Music Avenue
musicave.exblog.jp
Top
AIRPLAY_AIRPLAY (邦題:ロマンティック) ◇ 2007年 08月 05日
e0081370_7454437.jpg 

ブログを始めて1年10ヶ月余り、710件におよぶ記事を書いてきました。紹介したアルバムというのは大抵覚えているのですが、中には歳のせいで記憶が曖昧になっているものも・・・(笑)
自分では既に紹介済みだと勝手に思い込んでいて、実は紹介していなかったというアルバムを今回紹介させていただきます。1970年代~1980年代のAORが好きだと言っておきながら、このアルバムを紹介していないというのは恥ずかしいくらいの作品かも知れません。
1980年にリリースされたエアプレイのワン&オンリー・アルバム『AIRPLAY (邦題:ロマンティック)』です。

AORが好きな人には今更説明の必要も無いでしょうが、エアプレイはデヴィッド・フォスター、ジェイ・グレイドン、トミー・ファンダーバーグの3人によるユニットです。当初は、デヴィッド・フォスターとジェイ・グレイドンの二人で始動し、ジェイ・グレイドンがリード・ヴォーカルを担当していたのが思った以上のハード・ワークに急遽ヴォーカリストを探し、トミー・ファンダーバーグが加入した経緯があるようです。

デヴィッド・フォスターとジェイ・グレイドンという優れたサウンド・クリエイターが作り上げた素晴らしい楽曲、彼等の理想とするサウンドを現実のものとする為に集められたミュージシャンは、既に1978年にスタジオ・ミュージシャン軍団としてデビューを飾り、人気を博していた"TOTO"から、ジェフ・ポーカロ(ds)、デヴィッド・ハンゲイト(b)、スティーヴ・ルカサー(g)、スティーヴ・ポーカロ(synth.programming)が参加、他にもマイク・ベアード(ds)、レイ・パーカーJr.(g)、ビル・チャンプリン(cho)、トム・ケリー(cho)等が参加しています。

入念に検討され、丹念に作られた楽曲、緻密に計算されつくしたアレンジ、演奏は、まさにAORの最高峰に位置するアルバムと言えると思います。そこにはライブでの演奏を考慮したサウンド作りをしているTOTOとは違って、レコーディングにおける最高の音作りを目指しているエアプレイならではの緻密なサウンドが詰っています。とにかく完成度の高いアルバムです。

『AIRPLAY / AIRPLAY (邦題:ロマンティック)』
01. STRANDED
02. CRYIN' ALL NIGHT
03. IT WILL BE ALRIGHT
04. NOTHIN' YOU CAN DO ABOUT IT (貴方には何も出来ない)
05. SHOULD WE CARRY ON
06. LEAVE ME ALONE
07. SWEET BODY
08. BIX
09. SHE WAITS FOR ME (彼女はウェイト・フォー・ミー)
10. AFTER THE LOVE IS GONE

ハイ・トーンのコーラス・ワークで始まるロック・ナンバー01。私の個人的な考えですが、こういうロック色の強い曲でイニシアチブを握っているのはデヴィッド・フォスターだという気がします。ジェフ・ポーカロのタイトなドラミング、ルークのギターのバッキングにジェイ・グレイドンのソロ、デヴィッド・フォスターの強いタッチのピアノのアンサンブルが素晴らしいナンバーです。

練られたアレンジの素晴らしさにただ驚かされる02。この曲のサウンドに影響を受けたアーティストも沢山いることでしょう。日本では林 哲司の作品の中に、この曲の影響を受けたであろう楽曲がありますね。この曲は明らかにジェイ・グレイドン主導の曲という感じがします。ジェイ・グレイドンのヴォーカルもなかなか頑張ってます。

美しいメロディー・ラインを持ったバラード曲の名曲03。まさにバラード曲というのはこういうアレンジで、サビでいかに曲を盛り上げていくのかという見本のような曲と言えるかも知れません。間奏でのジェイ・グレイドンならではのギター・ソロが堪能できます。

1979年のマンハッタン・トランスファーのアルバム『Extensions』に提供した曲のセルフ・カヴァー04。ヴォーカルだけで言えば、マントラの方が圧倒的に素晴らしい出来ですが、実にエアプレイの色が強く出ているアレンジは大好きです。マントラ・ヴァージョンと聴き比べると楽しい1曲です。

AORらしいメロウなバラード曲05。シンプルな音なんですが、コーラス・ワークとギターを巧みに使ったアレンジは決してシンプルな印象は無く、逆にスケールの大きさを感じさせますね。

徹底的にギター・サウンドに拘ったと思われる06。オーヴァー・ダヴを繰り返し、ライブでの再現性は難しいであろう緻密なアレンジが際立った1曲だと思います。全篇でジェイ・グレイドンのギターが大活躍する1曲。

ギター・リフが印象的な軽快なナンバー07。ロック・ナンバーでありながらも重くなく、軽快な印象に仕上がっています。本来のAORと呼ぶに相応しいナンバーかも知れません。

ジェリー・ヘイのホーン・アレンジが光る08。当時まだ無名だったトミー・ファンダーバーグのヴォーカリストとしての実力が窺えるナンバーですね。

ジェイ・グレイドンらしいポップな曲とヴォーカルが魅力の09。私の中では、ロックが好きなデヴィッド・フォスター、ポップスが好きなジェイ・グレイドンという風に別れていまして、この曲は特にジェイ・グレイドンらしさを感じる1曲になっています。

EW&Fに提供して大ヒットした名曲のセルフ・カヴァー10。EW&Fヴァージョンよりもリズムを協調したアレンジになり、キレのあるサウンドが印象的です。この曲は、リズム・アレンジの他にもストリングス・アレンジの美しさとジェリー・ヘイとデヴィッド・フォスターのアレンジによるホーン・セクション無しでは成立しませんね。

本当かどうかは不明ですが、このアルバムがリリースされた当時、日本のレコード会社の間でプロデューサーやディレクターが集まり、このアルバムについての研究会が開かれていたというのを聴いたことがあります。その話の真偽は別にしても、多くのミュージシャンや制作に携わる業界人に影響を与えていたのは間違い無い事実だと思います。
洋楽好きな方でこのアルバムを聴いていない人は少ないと思いますが、もし未聴でしたらAORのバイブルとも言われる作品なので、ぜひ聴いてみて下さい。
[PR]
by kaz-shin | 2007-08-05 12:49 | 洋楽系 | Trackback(1) | Comments(16) | |
トラックバックURL : http://musicave.exblog.jp/tb/6227580
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Tracked from 音楽なしは、人生なし! at 2007-08-06 08:26
タイトル : 相変わらず
先日からライ・クーダーの新譜を 聴きまくりです。 この人の音楽にはホント、Jim Keltnerが 合います。 そのケルトナー参加のMarc Jordanの名盤セカンド もいいのですけど、そのプロデューサー関係で 本日はもうじきリマスターで再発される、これ。 Airplay『Airp...... more
Commented by かわちゃん at 2007-08-05 17:06 x
ホントに凄いアルバムです。皆さんもそうであるとは思いますが、初めてこのアルバムを聴いた時、涙が出そうになりました。これだ!って感じでした。メロディラインひとつにしても、普通ならこのメロディのあとにはこのようになるだろうって思うところが、えっこんな素晴らしいメロディがあったのかぁっていう感じですね。僕はCRYIN′ALL NGHTやMOTHIN′YOU CAN DO ABOUT ITや BIXが最高に好きです。
Commented by Musicman at 2007-08-05 18:50 x
AORを語る上で絶対にはずせないアルバムですよね。
当時、日本の音楽シーンがどれだけ影響を受けた(パクった・・・笑)ことか!!
今聴いてみると音色的には古い気もしますが、アレンジは今でも新鮮に聴こえますね。
まさに一家に一枚アルバムです!!
Commented by Kenny U at 2007-08-05 19:43 x
ええー、このCDはここではまだ紹介されていなかったんですかー??
私はてっきり金字塔だから「何処かに記事があるはずだー」と
”ずーっ”と思っていましたよー(笑)
Commented by kaz-shin at 2007-08-06 00:14
かわちゃんさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
デヴィッド・フォスターとジェイ・グレイドンという優れたソング・ライター二人がタッグを組むと
その相乗効果たるや、凄いものがありますね。
逆にその才能の高さゆえに、二人で組む難しさも出てきたんでしょうね。
たった1枚のアルバムしかリリースしなかったエアプレイ。
だからこそ、価値のあるアルバムなのかも知れませんね。
Commented by kaz-shin at 2007-08-06 00:17
Musicmanさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
スティーリー・ダンと並んでスタジオ・レコーディングを極めたアルバムだと思いますね。
緻密に練られた楽曲、アレンジ、演奏・・・。本当に素晴らしい完成度ですね。
AORを知る上では、好みに関わらず絶対に聴いて欲しいと思うアルバムです。
Commented by kaz-shin at 2007-08-06 00:19
Kenny Uさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
自分でもとっくに紹介したとばかり思ってました(笑)
人の記憶なんて曖昧なもんです・・・。
何を今更って感じで恥ずかしいです。
Commented by Sken at 2007-08-06 08:30 x
こんにちは。
LP1枚、CD3枚を購入してしまったアルバムです。
Jayがソロで2回来ましたが、結構レコードと変わらない
パフォーマンスだったのには驚きました。
スタジオ録音ならではの完成度であるわけですけれど。
もちろん、プロ中のプロであるミュージシャンが参加していた
ライヴだったんですが。
Commented by ひと at 2007-08-06 23:05 x
こんばんは。今でも愛聴盤ですが、当時から不満だったのは音色が
悪いことです。音数が多すぎてリズムが奥まって聞こえるんです。
私が持っているのは90年盤ですが、やはり今はもっといい音かな?
ところで、CD発売は日本が初で二人は来日した際に大量に買い込んだ
そうですね。
Commented by kaz-shin at 2007-08-07 01:05
Skenさん、こんばんは。コメントとTBありがとうございます。
Skenさんの書かれた記事にもありましたが、ライブを想定していない曲作りだと私も思ってましたが、
ライブで忠実に再現していたとなると、もはやジェイ・グレイドン恐るべしという感じですね(笑)
ジェイ・グレイドンとデヴィッド・フォスターの相性は抜群だと思うのですが、
デヴィッド・フォスターのプロデュース作品に、ジェイ・グレイドンが参加しているのは
思ったより少ないんですよね。圧倒的にルカサーの方が多いようです。
Commented by kaz-shin at 2007-08-07 01:17
ひとさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
私の持っているのも90年盤です。仰るようにお世辞にも良い音とは言い難いですね。
エンジニアがハンベルト・ガティカなので、ミキシング自体が悪いとも思えないですよね。
リマスター盤を聴いた事がないので分からないですけど、きっと音は改善されているでしょうね。
Commented by santaro at 2007-08-11 16:17 x
ツタヤでリマスター盤のライナーを読んだのですが
ジェイ自身がアルバムについて回顧する記事は
それだけで値打ちがありましたヨ(BY中田利樹)
Commented by kaz-shin at 2007-08-11 23:35
santaroさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
リマスター盤にはそんな特典も付いているんですね~。
所有しているアルバムを買い直すのはどうしても躊躇してしまうんですよね。
その分新しいアーティストのCDとかを買いたくなってしまいます(笑)
音的な部分も含めて聴いてみたい気がします。
Commented by DENTA at 2007-08-12 23:58 x
買った当初は結構聞き込んでいました。
彼等2人が組んでいることは多いのに、共作アルバムはこの1枚だけなんですよね…
それと、ジェリー・ヘイといえば、いつシーウィンドが復活するんじゃあァァァヽ(`Д´)ノ
Commented by kaz-shin at 2007-08-13 03:53
DENTAさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
二人が参加しているアルバムは本当に多いですが、確かに共作のアルバムは1枚だけですね。
私の推測ですが、それぞれに目指すサウンド、音楽が微妙に違ってきていたんじゃないでしょうか・・・。
そうでなければ、いくら忙しい二人とはいえ2作目のアルバムを作っていたんじゃないかと思います。
Commented by 猫になりたい哲学者 at 2008-05-23 20:32 x
自分の中にはビートルズを筆頭にいくつも音楽の正典があるのですが、その一つがこれです。小学生時分で聞かされた時一発で打ちのめされましたし、始めて聞いた時の衝撃は今も忘れません。タビングしてもらったテープは聴きすぎて一年足らずで伸びてしまいました(笑)日本でもPOPSの編曲家の多くがこのアルバムの影響を受けたといっても過言ではないと言えるのではないでしょうか。レコ社が研究会をしていたというのも真偽はさておきいかにもと納得のエピソードですよね。しかし、発売時この作品本国では売り上げがさっぱりだったとか…。CD化したのも日本が最初だったと聞いた事がありますが、AOR好きが多い日本という事を表しているエピソードと共になんでこんな素晴らしい作品でネームバリューもあるこの二人が組んで…???と本当に売れると言うのは古今東西一筋縄ではいかないことを示していますね。今でも頻繁に聴く作品であると共にこういういかにも80年代キラキラPOPがいつまでも聴く事が出来ると信じていたあの時の自分を思い出し今の状況に少し悲しくなる自分もいます。
Commented by kaz-shin at 2008-05-24 02:23
猫になりたい哲学者さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
もし私が平成の時代に生まれ育っていたら、おそらく今の音楽を心から
楽しんでいたんだろうと思います。
しかし、幸か不幸か70年代~80年代にかけてビートルズを知り、数々の伝説的ロック・バンドを知り、
AORやFUSIONを知り、BCを知ってしまいました。
国内においても歌謡曲、フォーク→ニューミュージック→CITY POPという流れを
肌で感じてしまったので、どうにも最近の音楽に心を揺さぶられません。

エアプレイが私に教えてくれたのは、何十人もの編成によるレコード会社専属オーケストラの演奏と
技術的に優れたミュージシャン数人による演奏とを比較した場合、アレンジの手法によって
後者が前者を凌駕してしまうということでした。
基本は歌詞、メロディーなのは今も昔も変わっていないと思うのですが、アレンジで単なる"歌"が"曲"として完成されたものになるのだと思っています。
デヴィッド・フォスター、ジェイ・グレイドンに出会いは私の音楽的趣向を変えてしまいました(笑)
<< Toshiki Kadomat... ページトップ JORGE DALTO & S... >>
XML | ATOM

個人情報保護
情報取得について
免責事項
Ice Green Skin by Sun&Moon