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Toshiki Kadomatsu vol.20_T's 12 INCHES ◇ 2007年 03月 21日
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アナログ盤からCDへと時代が移行して、廃れてしまった12インチ・シングルという音楽媒体。
私のようなアナログ時代に1番音楽を聴いていた年代には、今のデジタルな時代の音の良さやアルバム1枚における収録時間の大幅なアップは大歓迎なんですが、やはり12インチ・シングルの持つ独特な味というのか、アーティスト自身の拘りが好きだったりする訳で・・・。

今回紹介するのは、日本人アーティストで最も12インチ・シングルに拘ったアーティストと言っても過言ではない角松 敏生が1986年にリリースした12インチ・シングル集『T's 12 INCHES』です。
1981年のデビューから、角松の音楽のバック・ボーンにはダンス・ミュージックが存在しており、日本でもかなり早い時期にヒップ・ホップを取り入れてきました。そんな角松ですから、ディスコ・シーンにおける12インチ・シングル・レコードの持つ重要性や楽しさを熟知していたのも頷けますね。
角松自らCAMU SPIRITSというエディット・ユニットを作って、ただシングル曲のロング・バージョンという12インチではなく、完成されたシングル曲を解体し、エディットを施すことによって新たな価値・新たなエナジーを生み出しています。

1983年に角松は初の12インチ・シングル「DO YOU WANNA DANCE」をリリースしてから、1990年迄に9枚(企画色の強い"KADOMATSU DE OMA"は省く)の12インチ・シングル・レコードをリリースしています。
この『T's 12 INCHES』には、1986年迄にリリースされた12インチ・シングル曲6枚から選ばれた曲が収録されています。

『角松 敏生 / T's 12 INCHES』
01. 初恋 - HATSUKOI -
02. LUCKY LADY FEEL SO GOOD
03. STEP INTO THE LIGHT
04. SNOW LADY FANTASY
05. GIRL IN THE BOX ~22時までの君は
06. TOKYO TOWER - EXECUTIVE SPECIAL POWER MIX -
07. TAKE OFF MELODY
08. DO YOU WANNA DANCE
09. PILE DRIVER
※タイトルが緑字になっている曲は、過去に紹介記事はありますので良かったら読んでみて下さい。

ヨギ・ホートン(ds)、マーカス・ミラー(b)というリズム隊による強力なリズムと、リチャード・ティーのパーカッシヴなピアノ、そして吉田 美奈子との初コラボ作となった01。角松初の日本語のタイトル曲ということも印象的でした。12インチならではの迫力ある1曲です。エディットは、エンジニアのマイケ・H・ルブラウアー。

角松の12インチ・シングルで1番好きなのが02。これほど格好良いダンス・ミュージックは滅多にありませんよ。ヨギ・ホートン、フィリップ・セス(key)、ドク・パウエル(g)、リチャード・ティー、バシリ・ジョンソン(par)、ボブ・ミンツァー(sax)等が参加しています。名曲です。エディットはマイケ・H・ルブラウアー。

12インチ・シングル「GIRL IN THE BOX」のカップリング曲だった03。インスト中心のナンバーで、曲中で宮本 典子等のRAPがフィーチャーされています。こんなダンサブルな曲ですが、キーボードで村松 健が参加しています。エディットはCAMU SPIRITS。

01のカップリング曲だった04。シンセ・サウンド主体のFUNKチューン。エディットはマイケ・H・ルブラウアー。

ライブで演奏されれば必ず盛り上がるという05。この頃のエディットはまだ控えめな感じで、ロング・バージョンといった感じに仕上がっています。ヨギ・ホートンとの初コラボ作品でした。エディットはマイケ・H・ルブラウアー。

このアルバムの為に新たにリミックス、エディットされた名曲06。この曲こそ12インチ・シングルでこそ本領を発揮するナンバーかも知れませんね。オリジナルとは歌詞が変わっている箇所があります。エディットはCAMU SPIRITS。あのNHKでは放送自粛曲としても有名ですね(笑)

02のカップリング曲だった07。オリジナルはダンス・ミュージック的な要素はあまりありませんが、CAMU SPIRITSのリミックスで尖った感じに仕上がっています。

角松初の12インチ・シングル曲08ですが、このアルバムに収録されているのは新たにリミックス、エディットされたバージョンです。オリジナルの12インチ・シングル・ヴァージョンはCD化されていないことになります。エディットはCAMU SPIRITS。

アルバム中最も過激なエディットが施された09。当時エディット・チームとして最先端を歩んでいたラテン・ラスカルズがエディットを施し、先鋭的な仕上がりになっています。

今聴くと時代を感じさせる曲もありますが、この12インチ曲の煌びやかさは紛れも無く80年代という時代の煌びやかさだったような気もします。そして当時、角松がJ-POPシーンの先頭を歩いていたアーティストの一人だったと確信出来るアルバムでもありますね。
アナログ盤は2枚組でしたが、CDでは1枚に全曲収録されています。良い時代にはなりましたが、出来ればリマスターを施して再発して欲しいですね。そして、1987年以降にリリースされた12インチ・シングルを集めた『T's 12 INCHES 2』をリリースしてくれたら嬉しいのですが・・・無理でしょうねぇ(笑)
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by kaz-shin | 2007-03-21 12:38 | Toshiki Kadomatsu | Trackback | Comments(14) | |
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Commented by しげぞう at 2007-03-21 16:28 x
こんにちは
「金字塔」の一枚と言えるでしょうか
僕は、やはり06・08あたりのエディットに心を惹かれました
と言いつつ、04「SNOW・・・」が大好きデス
Commented by rs at 2007-03-21 17:05 x
12inchは音が良いですよね、EPとは明らかにpowerが違います!
デジタルになってからは、その違いが出にくくなって少々残念ですが
最新リマスターで12inchの音らしい再発を願うばかりです。

1990年発売のOKINAWA 12inchをなんとかアナログで
聞いてみたいのですが、超が付くレア盤なんでなかなか入手出来ません。
Commented by kaz-shin at 2007-03-21 19:41
しげぞうさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
「SNOW LADY FANTASY」が好きというのは渋いですね~。
私はやはり「LUCKY LADY~」が1番好きですね。イントロからわくわくします。
Commented by kaz-shin at 2007-03-21 19:47
rsさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
アナログ時代における12インチは、45回転にすることで断然音が良かったですね。
その辺りの音の違いがアナログの面白さでもあったように思います。
デジタルでこの違いを出すにはリマスターしかないでしょうね。
本当にリマスターして欲しい1枚なんですが、角松さというか、レコード会社も
あまりリマスターにどうも興味が無いようで・・・(笑)

「OKINAWA」の12インチは、今思えば買っておけば良かったと思いますね。
出来れば、『T's 12 INCHES 2』をリリースして欲しいですよね。
Commented by いわとも at 2007-03-21 23:37 x
今、改めて聴きなおしています。もちろんCDで(笑)。
やはり、06の“僕のTower”が、私にとって最高です。
7分があっという間に過ぎて行きます。
そして、08。後半の“今はもう~♪”からは泣いちゃうくらい良いです。
車内で聴いていれば、必ずボリュームを上げてますね~。
 
ミュージシャンの「顔が見える」演奏は、長いバージョンで楽しみたいです。そしてこのジャケット、結構気に入ってます。
Commented by kaz-shin at 2007-03-22 00:00
いわともさん、こんばんは。コメントありがとうございます、
この頃の角松さんの曲って、本当にパワーが漲ってましたよね。
若さかも知れませんが、音源としてそのパワーが記録されているのは
やはり嬉しいことです。「TOKYO TOWER」も「DO YOU WANNA DANCE」も
もちろん大好きな曲ですが、「DO YOU~」は12インチ・シングル・ヴァージョンの方が好きですね。
テンションを上げたい時なんかによく聴く1枚です。

>ミュージシャンの「顔が見える」演奏は、長いバージョンで楽しみたいです。
良い言葉ですね。同感です。
Commented by 弥生 at 2007-03-22 12:04 x
『2』に賛成の挙手です。
凍結直後にフリークになりCDを買いあさった私は別のVerでアルバムを発表した彼に他のミュージシャンにはないプロ根性を感じ惚れてしまいました。
06と09が個人的に大好きです(∇〃)。o〇○
Commented by kaz-shin at 2007-03-22 13:01
弥生さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
おそらく『T's 12 INCHES 2』は実現は無理でしょうね。
レコード会社も角松さん自身も、過去の音源をリマスターを施して
良い音でリスナーに届けようという姿勢を全く感じませんから・・・。
達郎さんみたいに柔軟な姿勢だったら、可能なんでしょうねぇ(笑)
でも100%無理ということでもない気がするので、期待しましょう!
Commented by kotaro at 2007-03-23 07:23 x
kaz-shinさんの前では、kadomatsuに対するコメントなど
何の役に立とうかと、遠慮しておりました(笑)
でも僕もAfter5Clashの1枚だけは持っていますし、ラジオ番組の彼の熱弁で12inchSingleに強く同感した時期もありました。
Girl in the BOX、タイトルはサイコーですね。このBsideのStep into the lightのラップが宮本典子とは、いま気づきました。
彼女はいまMIMIの名でソウル系のミュージックをしています。
私の行く大阪のブルースバーの主人がイチ押しでプロデュースしています。
角松の凍結時代については、いろいろ考えさせられますね。
「ギラギラ」や「イケイケ」の時代が終わったこともあるし、この頃は小室系サウンドが跋扈してたこともあるでしょう。
それにして80年代の角松氏はあの時代の典型ですね。
カッコ良さが判りやすかった時代、サウンドで答え一発みたいな。
この項は比較時代文化論みたいですごく面白いです。

Commented by kaz-shin at 2007-03-23 12:17
kotaroさん、こんにちは、。いつも暖かいコメントありがとうございます。
宮本さんも本格的なシンガーで大好きです。MIMI名義のアルバムは
未聴なんですが、中古店でたまにみかけますので今度聴いてみますね。

>カッコ良さが判りやすかった時代、サウンドで答え一発みたいな。
そうねんですよね。別に今の活動や方向性に関して否定的ではないんです。
あの頃、角松さんに限らずJ-POPシーン全体に漲っていたエネルギッシュなパワーが好きなんです。
聴く音楽、聴く音楽に新たな感動で震え、胸トキめいたあの頃・・・。
アーティスト皆が前向きで、良い音楽を作ろうという姿勢が感じられた時代の音楽が好きなんです。
だから、私のブログは古い音楽ばかり紹介しているんですが・・・(苦笑)

決して今の音楽を否定するつもりはありません。ただ胸がトキめかないだけです。
これは作り手の問題よりも私が歳を取って、今の音楽についていけないだけなんでしょうけどね(笑)
Commented at 2007-03-23 23:16 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by kaz-shin at 2007-03-24 00:19
鍵コメさん、コメントありがとうございます。
これからも胸トキメいた音楽を大切にして、また新たな胸トキメく音楽に
出会えるように色んな音楽を聴いていきたいですね。

このブログが、そんな出会いのお手伝いが少しでも出来ると嬉しいのですが・・・。
これからもよろしくお願い致します。
Commented by iMasato at 2007-04-30 15:52 x
はじめまして。
村田和人さんのプレゼントDVDをググって飛んできてびっくり
JPOP/CITY POPだけでなく角松さんを特だしで詳細にレビューされていて圧巻されました。
僕は最近80年代のNYサウンドにはまっていて、改めてT's12inchesの頃の角松さんのすごさを実感します。
リマスターで出していただきたいと痛切しますが、前の事務所との権利関係でむずかしいのではないでしょうか?
4月から始まったTDKがスポンサーのFM番組では良質な音楽の紹介を行っておりますが、昔の曲を否定気味な発言が目立っていたかもしれませんがこの番組を聴くと、イイものはイイという昔からの主張がすごく伝わってきます。
今後もブログのレビュー楽しみにしております。
Commented by kaz-shin at 2007-04-30 17:14
iMasatoさん、はじめまして。ようこそ当ブログへお越し下さいました。
そして、コメントありがとうございます。
古い作品ばかりですが、好きな音楽(作品)を無節操に紹介しています(笑)
「あっ、このアルバム昔よく聴いたな~、懐かしい!」という感じで読んで
頂けると嬉しいです。

>前の事務所との権利関係でむずかしいのではないでしょうか?
その話は聞いたことがあります。ユーミンのように権利を全て買い取って
自分の会社で管理出来るようになれば面白いとは思うのですが・・・。
過去の音源に対して、それほど執着していないようなので無理なのかな?
FMの番組も始まったのは知っているのですが、角松さんの喋りが苦手な
もので、デビュー以来ラジオ番組はほとんど聞いたことが無いのです。
角松さんが選曲された音楽を流したりしているのでしょうね。
また、面白い話が聞けたら教えて下さいね。
これからもよろしくお願い致します。
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