベサダ"こと渡辺 貞夫が1987年にリリースしたベスト盤『SADAO WATANABE』です。
ナベサダと言えば、1978年頃に自身が出演(草刈 正雄と共演)した資生堂・ブラバスのCMで使われた「CALIFORNIA SHOWER」が収録されたアルバム『CALIFORNIA SHOWER』が大ヒット。それまでブームの兆しのあったFUSION音楽を一般に広く知らしめたと言っても過言ではないと思います。私もJAZZ MANのアルバムで初めて手にしたのがナベサダでした。

このベスト盤に収録されているのはビクター時代の音源で、しかもDave Grusinが関わった楽曲を中心に選曲されています。『MY DEAR LIFE』(1977年)から1曲、『CALIFORNIA SHOWER』(1978年)から3曲、『MORNING ISLAND』(1979年)から6曲、シングル盤から1曲の計11曲が収録されています。
私がこのベスト盤を購入した理由は二つ。ひとつは、『MY DEAR LIFE』、『CALIFORNIA SHOWER』、『MORNING ISLAND』の3枚はアナログ盤は持っていたもののCDを購入していなかったから。もうひとつは、1980年にシングル盤のみリリースされた「NICE SHOT!」のスタジオ録音音源が収録されていたからです。この「NICE SHOT!」もブラバスのCMで使われていた記憶があります。

ご存知の方も多いと思いますが、収録曲11曲中10曲のアレンジをDave Grusinが手掛けています。『CALIFORNIA SHOWER』ではジェントルソウツのメンバーを中心にロスで録音され、いかにも西海岸のカラッとしたサウンドが特徴で、『MORNING ISLAND』はN.Y.録音で、メンバーもN.Y.で活躍するミュージシャンで固められ爽やかな中にも都会的な雰囲気をもったサウンドが特徴と言えるでしょう。

『渡辺 貞夫 / SADAO WATANABE』
01. CALIFORNIA SHOWER
02. NICE SHOT!
03. INNER EMBRACE
04. SAMBA DO MARCOS
05. SERENADE
06. MORNING ISLAND
07. SEVENTH HIGH
08. TURNING PAGES OF WIND (風の想い出)
09. DOWN EAST
10. HOME MEETING
11. MY DEAR LIFE

アルバム『CALIFORNIA SHOWER』からは01、07、08の3曲がセレクトされています。メンバーは、Dave Grusin(key)、Lee Ritenour(g)、Chuck Rainy(b)、Harvey Mason(ds)、Paulinho Da Costa(per)等が参加しています。
いずれもジェントルソウツらしいサウンドで、いかにも渇いた西海岸の風を感じる01。
ホーン・セクションを加えて少し都会的な印象のあるスリリングなナンバー07。
美しいストリングスが印象的なメロウなバラード・ナンバー08。

アルバム『MORNING ISLAND』からは、03、04、05、06、09、10の6曲がセレクトされています。メンバーは、Dave Grusin(key)、Eric Gale(g)、Jeff Mironov(g)、Francisco Centeno(b)、Steve Gadd(ds)、Rubens Bassini(per)等が参加しています。
N.Y.の夜を感じさせるバラード・ナンバー03。
Dave Grusin作曲によるナンバーで、JAZZYなイントロからサンバへと変わっていくアレンジが絶妙な04。都会のオアシスっていうイメージでしょうか・・・。
しっとりした中にも心地良さを感じるバラード・ナンバー05。Jeff Mironovの渋いギター・プレイとDave Grusinのピアノ・ソロが光っている曲ですね。
まさにアルバム・ジャケットのイメージそのままといった感じの06。これは名曲だと思います。ナベサダのフルートが摩天楼に昇る朝陽を感じさせてくれます。
N.Y.らしいサウンドが格好良い09。この曲の主役はズバリEric Galeでしょうね。渋い1曲です。
シャッフル・ビートが心地良い10。JAZZYでノリの良いナンバーです。

02は日本で録音され、シングルのみでリリースされたと記憶しています。メンバーは、Dave Grusin(key)、Don Grusin(key)、Bobby Broom(g)、Marcus Miller(b)、Buddy Williams(ds)、Roger Squitero(per)です。Buddy & Marcusのリズム隊が良い仕事をしており、"ナイス・ショット!"の爽快感が実に上手く表現されているのではないでしょうか。隠れた名曲だと思っています。

ナベサダの代表的な1曲と言える11。名曲中の名曲ですね。この曲のみナベサダがアレンジしています。参加メンバーは、Dave Grusin(key)、Lee Ritenour(g)、Chuck Rainy(b)、Harvey Mason(ds)、Steve Forman(per)で、まさにジェントルソウツそのものですね。

ナベサダも今年で76歳、初のリーダー・アルバムをリリースしてから実に半世紀近く経つにも関わらず、今でも現役でしかも第一線で活躍しているのですから凄いの一言ですね。
このベスト盤に収録されている曲を録音した頃は45~47歳。そのサックス・プレイには気負いというものを全く感じさせず、逆に余裕すら感じます。Dave Grusinの洒落たアレンジとの相性も抜群で、30年経過した今聴いても古さを感じません。
これからの季節に似合う曲が多いので、毎年この時期に活躍してくれる1枚になっています。
by kaz-shin | 2009-06-13 23:32 | ベスト盤 | Comments(10) | |
Commented by ゆっぴー at 2009-06-14 00:39 x
はじめまして。
貞夫さんのベストアルバムって、たくさんありますよね。
リーダーアルバムだけでも60作以上あるのに、ベスト盤も合わせると何枚になるんでしょうか?

で、今年、まさに今、NYに行かれてレコーディングされるんですから、
前進あるのみ!!!すばらしいです!!
Commented by kotaro at 2009-06-14 04:50 x
民放FMの週末の「マイ・ディア・ライフ」。小林克也のナレーションとクールな演奏。
スタジオライブもあり、毎回コンテンツが楽しみでした。
資生堂がサポートして、一番ラジオ番組の完成度の高い時代の
最高傑作の一つだったのではないでしょうか。
放送/マスコミ/広告業界が自信を持っていた頃。
ナベサダさん、CMに出過ぎでしたが、ぼくはこの放送は毎週かかさず聴いていました。録音したテープも随分あります。

何気なくつけたラジオから、すごくハイブロウな音源が
ただで流れていた時代。ダウンロード何百円なんていうセコい時代と違いますね。
その代わり“授業”に出なければいけない。週末は欠かさずラジオの前に座っていました(笑)
Commented by ゆっぴー at 2009-06-14 06:12 x
おはようございます。
「マイディアライフ」の音源録られていたんですね。
そんな方、たくさんいらっしゃったようで、私は聴けなかったのでお話を聞くたびに残念でなりません!!
今の「ナイトリーユアーズ」も聴けないので悲しいです!!!

Commented by Apollo at 2009-06-14 10:46 x
思いっきり「王道」が来ましたね。

ナベサダは、私にとっては「マイ・ディア・ライフ」から始まってビクター、CBS、そしてワーナーのラルフ・マクドナルドがプロデュースしていたあたりまでがピークです。ライヴ活動に関しては、ごく最近でも世界の子供達との共演など、素晴らしい活動をしていますけどね。

ナベサダの魅力は、彼の人柄がサウンドにそのまま出ていることと、メロディが「歌」であることだと思います。それまでの「JAZZ」のメロディのほとんどが、アドリブをするための単なる「モチーフ」的な存在だったのを根底からひっくり返したのが、ナベサダの曲だったと思えるのです。ジャズ・ファンからは反発を食らいそうですが。

で、彼のライヴも3〜4回観ていますし、レコード・ジャケットにもらったサインも私の宝物のひとつです。
近いうちに、ちゃんと公開しましょうかね。
Commented by サラ at 2009-06-14 13:39 x
今朝、テレビをつけたらNHKの番組で、渡辺貞夫さんが小学生に授業をするという企画でたまたま観ていました。だいぶお年を召されましたが、まだまだ元気いっぱいに熱く小学生に音楽の楽しさを語っておられ、自然と感動してしまいました。
そしましたら、偶然にもこちらで渡辺貞夫さんの記事で驚きました(笑)。
やはり一般的に知られるようになったのは「マイディアライフ」や「CALIFORNIA SHOWER」あたりなんでしょうか・・私もそうです。
一度だけコンサートに行きました。バックにはLee Ritenour、Dave Grusin、Harvey Masonなど、今考えると物凄く贅沢なメンバーでしたよ。
Commented by kaz-shin at 2009-06-14 21:13
ゆっぴーさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
初のリーダー作品をリリースしてから半世紀近く経っているので、アルバムの数も凄いですよね。
私も詳しくは知りませんが、ベスト盤も相当な数リリースされていることでしょうね。
数多いベスト盤の中から自分に合ったベスト盤を探すのも楽しいですよね。
私の場合、選曲的にこのベスト盤はまさに"ベスト"でした(笑)
Commented by kaz-shin at 2009-06-14 21:19
kotaroさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
私も一時期「マイ・ディア・ライフ」は聴いてました。
FM放送に関して言うと、70年代後半~80年代初め頃のFMは、本当に音楽中心で楽しいものでした。
エア・チェックされればレコードの売り上げにもいくらか影響があったでしょうが、
それでも良い音楽を届けようと、喋りを極力少なくして曲を流してくれてました。
今は無駄に喋りばかり多くて曲を流してもワン・コーラスで終わったり・・・。FM放送に魅力を感じなくなってしまいました。
当時は環境的にも純粋に音楽を楽しめたような気がしますね。
Commented by kaz-shin at 2009-06-14 21:47
Apolloさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
ナベサダさんのアナログ盤は結構所有しているのですが、CDとしてはあまり所有していなかったので今まであまり紹介してませんでした。
このベスト盤を聴いていると、単にJAZZ MANが当時流行っていたFUSION音楽に乗っかったという感じではなく、
あくまで"ナベサダ流音楽"という感じがしますよね。
ナベサダさんは音楽のみならず、容姿を含め生き方そのものがJAZZというような本当に格好良い人だと思います。
Commented by kaz-shin at 2009-06-14 21:50
サラさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
サラさんも色々聴かれていますね~。ブログを拝見して感心しております。
TV番組のことは知りませんでした。偶然ですね(笑)
最近アーティストの訃報に触れることも多いので、ナベサダさんにはまだまだ元気に頑張って欲しいと思います。
Commented by halfskits at 2015-09-18 06:38
お久しぶりですね!
「NICE SHOT!」のスタジオ録音ヴァージョンって存在するのかな??っと思って検索したらkaz-shinさんの所に記事が書かれていました(笑)。
おもわず久しぶりのコメント書きましたー。
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