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VALERIE CARTER_WILD CHILD ◇ 2007年 08月 30日
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女性アーティスト(シンガー)の作品をAORと定義するのは、男性アーティスト(シンガー)よりもはるかに難しい気がします。AORの魅力のひとつである洗練されたミュージシャンの演奏とヴォーカルとの調和、あるいはバランスの良さという点で考えると、歌が上手すぎても駄目ですし、逆に演奏ばかりが目立ってしまってもAORに成り得ない訳です。感情表現の素晴らしい女性シンガーが歌い上げてしまうと、それでもうAORでは無くなってしまう・・・、そんな感じでしょうか。

そんな中、今回紹介するヴァレリー・カーターの1978年にリリースされた2ndアルバム『WILD CHILD』は、AOR好きな人も納得のAOR作品と言えるアルバムでしょう。
何とも無味乾燥なアルバム・ジャケットで、インパクトは強いけれど決してお洒落なイメージはありません。しかし、アルバムに詰った楽曲はどれも素晴らしいものばかりです。
プロデュースは、当時エルトン・ジョンのバンドで活躍していたキーボード奏者のジェイムス・ニュートン・ハワードが担当し、バックにはジェフ・ポーカロ(ds)、デヴィッド・ハンゲイト(b)、チャック・レイニー(b)、スティーヴ・ルカサー(g)、レイ・パーカー.Jr.(g)、ジェイ・グレイドン(g)、ヴィクター・フェルドマン(key / per)、ジェイムス・ニュートン・ハワード(key)といった豪華な顔触れが揃っています。曲もバラエティに富んでおり、聴き込んでも厭きのこない素晴らしいアルバムに仕上がっています。

『VALERIE CARTER / WILD CHILD』
01. CRAZY
02. DA DOO RENDEZVOUS (ランデブー)
03. WHAT'S BECOME OF US
04. TAKING THE LONG WAY HOME (家路)
05. LADY IN THE DARK (暗闇の中の女)
06. THE STORY OF LOVE (恋物語)
07. THE BLUE SIDE
08. CHANGE IN LUCK
09. TRYING TO GET TO YOU (あなたをつかまえたい)
10. WILD CHILD

軽く弾むようなリズムが心地良いナンバー01。ジェフ・ポーカロとデヴィッド・ハンゲイトによるリズム隊のかっちりとしたリズムに乗せ、ルークのギターがバッキングにソロにと大活躍する1曲です。ヴァレリー自身によるコーラスも美しいですね。

チャック・レイニーのベース・プレイ、そしてスティーヴ・ルカサー、レイ・パーカー.Jr.、フレッド・タケットの3人のギタリストのプレイが光る02。サビのメロディーがとてもキャッチーで、ヴァレリーのヴォーカルも可愛らしくて良いですね。レイ・パーカー.Jr.のギター・ソロは絶品です。こういう曲をAORと呼ばずに何と呼ぶって感じの1曲(笑)

03もメロディーが素晴らしいミディアム・ナンバー。間奏でのジェイ・グレイドンのギター・ソロがマイルドで、いかにもジェイ・グレイドンらしくて印象的です。ヴァレリーのヴォーカルが際立ったナンバーです。

しっとりとしたヴォーカルが魅力の04。エレピ主体の前半から、徐々に盛り上がるアレンジが面白く、哀愁漂うドン・メリックのサックス・ソロが印象的です。

TOTOっぽいサウンドがたまらない05。ジェフ・ポーカロのドラミング、ルークのギター、ジェイム・ニュートン・ハワードのピアノのプレイが素晴らしいのですが、特にルークのギター・ソロは彼のソロ・プレイの中でも歌心が前面に出た素晴らしいプレイだと思います。

FUNKYかつソウルフルなナンバー06。個人的にはこういう曲が大好きなんです。TOM TOM 84アレンジによるホーン・セクションとルークのバッキングがとにかく格好良いですね。ヴァレリーも難しい曲ですが、難なく歌いこなしています。

デヴィッド・ラズリーが作曲、コーラスに参加している素晴らしいバラード曲07。メロディーの美しさとジェイ・グレイドンらしいギター・リフが印象的なナンバーです。

都会的で洒落たアレンジが心地良いミディアム・ナンバー08。目立ちませんが、チャック・レイニーのベースが素晴らしいですね。ルークのギター・カッティングも軽快ですし、ヴィクター・フェルドマンのピアノのプレイにも注目して欲しい1曲。

ホーン・セクションをフィーチャーしたスケールの大きさを感じるバラード曲09。ジェイムス・ニュートン・ハワードのエレピのプレイ、ドン・メリックのエモーショナルなサックス・ソロ、TOM TOM84の洒落たホーン・アレンジ、そして抑え気味に歌うヴァレリーのヴォーカルのバランスが絶妙な素晴らしいナンバーです。

アルバム・タイトル曲10。しっとりとした大人の味わいのあるバラード・ナンバーで、ヴァイブやマリンバを巧みに使ったアレンジが素晴らしい1曲。曲中でデヴィッド・ハンゲイトのベース・ソロが聴けるのも魅力です。

AORの魅力である楽曲・演奏・歌という3拍子揃った素晴らしいアルバムです。とにかく捨て曲無しで、それぞれの楽曲で違った表情を見せるヴァレリー・カーターのヴォーカルが凄いですよ。本当はもっと歌い上げることも出来るのでしょうが、あえて抑え気味にしているのが正解だったような気がします。
AOR好きな人には、ジェイ・P・モーガンの『JAYE P. MORGAN』と並んで1度は聴いて欲しい傑作アルバムです。自信を持って推薦できる作品なので、興味のある方はぜひ聴いてみて下さい。
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by kaz-shin | 2007-08-30 00:03 | 洋楽系 | Trackback(2) | Comments(6) | |
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Tracked from 音楽の杜 at 2007-08-30 23:57
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Commented by 240_8 at 2007-08-31 00:00
こんばんは!
またまたAORの名盤ですね。
私は最近コレを初めて聴いたのですが、いいですね~。
個人的には③や⑦のジェイ・グレイドン参加作品が惹かれますね。
Commented by kaz-shin at 2007-08-31 00:21
240_8さん、こんばんは。コメントとTBありがとうございます。
私も彼女の作品を聴いたのは、CD化されてからのことなんですよ。
曲・演奏・歌のバランスが良いアルバムだと思います。
AOR好きにはたまらないミュージシャンが参加してますよね。
私は02や05が好きで、05のルークのソロは大好きなんです。
Commented by ocean at 2007-09-01 07:52 x
皆さんおっしゃっていますが、とにかくジャケットがインパクト大!顔ジャケ特集やったら、かなり高いところにランクインするのではないでしょうか?

僕は「DA DOO RENDEZVOUS」が大好きです。ちょっと舌っ足らずで DA DOO RENDEZVOUS ~ と歌われた日には貴方 … メロメロです♪
Commented by kaz-shin at 2007-09-01 10:39
oceanさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
このジャケットがカラーだったら、また違った印象でしょうね。
内容は本当にAORそのものですね。
「DA DOO RENDEZVOUS」は、このアルバムのハイライト曲のひとつだと思います。
最初に聴いた時、最も印象に残ったのがこの曲でした。
メロディー、アレンジ、歌の3拍子揃った素晴らしい曲ですね。記事にも
書きましたが、これこそAORと呼ぶに相応しい1曲だと思ってます。
Commented by ohiro at 2007-09-02 22:36 x
こんばんは!またまた大好きなアルバムを紹介していただきありがとうございます。
ホント、捨て曲ナシでボーカルと演奏のバランスがすごくいい傑作アルバムですね!AORってそのバランスがすごく大事だと最近思うようになりました。好きなアルバムや名盤と言われているアルバムを思い起こすと例外なくバランスがいいです。
J.P.モーガンもよく聴きますけど個人的にはこっちが勝ちかな・・・個性は全く違うけどD.ワーウィックの「Friends in Love」と今のところ自分の中の女性AORで2トップでーす!
Commented by kaz-shin at 2007-09-03 00:12
ohiroさん、こんばんは。コメントとTBありがとうございます。
AORの魅力はバランスだと思いますね。それと私個人的には、リズムは
打ち込みでないことが望ましいですね(笑)
やはり一流ドラマーのグルーヴ感というのは、打ち込みでは絶対に出せないですから・・・。

D.ワーウィックの「Friends in Love」も以前紹介しましたが、大好きな1枚ですよ。
ジェイ・グレイドンのプロデュース作品の中でも傑作の1枚だと思います。
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