1985年リリースの通算5枚目。前作以上にニューヨークっぽいソリッドなサウンドが強まっている。その証として、マイケル・ブラウアーを共同プロデューサー、エンジニアとして招き、パワフルかつ独創的なドラミングのヨギ・ホートンを起用している点が挙げられる。このアルバムの1番の特徴は、やはりサウンドが以前の作品に比べ大きく変わった事であろう。まず、RX-11等を使用した打ち込みを採用した事だ。この作品以降、角松は打ち込み系のサウンドへの傾倒を深め、しばらくの間は自作品・プロデュース作品を問わず打ち込み系のサウンド主体の作品が多くなってゆく。
次に、当時ニューヨークのクラブで流行っていたと思われるラップやスクラッチ・プレイの導入である。今ではラップやスクラッチは当たり前だが、当時はまだ馴染みが薄いものだった。当時角松は、ライブにおいてもターンテーブルやシモンズをステージに持ち込み、スクラッチや華麗なスティック捌きを披露していた。かなり流行の先端を行っていた男だった(笑)
これらの新しい技法や機材を使用して作られた新しいサウンドは、それまでの角松のサウンドに親しんできた者を驚かせたし、FUNKYなサウンドが好きな私のような者には、角松を代表するアルバムとなったのである。個人的に1番好きなアルバムだ。
01. I Can't Stop The Night
02. Springin' Night
03. Move Your Hips All Night Long
04. Secret Lover
05. Melody For You
06. Tokyo Tower
07. Prajna(Violemce in the Subway)
08. Mermaid Princess
09. It's Too Late
10. No End Summer
最初聴いた時には、01 のサウンドに驚かされた。打ち込みとシンセによる部厚い音が新鮮で強烈だった(あくまで当時の話だが・・・) このアルバムは、詞がかなりエロティックで妖艶な感じのものが多いのも、以前に比べ大きく変った点だ。03 もそんな曲の一つ。女性の喘ぎ声の入った曲(笑)で、 間奏の北島健二のギター・ソロが格好良いFUNKYなナンバー。
06 は、このアルバムの象徴とも言えるナンバー。エロティックな歌詞、打ち込みによるリズムとヨギ・ホートンのドラムのシンクロ、ラップの導入等まさに新生・角松 敏生の名刺代わりの1曲でシングル・カットされた。
08 は、人気の高いバラード曲。人魚姫をテーマに書かれた曲である。注目は、この曲のアレンジでAOR好きな人が聴けば思わず笑ってしまうだろう。ずばり、チャカ・カーンの『 Through The Fire 』のアレンジにそっくりなのだ。おそらくこの曲と言うか、デヴィッド・フォスターの手法を意図的に意識してアレンジしたのだろう。
最後を飾る10 は、人気が高くライブでも定番となっているミディアム・バラード。この曲もシングル・カットされている。
音楽とりわけ音に対して貪欲だった頃の角松 敏生を象徴する名盤である。
ダンス系、FUNK系のサウンドが好きな人にはお薦めの1枚だ。
Single vol.6_ TOKYO TOWER
Side A. Tokyo Tower
Side B. Secret Lover
「 Tokyo Tower 」は、アルバムとはEditが異なっているバージョン。このシングル・バージョンは未CD化のはず。
Single vol.7_ NO END SUMMER
Side A. No End Summer
Side B. You're Not My Girl
「 No End Summer 」もアルバム・バージョンとは異なっており、こちらのバージョンの方が出来が良いが、B面曲と共にこのテイクは、CD化されていない。「 No End Summer 」は、TV番組「 なるほど・ザ・ワールド 」のエンディング・テーマにも採用された名曲である。
昨日の雪は驚きましたが、私の住む千葉県は朝から雨で雪は降らなかったようです。
出勤時に東京へ近づくにつれ雪になっていきました(笑)
角松さんの『GOLD DIGGER』は、今でもベスト3に入る位に好きな1枚です。
1番脂が乗っていた時期と言いましょうか、バイタリティに溢れてた時代の音楽かも知れません。
角松さんも杏里さんも不思議と初期の作品は、あまり中古市場に出てきませんね。
買った人が手放さないのか、流通量が少ないのか・・・。
杏里さんの作品は再発があっても良さそうな気がします。