ジェイ・グレイドンのプロデュースにより、1979年にリリースされたマンハッタン・トランスファーの通算5作目『EXTENSIONS』を紹介します。マンハッタン・トランスファーと言えば、不安定要素が全く無い完璧なコーラス・ワークが特徴ですね。まさに一糸乱れぬコーラスという感じです。
この『EXTENSIONS』は、ジェイ・グレイドンのプロデューサーとしての手腕が光りPOPS、JAZZ、FUSIONが上手く融合され、JAZZ/FUSIONのファンだけでなくAORファンにも彼らの高い音楽性をアピールしたと同時に彼らの知名度を高めた傑作アルバムです。
JAZZ/FUSION作品のメロディーのみならず、アドリブ・パートさえ歌詞を付けて見事なコーラスにしてしまうという、まさにマンハッタン・トランスファーならではのヴォーカリーズが冴え渡っています。
このアルバムの冒頭を飾るウェザー・リポートの名曲「バードランド」のカヴァーでの素晴らしいヴォーカリーズは、1980年度のグラミー賞の「最優秀ジャズ・フュージョン歌唱賞」と「最優秀ヴォイス・アレンジメント賞(ジャニス・シーゲルに対して)」の2部門を受賞しました。
近未来を示唆するようなアルバム・ジャケットに、シンセや当時の録音技術を駆使してのJAZZ有り、オーソドックスな4ビート有り、AOR色全開な曲有りと様々な音楽スタイルを楽しめる素晴らしいアルバムに仕上がっています。
『THE MANHATTAN TRANSFER / EXTENSIONS』
01. BIRDLAND
02. WACKY DUST
03. NOTHIN' YOU CAN DO ABOUT IT (貴方には、何も出来ない)
04. COO COO U
05. BODY AND SOUL
06. a) TWILIGHT ZONE b) TWILIGHT TONE
07. TRICKLE TRICKLE
08. SHAKER SONG
09. FOREIGN AFFAIR (異国の出来事)
1977年に発表されたウェザー・リポートの名盤『Haevy Weather』に収録されていた01。ジェフ・ポーカロとラルフ・ハンフリーのツイン・ドラムも聴き所ですが、やはりジャニス・シーゲルのコーラス・アレンジの素晴らしさに圧倒されます。
エラ・フィッツジェラルドが歌ったことで有名な02。シンセを駆使したスウィング・ジャズです。ユーモラスなシンセの音に、ラルフ・ハンフリーの素晴らしいドラミングが絡みます。
ジェイ・グレイドン、デヴィッド・フォスター、スティーヴ・キプナー共作による03は、エアプレイでもお馴染みのナンバーですが、オリジナルはこちら。デヴィッド・フォスターのピアノが印象的なナンバーです。
マイケル・ボディッカーのシンセやヴォコーダーがフィーチャーされた04は、短いユーモラスな曲です。
ビル・メイズ(p)、チャック・ドメニコ(b)、ラルフ・ハンフリー(ds)のジャズ・トリオの演奏が渋い05は、オーソドックなジャズ・スタイルです。しかし、メロディーに関しては原曲とは全く違うアレンジが施されているようです。
テレビの人気SFシリーズ「ミステリー・ゾーン」のテーマ曲を導入部に使い、アラン・ポールとジェイ・グレイドンが書き下ろした06は、マンハッタン・トランスファーの大ヒット曲です。ジェフ・ポーカロ、デヴィッド・ハンゲイト、スティーヴ・ルカサーというお馴染みのメンバーを迎えて、AOR色の強いアレンジが特徴。間奏でのジェイ・グレイドンのユニゾン・プレイによるギター・ソロが圧巻です。
オールディーズ・ロック・スタイルの07。跳ねたリズムにドン・ロバーツのサックス・ソロが心地良いナンバー。明るい感じのコーラスも素晴らしいですね。
ボッサ・テイストの08は、スパイロ・ジャイラのデビュー・アルバム『SPYRO GYRA』に収録されていた名曲のカヴァーです。この手のタイプのドラミングは天下一品のアレックス・アクーニャやパウリーニョ・ダ・コスタが大活躍しています。ジェイ・グレイドンのガット・ギターを聴く事が出来ます。
ウエスト・コースト・ロックの異端児と言われたトム・ウェイツの作品09。美しいメロディーのバラード曲で、マンハッタン・トランスファーの真骨頂でもあるア・カペラ・コーラスを堪能出来ます。
秋の夜長に洒落たサウンドとコーラスを聴きながら過ごすというのも一興ですね。洋楽、特にAORが好きな人は、以前紹介した通算6作目『モダン・パラダイス』(1981年/ジェイ・グレイドンのプロデュース)と併せて聴く事をお薦めします。そしてFUSIONが好きな方は、オリジナル曲と歌詞の付いたマンハッタン・トランスファーのヴォーカリーズ・ヴァージョンとの聴き比べも面白いと思いますよ。
コーラスの素晴らしさ、面白さを教えてくれたマンハッタン・トランスファー。皆さんも如何ですか?
この作品はマントラの中でも特に大好きな一枚です。月に一度は必ずカーCDから流れます。バードランドをボーカルでカバーした事自体凄いのに、あの完成度は驚異的ですね。これを一曲目に配置するのはチョッとずるい気がします(笑)。勿論、アルバム全てが素晴らしいの一言ですね。
この作品には収録されていませんがマントラの中でも「ジャヴァ・ジャイブ」と「バードランド」は特に大好きです。
「ここ!ここんとこっ!」といってラスト近くの「クイックイッ・・」のところを
ギギーッーと針を持ち上げて戻し繰り返し流していたことがありました。
実はマントラとの出会いのアルバムなんです。やはりジェイ・グレイドンの
プロデュースに惹かれました(笑)
でも、そんな事より1曲目の「バードランド」にやられてしまいました。
コーラスってこんなに凄いのかって鳥肌立ちましたからね。
本当に傑作アルバムですね。
ぜひ、聴いてみて下さい。聴いて絶対に損の無いアルバムですよ。
バラエティーに富んでいて、聴いていて飽きないアルバムです。
『モダン・パラダイス』も傑作ですので、こちらもお薦めです。
桑田さんもあのギター・ソロは好きだったんですね(笑)
ジェイ・グレイドンのソロは、緻密に計算された聴かせるギター・ソロなんで
聴いていて気持ち良いのは当たり前って感じですかね。
私もこの曲ばかり、繰り返し聴いていた頃がありました。
TBは出来ましたか?ちょっと制限してますんで、もしかしたら出来ないのではありませんか?
制限外しますんでTBよろしくお願いします。
ジェイ・グレイドンのプロデュースという事で、AOR風な作品と思われがちですが、
確かにAOR風な作品もありますがFUSIONの名作に歌詞を付けて歌う
というアイディアが素晴らしい作品です。
ぜひ1度聴いてみて下さい。この次のアルバム『モダン・パラダイス』も
お薦めです。スティーヴ・ガッドの凄いドラミングが随所で聴けます。
まぁ、私もGraydonに魅かれて輸入盤屋で買うた訳ですわ(と、突然大阪弁に戻る)。
ほたら、あんさん、例のソロは勿論凄おますけど、他の曲のアレンジに驚きましたんですわ。
02はアナログシンセで往年のビックバンドジャズを再現したお洒落なアレンジ。このアレンジは影響大でしたわぁ。
マリーンの1st「ファーストラブのように」で笹路さんが"You've Got A Friend"を、Judy Antonの1st「Smile」で松下 誠さん(私の今一人のギターアイドルです)が"Manhattan Dreams"を、このアレンジのパクリでやってはったでっさかい。他にもらしいのはいっぱいおましたわ。
ギタリストとしてでなければ、02・05・09が好きですねぇ。
日本ではジャズ理論も分かっとらんくせに、阿呆どもが「アカペラ」とかぬかしとりますが、和声のつけ方が稚拙で聴くにたえません。
あるいはホントにゴスペルを聴いとるのか、日本語のダサいオリジナルやっとって、お前らと言いたなる連中も居ますし(笑)
02のアレンジは面白いですね。シンセでスウィング感を上手く表現していると思います。
ギタリストとしてはもちろんですが、やはりアレンジャーとしてのセンスが抜群に良いですね、ジェイ・グレイドンは・・・。
マントラの「NOTHIN′YOU CAN DO ABOUT IT」も良いですよ。
お薦めです。
ジェイ・グレイドンがプロデュースした『EXTENSIONS』と『MECCA FOR MODERNS』は
聴いて損の無い素晴らしいアルバムです。
ぜひ聴いてみて下さい。