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渡辺 真知子_TAHIBALI ◇ 2010年 05月 23日
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今回レビューするアルバムは、渡辺 真知子が1990年にリリースした12枚目のオリジナル・アルバム『TAHIBALI』です。

1977年のデビュー曲「迷い道」が大ヒットし、一躍TOPアーティストの仲間入りをした渡辺 真知子でしたが、流石に1990年頃は人気も低迷していた頃であり、セールス的にも芳しくなかっただろうと思います。
しかし、彼女のソング・ライターとしての非凡な才能は埋もれることなく、このアルバムにも良い曲を沢山書いています。ヒットが至上命令のような時期とは違って、実に自由に音楽を楽しんでいる雰囲気を感じます。
或る意味縛りを解かれた開放感が、このアルバムのカラーである"ラテン音楽"に繋がっているのかも知れません。

アルバム・タイトルやジャケット写真から受けるイメージは"ガムラン音楽"なんですが、もっと広い捉え方が出来ます。言うなら「渡辺 真知子 meets ラテン音楽」といった感じでしょうか・・・。
サウンド・プロデュースは笹路 正徳で、笹路のアレンジが光るアルバムとも言えます。作曲は8曲を渡辺 真知子が、残り2曲を神保 彰が書いています。
参加ミュージシャンは、渡嘉敷 祐一(ds)、岡本 敦男(ds)、岡沢 章(b)、渡辺 直樹(b)、土方 隆行(g)、笹路 正徳(key)、吉川 忠英(a-g)、菅原 裕紀(per)、赤木 りえ(fl)、淵野 繁雄(sax)、Francis Silva(vo)等です。

『渡辺 真知子 / TAHIBALI』
01. TAHIBALI
02. GOSTO DE SAMBA
03. コハウ・ロンゴロンゴ -ものいう樹-
04. Overseas Call
05. Seagull
06. BETTERFLY FISH
07. VAMOS CANTAR
08. LOVEBIRD
09. 夢をわたる鳥たち
10. いつものように

ピックアップ曲:
「TAHIBALI」 / 作詞:大山 潤子、Flancis Silva、作曲:渡辺 真知子、編曲:笹路 正徳
ラテン風CITY POPナンバーといった形容がピッタリくる、そんな1曲です。サビまでのAメロ、Bメロが80’sなCITY POP系で、サビで一挙にラテン調になり盛り上がっていく感じです。Francis Silvaとのヴォーカルとの相性も良いですし、終盤では完全にラテン色に染まっていく感じが何とも楽しいです。渡嘉敷&岡沢のリズム隊はやっぱり凄いです!

「GOSTO DE SAMBA」 / 作詞:大山 潤子、作曲:渡辺 真知子、編曲:笹路 正徳
渡辺 真知子らしい歌謡曲チックなキャッチーなメロディーを笹路 正徳がサンバ風に仕立てたという感じのナンバー。今までの渡辺 真知子のヴォーカル・スタイルとはちょっと違う抑揚を抑えた淡々とした歌い方が新鮮です。この曲でもFrancis Silvaのサポート・ヴォーカルが良い感じです。

「Seagull」 / 作詞・作曲:渡辺 真知子、編曲:笹路 正徳
聴いていて渡辺 真知子らしさを強く感じる曲で、私の大好きな曲です。岡本&渡辺というAB'Sのリズム隊による軽快なリズムと淵野 繁雄のサックスのプレイが光ります。曲の構成も面白く、ソング・ライターとしての非凡な才能を感じさせます。

「BETTERFLY FISH」 / 作詞:大山 潤子、作曲:神保 彰、編曲:笹路 正徳
ストレートなラテン調ナンバーです。ドラマーでありながら、素晴らしい作曲センスを持つ神保 彰ならではの曲と言えるかも知れません。ここでは岡本 敦男のドラムですが、神保のドラムで聴きたかった気もします(笑)。目立ちませんが笹路 正徳のピアノのプレイも素晴らしいです。

「VAMOS CANTAR」 / 作詞:大山 潤子、作曲:神保 彰、編曲:笹路 正徳
今までの渡辺 真知子には無かったタイプの曲ですね。この曲ではヴォーカリストとしての渡辺 真知子の魅力と才能を感じさせてくる曲だと思います。不思議に癖になる曲です(笑)

いつもの渡辺 真知子らしい部分と新しいタイプの曲を書き、歌っている渡辺 真知子の二面性を楽しめる、そんな感じがするアルバムです。
曲やアルバムがヒットする・しないというのは、時代や運やタイミングも関わってくるものだと思います。例えヒットしなくても根本的に才能豊かな人というのは時代に関係なく、その才能を発揮するのだなと改めて感じましたね。
曲によっては好き嫌いがはっきり分かれるかも知れませんが、なかなか良いアルバムだと思いますね。機会があったらぜひ聴いてみて下さい。
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by kaz-shin | 2010-05-23 00:09 | J-POP | Trackback | Comments(12) | |
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Commented by hakko at 2010-05-23 19:34 x
初めまして。いつも拝見しております。真知子さんのアルバムの中では、取り上げられる事が殆ど無い「TAHIBALI」を選んで頂いて感謝!です。
おっしゃるとおり、セールス的には芳しくなかったですが、私の中ではかなり評価の高い、良い出来のアルバムだと思っています。ヴォーカリストとしての才能はもとより、「TAHIBALI」や「GOSTO DE SAMBA」のようなラテンフレイバーなメロディーラインを渡辺真知子オリジナルに昇華させ表現できるソングライターとしての才能を再認識させられます。また、笹路氏のアレンジ・サウンドプロデュースもおっしゃるとおり光っていますね。AB'Sに加え、渡嘉敷&岡沢の「ザ・プレイヤーズ」コンビもいい仕事してますし。「リズム隊好き」の方にも楽しんで頂けるのではないでしょうか。
kaz-shin さんの書かれているように、いつもの(それまでの)渡辺真知子らしい部分が少しと、新しい(それまでにない)渡辺真知子の両方が混在しています。90年代中頃からラテン・ジャズ系のミュージシャンとの共演・交流、現在に至る渡辺真知子の第二のスタートともいえるアルバムです。これまでこのアルバムを「聴かず嫌い」だった方にも再聴再評価して頂きたいと思っています。
Commented by SaToshi at 2010-05-23 22:08 x
「迷い道」がCMでリバイバルされる直前辺りに、松岡直也さんが真知子さんに曲提供をされたという話しを聞いたんですけど、結局レコーディングされたのかどうか分からず仕舞いでした。
もし松岡さんの曲があれば教えて下さい。

ラテン音楽を歌っているというのは2000年代に入ってから知りましたが、この頃からそういう傾向にあったのかもしれませんね。

この頃は真知子さんの音楽をほとんど聞いてませんが、メンバーからして聞いてみたいです。

YouTubeへのアップの仕方が分かったので、と言っても、まだ動画は無理ですが、10日ほど前に登録して20曲ほどアップしました。
前に書いたように不特定多数の人に聞いて欲しいわけではないので、検索しても探すのが難しい形でアップしています。(笑)
ブログの記事からはリンクしていますけどね。

真知子さんと矢野顕子さんが曲交換して歌っているのをアップしようと思ったら、すでにアップされていたのでそれは止めました。(苦笑)
Commented by kaz-shin at 2010-05-23 22:31
hakkoさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
確かに真知子さんのこのアルバムは、取り上げられていないみたいですね。
私は好きですよ、このアルバム。曲作りの面でも歌唱の面でも新鮮でした。
私は特に渡嘉敷&岡沢コンビが好きなので、余計に入り込めたのかも知れません。
この頃の真知子さんの音楽に触れていない人も多いと思いますが、私もぜひ1度聴いてみて欲しいと思います。
Commented by kaz-shin at 2010-05-23 22:39
SaToshiさん、コメントありがとうございます。
松岡直也さんが真知子さんに楽曲を提供していたというのは知りませんでした。
もしそんな楽曲があったとしたら、このアルバムに収録されていても良かっただろうなと思いますね。
Commented by 横浜のvafan at 2010-05-23 22:51 x
こんばんは。渡辺真知子もラテン音楽も共に好きなのですが、このアルバムは抑えておりませんでした。渡辺真知子は私の中ではデビュー当初の鮮烈なイメージと、90年代後半以降のだいぶ貫禄でてきたイメージが強いです。その間、このようなアルバム出していたのですね。
Commented by kaz-shin at 2010-05-23 23:33
横浜のvafanさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
このアルバムはなかなかの力作だと思います。
もし中古店等で見かけたら、1度聴いてみて下さい。
真知子さんとラテン音楽が好きなら、お薦めですよ。
Commented by hakko at 2010-05-24 00:41 x
kaz-shin様、ありがとうございます。
真知子さんのアルバムにしては珍しく(失礼ながら)、参加ミュージシャンの演奏にも惹かれますね。真知子&笹路コンビの相性も良い感じで、このアルバムだけというのも惜しい気がします。

SaTosi様、松岡さんの提供作品の話は私も初耳でした。94~95年頃のことでしょうか、興味ありますね。その辺りのこと御存じの方がいらしたら教えて頂きたいです。
Commented by SaToshi at 2010-05-24 09:35 x
hakkoさん、初めまして。
松岡さんが真知子さんのために曲を書いたというのは、事務所から間接的に聞いた話なので、間違いないと思います。
でも、その曲をレコーディングしたかどうかは分かりませんでした。
その話しを聞いた直後に野茂さんとのCMで「迷い道」が話題になったので、それが立ち消えになってしまったのかなぁ、なんて思ってたんです。
Commented by kaz-shin at 2010-05-24 21:21
hakkoさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
真知子さんのアルバムって、ミュージシャン・クレジットが記載されているのが少ないですよね。
私の所有しているアルバムで、ミュージシャン・クレジットが記載されているのは『MEMORIES』、『Feel Free』とこのアルバムくらいかも知れません。
昔は船山基紀さんのアレンジでしたが、結構素晴らしいミュージシャンを起用していたのは間違いないと思います。
笹路さんとのコンビは新鮮でしたよね。
Commented by hakko at 2010-05-25 00:31 x
SaToshi様、そうでしたか。もしレコーディングされているのなら何らかの形で世に出ていたような気もしますし、そもそもレコーディングに至らなかったのかもしれませんね・・・。

kaz-shin様、そうなんですよね。クレジットなしという、いかにも歌謡曲的な(笑)真知子さんの扱われ方が不満でしたね、私は。
Commented by DNA at 2011-07-22 23:42 x
私の大好きなシンガー、
中原めいこ、久保田早紀、亜蘭知子、山口美央子と並ぶ渡辺真知子ですが、
この中では1番長く聴いていて、25年ファンやってます。
基本的に私はCDを買って聴いて、ってだけなんですけど。
今度初めて!コンサートに行くので楽しみです。

「TAHIBALI」は彼女の転機とも言えるアルバムですね。
リアルタイムで買ったのですが、ド派手ジャケットがとても衝撃・・・。
発売前のアルバムタイトルは「夢をわたる鳥たち」でした。
笹路正徳のアレンジも素晴らしいです。

当時彼はユニコーン、プリプリ、松田聖子とかもやってましたが、
「TAHIBALI」と同じ’90年にリリースされた五輪真弓のアルバム「名もなき道」も彼女のイメージを一新したアルバムでオススメです。
(笹路正徳と船山基紀が半々づつ編曲のヨーロピアンサウンドもの)

オーダーメイドファクトリーのCD-BOX第2弾も楽しみです。
もっとお蔵入り曲追加してほしいんですが。
ニューミュージックの素敵さを知るきっかけになった人なので、
最近では青木隆治がモノマネしてますし、もっと認知されればイイなって思います。

Commented by kaz-shin at 2011-07-26 00:05
DNAさん、コメントありがとうございます。
私の中では、優れた作曲センスと抜群の歌唱力を併せ持った女性アーティストと言えば、八神純子さんと渡辺真知子さんなんですね。
二人とも大ヒットを飛ばした方で知っている人も多いとは思いますが、
もっともっと多くの人にシングルだけでなくアルバムも聴いて欲しいと思っています。
なのでBOXではなく、ぜひともアルバム単位で購入が出来るような再発を希望したいです。
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