70年代半ば以降の日本の音楽シーンにおいて、このグループ無しにJ-POP、とりわけシティ・ポップは語れませんね。恐るべき音楽集団です。73年にキャラメル・ママとしてスタートして以来、ミュージシャンとして常に先頭に立つばかりでなく、アレンジャー、プロデューサーとして素晴らしい才能を持ち合わせた4人組。細野 晴臣、鈴木 茂、林 立夫、松任谷 正隆という素晴らしいアーティストが、それぞれの個性で作り上げた傑作が1975年にリリースされた『キャラメル・ママ』です。70年代半ば以降に活躍していた日本人アーティストのアルバムのクレジットに、彼等の名前が載っていない事は無いといってもいい位でしょう。
このアルバムは、メンバー4人がそれぞれのプロデュース作品を2曲ずつ持ち寄った形をとっています。2曲のみメンバー全員の共同制作になります。今聴いてみると、時代を先取っていた事がよくわかりますね。
01. CARAMEL RAG
02. CHOPPERS BOOGIE
03. はあとぼいるど町
04. 月にてらされて
05. CHOO CHOO GATTA GOT '75
06. SHE IS GONE
07. ソバカスのある少女
08. JACKSON
09. YELLOW MAGIC CARNIVAL
10. BALLADE OF AYA
松任谷作曲、ティン・パン・アレーのプロデュースによる01は、タイトル通りのラグ・タイム。短いインスト曲。
出ました!1975年頃にこんなベースを聴かされたら、そりゃ驚きますよ。林 立夫のプロデュース作品で作詞・作曲も林自身の02。後藤 次利の為のような曲ですが、他にも今井 裕、ジョン山崎、高中 正義、桑名 晴子等を迎えての素晴らしいセッションになっています。
タイトルからして松本 隆の作詞だとわかる03は、鈴木 茂のプロデュース作品です。
04は、ユーミン作詞、松任谷 正隆の作曲・プロデュース作品でメキシカンなナンバーです。コーラスに山下 達郎、大貫 妙子が参加しています。
細野 晴臣のプロデュース作品で、途中に三木鶏郎作曲の「僕は特急の機関士で」という曲をうまく取り入れて作られた鉄道マニアが喜びそうなナンバーですね(笑)
林 立夫プロデュース作品の06は、AOR風なナンバーでジョン山崎がボーカル、コーラスが桑名 正博、晴子兄弟という渋いナンバー。
シティ・ポップの見本のようなボッサ・ナンバー07。名曲ですね。やはり南 佳孝の声にこの曲はよく似合います。多くのアーティストにカバーされています。
カントリー・ロック調の08は、松任谷プロデュース。山下 達郎のコーラス・アレンジが雰囲気出ています。
細野 晴臣の十八番とも言えるチャンキーなナンバー。この時に初めてYELLOW MAGICという名前が使われたのではないでしょうか。細野氏はスティール・ドラムとかマリンバも上手いし、ギターもこなすという器用な人ですね。後にMANNAというアーティストのデビュー曲にもなりました。
細野 晴臣作曲、ティン・パン・アレーのプロデュース作品の小曲です。全ての演奏を松任谷 正隆一人によるものです。
このアルバムは、オムニバスだと思って聴くのが1番楽しめると思います。そういうアルバムなんですね。
「コンセプトなんて堅苦しい事は考えず、楽しんで聴いてくれ!」と言われているような気がします。
何かの節目に聴きたくなる不思議な魅力たっぷりのアルバムです。
凄いものでした。走っていた場所まで覚えています。後に後藤次莉の
教則レコード(ON BASE)にも収録されていましたが似て非なる
ものでオリジナル冒頭の数小節にはおよびません。
Kaz-shinさんが言われるように何かの節目に聴きなるアルバムです。
『ON BASS』の方は、アタッチメント無しのライン直録なのでベースを
弾く人には良いかもしれませんね。オリジナル曲はイントロのうねる感じ
から凄いですね。音楽を聴いて鳥肌が立つ事って滅多にないですが、
その数少ない1回がこの曲でした(笑)
僕はフォークはあまり積極的には聞きませんでしたが、
はっぴいえんどもフォークと感じたので、
(最近、近田春夫さんがTVで「はっぴいえんどはフォークだった」と言ってたのに、僕と同じ感性だと思いました。(笑))
はっぴいえんどの人達はまったく追いかけませんでした。
僕はもともとインスト志向だから、ティン・パン・アレイ2はリアルタイムで買いましたが、この頃はミカ・バンドからサディスティックスの流れで聞いています。CDを買って演奏者のクレジットを見て驚きましたよ。(苦笑)
私もはっぴいえんどは嫌いではありませんが、夢中にはなれませんでした。
この頃の松本 隆の詞に馴染めなかったですね。
曲作りのセンスは、サディスティックスの方が好きですが、懐の広さを
感じさせてくれるティン・パン・アレーの演奏力は、やはり魅力的です。
仲良かったみたいですからね。
一時期、細野さんがミカ・バンドでライヴやってましたしね。
高中氏もドラムスは林さんを起用することが多かったぐらいで。
Skenさんのコメントを読んでふと思ったのですが、はっぴいえんどや
ミカ・バンドは、いかにもバンドっていうサウンド志向だったのに対して、
その発展形であるサディスティックスやティン・パンは、バンドというより
プロデューサー・ユニット的な感じが強いですね。
あまり、バンド・サウンドというのにこだわってない感じが面白いなと思いました。