Music Avenue
musicave.exblog.jp
Top
JAYE P.MORGAN_JAYE P.MORGAN ◇ 2009年 06月 28日
e0081370_2122743.jpg 

今回紹介するのは、2000年にまさに"奇跡"と呼ぶに相応しいCD化を果たした1976年リリースのジェイ・P・モーガンの『JAYE P.MORGAN』です。
このアルバムは、若き日のデヴィッド・フォスターがプロデュースし、彼の人脈をフルに使った豪華なミュージシャンの起用と、AIRPLAYのサウンドへの布石とも呼べるようなサウンドが特徴です。しかし、このアルバムは、正式に発売されずに試作プレスのみの数十枚のレコードしか世の中に存在しなかったと言われている作品でもあります。プロデュースを手掛けたデヴィッド・フォスター自身もこのアルバムが世に出ているとは思っていなかったとか・・・。

そんなマニアックなアルバムを私は知る由もありませんでしたが、中田 俊樹氏監修のAORのガイド本を読んで初めてこのアルバムの存在を知りました。存在を知ってからは聴きたくて仕方がなかったのですが、ようやく念願叶ってCD化されたという次第です。
そして、やはりAOR好きにとっては収録曲全9曲にデヴィッド・フォスターとジェイ・グレイドンが関わっているというのも実に興味深いアルバムですね。
本来アルバムの主人公であるジェイ・P・モーガンには申し訳無いのですが、やはりこのアルバムの聴き所は、若かりし日のお馴染みの腕利きミュージシャン達の溌剌とした演奏にありますね。

参加ミュージシャンがとにかく凄いです。David Foster(key)、Bill Mays(key)、Jay Graydon(g)、Lee Ritenour(g)、Ray Parker Jr.(g)、David Hungate(b)、Henry Davis(b)、Steve Schaeffer(ds)、Jeff Porcaro(ds)、Harvey Mason(ds)、Ed Green(ds)、Steve Forman(per)、Bill Champlin(cho)、Kenny Loggins(cho)等という顔触れです。
80年代に入り、もしこの面子でレコーディングをして、そのアルバムがリリースされないというのことは全く考えられないでしょうね(笑)

『JAYE P.MORGAN / JAYE P.MORGAN』
01. I Fall In Love Everyday
02. Keepin' It To Myself
03. Here Is Where Your Love Belongs
04. Closet Man
05. It's Been So Long
06. Let's Get Together
07. Can't Hide Love
08. You're All I Need To Get By
09. It All Goes Round

Jay Graydon & Harry Garfield作の01。軽快なAORナンバーです。特に間奏でのJay GraydonのギターとDavid Fosterのシンセによるユニゾンが印象的です。Harvey MasonのドラミングやRay Parker Jr.のバッキングもこの曲を盛り上げている要因と言えるでしょう。

Average White Bandの名曲のカヴァー02。Alan Gorrieの作品です。David Fosterのクラビネットのプレイと終盤でのJay Graydonらしいワイヤー・クワイヤーが耳を引きますね。特にJay Graydonのギターは好きな人ならすぐに判るほどの"らしい"プレイです。

Bill Champlinの作品03。実に渋いAORナンバーで、Jeff Porcaroのシャッフル・ビート、Lee Ritenourらしいバッキング、Lenny Pickettのサックスが光る1曲です。特にPorcaroのドラミングは格好良いの一言です。

David Foster、Eric Mercury & Donny Gerrardによるボッサ・ナンバー04。涼しげな感じが心地良いナンバーです。派手さはありませんが、よくまとまっているアレンジだと思います。David Fosterのローズのプレイが凄く好きなんですよ(笑)

Stevie Wonderのカヴァー05。美しいバラード・ナンバーです。全体的にしっとりとした演奏ですが、後半になるにつれ徐々に盛り上がっていくDavid Hungateのベース、Jeff Porcaroのドラミングには注目です。やはりPorcaroのドラミングは格好良いですね!

おそらくRay Parker Jr.であろうギターのカッティングが素晴らしいグルーヴィーなナンバー06。そして主人公のJaye P.Morganよりも目立っているBill Champlinのコーラス・ワークも見事です。

EW&Fの名曲のカヴァー07。この曲でもRay Parker Jr.は良い仕事してますね。本当にリズム・カッティングに関してはまさに職人といった感じです。ここでのHarvey Masonのドラミングが結構好きなんですよね。この曲は1978年にHODGES, JAMES & SMITHという黒人女性トリオが、この曲のオケをそのまま使用してリリースしています。他にも03と05もこのアルバムのオケをそのまま流用していたとか・・・。以前紹介したコンピ・アルバム『AOR Light Mellow ~ UNIVERSAL Edition ~』に「YOU CAN'T HIDE LOVE」として収録されているので聴き比べても面白いと思います。

ソウル・クラシックスとして人気の高い08。デュエットのお相手はDonny Gerard。この曲で印象的だったのはDavid Fosterによる美しいストリングス・アレンジですね。続く09でも素晴らしいストリングス・アレンジを施しております。どうしてもリズム・アレンジに注目しがちですが、ストリングス・アレンジに関しても若い時から才能を発揮していたんですね。

David FosterによるJAZZバラード09。Bill Maysの素晴らしいピアノと美しいストリングスに尽きますね。この曲が個人的にはJaye P.Morganに1番似合っている気がしました。

アルバムを通して聴いた印象は、ヴォーカルも演奏も前に出過ぎておらずサラッと聴けるところが良いなと思いましたね。だからBGMとしても最適ですし、何度聴いても飽きがこないのかも知れません。だからと言って淡白という訳では決してありません。集中して聴けば、随所に参加ミュージシャンの素晴らしいプレイを堪能出来るアルバムでもあります。ある意味AORのお手本とも言えるアルバムではないでしょうか。
AOR黎明期のアルバムとしては上出来過ぎるアルバムかも知れません(笑)
AOR好きな方にはぜひとも聴いて欲しい1枚ですし、自信を持ってお薦め出来る1枚です。
[PR]
by kaz-shin | 2009-06-28 22:57 | 洋楽系 | Trackback(1) | Comments(10) | |
トラックバックURL : http://musicave.exblog.jp/tb/10518064
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Tracked from 音楽の杜 at 2009-06-29 22:57
タイトル : Jaye P.Morgan 「Jaye P.Morgan..
フォスター、グレイドンファン必携のAOR幻の名盤 2000年にCD化されるまでは幻のAOR作品として知られていた『超』名盤。デビッド・フォスターの初プロデュース作品。そしてジェイ・グレイドンと一発で分かる個性的なギター満載。つまり「エアプレイ」と同様、聞いていて欲しいと思われる作品。 ジェイ・P・モーガンは50年代に活躍したジャズシンガーらしいです。以下左の写真ジャケは当時のアルバム。いかにも古き良き時代のアルバムって感じです。この当時で20代ということは、本作品発表時は40代ということに...... more
Commented by sssumunion at 2009-06-28 22:59
初めまして!
遊びに来ました!
これからヨロシクお願いしま~す<m(__)m>
Commented by 哲学者になりたい猫 at 2009-06-28 23:21 x
うわ~このアルバムを取り上げてくださるなんて嬉しいですねぇ。リクしようかと思った事もあったんですが、悉く「持ってねぇよ」と言われていたんでこれも無いのかなと思ってました。よく「ながら」で作業する時にかける一枚なんです。本当にこんな良作アルバムが埋もれていて、さらに勝手に何曲かは他のPによって流用されていたりとまさに駆け出し時代のDavid Fosterならではの逸話ですよね、今だったらどんなにみつもっても最低日本では絶対商品化されますもんね、最大のマーケットですもんね,AORとフォスターの(笑)本当にkaz-shinさんが書かれているようにさらっと聴けるんだけど淡白でもないしメロウ過ぎていもいないって所がこのアルバムの特色ですよね。 絶妙のバランスと言うか、幅広い層に喜んでもらえるアルバムだと思いますし、一時期数万円でレコードが取引されていたと言うのも頷けますね。9がよくこのアルバムで異色で不要と言われていますが、私はあまりそう思いませんね。ラストにふさわしい曲ですし、恐らく本人も一番歌いたい曲調がこれで、フォスターの粋なプレゼントで締めたと解釈しています。
Commented by kaz-shin at 2009-06-28 23:46
sssumunionさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
こちらこそよろしくお願いします。
Commented by kaz-shin at 2009-06-28 23:56
哲学者になりたい猫さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
何度も書いてますが、私洋楽は疎いのであまり過度の期待はご遠慮願います(笑)
Jaye P.Morganのヴォーカルも失礼ながら、上手過ぎず下手過ぎずという感じも丁度良いですね。
09に関しては私も入れて正解だったと思っていますよ。
リラックスしたヴォーカルが良いですよね。
記事にも書きましたが、彼女の歌声に1番似合っているのではないかなと思います。
Commented by Apollo at 2009-06-29 13:12 x
おっと、こんな作品が来ましたね。

私も一時話題になった時に、このCDを購入しました。
こんな場合は、過度の期待は禁物なんですが、予想を軽く裏切る気持ちいいサウンドで、すぐに私のお気に入りになりました。
Foster全盛期と比べると割とフラットな録音(ミックス?)になってるのが、Jayeの柔らかいヴォーカルに妙に合っているような気がします。

「名盤!」とは呼べないものの、長く付き合って行けそうな作品だと思っています。
Commented by 240_8 at 2009-06-29 23:04
こんばんは。AORファンのマストアイテムの登場ですね。
コレ、大好きなんですよね。
ジェイ・Pってもともとはジャズ歌手だったようなので、ここでは⑨が彼女本来の持ち味だったと思います。
それ以外はフォスター流AORサウンドですね。これがまた適度にソウルでファンキー、実にかっこいいです。すごい面子なのでレコーディングもノリノリだったのではないでしょうか?
以前kaz-shinさんからもコメントを頂いていた記事をTBさせて頂きました。
Commented by じょん at 2009-06-30 17:36 x
このアルバム、まさに「捨て曲無し」ですね。「針を落とした瞬間」からドキドキしたであろうその当時、このウキウキ感はたまらない。聴いていない人はすぐに買ったほうが良いです。ね。
Commented by kaz-shin at 2009-06-30 21:00
Apolloさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
コテコテのAORという訳でもなく、聴いていて肩が凝らなくて良いですよね。
いつも思うのですが、打ち込みではない生の演奏は時が経っても古臭く感じません。
もちろん録音機材の古さとかシンセの音に時代を感じる時がありますが、人間が作り出すグルーヴは最高ですね。
Commented by kaz-shin at 2009-06-30 21:07
240さん、こんばんは。コメントとTBありがとうございます。
ミュージシャン皆若かったにも関わらず、素晴らしいテクニックとセンスは当時から光っていますよね。
デヴィッド・フォスターにしても正式には2作目のプロデュース作品のようですが、既にある程度完成しているところが凄いの一言です。
それにしてもCD化されたこと自体本当に奇蹟かも知れませんね。
Commented by kaz-shin at 2009-06-30 23:27
じょんさん、コメントありがとうございます。
まだAORが一般的でなかった時代の作品ですが、その分いかにもセッションといった感じの演奏が独特の味を醸し出していますね。
良いアルバムなのは確かです。
<< FUSION SHOWER ページトップ MICHAEL JACKSON... >>
XML | ATOM

個人情報保護
情報取得について
免責事項
Ice Green Skin by Sun&Moon