ハックルバックやティン・パン・アレーのメンバーとして、1970年代から活躍してきたキーボード奏者・佐藤 博の1982年に発表された4枚目のアルバムです。名盤として語り継がれてきたアルバムで、私も長い間CDを探し続けていましたが昨年めでたくリマスターされて再発されました。
佐藤 博と言えば、その独特なタッチのピアノ・プレイでしょう。まさにワン・アンド・オンリーといった感じのプレーは、沢山のアーティストの信頼を集めていました。
中学生時代にギター、ドラム、ベースを始めて、既にこの頃から多重録音(宅録)をおこなっていたという事にも驚きですが、ピアノは何と20歳になってからの独学というところが凄いですね。
天才というのは、存在するのです(笑)
このアルバムは、佐藤 博がLinn Electronics社のリズムマシン「LM-1」に出会ったことで作られたアルバムらしいです。このリズムマシンの出現により、彼の音楽の礎とも言える多重録音によるアルバム制作が可能になったのでしょう。ボーカルのウェンディ・マシューズ、ギターの松木 恒秀、山下 達郎、鳥山 雄司以外は、全て佐藤 博のプレイによるものです。
01. AWAKENING (覚醒)
02. YOU'RE MY BABY
03. BLUE AND MOODY MUSIC
04. ONLY A LOVE AFFAIR
05. LOVE AND PEACE
06. FROM ME TO YOU
07. I CAN'T WAIT
08. IT ISN'T EASY
09. AWAKENING
10. SAY GOODBYE
11. BLUE AND MOODY MUSIC (WENDY'S VERSION)
スタジオに波の音を流し、その音を聴きながらイメージしたものを即興で演奏したという01は、その美しいピアノの音色が、爽やかな目覚めの一時を連想させます。
目覚めたあとのまどろみに中で、まったりと聴きたいような02。気持ちの良い朝を迎えられそうです。
佐藤 博のピアノと松木 恒秀のギターは、本当にワン・アンド・オンリーなプレイ・スタイルですね。極上のメロウ・ナンバーです。
軽快なポップ・ナンバー04。
ブルース・インスト・ナンバー05は、カバー曲のようですが詳しい事はわかりません。そのブルースっぽいピアノ・プレイが素晴らしい1曲。
ビートルズのカバー曲06は、オリジナルよりも数段明るくポップな仕上がりになっています。どんなアレンジにも映えるメロディーだと思います。ビートルズって偉大ですね。
アルバム中で1番好きな07。デュエット・スタイルの理想形なのでは?と思ってしまうほど。何とも言えない緩やかな時間に包まれる曲ですね。名曲です。
オリエンタル・ムード漂う08。
09は、01と同タイトルですが全く別もので、途中のロックっぽいギター・リフが印象的なインスト・ナンバーです。
山下 達郎のギター・カッティングがフィーチャーされている10。ボコーダーやシンセが大活躍な軽快なナンバーです。
最後は、03の別バージョンです。03ではバラードに仕上げてありましたが、こちらはテンポのあるバージョンで、ウェンディがメイン・ボーカルです。どちらの仕上がりも良いですが、私は03のバージョンが好きです(笑)
いわゆる打ち込み系のサウンドだし、今聴くとリズム・マシンの音も古臭い感じはあるものの実に曲の雰囲気に違和感なく、すんなりと気持ち良く聴けるアルバムです。打ち込みの音って、時々うざったく感じる事もありますが、このアルバムには一切ありませんね。アレンジが素晴らしい証拠でしょう。
目覚まし時計のベルの音で起きる必要の無い、休日の朝にベッドに横たわったまま聴きたい1枚です。
唯一、このアルバムだけレンタル店にあったので借りました。(苦笑)
打ち込み系のサウンドなんですね。
記憶にありませんが(^_^;、だからその後もそんなに聞きたいとは思わなかったのかな。
もし250円以下で売っていたら他のアルバムも聞いてみたいと思います。(笑)
確認のためにCD棚を見たら13枚目のソロ作がありました。
高中さんや松原さんが参加していたので買ったんだと思いますが、買ったことさえ覚えてません。(^_^;;
佐藤さんで印象に残っているのはFMでの本田雅人さんとの共演です。
手弾きが多いような気がします。今聴くリンのリズムマシンもチープな
音に思えますけど(笑)
歌モノが中心なので、物足りなさを感じたのかもしれませんね。
中古で私も何枚か買いましたが、最近はあまり見かけなくなりました。
何か見つかるト良いですね。
コメントありがとうございます。
1982年という時代で、これだけの打ち込みのサウンドを作り上げている
のは素晴らしいですよね。打ち込み系はそれほど好きではないのですが、
佐藤さんの作る打ち込みサウンドには、不思議と嫌悪感がありません。
やはり、佐藤さんのセンスの良さなんでしょうね。
佐藤 博さんも素晴らしいアルバムを沢山リリースされてますね。
『アクア』も良いアルバムですね。
私はこの『awakening』が好きなのは、今とは比べものにならない機材でこれだけのサウンドを
作り出しているセンスの良さを感じるからなんですね。
同時代の打ち込みとは比べものにならないくらいに良い音出してますし、アレンジも素晴らしいですからね。
随所で使われているボコーダーもいい味だしていますね。
今の若い方たちには、佐藤博さんと言えば、Souljaや青山テルマさんなんでしょうね(爆)
確かに現在に比べれば、サンプリングの技術も機材も貧弱だった時代にこれだけのサウンドを作り上げたのは、本当に凄いの一言ですね。
当時、多くの音楽好きに衝撃を与えた1枚と言っても過言では無いと思います。
しかし、私にとっての佐藤博さんはやはり生ピアノです。
達郎さん曰く、「白玉弾かせれば日本一!」の独特のタッチはワン・ワンド・オンリーですからね。
佐藤博さんのアルバムも良いアルバムが多いですね。
私はこのアルバムに衝撃を受けまして、私にとっては思い入れの強い1枚になっています。
聴き込んだらぜひ感想を聞かせて下さいね。
1982年という時代に、これだけのアルバムをほとんど一人で作り上げていることに驚かされます。
当時、初めて聴いた時には本当にある種のカルチャー・ショックがありましたね(笑)
配信が中心となっていくと、いわゆるレコード屋というのが減っていくんでしょう。事実そういう傾向にありますよね。
私のようなクレジットとか、ジャケットで買うなんてことが出来なくなっていくんでしょうねぇ。
今の若い世代の人って、新しい音楽を自分から探すということをしないのでしょうか・・・。