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Light Mellow "Cruise" ◇ 2007年 03月 29日
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音楽ライター・金澤 寿和氏が監修・選曲しているJ-POP/CITY POP関連のコンピレーション・シリーズで2004年に発売されたLight Mellowシリーズ10枚。その中でJ-POP/CITY POP関連5枚の中の1枚、『Light Mellow "Cruise" -TEICHIKU ENTERTAINMENT Edition-』を紹介しましょう。
以前、このブログでもこのシリーズの中から『Light Mellow "Splash"』『Light Mellow "SKY"』は既に紹介しました。このコンピレーションの特徴は、単に古い音源ばかりでなく最近のJ-POPの曲も含まれているのが特徴ですが、今回の『"Cruise"』は、古い音源が中心になっています。古い作品は1973年、1番新しい作品でも1985年のものです。

ここでライナー・ノーツでの金澤氏の前書きの一部を紹介しておきましょう。
「今はなきショーボート・レーベルのレアな音源を交えつつ、和製ポップスが街の香りや甘美な響きを取り入れて進化するプロセスをコンパイルしました。イメージとしては夜明け時の首都高速を滑る感覚。ここから何を感じ取るかは、もう貴方次第です。」

『Light Mellow "Cruise" -TEICHIKU ENTERTAINMENT Edition-』
01. センチメンタル・ニューヨーク / COOLS ROCKABILLY CLUB
02. 二月の匂い / 稲村 一志と第一巻第百章
03. 朝は好きかい / 小坂 忠
04. Do You Wanna Ride / かまやつひろし
05. 初夏の香り / 久保田 麻琴
06. かびん / 吉田 美奈子
07. シティ・ドライブ / 山根 麻衣
08. FEEL LIKE MAIKIN' LOVE / 宮本 典子
09. ALL I NEED / 彩 恵津子
10. 夏のクラクション / 稲垣 潤一
11. 勝手にしやがれ / 南 佳孝
12. INDIAN SUMMER / Special Jam Company with Shun Sakai
13. THE RIVER MUST FLOW / ジュディー・アントン
14. I'm in Love (愛のとりこ) / 鈴木 義之
15. おめざめエアロビクス / 新田 一郎
16. やさしい声で殺して / 門 あさ美

ムード一杯のアカペラ・コーラスで始まる01は、1978年のクールスのシングル曲です。彼等の4枚目のアルバム『NEW YORK CITY, IN N.Y.』を山下 達郎がプロデュースしたことも話題になりました。これはアルバム未収録曲だったもので、山下 達郎が絡んでいるのはアレンジ、コーラスを聴いても間違いなさそうです。ソウルフルなグルーヴが心地良い1曲です。

第一巻第百章というバンド名のイメージとはかなり違って、極上のメロウな曲を聴かせてくれる02。1977年のアルバム『FREE FLIGHT』に収録されています。バウンシーなビートと稲村 一志のヴォーカルが印象的です。

小坂 忠の1977年のアルバム『MORNING』に収録されていた03。林 立夫、細野 晴臣、鈴木 茂、佐藤 博というお馴染みのメンバーによる演奏が聴き所です。特に細野 晴臣のピアノとヴァイブはお得意のエキゾチックなムードに溢れるプレイです。

捉えどころのないアーティストの一人、かまやつ ひろしが1979年にリリースしたアルバム『パイナップルの彼方へ』に収録されていた04。アコースティックなサウンドを軸にした、何とも洒落たAOR風な作品です。作曲はもちろんムッシュ自身ですが、良い曲を書きますね。

久保田 真琴の1975年のシングル「バイ・バイ・ベイビー」のB面曲だったという05。ボッサ調のアレンジとメロウなメロディーと歌声が、潮風の心地良い海辺へ運んでくれたような錯覚に陥ります。細野 晴臣のアレンジが素晴らしい1曲です。ちなみにバックはハックル・バックらしいです。

吉田 美奈子がキャラメル・ママと共に制作した1973年のデビュー・アルバム『扉の冬』に収録されていた06。美奈子らしい曲ですが、圧倒的な存在感のヴォーカルはまだ影を潜めている感じですね。それでも上手いのですが・・・。

山根 麻衣の1980年のデビュー・アルバム『TA SO GA RE』に収録されている07。少しハスキーでソウルフルな歌声が魅力的で、本格派シンガーという印象ですね。作曲が芳野 藤丸、編曲が松下 誠というAB'Sコンビによる作品ですが、グルーヴ感溢れる演奏が素晴らしいです。

現在でも"mimi"として活動を続けている宮本 典子の1979年リリースのアルバム『VIVID』に収録されていた08は、ロバータ・フラックが歌ったことでも有名な曲のカヴァーですね。笹路 正徳のエレピ、秋山 一将のギター、そして濱瀬 元彦のベースのプレイが圧巻です。

彩 恵津子の1985年のアルバム『ALL I NEED』からのアルバム・タイトル曲09。名曲ですね。L.A.録音らしい乾いたサウンドと、何とも可愛らしい彩 恵津子のヴォーカルがよくマッチした曲です。

J-AORの代表的アーティストの一人、稲垣 潤一の1983年の名盤『J.I.』に収録され、シングルにもなった名曲10。筒美 京平作曲によるキャッチーながらも哀愁の漂うメロディーと、井上 鑑による洒落たアレンジが良いです。特に安部 恭弘等によるコーラス・ワークが抜群です。

南 佳孝のJ-AORを語る上では外せないアーティストですね。1973年のデビュー・アルバム『摩天楼のヒロイン』に収録されていた11。ラテンのフレーバーを取り入れたファンキーなナンバーです。いかにも松本 隆らしい歌詞のナンバー。

Special Jam Companyというユニットが1979年にリリースした『CITY VIBRATION』というアルバムに収録されていたナンバー12。ジャズ・シンガー、酒井 俊をフィーチャーした軽快なサンバ調のナンバーです。メンバーが、山岸 潤史(g)、沢井 原児(sax)、緒方 泰男(key)、田中 章弘(b)、上原 裕(ds)、ペッカー(per)という凄腕達です。

ニューヨーク出身でありながら、東京で活躍していたジャズ・シンガー、ジュディ・アントンが1980年にリリースしたアルバム『SMILE』に収録されていた13。ジノ・ヴァネリのカヴァーで、アレンジはカシオペアの向谷 実です。松下 誠のギターのカッティングとソロが素晴らしい1曲です。ジュディ・アントンは、ジャズ・ギタリストの増尾 好秋の義理のお姉さんでしたね。

マニアックなアーティストと言える鈴木 義之。知っている人は少ないでしょうね。1982年の2ndアルバム『I'M IN LOVE』のタイトル・チューン。なかなかポップなメロディーを書くシンガー・ソング・ライターで、ヴォーカルも軽やかです。このアルバムが凄いのは、バックがフルムーン(ラーセン・フェイトン・バンド)なんですね。間奏のバジーのギター・ソロとニールのピアノのプレイが素晴らしいですね。CITY POP好きな人にはぜひ聴いて欲しいナンバーです。

スペクトラム解散後の新田 一郎のソロ・アルバム『KOTOBUKI』(1983年)に収録されていた15。新川 博のリズム・アレンジと新田のホーン・アレンジのコンビネーションが最高で、新田のファルセット・ヴォイスも健在です。間奏の土方 隆行のギター・ソロは鳥肌モノです。新田らしいファンキーな1曲。

"女性から1度は言われてみたい"そんなタイトルの16は、門 あさ美の1980年の3rdアルバム『SACHET』からのナンバー。大村 雅朗のアレンジです。間奏と終盤での数原 晋のフリューゲル・ホーンのソロは素晴らしいの一言。それにしても艶のある声ですねぇ(笑)

まさにアルバムのタイトル"Cruise"に偽り無しですね。真夜中の高速をドライブしながら聴いたら最高のコンピレーションだと思います。個人的にもかなりお気に入りの1枚になっています。
それにしても1970年代の曲が16曲中9曲あるのですが、この時代にこれだけ洒落た音楽を作っていたんですから、日本の音楽シーンも捨てたものでは無いと改めて認識しました。
J-AORやCITY POPを愛する人の一人でも多くの人に聴いて欲しいと思うコンピレーション・アルバムです。私も自信を持ってお薦め出来る1枚です。まだ入手可能だと思います。
by kaz-shin | 2007-03-29 00:01 | Compilation / Cover | Comments(6) | |
Commented by たにぴ@もまゆきゅ at 2007-03-29 18:17 x
AOR系ライターだと、中○利樹さんというそのスジの権威がいますが、
ぼくは金澤さんの仕事が大好き。
金澤さんのblogは毎日チェックしてます。
ところでKaz-shinさま、もうじきぼくらのバンドもアルバム出るんです。
ここに告知してもいいですか?
Commented by kaz-shin at 2007-03-30 00:23
たにぴさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
金澤さんのブログは、私も毎日チェックしています。J-POP好きなので
もう少し和モノを紹介してくれると嬉しいんですけど・・・(笑)

>もうじきぼくらのバンドもアルバム出るんです。ここに告知してもいいですか?

もちろんです。待望のThe Monkeymind You Cube Band
の1stアルバム『Top12 of Elevator Music』が4月22日に発売予定なんですよね?
メールで予約注文も出来ますよね?
遠慮無く宣伝して下さい。どこのコメント欄を使って頂いても構いませんよ。
私も注文しなくては・・・(笑)
Commented by WESING at 2007-03-30 17:01 x
粗探ししているわけではないんですけど、増尾さんは好秋です。(笑)

このコンピ・シリーズは曲毎の演奏者も書かれているんですか?
もしそうだとすると、曲ごとの詳細が書かれていないアルバムを持ってるので、曲の演奏メンバーが知りたいと思うわけです。

この記事の12曲目と次の記事の「フューズ・ワン」に「ユニット」という言葉を使ってますが、「グループ」との違いはなんなんでしょう?
僕は使い分けがよく分からないんですけど、最近、松岡さんと和田さんのユニットが活動し始めたということもあるし、中心人物2人のグループというイメージがします。
Commented by kaz-shin at 2007-03-30 17:13
WESINGさん、コメントとご指摘感謝します。
誠にお恥ずかしい限りのミスで・・・。
夜、毎日記事を書くのに必死で、殆ど読み返すことなくアップしているので
くだらないミスが多いと思います。遠慮なく指摘して下さい。

ユニットとグループの違いですか・・・、また難問をぶつけてくれましたね(笑)
正直なところ私にもよく分かりません!
WESINGさんの仰るように「中心人物2人のグループというイメージ」もそうだなと思います。
私の個人的な感覚で言わせてもらうと、一時的な集まりがユニットなのではないかなと思っています。
継続的な活動を目的としていない(もちろん結成当初の思惑での部分ですが)
一時的なミュージシャンやアーティストの集まりという気がするのですがどうでしょう?
Commented by WESING at 2007-03-30 21:44 x
そうですよね。
それも思っていたんですけど、頭から出てきませんでした。(^_^;
Commented by kaz-shin at 2007-03-31 00:16
WESINGさん、こんばんは。
そんな感じしますでしょ?本当のところは分かりませんけれど(笑)
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