BOOK OFFやGEOといった中古CDを扱うお店をよく利用するのですが、最近はなかなか欲しいモノに出会えません。それでもBOOK OFFの安棚に置かれている250円のCDは、私にとっては非常に魅力的です。お目当てのモノが無かったにしても考え方ひとつです。そんな時には、名前は知っていても今まで聴いた事の無かったアーティストのアルバムを買ってみたりします。これが意外に良いアルバムに出会えたりするんです。もし自分の好みの音楽で無かったとしても250円ですからね・・・(笑)
今回紹介するのもそんな1枚です。名前は知っていたにも関わらず、1度も聴いた事が無かったアーティストです。そのアーティストとは吉野 千代乃です。そして初めて出会った(250円で購入した)アルバムが、1988年にリリースされた彼女の4枚目となるアルバム『Montage』です。
作詞家の松井 五郎がプロデュース。松井 五郎の書いた詞に、斉藤 英夫、菅野 よう子、矢萩 渉、和田 典久、藤田 司、山川 恵津子、小路 隆、佐藤 健といった面々が曲を付けています。正直なところ、佐藤 健と山川 恵津子はよく知られていますが、その他の面々は知名度は低いかも知れませんね。しかし、メロディーの良さは知名度には関係無いですからね(笑)
このアルバムを聴いて最初に感じたのは、吉野 千代乃が素晴らしく歌が上手いという事でした。パワフル、繊細、アンニュイという色んな表情を見せつつも、しっかりした歌唱力が根本にあるので聴いていて実に気持ちの良いヴォーカルですね。相当な実力派シンガーと言えると思います。
『吉野 千代乃 / Montage』
01. とがったKissの警告
02. 春・ma・maison
03. Make Me 太陽
04. Dance In The Champagne
05. 帰れないエトランゼ
06. 月夜のモノローグ
07. ホロスコープガール
08. 涙はFineで終わらない
09. ジ・ン・ク・ス
10. 日付変更線
軽快な打ち込みサウンドが印象的なポップ・チューン01。決して力んではいないのですが力強さを感じるヴォーカルが魅力です。凝ったアレンジではないですが、サックスをフィーチャーして打ち込み特有の無機質な感じがしないのも良いですね。
しっとりとしたバラード・ナンバー02。本格派シンガーといった堂々たる歌いっぷりです。菅野 よう子の作・編曲のナンバーで、春らしいホンワカとした雰囲気がよく表現されている気がします。
02と同じ菅野 よう子の作・編曲によるポップなナンバー03。村上 秀一のドラミングに耳を奪われます。ポップながらもファンキーな味付けが施されたアレンジが絶妙で、吉野 千代乃のヴォーカルも溌剌としています。お気に入りのナンバーになっています。
軽めの打ち込みのリズムとギター・リフを中心にダンサブルに仕上げている04。全体的に音が軽すぎるのが残念な気がします。もっと低音を効かせて方が良かったと思いますね。
テレビ東京系TV"夏樹 静子トラベルサスペンス"のテーマ曲だったという05。まさにサスペンス・ドラマのエンディング・ロールと同時に流れたらピッタリな感じのバラード曲です。しとやかに歌う吉野 千代乃の歌声が綺麗です。
不思議な心地良さが漂うミディアム・ポップ・ナンバー06。米光 亮の軽快なギター・カッティングやアコースティック・ギターのプレイが光る1曲です。
テクノ・ポップ風な07。アンニュイな吉野 千代乃のヴォーカルが、他の曲と同一人物が歌っているとはとは思えない程可愛らしいですね。山川 恵津子らしいキャッチーなメロディーのナンバー。
生のリズム隊の音はやはり良いです!リズムが心地良いミディアム・ナンバー08。しとやかなメロディー・ラインとタイトなリズムの組み合わせが絶妙です。いかにも80年代といった趣きのあるナンバーで、この曲もお気に入りの1曲になっています。
アルバム中最もロック色の強いナンバーが09です。サビに向かって徐々に盛り上がっていくタイプの曲で、ライブで映えるナンバーと言えるかも知れません。
佐藤 健らしく、聴きやすいメロディーながら歌うのは難しいであろうバラード曲10。美しいメロディーや、富田 素弘によるスケールの大きなアレンジが印象的ですね。
突出した曲がある訳では無いのですが、全体としてよく纏まっていると思いますし、吉野 千代乃のヴォーカリストとしての非凡な才能を味わえるアルバムです。今のところ、まだこのアルバムしか聴いたことが無いのですが、他のアルバムも聴いてみたいと思わせますね。
実は、彼女が1992年にリリースした7作目のオリジナル・アルバム『JOURNEY TO LOVE』を探しています。実はこのアルバム、私の敬愛する林 哲司のプロデュース作品なのです。調べてみるとファンの間でも人気の高いアルバムのようなので、ぜひ見つけて聴いてみたいと思います。もし、入手出来たらまた記事を書きたいなと思います。
吉野 千代乃は1986年にデビューということなので、昨年20周年を迎えています。最近も活動されているようですが、こういう本格派の人にはぜひ頑張って欲しいなと思います。
実は、ずーっとコメント書きたかったんですが
今頃になってしまいました!
吉野 千代乃さんのアルバムの中で
私の特にお気に入りなのはセカンド作『SLOW DANCE』なんですよー!
ここに「Love Songを歌わないで」という曲が入っていて
すっごくいい曲です!
ライブでもコピーして演奏した事があります!
今度は是非これを手にとって見てくださいませ!
実はこのアルバム購入後、割と早い時期に『SLOW DANCE』は入手しました。
近い内にレビュー記事を書こうと思っていました。
その節はコメントよろしくお願いしますね(笑)