FUSIONを語る上で絶対にはずす事の出来ない人物。それがデイヴ・グルーシンではないでしょうか。プロデューサー、アレンジャー、キーボード・プレイヤーとしてFUSIONというフィールドで常に一線で活躍しただけでなく、映画音楽の世界においても優れた作品を残しています。そして新しい優れたミュージシャンを見出し、世に送り出すという目的でGRPレーベルを設立するという、まさにFUSION界を牽引してきたと言っても過言ではないでしょう。
そんなデイヴ・グルーシンのアルバムと言えば、名盤『MOUNTAIN DANCE』を思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、私が大好きなアルバムを今回紹介します。
1977年に発表された『・・・ONE OF A KIND』です。お気付きの方もいらっしゃるかも知れませんが、アルバム・ジャケットの写真はCDのものではなく、アナログ盤ジャケットです。こちらのジャケットの方が愛着があるもので・・・(笑)
01. Montage
02. Playera
03. Modaji
04. The Heart Is A Lonely Hunter
05. Catavento
※ 曲順は、アナログ盤の順番です。
CD化された時に、ジャケットのみならず曲順も変わりました。アナログ盤で長年親しんできているのでCDの曲順には馴染めません(笑)アナログ盤の曲順で紹介させていただきます。
9分を超える大作の01は、グルーシンのピアノ、ローズ、シンセの絡みが面白くて、タイトルのモンタージュ(合成)がぴったりな感じな曲です。アンソニー・ジャクソンとフランシスコ・センテーノというダブル・ベース、スティーヴ・ガットの脅威のドラミング、デイヴ・ヴァレンティンのフルート等聴き所満載の名曲です。
ピアノ組曲「スペイン舞曲集」の中の作品という02。美しいピアノのテーマが印象的ですが、ロン・カーターのベースとグローバー・ワシントン.Jrのソプラノ・サックスが哀愁漂うメロディーをより一層美しく引き立てます。
03は、私の大好きなナンバーです。いろんなアーティストにもカバーされている名曲。親しみやすいメロディーと、グルーシンが奏でるローズとグローバー・ワシントン.Jrとのユニゾンが魅力です。
邦題「愛すれど心さびしく」という04は、同名映画の主題歌です。作曲はもちろんデイヴ・グルーシン。グルーシンとロン・カーターの二人の演奏とストリングスのみですが、実に美しい曲です。
ブラジル出身のピアニスト、ミルトン・ナシメントの作品という05は、軽快で明るいサンバ調のナンバーです。ラルフ・マクドナルド、スティーヴ・ガットの打楽器隊が大活躍する曲で、やはりガットというドラマーはまさに怪物ですね(笑) ラテン系のフルートを吹かせたらNo.1のデイヴ・バレンティンのフルートも素晴らしいです。
このアルバムには、FUSIONの花形楽器であるギターは使用していません。それでいて、こんなアンサンブルを聴かせてくれるグルーシンのアレンジの見事さには言葉もありません。
ぜひ1度聴いてみて欲しい1枚です。特にキーボード関係のFUSIONの好きな方はぜひ!
そして、上に書いた曲順で1度聴いてみて下さい。結構良いですよ。
彼の作品の中では『Mountain Dance』同様、欠かせない作品ですよね!
このアルバムがCD化された時、ジャケットだけでなく曲順まで変わって
いるのは驚きました。ジャケットの差し替えは珍しくはないですが、曲順
が変わるというのをあまり知りません。
どちらかと言うと『Mountain Dance』よりも、数多く聴いているアルバム
なんで愛着があります(笑)