私の中で安部 恭弘と並んで、CITY POPを語る上で絶対に外せないアーティストが濱田 金吾です。彼のアルバムには、常に都会とそこに住む男女の恋愛ドラマが描かれています。
親しみやすいメロディー・ラインと甘い歌声が聴くものを魅了する、まさにCITY POPの代表的アーティストだと思っています。
今回紹介するアルバムは、1985年にリリースされた通算7作目で、目下のところのオリジナル・アルバムとしては最新作になります。つまり20年以上新作が残念な事にリリースされていません。最近ではCDの再発や、ベスト盤のリリースで濱田 金吾の音楽を楽しむ事は出来ますが、ニュー・アルバムも聴きたいところです。
『濱田 金吾 / Fall in Love』
01. FOOL IN THE CITY
02. モーニングコールはマービンゲイ
03. シャレード
04. コールド・スケッチ
05. ダイヤル045
06. 心のままにOnce Again
07. Gipsy
08. 悲しきBy-Player
09. ビリーホリディに背を向けて
スリリングなイントロで始まる01は、都会の夜を歌ったビートの効いたナンバーで、ドライヴィング・ミュージックにピッタリです。松下 誠のギターが冴える1曲。
軽快なリズムとホーン・セクションが爽やかな02。どことなくモータウン風なサウンドが洒落ています。
これぞ濱田 金吾節と言える繊細なバラード曲03。濱田 金吾自身がアレンジしています。
ウエスト・コースト・ロック風な04。タイトなリズムとギター・リフが印象的です。
ミステリアスな雰囲気を醸し出すメロディーの05。サスペンス・ドラマのエンディング・テーマにお似合いな感じですね(笑)
キャッチーなメロディーと軽めのリズム・アレンジが耳に心地良い06。聴くほどに味が出てくる、まさにそんな曲です。
シンセを駆使したグルーヴ感が良い07。この曲も濱田 金吾のアレンジなのですが、アレンジャーとしても素晴らしいセンスを持っていると感じさせてくれる曲ですね。
最高にステキなメロウ・ナンバー08。アルバムで1番好きなナンバーです。このメロディー・ラインとヴォーカル・スタイルがたまらなく良いですね。曲の終盤でのピアノ・プレイが聴き所です。
落ち着いた雰囲気とJAZZYな香り漂うデュエット曲09。デュエットのお相手は小林 明子。洋楽のデュエット曲にも引けを取らない素晴らしいメロディーを持ったバラード曲です。
濱田 金吾のアルバムの中では、正直なところ1番地味なアルバムかも知れません。ただ、決して手抜きという訳ではありません。松下 誠のアレンジも派手さはないもののツボを抑えた感じですし、力の抜けた力作って感じでしょうか(笑)
秋から冬にかけて、聴きたくなる濱田 金吾のアルバムは何故かこのアルバムです。
現在は、東芝EMI時代の6作目とこのアルバムは入手困難ですが、つい先日東芝時代の音源を含んだベスト盤が発売されていますので、興味があればそのベスト盤を聴いてみる事をお薦めします。
大人が作った大人の為のポップスが満載ですよ。
ファンサイトを覗いてみると、昨年の金吾さんのライブでは、ボサノバ調「摩天楼」を歌っていたとの話題もありました。そろそろ宏美さんにも、また書いてくれないかなー。
「摩天楼」は大好きな曲ですね。松本 隆の詞に、浜田 金吾のメロディー、
そして井上 鑑のアレンジとなれば、これはもう歌謡曲ではなくCITY POPですよね。
浜田 金吾さんの歌う「摩天楼」は聴いてみたいですねぇ。