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宮本 典子_NEW ROMANCE ◇ 2007年 05月 08日
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今回紹介するのは、宮本 典子が1981年にリリースしたソロ名義としては3作目となるアルバム『NEW ROMANCE』です。ソロ1作目の『VIVID』では、秋山 一将、濱瀬 元彦、笹路 正徳等を迎え、FUSION風なサウンドを、2作目『RUSH』では、多彩な作家陣を迎えてポップかつ歌謡曲風な作品を取り上げて、そのソウルフルかつエモーショナルなヴォーカルを披露してきました。

そんな宮本 典子がトリオからポリスターへ移籍してリリースしたのが『NEW ROMANCE』。実はこのアルバムは、前2作とは全く違ったサウンドのもので、ある意味異色な作品です。
加藤 和彦のプロデュースで、曲を提供しているのが加藤 和彦、清水 信之、高橋 幸宏、大貫 妙子、岡田 徹という面々。この顔触れである程度想像が付くと思いますが、ヨーロピアンな香り漂うエレクトリック・ポップ・サウンド、つまりテクノっぽいサウンドのアルバムです。全曲、加藤 和彦と清水 信之の共同アレンジなんですが、清水 信之が加わったことでコテコテなテクノにはなっていないのが良いですね。宮本 典子のこういう曲を歌わせた加藤 和彦のプロデューサーとしてのセンスを感じる1枚ですね。

『宮本 典子 / NEW ROMANCE』
01. Over The Rainbow / Wizard Of Oz
02. After You've Gone
03. 愛は24Hours
04. ニュー・ロマンス
05. Arrows & Eyes
06. Zebra
07. 白い砂の恋人
08. Silver Rain

イントロでいきなりテクノなサウンドに驚かされる01。ミュージカル映画「オズの魔法使い」の挿入歌だった名曲「虹の彼方に」カヴァーです。テクノ風のイントロに続き、ピアノによるメロディーが奏でられ、宮本 典子が情感豊かな歌声を披露します。間奏部はディズニーランドのエレクトリカル・パレードのようです(笑)

01からノン・ストップで始まる02。清水 信之の作曲によるミディアム・ファンク・ナンバーです。ドラムとギターによる生のグルーヴとシンセ・サウンドを上手く組み合わせた渋いナンバー。今聴いても古さを感じさせないアレンジが見事です。

加藤 和彦らしいポップで洒落た03は、エレクトリックなサウンドを中心としながらもJAZZYな雰囲気を醸し出しています。シンセの使い方は明らかに清水 信之が中心になってアレンジされたものという気がします。

アルバム・タイトル曲でシングル・カットされた04。ここで曲調はガラっと変わり、ヨーロピアン調になります。タンゴ調のナンバーで、作曲はもちろん加藤 和彦です。タンゴと宮本 典子のヴォーカルのミス・マッチ的な面白さがありますね。新鮮な印象を受けた1曲でした。

宮本 典子が歌っているとはとても思えない05。岡田 徹の作曲で、不思議な世界に引き込まれるナンバーです。英語詞の曲。

高橋 幸宏の作曲による英語詞の曲06。当時流行ったミュンヘン・ディスコ調のナンバーです。典型的なヨーロピアン・テクノポップという感じですが、メロディーのキャッチーなところは幸宏ならではでしょうね。

大貫 妙子作詞・曲の07。ラテン調のリフを交えながらも、メロディーはゆったりと流れるようで耳に馴染んできます。とにかくアレンジが洒落た曲で大好きなナンバー。

シングル・カットされた08。アルバム中最も宮本 典子らしさが出ている曲と言えるナンバーですね。加藤 和彦によるポップでキャッチーなメロディーに軽快なギター・カッティング、シンセ・ソロやSEを巧みに使われていて、最後を飾るに相応しい素晴らしい楽曲です。

誤解を恐れずに書きますと、宮本 典子らしさが全く出ていないアルバムと言えます。でなければ異色な作品とは言いませんが・・・(笑)
私の宮本 典子のイメージは、熱唱型のソウルフルなシンガーというものでした。プロデューサーである加藤 和彦はあえて熱唱タイプの曲を避け、しかも淡々と歌うことを要求したと思うのです。宮本 典子の新境地と言うか、熱唱しなくても十分魅力的なシンガーであることを示そうとしたんではないかと・・・。
その狙いは成功だったと思います。凄く新鮮な感じがしましたし、様々なスタイルを歌いこなせる実力を改めて感じた1枚でした。このアルバムが発売当時、どんな評価を受けていたかは分かりませんが、私は大好きな1枚です。それにしても01のイントロの安っぽい(笑)テクノ・サウンドには驚きましたね。おそらく狙いだったと思いますが・・・。ピアノのメロディーが入った途端、雰囲気が変わったのにも驚きました。
なかなか面白いアルバムですよ。
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by kaz-shin | 2007-05-08 00:03 | J-POP | Trackback | Comments(12) | |
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Commented by まるいチーズ at 2007-05-08 23:21 x
こんばんは
9連休の後はさすがにつらいですね(苦笑)、それに急に暑くなりましたしねえ、kaz-shin さんもご自愛ください。
宮本典子さんはすごく好きなシンガーでアナログ盤はほとんど持っています。このアルバムは仰るとおりかなり異色ですよね、私はけっこう好きです、彼女はその風貌と歌声からソウルフルなイメージがついて回りますが、どんなタイプの音楽でもこなしてしまう器用さがありますよね。
加藤和彦さんは今も昔も変わらず格好いいなあと思います、03、08は特に好きな曲ですごくポップですよね、20年以上も前のものとは思えません。
Commented by kaz-shin at 2007-05-09 00:20
まるいチーズさん、こんばんは。暖かいお心遣いありがとうございます。
暑さはスーツの敵ですね(笑) そろそろ夏物の準備しなくては・・・。

私もこのアルバム、結構好きなんですよ。
宮本さんの歌って上手いですけど独特なクセもありますよね。
このアルバムでは、そのクセが目立たないですね。やはり加藤さんの
ディレクションの賜物でしょうね。
加藤さんの書く曲は魅力的ですね。何故か耳を奪われてしまうような
メロディーが多くて、加藤さんのセンスの良さにいつも感心します。
Commented by Kenny U at 2009-10-19 19:34 x
加藤和彦さんが亡くなられましたね!
今日のお昼のテレビで葬儀の模様を放送していました!

高中正義と組んだサディスティック・ミカ・バンドでぐらいしか
この人の事、ピンと来ていなかったんですが
竹内まりやさんの
「戻っておいで私の時間」
「ドリーム・オブ・ユー~レモンライムの青い風」
「不思議なピーチパイ」
等の作曲をされていたんですね!

ご紹介の『NEW ROMANCE』も未試聴なんです。
またチャンスがあれば聴いてみたいと思います。

しかしまあ、宮本 典子のCD『スウィート・シュガー』
これは何でこんなに入手困難なんでしょうかねーー??
チキンシャックのメンバー参加なので
ヤフオクでも狙っているのですが・・・!!

Commented by kaz-shin at 2009-10-24 00:37
Kenny Uさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
レスが遅くなってしまい、本当に申し訳ありません。

加藤和彦さんの自殺は本当に驚きました。
自殺するタイプには思えなかったですから・・・。
私はアーティストとしての加藤さんも好きですが、やはりコンポーザーとしての才能に惚れ込んでました。
フォークル時代からは考えられないほどの洒落たセンスに驚かされどおしでしたね。
本当に残念でなりません。

私の持っているこの宮本さんのアルバムもかなりレアだと思いますが、『スウィート・シュガー』は1度もお目にかかったことありませんね。
1度聴いてみたいものです。
Commented by DNA at 2011-07-17 23:54 x
こちらのほうにもお邪魔します。
kaz-shinさんはこのアルバム、CDでお持ちなのですか?
私はCD化された当時、音楽雑誌・CDジャーナルで1P(!)使って告知してあった
「加藤和彦、岡田徹、高橋幸宏、清水信之、大貫妙子参加、テクノポップ」のコピーに魅かれ、
購入しましたが、すぐに廃盤になったようで・・・。
ポリスターレコードのテクノ・ニューウェーブ系復刻シリーズの1枚でCD化されたわけですが、
このCDが1番、新品市場でも中古市場でも流通数が少ない気がします。
1Pも使って告知したのに、幻のCDと化していて哀れです。
すごくすごく大好きなアルバムですし、’81年にしてはかなり進んだエレクトロですし、すごく勿体無い!
一般人にしてみれば、いつでも聴ける流行の音楽聴いてりゃ満足でしょうが、
こ~ゆ~のが埋もれてしまうのってとても悲しいです。
Commented by kaz-shin at 2011-07-18 09:53
DNAさん、コメントありがとうございます。
このアルバムはCDで所有してますよ。
でもリアル・タイムで購入したわけではなく、5年位前に中古店で見つけました。
80年代は、リリースされたアルバムの数も相当数に及んでいたので、
良い作品であっても注目されなかったということが沢山ありますね。
そういう作品を探し出して聴くのがまた楽しいですね。
Commented by DNA at 2011-07-20 00:15 x
CDで持ってらっしゃるなんて超超ラッキー!だと思いますよ。

中古でそういうのを買った時って、
「こんなに売れない&発売された事もほとんど知られていないCD、
当時買った人エライ!スゴイ!」
って思いますね。

普通の人にしてみれば「誰?何?」ですし、
よく分からなければ最悪ゴミに出すかもしれません。

売った人→売る店→買いたかった人
点と点が線で繋がるってほんとスゴイです。
こればかりは願っても財力があってもどうにもなりませんからね。
Commented by kaz-shin at 2011-07-20 22:48
DNAさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
聴いたことの無いアーティストでも冒険して聴いてみようと思えるのは、BOOK OFFなどの中古CDを扱うお店が出来たおかげですね。
おかげで私の音楽ライフも浅いままですが、かなり幅広くなりました(笑)
Commented at 2011-07-22 22:52 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by DNA at 2011-07-22 23:04 x
お邪魔します。

「NEW ROMANCE」のCD化を知ったCDジャーナルは、
20年近く1号も欠かさず、毎月立ち読みしています。
総合雑誌なので、これでいろいろ発売を知ったり存在を知った歌手も多いです。
ちなみに買った事は1度も無いというセコさ・・・。

でも、他の流行雑誌と違い、入荷する本屋がかなり限られますし、
いつも入荷しててもたまに入荷してなかったり(買われた?)します。
そんな時は遠出してまで見つかるまで彷徨った事もありますね。

この雑誌があれば100%OKというわけではないので、
レコードコレクターズやミュージックマガジンなども読みます。
それでも通販限定や自主制作CDだと知らなかったりします。
Commented by DNA at 2011-07-22 23:11 x
(続き)
BOOK OFFの功績は大きいですね。
死ぬまでに、1度でいいから1~2ヶ月かけて日本全国回ってみたいです。車で。

昔、後輩と千葉県のBOOK OFFツアーやりましたが、
思ったより回れないんですよね。
1軒1軒離れてたり、反対側の車線に回れなかったり。
関東ならではだと思いますが、駐車場の設備が無かったり・・・。
Commented by kaz-shin at 2011-07-25 23:57
DNAさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
レスが遅くなってしまい、すみませんでした。

DNAさんのコメントを読ませて頂いて感じるのですが、
音楽に関する情報収集、あるいは音源の収集におけるDNAさんの情熱って本当に凄いですね、感心します。
私なぞ到底足元にも及ばない感じです。

ご自分で音楽ブログを立ち上げたら如何ですか?
きっと面白いブログになると思うのですが・・・。
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