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PATTI AUSTIN_HAVANA CANDY ◇ 2007年 05月 09日
PATTI AUSTIN_HAVANA CANDY_e0081370_21142260.jpg 

最近、プロデューサーのカテゴリで記事を書いていないことに気付き、過去の記事を読み返してみたところ、大好きなのにまた登場していないプロデューサーがいました。
今回はそのプロデューサーの作品を紹介します。そのプロデューサーは、デイヴ・グルーシンです。FUSIONの立役者とも言える作曲家、アレンジャー、プロデューサーであり、素晴らしいキーボード・プレイヤーであるデイヴ・グルーシンが1977年にプロデュースした作品で、素晴らしいシンガーのパティ・オースティンの2ndアルバム『HAVANA CANDY』です。
共同プロデュースは、デイヴ・グルーシンと言えばお馴染みのエンジニア、ラリー・ローゼン。

以前、パティ・オースティンのデビュー・アルバム『END OF RAINBOW』を紹介しましたが、その時のプロデューサーはクリード・テイラーでした。今回のCTIからの第2弾『HAVANA CANDY』では、デイヴ・グルーシンのアレンジャーとしての才能と、パティ・オースティンのソング・ライティングの才能が上手く噛み合い、前作以上のFUSION色の強いサウンドとパティ・オースティンの極上のヴォーカルが堪能出来る1枚です。

デイヴ・グルーシンの繊細で緻密なサウンドを支えているのは、
Drums : スティーヴ・ジョーダン
Bass : ウィル・リー、アンソニー・ジャクソン、フランシスコ・センテノ、フランク・グラヴィス
Guitar : エリック・ゲイル、スティーヴ・カーン、ヒュー・マクラッケン
Keyboards : デイヴ・グルーシン、リチャード・ティー
Percussion : ラルフ・マクドナルド
Sax : マイケル・ブレッカー、ロニー・キューバー
Flute : デイヴ・ヴァレンティン
という豪華メンバーです。

『PATTI AUSTIN / HAVANA CANDY』
01. THAT'S ENOUGH FOR ME (私は満足)
02. LITTLE BABY
03. I JUST WANT TO KNOW
04. HAVANA CANDY
05. GOLDEN OLDIES (素晴らしいオールディーズ)
06. I NEED SOMEBODY (誰か愛して)
07. WE'RE IN LOVE (恋の気分)
08. LOST IN THE STARS

パティ・オースティンとデイヴ・グルーシンの共作によるメロウ・ナンバー01。これは名曲ですね。リー・リトナーがアルバム『The Captain's Journey』でカヴァーしてるので知っている人もいるでしょう。シンセ・ソロやギターのリフが印象的ですが、ソウルフルなパティ・オースティンのヴォーカルが素晴らしい1曲。

ミディアム・アップ・テンポのソウルフルなナンバー02。リチャード・ティーらしいピアノ・プレイ、マイケル。ブレッカーの熱いサックス・ソロがこの曲のハイライトですね。シャウト気味のヴォーカルと二重唄の迫力が凄いです。パティのオリジナル曲です。

マイケル・ブレッカーの哀愁漂うサックス・ソロで始まるスロー・バラード03。この曲では艶のあるしっとりとした歌声を聴かせてくれます。美しいストリングスとエリック・ゲイルの渋いギターが印象的です。パティのオリジナル。

アルバム・タイトル曲04は、陽気なカリプソのリズムの楽しいナンバーです。Hi-Fi SETがカヴァーしていましたね。ティンパレスと軽快なフルートを聴かせてくれるのは、デイヴ・ヴァレンティンです。抑え気味ですが、ホーン・セクションのプレイが曲を盛り上げています。パティの後半のスキャットも聴き所です。パティのオリジナル。

観客の大歓声と拍手のSEを入れていかにもライブ風に仕立てた05は、オールディーズ風なロック・ナンバーです。圧巻はマイケル・ブレッカーのサックスとパティ・オースティンのスキャットのユニゾンですね。パティのヴォーカルに圧倒されます。パティのオリジナル曲です。

ゴスペル・タッチのバラード曲06。エリック・ゲイル、リチャード・ティーの二人のプレイがフィーチャーされたStuffっぽいサウンドが魅力なナンバーです。デイヴ・グルーシンは控えめなプレイに徹していて、二人の素晴らしい演奏に花を添えています。パティのオリジナル曲。

メロウなミディアム・ナンバー07。この曲でのデイヴ・グルーシンのアレンジは、オーソドックスなもので控えめな感じさえしますが、パティのヴォーカルが極めて淡々としたストレートな歌い方なのでこの方がしっくりきます。この辺りのセンスの良さを感じますね。これもパティのオリジナル曲です。

最後を飾るの10は、1946年に作られたスタンダード・ナンバーのカヴァーです。ストリングスとデイヴ・グルーシンのピアノの美しい音色にうっとりさせられます。ドラマティックなパティの歌声を堪能できる1曲。

どんなタイプ、ジャンルの曲でも歌いこなしてしまう歌唱力、表現力の素晴らしさは、もはや多くを語る必要は無いでしょう。それより1番驚いたのは、彼女のソング・ライターとしての素晴らしい才能ですね。
1stアルバムでもその才能は輝いていましたが、このアルバムではその輝きに磨きがかかっていますね。
全8曲中1曲がカヴァー、1曲がデイヴ・グルーシンとの共作以外、全てパティ・オースティンの作詞・作曲なんですね。アルバムを聴いてもらえれば分かりますが、本当に良い曲を書いています。これだけの曲が書けて、これだけの歌が歌えるのですから・・・、溜息しか出ません(笑)
今から30年前の作品ですが、FUSION好きな人にもAOR系の好きな人にも気に入ってもらえるアルバムだと思います。名盤ですよ!
by kaz-shin | 2007-05-09 00:01 | PRODUCER | Comments(9) | |
Commented by かわちゃん at 2007-05-09 06:20 x
おはようございます。パティ・オースティン八十年台の作品しか聴いていなかったので是非聴きたいです。ちなみにデイヴ・グルーシンは他にどんな作品をプロデュースされていますか?
Commented by kotaro at 2007-05-09 09:06 x
こんにちは、グルーシン自身のアルバムが多数ありますが、僕は「マウンテン・ダンス」というのが一番完成度が高いかと思います。あと多数のワークス(作品)が来歴としてありますが、ちょっとひねったところでは映画「ルーツ」のサントラなど、いかがでしょう。
Commented by アンクル・タロ at 2007-05-09 20:13 x
このLPも佳曲揃いですね『私は満足』『Little Baby』『恋の気分』が好きで
よく聴いてます。ただこのLP以降パティは自分で曲を書かなくなりましたね、これだけ良い曲を書いているのにもったいないように思います。


Commented by かわちゃん at 2007-05-09 22:38 x
こんばんは。グルーシンの作品を是非聴いてみます。早速CD探しにいきます。ありがとうございます。
Commented by kaz-shin at 2007-05-09 23:12
かわちゃんさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
この頃のパティ・オースティンも良いですよ。ぜひ聴いてみて下さい。
デイヴ・グルーシンのプロデュース作品は、ヴォーカルものは少ないですね。
FUSION系がほとんどです。GRPの初期の頃にリリースされたアルバムは
ほとんどがデイヴ・グルーシンのプロデュースですよ。
個人的にはアール・クルー辺りはお薦めです。
デイヴ・グルーシン自身の作品なら、kotaroさんと同じく「マウンテン・ダンス」や
「ワン・オブ・ア・カインド」はお薦めですね。
Commented by kaz-shin at 2007-05-09 23:14
kotaroさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
デイヴ・グルーシンは数多くの映画音楽を作ってますね。
映画音楽系は私もあまり聴いていないので、聴いてみたいと思います。
Commented by kaz-shin at 2007-05-09 23:19
アンクル・タロさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
1stと2ndのパティ自身が書いた曲は本当に良い曲多いですよね。
何故書かなくなってしまったのか不思議です。
プロデューサーの意向もあるのかも知れませんが・・・。
私はパティの書いた曲が大好きなだけに残念です。
Commented by かわちゃん at 2007-05-10 06:15 x
kaz-shinさん、おはようございます。是非初期のパティオースティンも聴いてみます。アールクルーは少し聴いたことがあります。多分、ジョージベンソンとのコラボでしたかなぁ(汗)。
Commented by kaz-shin at 2007-05-11 01:13
かわちゃんさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
クインシー・ジョーンズのプロデュースによるFUNKYな路線も良いですが、
初期のFUSION色が強く、素晴らしい自作曲が沢山あるアルバムも
きっと気に入ってもらえると思います。
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