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松本 伊代_天使のバカ ◇ 2009年 09月 19日
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1981年、松本 伊代がTVで満面の笑顔で「センチメンタル・ジャーニー」を歌っているのを見て、"変な声だし、歌の下手な娘だなぁ"と心底思っていました。
ところが、現在は同年代にデビューしたアイドル系の歌手の中において、彼女ほど心に響く"歌"を歌える"歌い手"は少ないのではないかとさえ思うようになりました。そんな松本 伊代の"歌"の魅力に気付かせてくれたのが、以前紹介した1987年リリースのアルバム『風のように』であり、今回紹介する1986年リリースのアルバム『天使のバカ』でした。

同時期にデビューしたアイドル系歌手には、松本 伊代よりも声量もあり歌が上手い娘は沢山いました。でもテクニックだけでは人の心に響かないんですよね。大切なのは、曲を大切に、丁寧に、そして心を込めて歌うこと。その大切なモノを持っていたのが松本 伊代だったのではないかという気がします。
この頃の松本 伊代の"歌"を聴いて感じたのは、当時彼女は本当に歌うことが好きだったんだろうなということ。そして音楽というものに真摯な態度で取り組んでいたんだろうなということでした。
そんな彼女の歌に魅力を感じたスタッフは、"アイドル歌手・松本 伊代"ではなく"歌い手・松本 伊代"を全面に出すべく奔走したのではないでしょうか。
それほどこの頃の彼女の"歌"には魅力が詰まっています。もし今でも"松本 伊代は歌が下手"と思っている方がいたら、ぜひこの頃の彼女の曲を騙されたと思って聴いてみて下さい。きっと何かを感じるはずですから・・・。

サウンド・プロデュースとアレンジを手掛けているのは船山 基紀。松本 伊代の魅力を引き出している楽曲を提供している作曲陣は、林 哲司、見岳 章、中崎 英也、小林 明子、泰葉、船山 基紀、あらい舞、関口 誠人、渡辺 英樹といったバラエティに富んだ顔触れになっています。

『松本 伊代 / 天使のバカ』
01. 信じかたを教えて
02. 天使のバカ
03. 言えなくて
04. ルージュの選択
05. 不思議なのはサヨならの方法
06. ミスマッチ
07. Swing Swang Swung
08. Kiss And Whisper
09. 奇数の恋の物語
10. きれいな涙

作詞:川村 真澄、作曲:林 哲司による名曲01。初めてこの曲を聴いた時、松本 伊代は決して下手ではないと感じましたね。美しいメロディー・ラインを持ったミディアム・バラードで、林 哲司らしいセンスの良さを感じさせる1曲です。この曲のアレンジは林 哲司だと思い込んでいたんですが、船山 基紀だったんですね。

作詞:川村 真澄、作曲:見岳 章による軽快なナンバー02。アルバム・タイトルにもなっていますが、何ともインパクトのあるタイトルです(笑)。テンポのある曲はまだ粗が目立ちますが、それでも丁寧に歌っているのは好感が持てます。

作詞:戸沢 暢美、作曲:中崎 英也によるしっとりとしたバラード・ナンバー03。バラード曲に関しては表現力も豊で、すごく魅力的に思えます。中崎 英也のメロディーも松本 伊代の歌声に似合っており、良い作品に仕上がっていると思います。

作詞:戸沢 暢美、作曲:小林 明子による04は、アイドル時代の松本 伊代の面影を感じさせるPOPなナンバー。小林 明子も松本 伊代のイメージで曲を書いたんだろうと思いますね。ある意味では松本 伊代らしい曲と言えるかも知れません。

作詞:竹花 いち子、作曲:泰葉によるバラード曲05。これが良い曲でして、失礼ながらあの一時世間を騒がせた泰葉のキャラクターからは想像出来ない繊細なメロディー・ラインを持っています(笑)。このアルバムに収録されているバラード曲は本当に良い曲が多いのですが、松本 伊代のヴォーカルもバラードの方が光っていますね。

作詞:竹花 いち子、作曲:船山 基紀による06。キャッチーなメロディーですが、歌うには非常に難しいと思われるミディアム・ナンバーです。ちょっと頼りなげなファルセット・ヴォイスが何故か魅力的に感じます。かなり練習を積んだろうと思いますが、こういう曲を歌えることも彼女が成長した証でしょう。

作詞:竹花 いち子、作曲:あらい舞による07。この曲のメロディーはかなり強く印象に残ります。2~3回聴くとこの曲の魅力に嵌る、そんな曲です。メロディーも良いですが、船山 基紀のアレンジも素晴らしく、特にコーラス・ワークが良いですね。

作詞:戸沢 暢美、作曲:関口 誠人によるミディアム・バラード・ナンバー08。歌も上達しているのは確かですが、根本的にあの独特な声質というのは松本 伊代によっては最大の武器ですね。この曲を聴いていたら、そんな事を感じました。

作詞:川村 真澄、作曲:渡辺 英樹による明るいナンバー09。南国ムードの漂う船山 基紀のアレンジが軽快で、楽しい楽曲に仕上がっています。

作詞:戸沢 暢美、作曲:林 哲司によるバラード・ナンバー10。Bメロからサビへの流れはバラード職人・林 哲司らしいところです。01に比べると地味な印象ですが、聴くほどに沁みてくるバラード曲ですね。良い曲だと思います。

夜風が涼しく感じるようになると松本 伊代が聴きたくなります。春でも夏でもなく、秋から冬なんですね、聴きたくなるのは・・・。あの独特な歌声の持つ温か味なのかも知れませんね。
松本 伊代や香坂 みゆきは今でもタレントとして活躍していますが、また歌って欲しいと願っています。アイドルから大人の女性となり、妻となり母となった彼女達が今どんな歌を聴かせてくれるのか興味がありますね。
多分売れないかも知れません。でもきっと良い歌を聴かせてくれる気がします。
どこかのレコード会社が企画してくれると嬉しいのですが・・・難しいでしょうね(笑)
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by kaz-shin | 2009-09-19 22:41 | J-POP | Trackback | Comments(14) | |
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Commented by 哲学者になりたい猫 at 2009-09-20 01:05 x
いや~復帰第一レビューがこの作品なのもかましてくれますが(笑)ここまで聴きこんでまた真摯なコメントをなさるKazさん、伊代ちゃん本人読んだら感激のあまり泣いてしまうでしょうね。(是非読ませたいなぁ…)あまりにも(ママドルの現在においても?)「アイドルの中のアイドル」であるがゆえにその音楽的側面、姿勢があまりにも無視されてきたと思いますし、また彼女自身そういう不平不満を声高に人前で主張しない性格がそれを拍車かけてしまったんでしょうか、インタビューの隅々でその無念さを感じる時があります。でも、彼女は残した作品群に誰より静かに誇りを持っていることは現在公式ブログ名が「天使のバカ」になっている事だけ見ても伺えます。今月全音楽を収録したBOXに尾崎亜美さん作詞・作曲、彼女のDだった川原伸司さんも結集し新曲「私の声を聞いて」が収録されるそうです。BOXを買う余裕の無い私みたいな人のためにもいつか単体で聴ける人を楽しみにしてるんですが…。でもあの当時は小学校に遊びに行ってた猫しか音楽的に評価してなかったのが20年の時を経てkazさんのような人に評価される伊代ちゃんはやはり一生懸命頑張り、また幸せな人だと思います。
Commented by kotaro at 2009-09-20 06:44 x
おつかれさんです。朝夕も涼しくなったので
気分は伊代チャンですか?

この辺はシングルEPのみ持っています。
ところで珍しくブックオフ買いに挑戦してみました。
気になったのが、350円のCD買うにも携帯で、多分検索かけて
一生懸命内容を確認してる若い人に気付きました。
「はずれ」を掴まないようにの気持ちはレコードの時代にもありました
が、なんかしんどいなあ、今の時代は。と思ってしまいました。

行為の前に確認しないといけないかどうか、50才から見ると「キミ
大事なのは気持ちナンダヨ」と声をかけてあげたい気分です。
Commented by hisa at 2009-09-21 01:06 x
今年は秋めくのが早いですが、このアルバムはほんとに秋の気分ですね。初期のはじけていた伊代もいいですがこの時期のバラードは独特の世界でいつ聞いても素敵な気分になれます。
ところで、ビートルズが異常に盛り上がってますが、ボートラがあるわけでなしちょっと不思議な感じです。やはりビートルズはモノラルをレコードで聞くのが最高です。あのころと音が変わってはビートルズじゃないですからね。
Commented by LOVE☆YUYA at 2009-09-21 22:51 x
伊代ちゃんは名盤多いですね。9/23に彼女の過去作品が紙ジャケで一斉リリースされますね。自分は『天使のバカ』も含めて8枚予約済です♪伊代ちゃんと言えば同じビクターの今話題のりピー。89年発売の『Blue Wind』を機会があればぜひ!作家陣も、尾崎亜美、財津和夫、浜田金吾、南佳孝、上田知華と豪華です。(やや、作風も含め聖子と被りますが…)で、また伊代ちゃん同様船山基紀がいい仕事してるんですよ~。特に尾崎作曲の「想い出に帰りたい」という曲はなぜシングルでないのかと疑問に思う程の名曲。イメージよりも歌は上手いです。彼女を「碧いうさぎ」で片付けるのはもったいなすぎると思ってしまう魅力的な1枚です。
Commented by kaz-shin at 2009-09-21 23:44
哲学者になりたい猫さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
レスが遅くなりました。すみません。
せっかくのSWなので、あちこちと出かけて遊びまくってます(笑)

伊代さんの歌、良いですね~。
お世辞にも上手いとは言えないのですが、でも彼女の歌は沁みてくるんですよね~。
技術的に上手いだけの最近のシンガーよりもはるかに魅力的です。
紙ジャケで再発されるんですね、知りませんでした。
そんな時期に伊代さんを取り上げたのも、何かの縁かも知れません。
これで入手しやすくなったんで、色々聴いてみたいなと思ってます。
Commented by kaz-shin at 2009-09-21 23:51
kotaroさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
仕事の疲れは無くなってきましたが、今度は遊び疲れが・・・(笑)

アナログ・レコード時代は、よっぽどレコード屋の店員と親しくならない限り、試聴も出来ないのが当たり前の時代でした。
当然ハズレもありました(笑)。でもそのハズレが何年後かには当たりに変わったこともありました。
また10曲中9曲ハズレでも、1曲が自分にとっての名曲だったなら、それで十分価値があるという気がします。
情報が溢れている時代ならではでしょうね、検索する行為自体当たり前のことなんでしょうね。
要は聴いてみたいのか、否かなんですけどね。
Commented by kaz-shin at 2009-09-21 23:56
hisaさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
普通、歌の下手と言われてる人のバラードは確かに聴いていて辛いものがありますが、伊代さんの場合は違いますよね。
伊代さんはバラード曲が本当に良いですね。

私はビートルズ・フリークの一人だと自負しておりますが、今回のリマスター音源にはあまり興味がありません。
音が良くなっているというのは喜ばしいことだと思いますが、60年代には60年代の音が存在するんですよね。
そこに時代の空気感も存在しているんだと思います。
だから私は通常のCDで十分ですね。
こんな事言ってるようじゃ、フリークとは言えないでしょうけど(笑)
Commented by kaz-shin at 2009-09-22 00:05
LOVE☆YUYAさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
お久しぶりですね。

伊代さんのアルバムは、ベスト盤を含め数枚しか聴いてませんが、本当に良い曲が多いですね。
今回の再発は、あれこれと聴いてみたいと思っていたんで、グットタイミングでした(笑)
『Blue Wind』もぜひ聴いてみたいと思います。
情報ありがとうございました。
Commented by たにぴ@もまゆきゅ at 2009-09-23 01:28 x
誕生日、おめでとうございます。
私も同じ日なわけですが(^^;;;;;

松本伊代さんの公式blogがこのアルバムのタイトルなのは、
誇りって言うか、…自分というタレントをよく把握してるからだと想います。

それを、誇りと呼ぶことも、…まあ、出来るのか。出来るかもな。うん。
Commented by kaz-shin at 2009-09-23 23:41
たにぴさん、こんばんは。コメントとお祝いの言葉ありがとうございます。
そして私からも・・・
誕生日、おめでとうございます!
毎日のように更新されているたにぴさんは本当に凄いなと思います。
これからもマイペースで頑張って下さいね。

伊代さんのアルバムも再発されるそうで、これを機会に多くの人にちゃんと聴いて欲しいなと思いますね。
ちゃんと聴けば良さは分かるはずですからね。
Commented by LOVE☆YUYA at 2009-10-03 09:44 x
おはようございます。連日のコメント申し訳ありません(汗
松本伊代の紙ジャケ8枚聴いてみたので報告です(笑)特に初期の作品は初めて聴くものが多かったのですが、「センチメンタル・ジャーニー」のイメージで聴くとぶっ飛びます(笑)
伊代ちゃんって1stアルバムからすでに名盤を世に出してたんですね~…
初期の吉田美奈子や大貫妙子の作品に近いと言ったら言い過ぎか!?(笑)
「別れの風景」という曲やSHOGUNのケーシー・ランキンが作曲した「夜間飛行(ミッド・ナイトフライト)」という曲などは、ボーカルも含めとても16歳の女の子が歌っているとは思えない渋さです。驚きです。
Commented by LOVE☆YUYA at 2009-10-03 09:45 x
続き。
他の作品も甲乙つけがたい作品ばかりで、失礼ながら河合奈保子のアルバムもほとんど持っていますが奈保子初期の直球歌謡曲路線とは、雲泥の差です。(歌唱力なら奈保子が圧倒的に上ですが…)
伊代の作品は初期後期関係なくどれも素晴らしいと分かりました。他にもLAミュージシャンの演奏をバックに南佳孝、杉真理らの提供曲を歌う『夢ひとつ蜃気楼』などお薦め作ばかりです。
また続きます。
Commented by LOVE☆YUYA at 2009-10-03 09:49 x
続き。
この紙ジャケシリーズには松本伊代と当時の制作スタッフのインタビューを含んだライナーが大河的に掲載されているんですが、伊代やスタッフの音楽に対する愛を感じることができます。
特に伊代が自身の作品について真摯に語る様は普段テレビで見る彼女の姿とは全く別でかなり新鮮です。本当に歌を歌うことが好きだったんだなぁ…って。
それからライナーにも書かれてましたが松本伊代は「秋に強い」と。彼女の切ないボーカルは確かにこれからの季節にマッチするのでしょうね。事実、松本伊代の売り上げ上位曲「センチメンタル~」(81)「抱きしめたい」(82)「時に愛は」(83)「ビリーヴ」(84)などはすべて秋冬にかけてヒットしましたからね。
Commented by kaz-shin at 2009-10-04 23:54
LOVE☆YUYAさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
伊代さんの初期作品も良さそうですね。
全部揃えるという訳にはいかないと思いますが、他のアルバムも少し聴いてみたいと思います。
色々情報ありがとうございました。
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