黒い網タイツの女性の美しい太ももを枕に横たわり、煙草をくゆらせるボズの写真。凄く色っぽさとダンディズムを感じさせるジャケットだとは思いませんか?雑誌「ヴォーグ」で活躍していたフランス人の写真家・ギイ・ブルタンが撮影したものです。
今回紹介するのは、AORの顔とも言えるボズ・スキャッグスが1980年にリリースした名盤『Middle man』です。通算8作目となるアルバムで、AORの名盤中の名盤『Silk Degrees』(1976年)、『Down Two Then Left』(1977年)に続きAOR色が全開の素晴らしい作品です。
AOR好きな方には紹介の必要の無いくらい定番のアルバムかも知れませんが、大好きなアルバムなんで紹介させてもらいます(笑)
プロデューサーはエンジニアでもあり、アル・ジャロウ、スティーリー・ダン、ボブ・ジェームス、デイヴ・グルーシン、日本ではオフコースや小田 和正も手掛けている名匠・ビル・シュネイです。
バックのミュージシャンも、ボズのアルバムにはもはや欠かせないデヴィッド・ハンゲイト(Bass)、ジェフ・ポーカロ(Drums)、スティーヴ・ルカサー(Guitar)、デヴィッド・ペイチ(Keyboards)のTOTOの面々に、カッティングの名手レイ・パーカーJrやコーラスにビル・チャンプリンも参加しており、まさに豪華絢爛。
しかし、何と言ってもこのアルバムに最も貢献したのはデヴィッド・フォスターでしょう。デヴィッド・フォスターのまさに絶頂期とも言える時期のキーボード・プレイと作曲とアレンジのセンスの良さが、このアルバムの成功(商業的にも)の大きな要因だったと思います。全9曲中6曲の作曲にも関わっているので、好きな人にはたまらないですね。
『BOZ SCAGGS / Middle man』
01. JOJO
02. BREAKDOWN DEAD AHEAD
03. SIMONE
04. YOU CAN HAVE ME ANYTIME
05. MIDDLE MAN
06. DO LIKE YOU DO IN NEW YORK
07. ANGEL YOU
08. ISN'T IT TIME
09. YOU GOT SOME IMAGINATION
ギターのカッティングとリフが心地良いミディアム・テンポの01。シングル・カットされたお馴染みのナンバー。間奏でのエイドリアン・タピアのサックス・ソロが雰囲気を盛り上げ、トップを飾るに相応しい曲です。
ボズお得意のジャンプ・ナンバー02。ルークのギターが冴えてますね。ドラムはリック・マロッタですが、ポーカロに叩いて欲しかったのは私だけでしょうか(笑) この曲もシングル・カットされました。
AORのお手本のような03。渋いメロディーに、弾むリズム、そして緻密に計算されたアレンジがボズのダンディーなヴォーカルを彩ります。デヴィッド・ペイチのシンセが聴き所です。
日本でのみシングル・カットされたバラードの名曲04。邦題は「トワイライト・ハイウェイ」です。この曲の素晴らしいところは、まずマーティ・ペイチのアレンジによる美しいストリングスとカルロス・サンタナの間奏での泣き・タメ・フレーズの美しさという三拍子揃ったギター・ソロに尽きます。
プログレっぽいシンセのイントロから始まるロック・ナンバー05。ルークのギターとポーカロのドラミング無しでは成立しない曲でしょう。デヴィッド・フォスターは本当にロックが好きなんだなと思いますね。
キレのあるリズムが特徴の06。アルバムの中では地味な感じの曲ですが、デヴィッド・ラズリー、ビル・チャンプリンのコーラスが良いです。
FUNKYな07。女性ヴォーカルのローズマリー・バトラーとの掛け合いが格好良い曲です。ただ、デヴィッド・フォスターの弾くシンセの音が時代を感じさせますけど・・・(笑)
ボズの書いた名バラード曲08。良い曲ですね。こういう曲でのデヴィッド・フォスターのアレンジは見事です。コーラスもE,W&Fを彷彿させて渋いですし、ルークのギター・ソロも泣かせます。
まさにポーカロならではのドラミングを聴かせてくれる09。ルークによる多重録音によるギター・アンサンブルも見事なご機嫌なナンバーです。
記事を書きながらアルバムを聴いているのですが、やっぱり良いですね。『Silk Degrees』も大好きなんですが、聴いた回数で言えばこちらに軍配が上がりますね。
アレンジも演奏も申し分無し。ジャケットも洒落ている。そして何より、ボズの男臭い中にも色気が溢れるヴォーカル・スタイル。AORを代表するアーティスト、アルバムであるのは間違いないでしょう。
ボズ・スキャッグスですねー。このアルバムジャケット写真凄くかっこいいですよね。”セクシーダンディズム”とでも言いましょうか。記憶に凄く残っています。ファッション雑誌のカメラマンの方の撮影なのですね。スタイリッシュな危なさがホントかっこっ良すぎですね。
JOJOが入っているアルバムってことで聴いたのがきっかけでしたが、他の曲も良くて今も昔もお気に入りです。
秋のこの初秋に聴くボズの歌声ってなんか凄くマッチする気がします。
ボズのように格好良い中年おやじになりたいものです(笑)
>秋のこの初秋に聴くボズの歌声ってなんか凄くマッチする気がします
すっかり見透かされていたみたいですね(笑)
ボズの独特の声は、湿気の強い真夏よりも昼間はまだ暑いものの、
湿気が少なくなってきて夜には涼しいくらいの今くらいの時期にピッタリ
だと思っていて、今回紹介したんですよ。
私にとってボズの歌を聴きたくなると秋なんです(笑)
どこからかWe are all aloneを聞いて彼の存在を知りました。
洋楽を聞き始めて間もない頃に手にしたバラード集しか知りませんが。
誰かのカバーで知ったLowdownとか聞きたいなぁ。
そういや、近々ブルーノート東京に来日公演するみたいで。
もう一人のAORの名手ボビー・コールドウェルも来るらしく。
でんたさんもボズ聴かれるのですね。いつもFUSION関係のアルバム
にコメント頂戴してたので、少し驚きました(笑)
記事で紹介した3枚のアルバムは、聴いて損は無いですよ。
ちなみに「Low Down」は『Silk Degrees』に収録されてます。
来日を楽しみにしているAORファンは多いでしょうね。
それと問題にも。。。確かアルバムジャケットの脚が未成年者を使ったということで。。。
問題の方は知りませんでした。
未成年だったんですね。どうりで華奢な脚だとは思っていたんですが・・・。
そういう話を聴くと、よりエロチックに見えてしまう私はただのエロオヤジかも知れません(笑)
AORの一つの特徴して演奏の良さが挙げられますよね。
凄腕のミュージシャンを集めて作られる訳ですから、FUSION界で活躍
するミュージシャンが多いのも当然ですね。
確かに私も参加ミュージシャンでAORのアーティストのアルバム買う事が多いですよ。
「すすめ!! パイレーツ」って、あの江口 寿史さんのですよね?
懐かしいですね。ジャンプだったかな?
ebel_1911さんとは、まさしく同年代でしょうね。TINNAもご存知でしたし・・・。
12インチ・サイズのジャケットは、ある種芸術ですね。CDサイズでは
やはり迫力出ませんし。
昔、部屋でレコードを聴く時は、聴いているレコード・ジャケットを壁に
飾ったりしてました(笑)
気分だけはレコード屋さんでした。
「Other Road」も良いアルバムですね。
ただ、年齢的にも黄金の3部作はまさにリアルタイムで体験した思い入れの強さと
AORという音楽の興味を持ったきっかけを作ってくれたという点でどうしても
この辺りの作品を数多く聴いてしまいますね(笑)