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笠井 紀美子_TOKYO SPECIAL ◇ 2007年 03月 24日
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今回紹介するのは、日本における女性ジャズ・シンガーの草分け的な存在で、その活動範囲はジャズだけに止まらずロック、ポップスと幅広い音楽ジャンルに挑戦し、歌以外でもドラマや映画にまで出演していたという笠井 紀美子が1977年にリリースしたCITY POPなアルバム『TOKYO SPECIAL』です。
プロデュースは、山口 百恵を始めとしてCBSソニーの数多くのアーティストを手掛けた酒井 政利と笠井 紀美子。作詞は故・安井 かずみが全曲担当しており、作曲陣は山下 達郎、筒美 京平、横倉 裕、鈴木 宏昌、矢野 顕子、鈴木 勲、森 士郎という豪華な顔触れです。
編曲は全曲鈴木 宏昌で、バックを支えるミュージシャンは鈴木 宏昌(key)、松木 恒秀(g)、岡沢 章(b)、市原 康(ds)、穴井 忠臣(per)、山口 真文(sax)等で、いわゆるコルゲン・バンドですね。コルゲン・バンドはフュージョン・バンド、THE PLAYERSの前身として有名ですが、鈴木 宏昌を大野 雄二に変えるとルパン三世のテーマの演奏でも有名なYou & The Explosion Bandになるという贅沢な面子のバンドです。

笠井 紀美子の歌は、技術的に云々と言うよりも圧倒的な個性と存在感に特徴があるように思います。その個性がジャズだけに止まらず、幅広いジャンルの音楽に柔軟に対応できた要因なのかも知れません。今から30年も前にこんなお洒落なアルバムが作られていたんですね。やはり70年代後半~80年代のJ-POPシーンは本当に面白かったです。

『笠井 紀美子 / TOKYO SPECIAL』
01. バイブレイション (LOVE SELEBRATION)
02. やりかけの人生
03. 夏の初めのイメージ
04. ベリー・スペシャル・モーメント
05. 人はそれぞれ・・・(JUST ANOTHER LOVE SONG)
06. TOKYO SPECIAL (MANHATTAN SPECIAL)
07. 木もれ陽 (SEQUOIA FOREST)
08. テイク・ミー
09. 待ってて (LAID BACK MAD OR MELLOW)

山下 達郎が作曲した01。この曲は、翌1978年に達郎が自身のアルバムで名盤の『GO AHEAD!』の中で「LOVE SELEBRATION」として英語詞でセルフ・カヴァーしている方が有名かも知れませんね。全く違う仕上がりになっており、下手すると同じ曲と気付かない人もいるでしょうね。笠井バージョンと達郎バージョンを聴き比べると面白いですよ。

ジャズ・ベーシストの鈴木 勲の作曲の02。渋いJAZZYなナンバーで、鈴木 勲もChelloで参加しており素晴らしい演奏を披露しています。岡沢 章のベース、松木 恒秀のギターのプレイが光る曲です。笠井 紀美子のヴォーカルも艶やかで素晴らしいです。名曲です。

松木 恒秀の軽快なギター・カッティングで始まる03は、筒美 京平作曲のポップ・ナンバーです。さすが筒美 京平と思わせるキャッチーなメロディーと、涼しげな風のような爽やかなアレンジが印象に残ります。

私の大好きなアーティストの一人、YUTAKA(横倉 裕)作曲によるジャズ・ファンクといった趣きのナンバー04。確かな記憶ではないのですが、何かのCMで使われていた思います。憶えている方いらっしゃいますか?間奏のトランペット・ソロは日野 皓正です。

同じくYUTAKA作曲の05。04とはガラリと雰囲気が変わって美しいバラード曲です。ストリングスの美しさと笠井 紀美子の高音域の歌声がとにかく美しく、聴き惚れてしまいますね。YUTAKAのソング・ライターとしての才能を感じさせる1曲だと思います。

アバンギャルドなナンバー06。ジャズ・ギタリスト森 士郎の作曲で、TOKYOやサブ・タイトルにあるMANHATTANという都会的なイメージのモダン・ジャズ風なナンバーです。ここでも日野 皓正が大活躍しています。アルバム中最もJAZZ色の強いナンバーですね。

森 士郎作曲のバラード曲07。しっとりとしたメロディアスなナンバー。曲のタイトル「木もれ陽」にぴったりなアレンジで、柔らかな陽射しを浴びているような気分になれる1曲です。

鈴木 宏昌作曲の08は、ミディアム・ソウル・ナンバーで笠井 紀美子のシルキーな歌声にぴったりなナンバーです。鈴木 宏昌のシンセ・ソロと松木 恒秀のバッキングが素晴らしいですが、どことなく大野 雄二のアレンジに似た雰囲気です。大野 雄二のアレンジと言われても納得してしまいそうなアレンジですね(笑)

矢野 顕子作曲の09。いかにも矢野 顕子らしいメロディーですが、不思議と笠井 紀美子のヴォーカルによく似合っているナンバーですね。この曲は魅力ありますね。ついつい聴き惚れてしまいます。コルゲン・バンドの演奏も素晴らしく、松木 恒秀のギターが大活躍しています。

篠山 紀信撮影のジャケット写真は、若干怖いような気もしますが・・・(汗)
しかし、30年経った今聴いても古さを全く感じないアルバムです。普段ジャズやジャズ・ヴォーカルに興味が無い人でも楽しめるCITY POPなアルバムだと思います。
現在は音楽から身を引いてジュエリー・デザイナーをしているようですが、なんとも勿体無い話です。
日本が世界に誇る女性ジャズ・ヴォーカリストなんですから・・・。
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by kaz-shin | 2007-03-24 00:07 | CITY POP / J-AOR系 | Trackback | Comments(6) | |
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Commented by まるいチーズ at 2007-03-24 00:52 x
kaz-shin さんこんばんは
またしても77年ですね(笑)、ほんとにこの年にリリースされたものはいつまでも色褪せない作品が多いですよね。
生まれ育った京都が生んだヴォーカリストとして彼女のアルバムはほとんど全部蒐集してます(笑)、ライヴにもよく行きました。このアルバムはそれまでの路線からやや外れてCITY POPと言うか、当時流行った言葉で言うとクロスオーバーと言うか、、すごくお洒落なサウンドに仕上がってますよね、77年当時のちょっとすかしたお洒落な連中が好んで聴いていた音楽の典型のひとつではないでしょうか?
Commented by kaz-shin at 2007-03-24 01:24
まるいチーズさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
当時、クロスオーバーは夢中でしたがJAZZヴォーカルには興味ありませんでした。
ところが、このアルバムに出会って笠井さんの歌の魅力というか、JAZZヴォーカルものも
良いなと認識し始めた重要な1枚でもあります。
本当に77年て良いアルバムが多いですね。このアルバムは今でも本当に好きで
よく聴くアルバムです。
全然古く感じませんし、仰るように洒落たサウンドで溢れていますね。
Commented by ucchi at 2007-03-24 11:38 x
2日連続のコメント失礼します(^^)
ボクもこのアルバムは好きですねえ...♪(聴いたのはけっこう最近ですが)
ジャズ/フュージョン、ソウル、AORあたりの美味しいとこを見事に吸収しているというか,,,それも違和感なく...
ズバリ和製版Marlena Shaw『Who Is This Bitch, Anyway』と思うとります(ジャケの雰囲気も似てるし...^^)
個人的にはタツローの「ヴァイブレーション」、ボッサ感のある「夏の初めのイメージ」、今で言うフリーソウル的な浮遊感のある「テイク・ミー」あたりがツボですね(^^)
Commented by kaz-shin at 2007-03-25 01:48
ucchiさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
>2日連続のコメント失礼します(^^)
何日連続でも構いません。どんどんコメントしてやって下さい(笑)

>ズバリ和製版Marlena Shaw『Who Is This Bitch, Anyway』と思うとります
確かにそうかも知れません。基本はジャズでありながらも幅広いジャンルの
音楽と取り上げていますし、歌も上手いですからね。
ジャケットはマリーナの方が怖さが強いですけど・・・(笑)
「夏の初めのイメージ」は、私も好きですね。筒美 京平という作曲家の
奥深さを感じる1曲です。やはり天才ですね。
Commented by bonejive at 2007-03-25 12:10 x
こんにちは。
私も笠井さんがセレブということで出演されていたTVみました。
本当にびっくりしました。
ジュエリーもいいですがあっさり歌うのをやめてしまうなんて、、、
でも、最初からずっと歌い続けるつもりはなかったようですね。
そういう人生観もすごいなと思いました。
このアルバムの曲の提供者の面々はすごいですね。
是非聴きたいです。
Commented by kaz-shin at 2007-03-25 14:11
bonejiveさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
一芸に秀でた人というのは、他でも才能を発揮できるから羨ましいですよね。
しかし、現役で歌い続けていたらきっと良い作品を提供してくれたんだろうなと思うと少し残念です。

このアルバムは自信を持ってお薦め出来ます。Q盤シリーズで1500円程度で、
今でも入手可能だと思いますので、ぜひ聴いてみて下さい。
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