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MICHAEL FRANKS_THE ART OF TEA ◇ 2007年 07月 24日
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今回紹介するのは、蒸し暑い夜を快適な夜へと変えてくれる、そんなアルバムです。
マイケル・フランクスが1976年にリリースした2ndアルバム『THE ART OF TEA』です。
AOR好きな人なら『SLEEPING GYPSY』(1977年)と肩を並べる名盤としてお馴染みの1枚ですね。

まず、プロデュースがトミー・リピューマ、ミキシング・エンジニアがアル・シュミット、ストリングス・アレンジがニック・デカロという、この3人の名前をクレジットで発見しただけで、これは良いアルバムであるいう暗示にかかってしまう訳です(笑)
それに加え、バックを務めるのが、ジョー・サンプル(key)、ラリー・カールトン(g)、ジョン・ゲラン(ds)、ウィルトン・フェルダー(b)、マイケル・ブレッカー(sax)、デヴィッド・サンボーン(sax)、ラリー・バンカー(vib)といった豪華な顔ぶれ。このメンバーがクレジットされているのを見た瞬間に、このアルバムは良いアルバムから名盤へと変化してしまいます(笑)
実際に聴いても、その期待は裏切られることなく素晴らしい作品に仕上がっています。正直なところ、マイケル・フランクスの歌を1度たりとも上手いと思ったことは無いのですが、彼の書いた洗練された曲と豪華なスタッフ、ミュージシャンによって、味のある歌声に聴こえてくるのが不思議です。

『MICHAEL FRANKS / THE ART OF TEA』
01. NIGHTMOVES
02. EGGPLANT
03. MONKEY SEE - MONKEY DO
04. ST. ELMO'S FIRE
05. I DON'T KNOW WHY I'M SO HAPPY I'M SAD
06. JIVE
07. POPSICLE TOES
08. SOMETIMES I JUST FORGET TO SMILE
09. MR. BLUE

ラリー・カールトンの伸びやかなギターで始まり、ジョー・サンプルのローズが絡んでくるメロウな01。控え目ながら美しいニック・デカロのアレンジによるストリングスも素晴らしいですが、ラリー・カールトンとジョー・サンプルのプレイが光ってますね。

4ビートのJAZZYなナンバー02。ジョン・ゲランの軽やかなドラミングが心地良く、いかにもジョー・サンプルらしいコロコロと転がるようなローズのプレイがたまりません。それにしてもタイトルが「茄子」というのはどんなもんでしょうか・・・。

アルバムの中ではFUNKY色の濃い03。メリサ・マンチェスターやリンゴ・スターもカヴァーしていた名曲ですね。ラリー・カールトンの渋いリフとカッティングも印象的ですが、デヴィッド・サンボーンのアルト・サックスのソロがこの曲のハイライトです。

アル・シュミットならではの音のバランスの良さを感じるバラード曲04。ジョー・サンプルのローズとラリー・カールトンのギターの対比や、ストリングスの音のバランスを聴くとさすがという他言葉が見つかりません。

ブラジリアン・フレーバーの香り漂う05。ジョー・サンプルの弾くローズの音が、まるで跳ねて踊っているような軽やかな感じが何とも心地良い1曲で、大好きなナンバーです。

基本は4ビートながら変則的なリズムが面白いJAZZYなナンバー06。ジョン・ゲランのドラミングとマイケル・ブレッカーのサックス・ソロが聴き所であり、この曲のハイライトです。

唯一チャート・イン(全米43位)したというJAZZYな07。ウィルトン・フェルダーのベースのプレイが大好きなナンバーで、ラリー・カールトンのギター・リフとの絡みが渋いですね。

まるでラリー・カールトンの為の曲のようにも思えるブルージーな08。バッキング、ソロともにラリー・カールトンのプレイに尽きる曲と言っても過言ではないでしょう。思わず体が揺れてしまうスウィング感もたまりません。

最後にしてジョー・サンプルの美しい生ピアノが堪能できるバラード曲09。個人的には名曲「Antonio's Song」のプロトタイプとも言える曲だと思っている1曲です。ジョー・サンプルのピアノとデヴィッド・サンボーンのサックス、そして繊細で美しいストリングスが際立った素晴らしいナンバーです。

いつも驚かされるんですが、トミー・リピューマの手掛けたアルバムはどれも完成度が高いですね。アーティストのジャンルやキャリアに関係なく、リピューマが手掛けると楽曲達が一際輝きを増すような感じがしますね。こうなるとプロデューサーというより、音の魔術師と呼んだ方がお似合いかも知れません。
そして、何故こんなにも繊細で美しく響くストリングのアレンジが出来るのかと思わせるニック・デカロ。30年以上前に録音されたにも関わらず、その音の良さとバランスの良さは驚愕に値するアル・シュミットのミキシング。彼等もまた音の魔術師ですね。
そんな音の魔術師がタッグを組み、当時のクルセイダーズの面々を迎え、洒落たマイケル・フランクスの楽曲に輝きを与えています。まさに贅沢な1枚であり、名盤と呼ぶに相応しい1枚だと思います。
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by kaz-shin | 2007-07-24 00:08 | 洋楽系 | Trackback(3) | Comments(12) | |
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Commented by 240_8 at 2007-07-24 05:43
おはようございます!
マイケルのメジャーデビューアルバムですね。
危なげなヴォーカルのくせに(??)、AOR三巨頭&クルセイダーズをバックに配し、堂々と彼等と渡り合っているマイケル。凄いですね。
やはり楽曲もいいんでしょうね。
本作のなかでは③のファンキーさが妙に印象的です。そしてブロウしまくるデヴィッド・サンボーンのサックス。かっこいいですね~。
Commented by shintan_shintan at 2007-07-24 08:06
こちらにもコメントさせていただきます。
個人的にはこれも夏になると聴きたくなるアルバムです。
ジャジーで洗練されたサウンドが、ちょっとけだるい夏の夜にピッタリな気がするんですよね。
Commented by Sken at 2007-07-24 11:25 x
こんにちは。
このあたり、普遍の渋い輝きがあるというか、古臭く感じないです。
まわりの音楽シーンがどうであれ。
Commented by Musicman at 2007-07-24 22:32 x
『Sleeping Gypsy』と並ぶ彼の作品の中でも名盤の1つですね。
バック・ミュージシャンはもちろんですが、やはり彼の書くメロディー・センスと頼りないけどクセになるヴォーカルにやられますね!
TBさせていただこうと思ったんですが、何故かうまくいかなくて・・・。
Commented by at 2007-07-24 22:54 x
この作品を聴く度に、夕暮れ時のビーチリゾートでアルコール片手に海を眺めている自分を想像してしまいます。(笑)
...そのくらいこのジャズテイストとボサノバタッチのコラボレーションが妙に心地良いですね。
全体的にJoe Sample奏でるキーボード(特にローズ)のウェイトが高いようにも思えますが、私の場合kaz-shinさんも書かれているように02、08での彼の〝コロコロローズ〟サウンドが特に好きなんですよね。
そういえば先日のYellow Jacketsで思い出しましたが、1991年にMichaelはYellow Jacketsのライブアルバム『LIVE WIRES』の中の「The Dream」で共演してましたね。
この両者はこのライブアルバムの余勢をかってか1992年5月一緒に来日コンサートを行う予定だったのですが、公演直前に突然延期になったのは今でもすごく残念に思われてなりません。
いつか実現してくれるのを今でも心待ちにしているのですが・・・
Commented by kaz-shin at 2007-07-24 23:42
240_8さん、こんばんは。早朝からのコメントとTBありがとうございます。
そうなんですよね。マイケルの歌ってどうしても上手いとは思えないのですが、
これだけの演奏に負けていないのが不思議ですし、これが魅力なんですよ(笑)
これだけの面子を集められるのもトミー・リピューマだからだと思いますが、
マイケルの歌にクルセイダーズの演奏という発想からして、リピューマの才能の
素晴らしさを感じますよね。
Commented by kaz-shin at 2007-07-24 23:51
shintanさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
高中さんのサウンドがギラギラ太陽の下が似合うとすれば、夕暮れ時から夜にかけて
似合うのがマイケル・フランクスですね。
今日は別ですが、ここのところのスッキリしない天気に嫌気がさして、夏に似合うアルバムを
連続で紹介してみました(笑)
Commented by kaz-shin at 2007-07-24 23:55
Skenさん、こんばんは。コメントとTBありがとうございます。
>普遍の渋い輝きがあるというか、古臭く感じないです。
その通りですね。
流行であるとか、ジャンルに関係無く良い音楽を追求している証なんでしょうね。
いつも思うのですが、今流行っている(売れている)音楽が果たして30年後に、
いや10年後に聴き続けられているのかな?と・・・。
Commented by kaz-shin at 2007-07-25 00:06
Musicmanさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
TBうまくいきませんか?すみませんでした。

実はMusicmanさんの記事を拝見して、触発されてしまいました。
それに気分だけでも夏らしくしたいなという思いもあって・・・(笑)
どれだけ時間が経過しても、忘れずに時たま聴きたくなるアルバムというのが
本当の名盤でしょうね。
Commented by kaz-shin at 2007-07-25 00:14
夢さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
>夕暮れ時のビーチリゾートでアルコール片手に海を眺めている自分を想像してしまいます。
良いですね~。まさにこのアルバムにピッタリなシチュエーションですよ(笑)
私もジョー・サンプルならではの、あのコロコロと転がるようなローズの音が
たまらなく好きなんです。
あのローズという楽器を作ったフェンダーは素晴らしいですね。
世紀の大発明だと個人的には思ってます。
リチャード・ティーの弾くローズも好きなんですよ(笑)
Commented by ohiro at 2007-07-28 00:39 x
こんばんは!次作「スリーピング・ジプシー」よりジャジーな感じがして渋いですね。私のお気に入りは最後の「Mr.Blue」かな。シットリと哀調ただよう名曲と思います!
Commented by kaz-shin at 2007-07-28 09:42
ohiroさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
『SLEEPING GYPSY』よりこのアルバムが好きという人は結構多いみたいですね。
ohiroさんの仰るように、"渋さ"で言えばこのアルバムに軍配が上がりますよね。
「Mr.Blue」は私も大好きです。ジョー・サンプルのピアノも良いですし、
この曲が名曲「Antonio's Song」に繋がっていったような気がしてならないのです。
逆に言えば、「Antonio's Song」に負けない名曲だということですよね。
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