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山下 達郎_MELODIES ◇ 2007年 08月 16日
山下 達郎_MELODIES_e0081370_2191299.jpg 

夏休みも今日でおしまい、明日からは仕事です。休みの1日って、仕事をしている1日と同じ1日なのに、何故か時の経つのが早く感じてしまいますね。通常の2~3倍の速さで時間が経過しているように思えてなりません(笑)

さて、今回紹介するアルバムは、山下 達郎が1983年にリリースした大ヒット作品であり、名作の1枚『MELODIES』です。このアルバムは、達郎の数多いアルバムの中でも重要なアルバムと言える1枚ではないでしょうか。

まず、AIRレコードからMOONレコードへの移籍第一弾だということ、30歳を迎えた最初の作品であること、アナログ・レコーディングの最後のアルバムであること、バンド・サウンドを目指してきた達郎にとって、打ち込みを使っていない純粋なバンド・サウンドによる最後のオリジナル・アルバムであることなどが挙げられます。翌1984年には企画盤的な意味合いの濃い『BIG WAVE』をリリース後、達郎はデジタル・レコーディングにおける音の研究や、コンピューターを使った新しいタツロー・サウンドを作るべく様々な最新機器への取り組みが始まっていきます。そういった意味においても『MELODIES』は、第1期山下 達郎サウンドの到達点とも言えるアルバムかも知れません。

本作では、夏向きの曲から今や日本の音楽史上に残るクリスマス・ソングまで、様々なジャンルの音楽を堪能できる1枚になっています。そして、もう一つの特徴は、それまで達郎の楽曲の詞の大半を手掛けてきた吉田 美奈子が作詞しているのは1曲のみで、達郎自身が作詞した曲が8曲と大幅に増えたことでしょう。30歳を迎えて、自分自身の言葉で歌うということを意識したアルバムなのかも知れませんね。

『山下 達郎 / MELODIES』
01. 悲しみのJODY (She was Crying)
02. 高気圧ガール
03. 夜翔 (Night-Fly)
04. GUESS I'M DUMB
05. ひととき
06. メリー・ゴー・ラウンド
07. BLUE MIDNIGHT
08. あしおと
09. 黙想
10. クリスマス・イブ

ファルセット・ヴォイスが綺麗に出せる若いうちに、全篇ファルセット・ヴォイスで唄う歌を作りたかったということで出来た曲01。青空に抜けていくファルセット・ヴォイスがたまらない名曲です。『BIG WAVE』では英語ヴァージョンが収録されていたこの曲、間奏の故・井上 大輔のテナー・サックスのソロ以外は、全ての楽器を達郎が演奏しています。リリース後23年も経った去年、「アサヒ本生アクアブルー」のCMに使われてましたね。全く色褪せていないのが素晴らしいですね。

当時、航空会社キャンペーンソングに使われシングル・カットされた02。夏にぴったりな1曲ですね。この頃は、「夏だ!海だ!タツローだ!」というイメージが強く、当の達郎本人は困惑気味だったとか・・・。CM曲の依頼でもこういう曲調を求められていたんでしょうね。コーラスに竹内 まりや、村田 和人が参加しています。

大好きなナンバー03。実にロマンティックなナンバーで、個人的には名曲だと疑わないナンバーです。透明感溢れる佐藤 博のエレピ、達郎のギター・カッティング、控え目ながらも素晴らしいアクセントになっているホーン・セクション、土岐 英史のエモーショナルなアルト・サックス、そして美しい達郎のファルセット・ヴォイス・・・。曲・アレンジ・演奏・歌のどれを取っても完成度の高い1曲です。

ビーチ・ボーイズのカヴァー曲04。選曲が実に達郎らしくて渋いですね。ビーチ・ボーイズのカヴァーなんですが、サウンド的にはフィル・スペクターへのリスペクトを感じてしまいます。この曲もホーン・セクション、ストリングス、伊藤 広規のベース以外、全ての楽器を達郎が演奏しています。

恥ずかしくなってしまうような歌詞なんですが、天気の良い午後のまどろみの中で聴きたいようなアコースティックなサウンドが心地良いナンバー05。青山 純のドラム、浜口 茂外也のパーカッション以外は達郎の演奏です。それにしても達郎は素晴らしいギターを弾きますね。

「やっぱりタツローはFUNKYでなくっちゃ!」という私のような人間にはたまらない06。青山 純、伊藤 広規、中村 哲と達郎の4人で録音されたとは俄かに信じ難い迫力。「BOMBER」以来の衝撃が走った曲でもありました。青山・伊藤によるリズム隊のコンビネーションが素晴らしいですね。コーラスに吉田 美奈子が入ったらもっと凄かったかなと想像してしまいます。

渡嘉敷 祐一(ds)、岡沢 章(b)、佐藤 博(key)、松木 恒秀(g)、土岐 英史(sax)という申し分無く私好みのミュージシャンによって演奏された07。吉田 美奈子の作詞です。この手の達郎のバラード曲の演奏には、やはりこの面子でなければいけません(笑)

ゴスペル調のナンバー08。軽快なリズムも心地良く、この曲も大好きなナンバーです。切ない歌詞も胸に響きますが、やはり間奏での達郎のギター・ソロが印象的です。いつまでも心の片隅に残るような素晴らしい曲だと思います。

達郎のピアノの弾き語り風なしっとりとした小曲09。

いまやクリスマス・シーズンにこの曲を聴かないというのは考えらない程、クリスマス・ソングのスタンダードと化した名曲10。オフコースを意識して書いた曲というのも有名な話ですね。それにしてもメロディーとアレンジの素晴らしさは、もはや言葉では言い表せない気がします。冬の澄んだ夜空を見上げながら聴けば、寒さとは別の鳥肌が立つこと間違い無しの1曲。もうこの1曲だけでも達郎は天才だと思わせるナンバーです。

記事を書きながら久しぶりにアルバムを通して聴きましたが、本当に素晴らしいアルバムですね。
このアルバムが発売された当時、達郎のあまりにロマンティックな歌詞に、顔とのギャップを感じてしまい多少引いてしまったこともありましたが・・・(笑)
ところが今聴くと自然に聴けた分、余計に素晴らしいアルバムだなと感じることが出来ました。
第1期山下 達郎を代表する1枚であることは疑いのない作品だと思います。
1986年の『POCKET MUSIC』は、コンピューターを導入し、達郎の試行錯誤の跡が見えるようなアルバムでした。新しい山下 達郎を感じさせた『POCKET MUSIC』は、また別の機会に紹介しようと思います。

久しくこのアルバムを聴いていない達郎ファンの皆さん、たまには聴いてみるのも良いですよ。
感動が蘇ってきますよ、きっと。
by kaz-shin | 2007-08-16 00:01 | J-POP | Comments(19) | |
Commented by Kenny U at 2007-08-16 00:09 x
渡嘉敷 祐一(ds)、岡沢 章(b)、松木 恒秀(g)、・・・って
ザ・プレイヤーズそのままですね!!改めて再認識しましたー!
Commented by kaz-shin at 2007-08-16 01:23
Kenny Uさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
達郎さんのギターの師匠は松木さんみたいですね。
自分の作品以外のプロデュース作品においても、渡嘉敷さんと岡沢さん
のリズム隊を起用することが結構ありますね。
好きなリズム隊なんでしょうね。
Commented by しげぞう at 2007-08-16 08:23 x
こんちはっ
僕もこのアルバムは大好きです(今でもヘビーローテーション)
中でも03のホーンセクションは最高です
僕の中でこれを上回るホーンは未だありません
トータルで一枚しっかり聴かされます
「アルバム」とは何ぞや、をよく知らしめている名作だと思います
Commented by rs at 2007-08-16 08:57 x
夏アルバムの名作がきましたね!

今でも全く色褪せないクオリティの高さは圧巻の一言。
当時、リアルタイムで聞けた事を光栄に思います。

全曲お気に入りなんですが
以前、LIVEでメリー・ゴー・ラウンドを聞いて、
実はコーラスワークが見事な曲なんだと認識しました。

ラジオで「そろそろリマスターをしなければ」って
言ってたので、更に良い音で聞けるのを今から心待ちにしてます。
Commented by nowhere1967 at 2007-08-16 13:02
達郎さんのアルバムで好きなアルバムを挙げるとしたら、まずこのアルバムを挙げます。
アルバムの中の1曲でしかなかった「クリスマス・イブ」があれほど有名な曲になるとは、アルバム発売当初思いもしませんでした。
Commented by トモくん at 2007-08-16 15:45 x
まさかファン想いの達郎さんの話からこんなに早くこのアルバムが載るとは・・・さすがkazuーshin、上手い演出ですね。(角松つながり・・?)
まさに私にとっても達郎さんのベストアルバムです。アクアのコマーシャルから、このアルバムが聴きたくなり、プレイヤーがダメでLPが聴けない私は、CDを購入し直したという思い入れのあるアルバムです。
ほんと、達郎さんはファン心理を良く理解しているアーティストなんでしょうね。(笑)
特に、悲しみのJODY、高気圧ガールにはタイムリーな思い出があり、今でも胸が熱くなる青春ソングです。
メリーゴーランドのバックボーカルも達郎さんがやっているんですよね。あの繰り返しが何て言っているのか聞き取れなくて、今でも、この曲では、耳ダンボです。
クリスマス・イブはやっぱりJR東海(?)の牧瀬理穂のCM!ばっちりマッチングしてました。ストーリーの演出もありますが、達郎さんの曲あってのベストCMですね。
達郎さんは全てにおいてやはり天才!
Commented by トモくん at 2007-08-16 15:49 x
すみません。kazーshinさんと書くつもりが呼び捨てになってしまいました。失礼しました。
Commented by ギター小僧 at 2007-08-16 23:24 x
こんばんは
このアルバムがひとくぎりだったんですね。
でも個人的にはこのアルバム以降、以前ほど好きになれません・・・

「メリー・ゴー・ラウンド」
”吉田美奈子のコーラスが・・・”というのはなるほど!
思いつきませんでした。
言われてみれば同感です!

「クリスマス・イブ」は個人的に特に思い入れはないんですが、
いま竹内まりやの新作「Denim」の09「クリスマスは一緒に」が
MYクリスマス・ソングとなりつつあります。
最初「Plastic Love」みたいでかっこいいなぁって聴いてて、
歌詞に耳を傾けると
せつなくてでもすごく前向きな世界にはまってしまいました。
「クリスマス・イブ」よりいいです、僕的には。

すいません、否定的なコメントになってしまいました。
Commented by kaz-shin at 2007-08-17 00:32
しげぞうさん、こんばんは。いつもコメントありがとうございます。
03のホーン・セクションに目を付けるとはさすがですね。
本当に素晴らしいホーン・アレンジですよね。このホーン・セクションが
無ければ、この曲はここまで輝かなかったと思います。
前作『FOR YOU』に比べると、派手さはありませんがトータル的な
バランスは前作以上ではないでしょうか。名盤です。
Commented by kaz-shin at 2007-08-17 00:39
rsさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
>ラジオで「そろそろリマスターをしなければ」って言ってたので・・・
そこが達郎さんの凄いところなんですよね。
過去の作品も大切にして、良いものをファンに届けようとする姿勢には
感服します。
新旧に関わらず、自分の作品を本当に大事にしてますよね。
T.Kさんにも見習って欲しいものですね(笑)

リマスター盤が実現したら嬉しいですね。でもきっとやってくれますよ、達郎さんなら!
Commented by kaz-shin at 2007-08-17 00:54
nowhere1967さん、こんばんは。コメントとTBありがとうございます。
私も当然このアルバムは、発売日を心待ちにして、リアル・タイムで聴いてました。
当然、「クリスマス・イブ」もその時に初めて聴いた訳ですが、本当にびっくりしましたね。
こんなにクリスマスの雰囲気を持ったオリジナル曲を他に知りませんでしたから。
イントロの音色から雰囲気があって、間奏部のあのコーラス・ワークを聴いた時は
本当に体中鳥肌が立ちました。
今思えば、これだけの定番になるのは当たり前かも知れませんね。
Commented by kaz-shin at 2007-08-17 01:04
トモくんさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
>すみません。kazーshinさんと書くつもりが呼び捨てになってしまいました。失礼しました。
お気遣いありがとうございます。全然気になりませんでしたよ(笑)

>まさかファン想いの達郎さんの話からこんなに早くこのアルバムが載るとは・・・
アハハ、単なる偶然で狙ったものではありません(笑)
このアルバムは最初から8月中に紹介しようと思ってましたので・・・。

本当にどれも甲乙付け難い名曲が揃ってますね。
私の場合、達郎さんのアルバムでも好き嫌いが結構あるのですが、
このアルバムはそれが無いですね。

JR東海のCMでの牧瀬さんは本当に可愛かったですね。
あの映像に、達郎さんの「クリスマス・イブ」ですから、CMとしてはこれ以上のイメージ・アップは無いでしょう。
Commented by kaz-shin at 2007-08-17 01:14
ギター小僧さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
>すいません、否定的なコメントになってしまいました。
お気遣い無用ですよ。そういうコメントこそ、嬉しいものです。
私も『Denim』は大好きで、「クリスマスは一緒に」も好きです。
ギター小僧さん同様、詞が良いですね。まりやさんが達郎さんの
ギター・カッティングをフィーチャーしたくて書いた曲みたいですね。
ただ、私雰囲気に弱いもので達郎さんの「クリスマス・イブ」のあのアレンジの
巧みさに軍配を上げてしまいます。イントロのあのギターの音色だけで
あれだけの雰囲気を作ってしまったことに、当時ただ驚いていました(笑)

このアルバム以降、達郎さんはデジタル機器とのまさに格闘が始まりました。
本当にアルバムを作るたびに試行錯誤の連続だったんだなと、「ポケット・ミュージック」以降の何作かは感じますね。
じっくり時間をかけて良いものを作ってきているので、これからのオリジナル・アルバムは面白いかも知れませんよ。
Commented by いわとも at 2007-08-17 23:18 x
06はイントロから引き込まれます。
連続で1時間位聴いたこともあります。
きっとバックのプレイヤーも演奏していて楽しいのだろうナァ~。
 
そうそう、『BOMBER』も名曲♪
もし何かのリマスター盤がでるなら、初回限定特典としてもう1枚CDつけて欲しい。
それには、『BOMBER』の演奏会場別バージョン5曲入れて欲しい。
無理、か(笑)。
Commented by kaz-shin at 2007-08-18 01:28
いわともさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
「メリー・ゴー・ラウンド」はインパクトの強い曲ですよね。
この手の曲って、インパクトが強い分厭きるのも早いのですが、いわともさんと同じで
続けて何回聴いても厭きない、不思議な魅力のある曲だと思います。

>、『BOMBER』の演奏会場別バージョン5曲入れて欲しい。無理、か(笑)。
良いですね~(笑)
無理だとしても『JOY 2』はリリースして欲しいですね。
Commented by kotaro at 2007-08-18 04:30 x
と、ゆうか、
セッションはジャズだけでなく、ロックやポップでも
フォーバースを回しながらリズム隊に半時持たせるのが
カッコイイ生演奏の聴き方だと思います。

ヤマタツでアドリブの妙味、またソロパートの楽器の本来持つ
ダイナミズムを学んだ人も多いと思います。

楽器を腐らせない演奏法、編曲テクニック、いろんな意味で
今音楽を生業にめざしている人も、きちんと吸収して欲しい
格好のサンプルだと思います。
Commented by kaz-shin at 2007-08-19 02:04
koraroさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
達郎さんのライブを実体験していないので、ライブ・アルバムを聴いた
だけですが、『JOY』での「メリー・ゴー・ラウンド」でのリズム隊のソロは
凄かったですね。
自分のバックを務めてくれるメンバーの高い技術を知っていればこその
演出だと思います。
ぜひ1度は生で経験したいと思いつつも、チケットが取れません。
そうなると『JOY 2』でもリリースしてもらって、1曲でも多くライブでの演奏を聴かせてもらいたいものです。
達郎さんの場合、圧倒的にライブでの演奏を目論んで作っている曲が多いと思いますので・・・。
Commented by santaro at 2007-08-25 22:03 x
以前大瀧さんがサンソン新春放談で達郎さんに
「そんなに黒人音楽好きならなんでもっとやらないの?」
という質問に「声が合わないから」と仰ってましたが
どうしてどうしてこの「メリー・ゴー・ラウンド」
かなり黒い(?)ですよねぇ~~
似た?テイストの「スプリンクラー」と共に大好きな楽曲です
Commented by kaz-shin at 2007-08-26 03:28
santaroさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
いかにも達郎さんらしい話ですね。
でも、達郎さんの凄いところは、自分に似合った黒っぽい曲を書けるところなんですね。
ただ、自分では本当にやりたい黒っぽさとは違うのかも知れませんが・・・。
久保田 利伸さんみたいにストレートに黒っぽさを出すより、はるかに難しいことを
達郎さんはやってのけてる気がしますね。
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