人気ブログランキング | 話題のタグを見る
Music Avenue
musicave.exblog.jp
Top
国府 弘子_LIGHT AND COLOUR ◇ 2006年 06月 11日
国府 弘子_LIGHT AND COLOUR_e0081370_1203451.jpg 

今回紹介するアルバムは、ピアニスト・国府 弘子の1991年にリリースされた通算4枚目となる『LIGHT AND COLOUR』です。彼女にとって初めての海外録音盤で、RIOとL.A.で録音されています。サンバ、ボサノヴァ・テイストの曲やFUNKYな曲など、多彩な曲が揃っていて夏に似合うアルバムだと思います。
参加しているミュージシャンも豪華で、RIO録音では、オスカー・カストロネヴィス(g)、テオ・リマ(ds)、ジャミル・ジョーンズ(b)、ジルソン・ペランゼッタ(piano)、イヴァン・リンス(vo)という面々、L.A.録音には、ポール・ジャクソンJr(g)、エイブハム・ラボリエル(b)、アレック・アクーニャ(ds)、ドン・グルーシン(syn)他という顔ぶれです。凄腕ミュージシャンをバックに、国府 弘子がピアノを弾きまくります。アレンジは全曲、国府 弘子によるものです。

アルバムの印象ですが、これだけ本場ブラジルのミュージシャンを集まっているのに関わらず決して土臭い、情熱的な感じがしません。どちらかと言うと、アスファルトできっちりと区画整理されたUp Townのブラジル・サウンドといった感じでしょうか。いわゆる暑苦しくない、涼やかなサウンドなんですね。
これは彼女のピアノ・プレイがそう感じさせてくれるのだと思います。

『国府 弘子 / LIGHT AND COLOUR』
01. MOON ISLAND
02. PEPINO BEACH
03. PASSARADA
04. MY ONLY LOVER
05. SAMBA DO CAMARAO
06. TIP-TOP FUNK
07. THE MOMENT WE SHARE
08. BLUE LILLABY
09. BOSSA CALANGO
10. EL HUMAHUAQUENO
11. GONE

雲一つ無い晴れた夜空に浮ぶ満天の星と満月、そんな雰囲気を持った01。ゲイリー・ハービックのソプラノ・サックスとフルートが大活躍します。
オスカー・カストロネヴィスが作曲した02は、ボサノヴァのリズムに乗せて軽快なピアノが涼しげな海風を運んでくるようです。
03は注目曲の一つです。国府 弘子の曲にイヴァン・リンスが詞を書き、歌っているというもの。そもそもイヴァン・リンスがメロディー・メイカーとして有名で、他人の曲に詞のみを書いているというのは珍しい筈です。
ジルソン・ベランゼッタのエレクトリック・ピアノと国府のピアノと2本のみで演奏された04。会話しているようなピアノの掛け合いが見事です。
これだけのメンバーを集めたらやはりサンバですね。05は、非常に軽い感じのサンバに仕上がっています。高級リゾートで涼しい風に包まれて踊るサンバといった感じでしょうか(笑)
いきなり雰囲気が変わりFUNKなナンバー06の登場です。L.A.のメンバーで録音された曲ですが、エイブのベースで始まり、ポール・ジャクソンのギターが絡んでくる渋いアレンジ。ここでの国府のピアノは、実に力強く女性ピアニストだとは思えません。ここでのピアノ・ソロは圧巻です。
オスカー・カストロネヴィスのギターと国府のピアノのみによる07。オスカーのギターが堪能できます。
しっとりと聴かせる08。オスカー・カストロネヴィスのボーカルが聴けます。
午後のカフェで一休み。そんな時に流れていて欲しいような軽いボッサ曲09。
またもL.A.メンバーによるFUNKYな曲10。ジェリー・ヘイを筆頭にしたホーン・セクションとポール・ジャクソンのギター・カッティングが気持ち良いナンバーです。ドン・グルーシンのシンセ・ソロも聴き所のひとつでしょう。
最後の11は、美しいバラード曲です。基本テイクはリオで、オーヴァー・ダビングをL.A.で録音したものでしょう。エイブラハム・ラボリエルのベース・ソロが渋い1曲です。

リオでの録音された曲とL.A.で録音された曲の色分けが、きっちりしていて面白いです。決して支離滅裂な感じにはなっていません。アルバムとしてかなりよくまとまっていると思います。
暑い夏に一服の清涼感を求めて聴くにはピッタリの1枚ですよ。
by kaz-shin | 2006-06-11 14:35 | FUSION系 | Comments(4) | |
Commented by WESING at 2006-06-13 12:22 x
'85年のSESSIONで初めて聞いたんですけど、ジャズを演奏していたし、デビュー・アルバムもそうだったのかな?、ともかく、国府さんは正統派ジャズの人だと思ったんですよ。
次に聞いたのがSESSION'90でこちらはフュージョンだったんです。
フュージョンなら聴きたいと思ったんですけど、僕は1枚買うと他のアルバムも欲しくなるタイプだから、アルバムは買いませんでした。(苦笑)

近年ですけど、未開封CDが2枚半額くらいで売っていたのを買いましたが、安く売っていれば買いたいですね。
ここで紹介してくれているアルバムも良さそうだし。
Commented by kaz-shin at 2006-06-13 23:13
WESINGさん、こんばんは。
実は国府さんを聴きはじめたのは最近なんですよ。
オフで安く入手できたのがきっかけです。女性らしい繊細なピアノ・プレイ
と男性のような力強いプレイの両方を兼ね揃えた素晴らしいピアニストですね。
このアルバムは結構良いですよ。機会があったら聴いてみて下さい。
Commented by moripee at 2006-08-05 20:14 x
国府さんのアルバムは何枚か聴いた記憶はあるのですがタイトルも覚えてません。ただ何故かこのアルバムだけ手元にあります。どうして選んだのかも忘れちゃいました。10年以上前になるのかな?
この記事見て本当に久しぶりに今日聞いてみました。"02.PEPINO BEACH", "09. BOSSA CALANGO"なんかは聴き心地良いですよね。出会えてよかったアルバムの一枚です。
Commented by kaz-shin at 2006-08-06 00:34
moripeeさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
国府さんの初めて買ったアルバムが、このアルバムでした。
中古店で安かったから買ったというのが本音です。
実際聴いてみると、力強い男性的なプレイと繊細な女性的なプレイが
交錯しているようで非常に面白かったですね。
少しずつアルバムを増やしていこうと思っているアーティストです。
<< GROVER WASHINGT... ページトップ 濱田 金吾_BEST COLL... >>
XML | ATOM

会社概要
プライバシーポリシー
利用規約
個人情報保護
情報取得について
免責事項
ヘルプ
Ice Green Skin by Sun&Moon