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DONALD FAGEN_THE NIGHTFLY ◇ 2007年 05月 30日
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今回紹介するのは、1980年に名作『Gaucho』をリリースした後に活動を休止させてしまったスティーリー・ダンのドナルド・フェイゲンが、1982年にリリースした超が付く名盤『THE NIGHTFLY』です。AOR好きな人やスティーリー・ダンが好きな人にはお馴染みのアルバムですから、今更私がこの作品を紹介するのは気恥ずかしいくらいなんですが、それでも私にとっては大きな意味を持つアルバムなので今回紹介することにしました。

今まで沢山のアーティストのアルバムを聴いてきた中で、やはり衝撃を受けたと言うか「これは凄いわ!!」と思わせる作品もある訳で、この『THE NIGHTFLY』はその筆頭とも言える1枚なんです。
とにかく、曲・アレンジ・コーラス・ヴォーカル・録音のどれを取っても大袈裟では無く、まさに完璧と言える程の仕上がりで、そのお洒落なサウンドは降参状態ですね(笑)
そして、このアルバムの不思議なところは、聴く回数が増える毎にその凄さが分かってくるというところ・・・。
発売された当時よりも、今の方がその凄さに驚かされているというのが正直なところです。
あくまでも私的意見ですが、このアルバムを聴くとスティーリー・ダン=ドナルド・フェイゲンそのものであるという気がします。

プロデューサーにゲイリー・カッツを迎え、相変わらずの豪華メンバーを集めて贅沢なほどに時間をかけて制作されています。私がこのアルバムで最も注目したのがドラムです。スティーリー・ダンの『Aja』や『Gaucho』では、名ドラマー達の素晴らしいドラミングを聴く事ができましたが、この『THE NIGHTFLY』では参加している名ドラマー達にリズム・キープに徹しさせているこですね。いわゆるどの曲も"オカズ"らしい"オカズ"が皆無なんですね。これってドラマーにしてみれば結構厳しい要求なのかも知れません。ぜひ名ドラマー達のリズム・キープに徹したプレイを注意して聴いてみて下さい。

『DONALD FAGEN / THE NIGHTFLY』
01. I.G.Y
02. GREEN FLOWER STREET
03. RUBY BABY
04. MAXINE
05. NEW FRONTIER
06. THE NIGHTFLY
07. THE GOODBYE LOOK
08. WALK BETWEEN RAINDROPS

AORの代表的な名曲01。レゲエ調のオフ・ビートのグルーヴがたまらなく格好良いですね。ジェイムス・ガドソンのドラムにジェフ・ポーカロのドラムも加え、アンソニー・ジャクソンの太いベース、ヒュー・マクラッケンのギター・カッティング、そしてマイケル・ブレッカー、ランディ・ブレッカー、ロニー・キューバ等によるホーン・セクションの調和が素晴らしいの一言です。

スリリングな02は、まずグレッグ・フィリンゲインズのエレピとクラヴィネットに耳を奪われます。ジェフ・ポーカロとチャック・レイニーというリズム隊に、ギターはディーン・パークスにリック・デリンジャーという豪華な顔合わせに加え、ソロを弾いているのがラリー・カールトンという腹が立つほどの布陣です(笑)

ドリフターズのカヴァーで、ブルー・アイド・ソウル・シンガーであるDIONが1963年にヒットさせたことでも知られる03。カヴァーでもフェイゲンが仕掛けると、フェイゲンのオリジナルのように聴こえますね。まさにマジック!マイケル・オマーティアンのピアノに、グレッグ・フィリンゲインズの渋いピアノ・ソロ。タイトなジェフ・ポーカロのドラミングにラリー・カールトンのギター・ソロ、ブレッカー兄弟のホーン・セクション・・・。溜息しか出ませんね。

美しいバラード曲04。哀愁のあるグレッグ・フィリンゲインズのピアノに導かれて、ドナルド・フェイゲンの見事なまでのコーラス・ワーク。JAZZYなマーカス・ミラーのベース、ラリー・カールトンのギターも素晴らしいですが、圧巻は今は亡きマイケル・ブレッカーのテナー・サックスの熱いブロウですね。彼の名演の一つと言っても過言ではないような気がします。

軽快なリズムが心地良い05。ここでの注目は、ギタリストでもありながらハーミニカの名手でもあるヒュー・マクラッケンのハーモニカのプレイですね。エド・グリーンのカチっとしたドラミング、うねるようなエイブラハム・ラボリエルのベースも渋いです。

夜のムード満点のアルバム・タイトル曲06。ジェフ・ポーカロにマーカス・ミラーの夢のような豪華なリズム隊、女性コーラスを上手く取り入れて、聴けば聴くほどに虜になっていくという魔力を持ったナンバーですね。ラリー・カールトンがここでも素晴らしいギター・ソロを聴かせてくれます。

シンセを上手く使ってブラジリアンなムードを盛り上げている07。陽気な感じがフェイゲンの曲には珍しく、夏の太陽の下で聴いても似合いそうなナンバーです。ラリー・カールトンのギター・ソロは文句無しですが、地味ながらも渋いプレーのスティーヴ・カーンのアコースティック・ギターにも注目して欲しいですね。

ドナルド・フェイゲンのオルガンのプレイが光る4ビートのJAZZYなナンバー08。何とも心地良いノリです。この曲ではスティーヴ・ジョーダンがドラム、ウィル・リーがベースという、これもまた贅沢なリズム隊です。この曲でもラリー・カールトンは大活躍ですね。

ドナルド・フェイゲンの音楽をジャンルで括ろうと思うのは間違いと言うか、無意味だという気がしますね。強いて言うならば、彼の音楽はまさしく"ドナルド・フェイゲン"そのもの。
このアルバムを聴き終えるといつも溜息しか出てきません(笑)
とにかく全てにおいて"凄すぎる"アルバムだと思います。こんなアルバムを作るドナルド・フェイゲンをリスペクトするミュージシャンが沢山出てきたのは、至極当然のことだと思いますね。
私が無人島に必ず持っていく1枚です。
AOR好きな人でまだ未聴な人はまずいないと思いますが、もしまだ聴いていないのならぜひとも聴いてみて下さい。自信を持ってお薦め出来る名盤です。
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by kaz-shin | 2007-05-30 00:13 | 洋楽系 | Trackback(2) | Comments(10) | |
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Tracked from 音楽の杜 at 2007-05-30 05:49
タイトル : Donald Fagen 「The Nightfly」(..
AORの金字塔。元スティーリーダンのドナルド・フェイゲンのファーストソロ。 洋楽を聞き始めた頃、ラジオから①「IGY」がよく流れてきました。当時は短波放送「KYOI」を好んで聞いていたのですが、そのKYOIはサイパンから日本に向けて放送されており、遥遥サイパンから届く「IGY」は、音が小さくなったり大きくなったりしてましたが、妙に印象に残ってます。 その「IGY」が収録されている『ナイトフライ』。歴史的名盤です。 ジャケットから音、詞まで完璧に、極めた世界観が漂ってます。ジャケットは⑥「...... more
Tracked from The Second A.. at 2007-12-01 23:57
タイトル : THE NIGHTFLY
12月になってしまいました。今年も残り1ヶ月です。早いものです。 さて、先月にTHE NIGHTFLY TRILOGYを購入して以来、もうフェイゲン祭りです。 久々にSTEELY DANのDVD見たり、フェイゲンの作曲講座のビデオ見たりと充実したフェイゲンライフを送っております。 今日はゆっくりとした土曜日の夜。 今夜はTHE NIGHTFLYですね。 *************************************************** THE NIGHTFLY/...... more
Commented by 240_8 at 2007-05-30 05:54
おはようございます。
ついにこの名盤が登場しましたね。私も大好きな一枚です。
私の記事にも書いたのですが、①「I.G.Y」を聴くと、当時よく聴いていた「KYOI」というサイパンの短波放送を思い出します。多分殆どの方が知らないと思いますが、洋楽専門の日本語放送局があったんです。その放送局が、よくこの①をオンエアしていました。

本作、⑧の粋なノリのいいナンバーで締めくくるところが気に入ってます。
本作があまりにも強烈なので、これ以降のフェイゲンのアルバム(もちろん持ってますが)、あまり聴いてないんですよね。
Commented by kaz-shin at 2007-05-31 00:00
240さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
今更紹介するのも恥ずかしいのですが、これは私にとって重要な1枚なので
紹介しました(笑)
本当に完成度の高いアルバムですね。サウンドのみならず曲順に至るまで
徹底的に練られているのが凄いです。
Commented by いわとも at 2007-05-31 00:22 x
私も必ず無人島へ持っていく1枚です。
ジャケットもカッコイイ!
このアルバムを初めて聴いた時は「?」
2回目以降は「!」でした(今も)。
とにかく「飽きない1枚」です。
  
彼は、魔法使いなのかもしれません(笑)。
Commented by kaz-shin at 2007-05-31 01:07
いわともさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
>彼は、魔法使いなのかもしれません(笑)。
全く同感ですね。
私もいわともさんと同じで、初めて聴いた時は「?」でした(笑)
ところが聴けば聴くほど虜になっていくんですね。
そういう意味ではまさしく魔法使いでしょう。
Commented by at 2007-05-31 03:03 x
私もこのアルバムは時に無性に聴きたくなるアルバムの1枚ですね。
音楽性の違いはあれど、『Aja』と甲乙つけ難い作品で、どちらか1枚...といわれると大いに悩んでしまいます。(笑)
『Gaucho』ほどのセールスを記録しなかったというのは今さらながら?ですが、急速にジャズに傾倒していったことによる違和感があったのかもしれません。
ただ子供の頃から好きだったジャズ、特にマイルスやコルトレーン、そしてロリンズといった偉大なプレイヤーにリスペクトされて生まれた作品としては、これからも永遠に輝き続けていくことでしょう。

ジャケットに写るFaganお気に入りのアルバムのひとつでもあるロリンズの『Contemporary Readers』を聴きながら、いったい彼は何を瞑想していたのでしょうか・・・
Commented by nowhere1967 at 2007-06-01 12:43
お洒落なアルバムですね~。
初めて聴いたときは衝撃的でした。
彼のセンスを感じました。
Commented by kaz-shin at 2007-06-01 23:54
夢さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
返事が遅くなってすみませんでした。出張中だったもので・・・。

確かに『Aja』や『Gaucho』と並ぶ出来の良さですね。私もこの3枚で
どれか1枚と言われると困ります(笑)
ただ、ドナルド・フェイゲンのヴォーカルが1番良いと思うのは『THE NIGHTFLY』かも知れません。
このアルバムでのヴォーカルは今までになく好きですね。
ヴォーカリストとしての魅力を感じた作品でした。

>ジャケットに写るFaganお気に入りのアルバムのひとつでもあるロリンズの『Contemporary Readers』を聴きながら、いったい彼は何を瞑想していたのでしょうか・・・
そうですね・・・、ソロとして自分のやりたいようにやった充実感を感じつつも、
次は何をやってやろうかと思案していたのかも知れませんね。
Commented by kaz-shin at 2007-06-02 00:24
nowhere1967さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
「お洒落」という言葉がピッタリなアルバムですよね。
この人の場合、1度目より2度目。2度目より3度目と聴くほどに魅力的に
なるのが、いつも不思議でなりません(笑)
Commented by 猫になりたい哲学者 at 2008-10-13 17:50 x
これを初めてCDを押し付けられて聴かされたのは中一の時だったでしょうか、でその時の感想が……「つまんねー音楽」(爆)それから時が経ち二三年前何気にCDの棚から取り出し(kaz-shinさんと同じで私もCD放棄しない人なんです)聴いてみたら「あれ?これいいなぁ…」となっている自分に気付きました。それ以来聴いてますが kaz-shinさんか書かれている通り本当に何度も聴くたびに味がしみてくるまるでスルメのような音楽ですよね。kaz-shinさんのレビューを読んでさらにこの音楽の魅力が増した一方でやはり私はこの音楽の魅力はまだまだ分ってないんだろうなあと思いますねぇ…やはり私は筒美御大が常日頃仰っている「大衆に届くようにサウンドは時代の先端にメロは歌謡曲に」の音楽通の方々と対極の分かりやすい音楽にすぐ引かれる筒美射程に完全に取り込まれている人ですから(笑)ところでグディングス・リナというアーティストがいて今月カバー・アルバムを出すようなのですがそのジャケがこの作品のジャケのパロなんですよ(^_^)今の若い人に分らないだろうなぁと思いつつパロしたくなるほどジャケと共に音楽もカッコイイという言葉が似合う作品ですよね。
Commented by kaz-shin at 2008-10-15 00:14
猫になりたい哲学者さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
私もリリースされた当時は然程良いとは思っていませんでした。
ただ、緻密なアレンジと素晴らしいミュージシャンの演奏に魅せられたというのが正直なところです。
不思議なもので、ある時期を境にこのアルバムが急に良いと思えるようになったんですよね。
理由は不明ですが、年月を経て少しずつ好みが変わってきているのかも知れませんし、
あるいは耳が肥えてきたのかも知れません。
こういう事が私の場合、間々あるんです。
ですから1度買ったレコードやCDは絶対に手放せないのです(笑)
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