Music Avenue
musicave.exblog.jp
Top
金井 夕子_invitation ◇ 2007年 09月 22日
e0081370_2326524.jpg 

当ブログのカテゴリの中に「CD化してくれ!」というのがありまして、未CD化のアルバムやCD化されたものの再発がなく入手困難になって久しいアルバムを、ぜひCD化して欲しいという願いを込めて紹介してきました。今までに27枚程紹介した中で、幸運にも紹介した後にCD化されたアルバムが3枚あります。これには記事を書いた私自身、驚いたと同時に嬉しくて身震いしました(笑)

その3枚のアルバムというのは、サディスティックスのメンバーだった今井 裕の唯一のソロ・アルバム『A COOL EVENING』(紹介記事はコチラ)、大野 雄二の1stアルバム『SPACE KID』(紹介記事はコチラ)、そして今回紹介する金井 夕子が1978年~1982年に出した全アルバム4枚をBOXで復刻した『78-82 ぼくらのベスト 金井 夕子 アナログ・アルバム 完全復刻パッケージ』です。過去に紹介した記事は1stアルバム『Feeling Lady』(紹介記事はコチラ)だったのですが、アルバム全てがCD化されたのは本当に嬉しい限りです。最近流行りの紙ジャケットとではありませんが、4枚組で5,040円という価格は非常に魅力的です。もちろん最新リマスタリングにボーナス・トラック付きです。紙ジャケだろうが、プラケースだろうが音源がしっかり聴ければ良いという私にはぴったりです(笑)
ブックレットには、個々のアルバム・ジャケット表裏の写真や歌詞もしっかり載せられていますし、当時の担当ディレクターで、現ポニーキャニオン常務取締役の渡辺 有三によるアルバム解説も非常に興味深いものでした。こういう企画がこれからも続いてくれると嬉しいですね。

前置きが長くなりましたが、今回紹介するのは復刻した4枚のアルバムの中から1979年6月にリリースされた2ndアルバム『invitation』です。1stアルバム『Feeling Lady』は、尾崎 亜美、庄野 真代、丸山 圭子といった女性シンガー・ソング・ライターの作品で固められていて、派手さは無いもののメロウな雰囲気が良かったアルバムでした。
この『invitation』では、アナログ盤A面5曲を松本 隆、筒美 京平コンビによる作品で、アレンジは萩田 光雄と船山 基紀が手掛けており、アナログ盤B面5曲は作詞が山川 啓介、竜 真知子、伊達 歩の3人、作曲と編曲を松任谷 正隆が手掛けています。これだけでも当時のディレクター・渡辺 有三を始めとした制作スタッフが、金井 夕子を単にアイドル歌手で終らせないという意気込みを感じますね。参加ミュージシャンも贅沢なまでの面子が揃っています。

『金井 夕子 / invitation』
01. Hollywood Night
02. Morning Air
03. ラスト・ワルツ・イン・ブルー
04. 月光小夜曲 (ムーンライト・セレナーデ)
05. Loving You (Album Version)
06. サマー・プレイス・サマー・ラブ
07. 八月のフィナーレ
08. シャイニー・グッバイ
09. 夏物語 (サマー・ストーリー)
10. 氷海
Bonus Track
11. 午前0時のヒロイン
12. ラスト・シーン
13. Loving You (Single Version)

筒美 京平の得意とするディスコ調のナンバー01。金井 夕子のアルト・ヴォイスは一時期の山口 百恵を彷彿させますね。富樫 春生(key)、長岡 道夫(b)、渡嘉敷 祐一(ds)、松原 正樹(g)、斉藤 ノブ(per)による演奏ですが、ディスコ・ビートを叩かせたら渡嘉敷はピカ一ですね。

萩田 光雄のリゾート感覚溢れるアレンジが冴える02。筒美 京平の凄いところはこういう曲をさらっと書けてしまうところでしょう。01と同じメンバーに吉川 忠英(a,g)、ジャイク・H・コンセプション(sax)が加わっています。夏の朝にピッタリな爽やかなナンバー。

筒美 京平らしさ全開の歌謡曲路線の03は、4枚目のシングル曲でした。悪くはないのですが、ヒットはしないだろうな(現にヒットしませんでしたが・・・)という曲ですね。羽田 健太郎(key)、高水 健司(b)、田中 清司(ds)、矢島 賢(g)、吉川 忠英(a,g)、斉藤 ノブ(per)等が参加、アレンジは船山 基紀です。

久保田 早紀の曲のようなエキゾチックな雰囲気が金井 夕子の声によく似合っている04。大谷 和夫(key)、長岡 道夫(b)、山木 秀夫(ds)、芳野 藤丸(g)、中島 御(per)、つまりショーグンがバックを務めている曲です。アレンジは萩田 光雄。

03のカップリング曲だった05。正直言えば03よりもはるかにメロウで良い曲です。ミュージシャンは03と同じですが、アルバム用にピッチを変えてヴォーカルを録り直しているとのことです。
ソフトなヴォーカルと矢島 賢のギターが素晴らしい1曲。アレンジは船山 基紀。

夏らしい軽快なサンバ調のナンバー06。やはり松任谷 正隆のアレンジは良いですね。金井 夕子の明るい声の感じが心地良いです。松任谷 正隆(key)、宮下 恵輔(b)、林 立夫(ds)、鈴木 茂(g)、斉藤 ノブ(per)にホーン・セクションが加わっています。なかなかの曲です。

07はボッサ調のナンバー。金井 夕子らしさが出ているヴォーカル・スタイルかも知れません。松任谷 正隆(key)、宮下 恵輔(b)、渡嘉敷 祐一(ds)、鈴木 茂(g)、吉川 忠英(a,g)、斉藤 ノブ(per)が参加しており、吉川、鈴木のギター・コンビが良い仕事してます。

スリリングなナンバー08。松任谷風歌謡曲といったような印象のナンバーですね。松任谷 正隆(key)、小原 礼(b)、村上 秀一(ds)、今 剛(g)、吉川 忠英(a,g)、浜口 茂外也(per)という豪華メンバーの演奏です。

ドラマティックな展開が面白いナンバー09。金井 夕子の上手さが際立っている1曲です。お気に入りの1曲です。今聴けば確かに古い印象はありますが、そこがたまらなく良いのです。08と同じメンバー。

しっとり聴かせるバラード曲10。こういうバラード曲を聴いていると、金井 夕子は売り方次第では山口 百恵の後継者となれる人材だったという気がします。良い声を持ってますね。07と同じメンバーですが、吉川 忠英に替わって安田 裕美が参加しています。

ボーナス・トラック11は3rdシングル曲です。作詞・作曲は尾崎 亜美、編曲が船山 基紀のナンバーです。尾崎 亜美には珍しいマイナー調のナンバーです。これはスタッフが頼んでマイナー調の曲を書いてもらったらしいです。歌謡曲路線を狙った1曲でしょうが、成功だったとは言い難いですね(笑)

11のカップリング曲だった12。11と同じ路線を狙った曲のようです。

12は05のシングル・ヴァージョンです。アレンジは同じでヴォーカルに違いがあるのですが、このヴァージョンも良いですね。個人的にはこちらが好みです。

アルバムを聴いていると、当時のスタッフが金井 夕子のアルト・ヴォイスと歌の上手さをどうアピールしていくのか、あれこれと試行錯誤していた様子が窺えます。歌謡曲路線にも挑戦させる意向が筒美 京平の起用につながったのでしょう。しかし、アルバム丸ごと歌謡曲路線にも抵抗があったので、半分を松任谷 正隆に任せて1作目の雰囲気を残したという印象です。私個人的には1stアルバムのニュー・ミュージックやCITY POPの香りが漂う方が好きですが・・・。
おそらく今回復刻された4枚のアルバムの中で、コンセプト的にも半端な感じで地味な印象が残るかも知れません。しかし、曲の中には素晴らしいCITY POP風ナンバーが含まれていますので、聴き込めば良さがジワジワと伝わってくるアルバムだと思います。
次の機会には、3rdアルバム『CHINA ROSE』を紹介しようと思っています。
[PR]
by kaz-shin | 2007-09-22 01:26 | J-POP | Trackback | Comments(6) | |
トラックバックURL : http://musicave.exblog.jp/tb/6500627
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by kotaro at 2007-09-22 02:48 x
いま思い出して欲しいのは、1977年と78年はアイドル歌手デビューの
不毛期という事実です。
百恵、淳子の後退期でもあり、ベスト10TVにニューミュージック歌手が
「解禁」したように出だすと、中庸なアイドルは出る番組を無くしました。
金井夕子はその時期に飛び出たのですからスタッフ含め苦労は大抵でした。
アルバムジャケット1-2-3-4の変遷を見ても、コンセプトの固定に腐心したのが伺えるでしょう。
「どうしたら」って、スタッフが弄り過ぎて、最後に訳がわかんなくなった頃、80年組の聖子や奈保子、さらに怒涛の82年組(伊代、キョンキョン、堀ちえみら)が追い抜いていくわけだから、現実は残酷です。
まあその分、後世の人がしっかりと作品を検証してくれる時代がやっときたのだから、ある意味彼女も幸福なのかもしれません。

Commented by hisa at 2007-09-22 23:58 x
私も今聴いているところです。シングルまで完全復刻、未発表のvirsionまでありこの値段。私もパッケージにこだわりはないので大満足です。
皆さんおっしゃるように、どうしようと苦労しているのがほんとによくわかりますね。当時を思うと、1枚目はニューミュージック的でほんとにいい曲がそろっていて2枚目に期待していたのですが見事に裏切られながらも曲の良さと歌のうまさ、声が好みだったので、最後のSingleまでつきあいましたが、最後はまるで雰囲気が変わってしまいましたからね。1枚目のようなかたちで続けるのは自作でないと難しいのかもしれません。当時でさえあまりヒットしたとは言えず、カルト的な魅力があるわけでもない金井夕子がこういう形でふたたび世に出るのは不思議です。
それにつけてもTINNA、惣領泰則、ブラウンライスのCD化はどうなっているのでしょう。
Commented by kaz-shin at 2007-09-23 00:19
Kotaroさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
私の永遠のアイドル・キャンディーズが1978年に解散し、いわゆるアイドルに
少し冷めかかってきた頃に妙に気になる存在だったのが金井夕子さんでした。
決して明るい雰囲気では無かったのが逆に気になったのかも知れません。
どこかで山口百恵さんとオーバーラップしていたのかも知れません。
ただ、暗いイメージとは裏腹に尾崎亜美さんのメロウなナンバーを歌う彼女が好きでした。
今回のBOXを聴き直して、改めてスタッフの奔走ぶりがよく分かります。
CITY POP、歌謡曲、テクノが入り混じって、段々トータル的なバランスが悪くなっている気もします。
そういう意味では1stが1番まとまったアルバムだったのかなとも思いますね。
とは言え、かなり良い曲も多いです。ただ、筒美 京平作品との相性は今ひとつという感じでしょうか・・・。
ある意味マニアックな音源でしょうが、CDフォーマットで蘇ってくれることは当時、ティーンエイジを
過ごした私には嬉しいことです。
Commented by kaz-shin at 2007-09-23 01:02
hisaさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
早速聴かれてますね。私も今『ecran』を聴きながらレスを書いてます。
そうなんですよね、どこが良いのと聞かれても(実際に嫁さんに聞かれましたが・・・笑)返答に困るんです。
でも、何故かCD化の話を知って時に聴きたくなって仕方が無かったです。

おそらくBOXでなく個々のアルバムで再発されたら、きっとがっかりした
気分で終ってしまったかも知れませんね。
ところが4枚通して聴くと、Kotaroさんのコメントのレスでも書きましたが
ある法則みたいなのがあって、
大まかにCITY POP路線、歌謡曲路線、テクノ風路線に分かれていて、
自分で4枚から路線毎に編集し直したら面白いアルバムが作れるのでは
ないかと思うんですよね。
曲単位では結構好きなのが多いので、時間があればチャレンジしてみようかと思ってます。

『CD化してくれ!』のカテゴリで紹介した作品で次にCD化されるなら、
TINNAのアルバムであって欲しいと熱望しています。TINNAがCD化されないのは
どうしても解せないないですよね。
Commented by 哲学者になりたい猫 at 2007-09-23 05:43 x
金井夕子さんが今回このような形で復刻が決まったのは、アイドルPOPが好きな人達にとって評価が高く、根強い人気があることが大きいのはももちろんですが、レビュー内でも少し書かれていますが、私は渡辺有三さんの存在が大きかったと思っております。それは今常務取締役というお偉さんに出世なさってる人だからというだけではなく(笑)、80年代岩崎良美、堀ちえみ、岡田有希子、工藤静香という人気だけではなく、聖子、明菜、奈保子、伊代等と並んでシングルだけでなくアルバムの出来が秀逸のアイドルを手掛けたPDとしてアイドルPOP好きな人にとっては有名な人だからです。そして特に良美で展開しちえみ、有希子応用されたPOPの実験場が金井夕子だったと言う事で、もの凄く興味がある人が金井夕子をリアルで知らないけれども興味があるという人もいたんではないでしょうか。また渡辺さんはこれだけ多様なアイドルを手掛けた人にも関わらず80年代ヒットメーカーの松本隆、筒美京平を頑なに起用しませんでした、この辺にコメント蘭でもお書きになっていますが筒美京平との相性の問題、金井夕子時になにか思う所があったのかぁと思っていてその辺でも金井というのは興味深い存在だと思っています。
Commented by kaz-shin at 2007-09-23 12:37
哲学者になりたい猫さん、こんにちは。興味深いコメントありがとうございます。
すごく参考になりました。
このBOXには渡辺有三さんのアルバム解説が付いているのですが、それを読むと
渡辺さんが金井さんのヴォーカリストとしての未知なるポテンシャルの高さを
如何に引き出していこうかと苦心したことがよく分かります。
筒美京平氏を起用したのは、当時筒美氏が金井さんを買っていたという話を聞いたからだそうです。
1stアルバムからのイメージチェンジを計ったらしいですね。アイドル系の場合、
あまりこういう冒険はデビューして間もない頃は、普通しないとは思いますが面白いディレクションだなと思いますね。
アルバムのトータル的なまとまりを感じないものの素晴らしい曲が多く、金井さんの楽曲を岩崎良美さん、松本典子さん、越美晴さんらが取り上げていましたね。
いずれにせよ、こういう人が今見直されれるべくアルバムがCD化されたことは素直に嬉しい出来事ですよね。
<< ご挨拶・・・ ページトップ お知らせ・・・ >>
XML | ATOM

個人情報保護
情報取得について
免責事項
Ice Green Skin by Sun&Moon