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NICK De CARO_LOVE STORM ◇ 2006年 09月 03日
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まだAORという呼び名さえ存在しなかったであろう1974年に、そのメロウなサウンドで後のAORの元祖とも言われるニック・デカロの名盤中の名盤『ITARIAN GRAFFITI』。最近、リマスター、紙ジャケット盤としてリリースされました。前から好きなアルバムなので、いつか紹介したいなと思っていたんですが、最近ブログ仲間の皆さんの多くが『ITARIAN GRAFFITI』を取り上げて、素晴らしいレビュー記事を書かれているのを読んで、ちょっと今更記事を書くのも気が引けたんで急遽別のアルバムを紹介することにしました(笑)

『ITARIAN GRAFFITI』から16年振りにリリースされたアルバム『LOVE STORM』です。『ITARIAN GRAFFITI』とは違って完全なオリジナル・アルバムではなく、何と山下 達郎のカヴァー・アルバムです。
全9曲中7曲が達郎のカヴァー、残り2曲がニック・デカロのオリジナル曲という構成になっています。ニック・デカロがヤマタツをカヴァーとなれば、両方の音楽を好きで聴いてきた人間にはたまらないわけですね。
山下 達郎自身も選曲に関わっていたようですし、バックのミュージシャンも凄腕ばかりを集めた実に渋いアルバムです。

参加しているミュージシャンは、以下の通りです。
Drums : Harvey Mason / John Robinson
Guitar : David T. Walker / Dean Parks
Bass : Neil Stubenhaus
Keyboards : Neil Larsen
Percussions : Alex Acuna
Sax : Eric Malienthal / Joel C. Peskin
Vocal : Nick De Caro / Denise De Caro
こんな素晴らしいミュージシャン達が、ニック・デカロの洒落たアレンジの達郎の名曲の数々を演奏しているという贅沢な1枚なのです。しかも録音は、アル・シュミットですから音も文句無し。
気持ち良い空気が心地良い初秋の夜にピッタリな1枚ではないでしょうか。

『Nick De Caro / LOVE STORM』
01. LOVE STORM (SPRINKLER)
02. TOUCH ME LIGHTLY
03. SILENT NIGHT, LONELY NIGHT (CHRISTMAS EVE)
04. EVERY NIGHT
05. GREAT COMMUNICATOR (for Tats)
06. THEME FROM BIG WAVE
07. ONLY WITH YOU
08. THE GIRL IN WHITE
09. LOVE MAGIC

雨音と雷鳴のSEで始まる01。1983年の達郎のシングル曲「スプリンクラー」のカヴァーです。このアルバムの為に、アラン・オデイが英詞を新たに書き下ろしたらしいですね。オリジナルよりも軽い感じのリズムですが、間奏でのサックス・ソロは渋いですし、コーラスが実に美しいです。
達郎がキングトーンズの為に提供した曲で、自身もアルバム『Moonglow』でセルフ・カヴァーした02。JAZZYなアレンジで、デヴィッド・T・ウォーカーのギターがこの上なく素晴らしいです。
ここでも素晴らしいコーラスをデカロは披露してくれます。ニール・ラーセンのシンセ、エレピのプレイもたまらない1曲。
今や日本のクリスマスのスタンダード曲03。ニック・デカロ自身が英詞を書いています。軽めのギター・リフはおそらくディーン・パークスだと思います。達郎のものとは雰囲気が違いますが、ニックのコーラス・ワークも素晴らしいですね。
竹内 まりやのアルバム『Miss M』に収録されていた04。ニック・デカロにぴったりな曲ではないでしょうか。まさにAORな1曲です。間奏でのディーン・パークスのアコースティック・ギター・ソロは秀逸です。
ニック・デカロのオリジナル曲で、達郎へ捧げられた05。これまでの4曲が達郎作品なのに、違和感を全く感じさせません。つまりどの曲もニック・デカロのオリジナルのように聴こえてしまいます。ニックと達郎、この素晴らしい才能を持った二人のアーティストに拍手したい気分になります。
達郎の1984年のアルバム『BIG WAVE』からのカヴァー06。軽い感じのアレンジですが、この軽快さが気持ち良いのです。達郎のアレンジ、歌が波の高さで言うなら10m級ならニックのは5m級って感じでしょうか(笑)
同じく『BIG WAVE』からのカヴァー07。こちらは達郎のオリジナルに負けない位の存在感を放つ仕上がりだと思います。ニック・デカロの声によく似合っていますね。
14 KARAT SOULの1988年にリリースした日本デヴュー曲08。もちろん達郎の作曲です。曲の最初の部分はバラード調で、別の曲のように聴こえますが途中からはあの明るい感じへ変わります。達郎自身も『僕の中の少年』でカヴァーしています。R&Bというよりも、ウェスト・コースト・ロック風なアレンジが新鮮です。
ニック・デカロのオリジナル曲09。イントロでのニール・ラーセンのピアノが美しく、デニス・デカロとのデュエットが何ともお洒落です。

ニック・デカロを聴いていつも思うのは、歌自体は決して上手いとは思えないのですが、ファルセット・ヴォイスとコーラス・ワークを含めると実に魅力的に聴こえてくるんですね。
そして、アレンジのバランスの良さでしょう。これだけのミュージシャンを集めながらも決してテクニカルなプレイを求めず、バランスを重視したアレンジって感じなんですね。これは、コーラス・アレンジも含んでます。だからこそニック・デカロの歌が魅力的に聴こえるのかも知れません。
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by kaz-shin | 2006-09-03 00:04 | 洋楽系 | Trackback(1) | Comments(8) | |
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Tracked from 音楽の杜 at 2006-09-03 13:49
タイトル : Nick DeCaro 「Love Storm」 (19..
ニック・デカロ Meets 山下達郎! 巷ではニック・デカロの世紀の名盤「イタリアン・グラフィティ」の紙ジャケが人気を集めてますね。私も2枚目の紙ジャケ購入は「イタグラ」と思っているのですが、その前にオフでニック・デカロの3枚目のソロアルバムを発見!250円で放置されていたので、救出致しました。 もちろんこの作品、リアルタイムで発表されていたのは知っていたのですが、安易な山下達郎カバー集に「ニックもクリスマス・イブ・ブームに乗せられたのか?」と、聞かずじまいでした。 今回恥ずかしなが...... more
Commented by しげぞう at 2006-09-03 01:08 x
こんばんは
今思い出しました! コレ、一時聴いてました!
ありましたありました! って感じです
しかし、毎回タツロー本人のバージョンが聴きたくなって困った記憶があります
Commented by kaz-shin at 2006-09-03 11:14
しげぞうさん、こんにちは。いつもありがとうございます。
しげぞうさんも聴いていましたか!
正直言うと、このアルバムがリリースされた直後はあまり好きではなかったんですね(笑)
達郎さんに比べると緊張感が無いと言うか、地味な感じがして。
ところが年齢を重ねていき、聴き直す毎に好きになったアルバムです。
自分の歌声に1番似合うアレンジが施されているあたり、やはり只者では
ないなと・・・。
しげぞうさんも今一度聴き直してみてはいかがでしょう?
Commented by 240_8 at 2006-09-03 13:55
いやいや、びっくり!!!Kaz-shinさんもアップされてましたか(苦笑)。
こちらのブログに来てみたら、「おっ!」。ホント驚きました。
私はたまたまオフで先週ゲット。感動のあまり、さきほどアップしたところです。
②のジャージーさはニックならではですね。ニックのラストアルバムも聴かれましたか?小生は未聴です。
Commented by kaz-shin at 2006-09-03 22:31
240_8さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
同じアルバムのレビュー記事を書くこと自体は珍しくないですが、
同じ日にアップするというのは珍しいですよね(笑)
単に達郎さんのカヴァーに徹していないところが、このアルバムの良さであり
ニックらしいのかも知れませんね。達郎さんのオリジナルに思い入れが強い
人には賛否両論ありそうですね。
ラスト・アルバムは私も未聴で探している最中です。
Commented by ギター小僧 at 2006-09-05 21:06 x
いつも勉強させていただいてます。
コレ知らなかったです。
早速ネットで購入・・・と思ったらなかったです・・・
オークションで安かったので落札しました。
まだ届いてないので聴いてませんが楽しみです。
「クリスマス・イヴ」など気になります。
実は達郎は大好きなんですが、
なぜか「クリスマス・イヴ」はどうしてもダメでして、
90年代に流行った達郎や竹内まりやのカヴァーアルバム
「SONGS FROM L.A」でJ・ウィリアムズが唄う
「クリスマス・イヴ」が好きでした。
アメリカ人がやるとこーなるのか!さすが!
と感心してたら、アレンジは小林信吾でした・・・
Commented by kaz-shin at 2006-09-05 21:13
ギター小僧さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
>いつも勉強させていただいてます。
あまりにも有難いお言葉で、恐縮してしまいます。ありがとうございます。
ここに収録されてる「クリスマス・イヴ」は、達郎さんバージョンが好きな人には
評判はあまり良くないようです。英語詞も達郎さんの英語バージョンではなく、
ニック自身の作詞という事もあり独特な雰囲気があります。
ギター小僧さんがニックの「クリスマス・イヴ」を聴いて、どんな感想を持ったか聞かせて下さいね。
楽しみにしています。
Commented by かわちゃん at 2008-05-06 17:25 x
こんにちは。たまたま大阪の百貨店で中古CDセールが開催されてました。で、このアルバムを購入しました。かなり味があり、気に入りました。この歳に聴くからいいのかもしれません。一度は生でビルボードライブあたりで聴きたかったです。
Commented by kaz-shin at 2008-05-06 23:04
かわちゃんさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
いかにもニック・デカロらしい洒落たカヴァー・アルバムですよね。
もっともっと活躍して欲しかったアーティストですね。
自身のアーティスト活動はもちろん、アレンジャーとして活躍し続けて欲しかった一人です。
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