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鳥山 雄司_Deep City Traveller ◇ 2007年 09月 13日
鳥山 雄司_Deep City Traveller_e0081370_22364928.jpg 

今回紹介するのは、鳥山 雄司が1996年にリリースした7thアルバム『Deep City Traveller』です。6thアルバム『プラチナ通り』を1990年にリリースしてから実に6年ぶりのアルバムということになります。
最近では、ギタリストの鳥山 雄司というより音楽家の鳥山 雄司として広く知られていますね。
ただ、私は初期のアルバムでギターを弾きまくっていたギタリストとしての鳥山 雄司が好きなんです。

この『Deep City Traveller』は、ライナー・ノーツに書かれた作家の保前 信英によるショート・ストーリーを元に、鳥山 雄司がストーリーに沿った形で曲を書き演奏するというコンセプト・アルバム的な要素が濃いアルバムになっています。
私はギタリストの鳥山 雄司が好きと書きましたが、このアルバムにはギタリストの鳥山 雄司と音楽家の鳥山 雄司がうまい具合に共存しているところが素晴らしいですね。

『鳥山 雄司 / Deep City Traveller』
01. SOMETHING IN THE WIND
02. A POINT OF LAND
03. THE SONG OF LIFE
04. CLOSING TOYS
05. WHAT HAPPEND?
06. ATÉ SABER
07. WITHOUT A DREAM
08. SHINING MONUMENT
09. LOOKIN' FOR ANOTHER PURE LOVE
10. ESCAPE FROM THE CITY
11. BELEZA
12. BEFORE THE SUNRISE
13. "WAS IT ALL A DREAM?"~THE SONG OF LIFE

幻想的なサウンドをバックに英語のナレーションが入り、民族音楽的な香りと重い打ち込みのビートの融合が面白い01。とにかく格好良いギターが存分に堪能出来ます。曲を支えているおおたか静流のコーラスと山根 栄子のフェイクも素晴らしいです。

レコードに針を乗せた時のスクラッチ・ノイズのSEで始まる02。ハードなロック・フィーリングに溢れるギターが冴えるナンバーです。鳥山 雄司はこの曲でベースも弾いています。武部 聡志のハモンドB-3が良いアクセントになっています。

音楽家・鳥山 雄司の名を広く知らしめた名曲03。多くの人が1度は聴いているであろう曲ですね。TBS系列の人気TV番組「世界遺産」のテーマ曲です。ストリングスと森村 献のピアノの美しさと雄大さを感じるメロディー・ラインに耳を奪われがちですが、ギターもしっかり入って雰囲気を盛り上げています。

20秒足らずの短いSEだけの04。

ベンチャーズ・サウンドを彷彿させる05。聴いているだけで楽しくなってくる明るくポップなメロディーです。面白いのは、リフはベンチャーズ風なのにギター・ソロがスパニッシュ風になっているところですね。ソロも素晴らしいですが、アレンジの構成やアイディアのセンスの良さが光ります。

山根 麻衣のフィーチャーしたFUNKYなヴォーカル曲06。とにかくギター・カッティングが最高に格好良いナンバーです。鳥山 雄司のテクニカルなギター・ソロも好きですが、この手のカッティングのプレイに痺れてしまうんですよね(笑)

スクラッチ・プレイを取り入れたナンバー07。部分的にHIP HOP系だったり、ロック風だったりと変化に富んだ面白い曲です。カッティングやリフが凝っていて、相当な回数オーヴァー・ダビングしてそうな感じです。

優しいアコースティック・ギターのバッキングが印象的な08。歪ませた音色のギターによるメロディーが美しいバラード曲です。この曲も十分TV番組のテーマ曲として通用しそうです。コーラスは楠瀬 誠志郎です。

山根 麻衣のヴォーカルと楠瀬 誠志郎のコーラスをフィーチャーしたボッサ調ナンバー09。歌のメロディーよりも若かりし頃のラリー・カールトンみたいなギター・プレイに興味を惹かれてしまいます(笑)

アメリカ南部の舗装もされていない道を砂埃を舞い上げ、ピックアップ・バンが走っているような風景が思い浮かぶ10は、もろブルース調のナンバーです。アコースティック・ギター主体の演奏ですが、とにかく渋いの一言に尽きますね。大好きなナンバーです。

06のエンディング部分をフィーチャーした短い11。

美しいメロディーを実にシンプルな演奏で聴かせる12。アコースティック・ギターのバッキングがシンプルな分メロディーが活き活きとして聴こえてきます。途中のピアノ・ソロがフィリップ・セスというのも贅沢ですね。

03のアコースティック・バージョンといった趣きの13。03と比較しても甲乙付け難い素晴らしい仕上がりで、アコースティック・ギターによるメロディーには哀愁がありますね。水平線に沈みゆく夕陽を見ながら聴きたい、そんな1曲です。

どうしても「世界遺産」のテーマのイメージが強いので、最初はイージー・リスニング的なアルバムかと勝手に想像していたんですが、実際に聴いてみるとギタリストとしての鳥山 雄司がしっかりと存在感を出していて安心しました。それに加えてソング・ライター、アレンジャーとしても数段大きくなった鳥山 雄司を感じるのも事実です。これからの音楽活動の中で、音楽家(作・編曲家)としての部分とプレイヤー(ギタリスト)としての部分をバランス良く作品に反映させるのは、容易いなことでは無いように思いますが頑張って欲しいです。
そして、たまには初期作品のようなストレートなFUSIONも聴かせてくれると嬉しいですね。
by kaz-shin | 2007-09-13 00:15 | FUSION系 | Comments(8) | |
Commented by ayuki at 2007-09-13 09:20 x
お邪魔致します。
この作品、大好きです。”ギタリストとしての鳥山 雄司さんの存在感・・・それに加えてソング・ライター、アレンジャーとしても数段大きくなった鳥山 雄司さん・・・”まさに仰るとおりですね。コンセプトアルバムとしても良く出来た作品で、今巷によくあるような”ごった煮”的な作品とは違うCD一枚が作品として主張しているところが特に好きです。”たまにはストレートなFUSIONも・・・”これも同感です!(お恥ずかしながらTBもさせていただきます。)
Commented by FUSION at 2007-09-13 22:09 x
お邪魔します。
私もこのアルバムは好きな作品です。それは鳥山さんのプレイ云々よりも彼のコンポーザーとしての魅力を十分に感じさせてくれる点、ほかのどのアルバムより抜きん出ているように感じるからです。正直、最初聴いた時はギターリスト・鳥山雄司の作成したアルバムとは思えない程その変貌ぶりは勿論、充実した内容ビックリしました。多分、十分に時間をかけて丁寧に造られたのでしょうね。
Commented by kaz-shin at 2007-09-14 00:42
ayukiさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
TB出来ませんでしたか?ごめんなさい。
ayukiさんの記事も読ませて頂きました。同じような感想を持った曲も
あったりで少々驚いています(笑)
正直、最初にこのアルバムを聴こうとした時に多少の不安はあったのですが、
実際には杞憂でした。本当に練られて、時間をかけてじっくり作られた傑作ですね。
Commented by kaz-shin at 2007-09-14 00:52
FUSIONさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
このアルバムで聴かせてくれたコンポーザー、アレンジャーとしての才能のは、
眩しい位の輝きを放っていますね。それまで好きなギタリストとしてしか鳥山さんを
見ていませんでしたが、このアルバムでだいぶ印象が変わりました。
曲もバラエティに富んでいて、何回聴いても厭きのこないアルバムですね。
Commented by ayuki at 2007-09-14 10:53 x
お邪魔致します。
TB出来ましたので、させていただきました。
Commented by kaz-shin at 2007-09-15 02:54
ayukiさん、こんばんは。
わざわざTBありがとうございました。
Commented by Kenny U at 2007-09-23 23:18 x
このCD音源、肝心のライナーノーツが無い状態で入手したので
知らなかったんですが、山根麻衣さんのヴォーカルでしたか!!
ありがとう、メモっておきます!

ところで、1982年セカンド『silver shoes』は、
私の大好きなニール・ラーセンとコラボしているし、
おまけにバジー・フェイトンとのツインギター!
これって、いまさらながら”すごい”ですよね!
Commented by kaz-shin at 2007-09-24 01:20
Kenny Uさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
何か他に知りたいことがあれば、遠慮無くどうぞ(笑)

『Silver Shoes』は本当に好きなアルバムです。単身L.A.に乗り込んで
ラーセン・フェイトン・バンドと作った名盤ですね。
最近の鳥山さんも良いですが、もう1度こういうFUSION色の強い、ギターを
ガンガン弾いてるアルバムが聴きたいなと思ってます。
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