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大橋 純子_PAPER MOON ◇ 2007年 11月 29日
大橋 純子_PAPER MOON_e0081370_18461860.jpg 

今回紹介するのは、1976年リリースの大橋 純子の2ndアルバム『PAPER MOON』です。私は日本において"歌姫"という呼び名に相応しいシンガーは、大橋 純子であると以前から思ってました。音域、声量、表現力等の全ての要素において、日本を代表するシンガーであり、世界に通用するシンガーであろうと信じて疑っておりません(笑)
今回大橋 純子を取り上げたのも、昨今の再発ブームに乗っかって大橋 純子の初期のアルバム、もちろんソロ名義も美乃家セントラル・ステイション名義のも含めて再発して欲しいという切なる願いを込めています。

1976年の作品なので、録音については今の音と比べようも無いのですが、アルバム全体にただようしっとりとした雰囲気の楽曲が多く、シンガーとしてのポテンシャルの高さを窺わせる仕上がりになっています。曲を提供しているのは、作詞では寺尾 聰、松本 隆、竜 真知子、伊藤 アキラ等。作曲陣は、林 哲司、ミッキー吉野、佐藤 健、筒美 京平、樋口 康雄、萩田 光雄といった顔触れです。
バックを支えるミュージシャンも豪華で、村上 秀一(ds)、田中 清司(ds)、岡沢 章(b)、後藤 次利(b)、松木 恒秀(g)、杉本 喜代志(g)、水谷 公生(g)、鈴木 茂(g)、ミッキー吉野(key)、羽田 健太郎(key)、渋井 博(key)、深町 純(key)という顔触れです。1976年にしては洒落たアルバムだと思います。

『大橋 純子 / PAPER MOON』
01. 愛の祈り (Still A Boy)
02. ひとり
03. キャシーの噂
04. 白い午後
05. 心に住めない女
06. やさしい人
07. ペイパー・ムーン
08. 砂時計
09. 別れのワイン
10. 午前3時の祈り
11. ジョーク
12. ひきしお

作詞:Marci Sutin、作・編曲:林 哲司による英語詞のソウル・バラード風ナンバー01。タイム・ファイヴによるコーラスがフィリー・ソウル風で、メロウなバラードに仕上がっています。30年以上も前にこういう曲を書いていた林 哲司も凄いですね。

作詞:寺尾 聰、作・編曲:ミッキー吉野によるナンバー02。サビまではしっとりと聴かせ、サビでは一気にボルテージを上げるというメリハリのある構成が面白い曲です。

作詞:松本 隆、作・編曲:林 哲司による03。林 哲司は、大橋 純子の力強いヴォーカルを上手く引き出すメロディーを書いています。親しみやすいメロディーに乗せた大橋 純子の力強くファンキーなヴォーカルが印象的なナンバーです。

作詞:竜 真知子、作・編曲:佐藤 健によるバラード曲04。佐藤 健らしい美しいメロディーが際立ったナンバーです。歌に余裕さえ感じさせる大橋 純子のヴォーカルは上手いの一言ですね。

作詞:崎南 海子、作・編曲:林 哲司による05。おそらくキャロル・キングを意識して林 哲司が曲を書いたであろうナンバーですね。いかにも林 哲司らしい洋楽を意識したメロディー運びやアレンジが特徴で、渋いナンバーです。

作詞:松本 隆、作曲:筒美 京平、編曲:林 哲司による歌謡曲風味たっぷりのバラード曲06。筒美 京平らしい、いかにも70年代というバラードに仕上がっています。林 哲司のアレンジもメロディーを際立たせるような地味でベタなアレンジになっているのが興味深いですね(笑)

作詞:松本 隆、作曲:筒美 京平、編曲:深町 純によるFUNKYチューン07。メロディーは筒美 京平らしくキャッチーですが、深町 純のアレンジがJ-FUNKへと変貌させています。村上 秀一のドラミングと松木 恒秀のギター・カッティングのプレイが特に素晴らしいです。

作詞:竜 真知子、作曲:中村 清寿、編曲:萩田 光雄によるメロウなバラード・ナンバー08。しっとりと聴かせるバラードで、メロディーも良いのですが、萩田 光雄のアレンジによるオーケストレーションが見事です。プロのアレンジだなと思わせます。

作詞:伊藤 アキラ、作・編曲:樋口 康雄によるお洒落なナンバー09。樋口 康雄もやはり天才と言える作曲家の一人ですね。メロディーとアレンジだけに注目すると、バート・バカラックを彷彿させ、まんま洋楽みたいな作品です。大橋 純子のヴォーカルも素晴らしいです。

09と同じ伊藤 アキラ、樋口 康雄コンビによるミディアム・ナンバー10。ホーン・セクションを上手く使ってスケールの大きな都会的なサウンドに仕上げています。アレンジは大野 雄二と雰囲気が似ていますね。

作詞:松本 隆、作・編曲:萩田 光雄によるキャッチーなポップ・ナンバー11。萩田 光雄のアレンジの凄いところは、特に目立つソロ・パートなどは無いのですがバランスが良くて、心地良く耳に入ってくるサウンドが特徴と言えるのではないでしょうか。

作詞:松本 隆、作・編曲:佐藤 健による切なくも美しいバラード曲12。波の音のSEで始まり、ヴィブラフォンやエレキ・シタールを使って、フィリー・ソウル風な味付けが施されたアレンジが秀逸です。大橋 純子の上手さが際立つタイプのバラード曲で、大橋 純子を知り尽くしている佐藤 健ならではの曲でしょうね。

1976年当時は、まだ日本の音楽シーンは歌謡曲、ニューミュージックが主流だった時代。そんな時代にこんなにセンスの良いアルバムを作っていたんですね。今なら当たり前のように受け入れられる音楽も、今から31年も前の話となれば聴く側が追いついていけなかったのは当然かも知れませんね。まだ無名に近い存在だった林 哲司の作品も、後に作・編曲家として活躍するのが頷ける内容です。
大橋 純子の1970~1980年代のアルバムには傑作が多く、CITY POP好きな人にはお薦めしたいアルバムが沢山あるのですが、如何せん入手困難なものばかり・・・。私も欲しくて仕方無いものばかりなんです。ぜひとも再発をお願いしたいものです。
by kaz-shin | 2007-11-29 00:01 | CITY POP / J-AOR系 | Comments(15) | |
Commented by 箱入り at 2007-11-29 02:10 x
丑三つ時にこんばんは♪

へ?!(^▽^;)
このジャケのお顔・・・ワタクシの知っている大橋さんのお顔じゃないんですけど★(爆)
こんなに前から活躍されていた方とは・・・。
是非このアルバム聴いてみたいです、がもちろん入手困難なんですよねぇ。。。
当時の自分が大人だったら・・・ジャケ買いしてそうです(笑)。


Commented by Sken at 2007-11-29 09:14 x
こんにちは。
私もフィリップス時代のアルバムを再発してほしいと
思っています。
しかたないのでDVD付きのベスト盤を買いました。
特に美乃家とやってたアルバムです。
当時も今も女性歌手では歌唱力は岩崎宏美と双璧です。
もちろんサウンドも素晴らしいですね。
Commented by gemini at 2007-11-29 22:50 x
こんばんわ。
このアルバム、中古CDで買ったのに良さがわからず売ってしまったのです。
思えば早まったことをしました。
今の耳で聞けば気に入ったはずなのに。
好きな曲の「ペイパームーン」の入ったオムニバスがあるからまぁいいかな~と思ってしまったのです、当時。
大橋純子で手許にあるのは「CRYSTAL CITY」のCDのみです。
「落日風景」が素晴らしいです。もちろん手放しません。
フィリップス時代のアルバム、リマスターでぜひ再発してほしいですね。
Commented by シロクマ at 2007-11-29 23:54 x
どうもです。
私もフィリップス時代のアルバムの再発を願うひとりです。とくにアルバム「黄昏」は名盤でカセットがすり切れるほど聴いていました。先日、大橋順子のHPから事務所宛に(本人宛?)、CD化してちょーだい、ってメール送ってしまいました。(笑)
Commented by kaz-shin at 2007-11-30 09:08
箱入りさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
確かにほっそりとした感じですし、髪も長いので今のイメージとは違いますよね。
でも歌は、まさに大橋さんそのものですよ。
ぜひ機会があったら聴いてみて下さい。すごい迫力ですよ。
Commented by kaz-shin at 2007-11-30 09:13
Skenさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
そうなんですよ。フィリップス時代のアルバムをぜひとも再発してもらいたいんです。
CD選書でCD化されたのは知っていたのですが、買いそびれてます。
そんな中でも特に美乃家とやっているのが私も欲しいですね。
私もベスト盤で我慢しているのですが、やはりオリジナル・アルバムが聴きたいです。
大橋さんと岩崎さん、タイプは違いますが確かに歌唱力は群を抜いてますね。納得です(笑)
Commented by kaz-shin at 2007-11-30 09:30
geminiさん、こんにちは。ご無沙汰しておりました。お元気でしたか?
コメントありがとうございます。
名盤『CRYSTAL CITY』をCDでお持ちとは、これまた羨ましい!(笑)
あの八神さんが再発になったのですから、可能性はあると思っているのですが・・・。
大橋さんのフィリップス時代のアルバムは、オークションでもあまり出てきませんし、
出ても値段が高いですからね。これだけの再発のブームですから、レコード会社側も
検討しているような気もするんですけどね。ぜひ、再発して欲しいですね。
Commented by kaz-shin at 2007-11-30 09:33
シロクマさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
シロクマさんのような行動派がおられると心強いです(笑)
おそらく、最近の再発のブームは事務所、レコード会社側も意識しているはずですから、
シロクマさんのようにメールを送ることは効果があると思いますね。
私も今夜あたりメールを出してみようかな・・・(笑)
Commented by まるいチーズ at 2007-12-01 00:55 x
この頃の純子さん、すごくいいですよね。デビュー作から美乃家時代のものは全部アナログ盤持ってます(笑)、07の松木さんのギター・カッティングは最高にカッコイイです、私のなかでは松木さんのベスト・パフォーマンスと勝手に決めてます(笑)
Commented by kaz-shin at 2007-12-01 02:58
まるいチーズさん、コメントありがとうございます。
大橋さんは、やはりフィリップス時代が1番好きです。とにかく迫力があったし、
美乃家の演奏も1期メンバー時代、2期メンバー時代共に素晴らしく、格好良い
演奏を聴かせてくれました。やっぱりCDで聴きたいですよね。
Commented by まるいチーズ at 2009-05-01 23:16 x
こんばんは
連休はいかがお過ごしですか?私は新型インフルエンザも怖いので、
もっぱら自宅でのんびりと過ごしております。
美乃家時代のものが再発されますよ!
ボーナストラックとして「スペシャル・ブレンド・アルバム」のナンバーが
収められるようです。私もこの頃の純子さんの作品は、ベスト盤以外は
全てアナログ盤ですので嬉しい限りです。またまた全部買ってしまう予感がします(汗)
Commented by kaz-shin at 2009-05-03 11:30
まるいチーズさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
レスが遅くなって、すみませんでした。

それにしても嬉しい情報ありがとうございます。
早速アマゾンで5枚、どうしても欲しかった(聴きたかった)アルバムを予約してしまいました(笑)
本当は全部買いたいのですが・・・(汗)
この機会に多くの人に美乃家時代の音源を聴いて欲しいと思います。
女性邦人アーティストでここまでFUNKYな歌を歌えるのは大橋さん以外にはいないと思います。

話は変わって連休はのんびり過ごしてます。
昨日は、芝桜、ツツジ、藤の花を眺めに、群馬県館林市~栃木県足利市へと日帰りドライブに行ってきました。
芝桜、ツツジはピークは過ぎてましたが、藤の花は凄かったですね。
藤の花があんなに良い匂いがするとは思いませんでした。
Commented by アンクル・トム at 2009-06-28 17:01 x
やっと出ましたね『Paper Moon』
十代の頃に聴いた時と もう少しで50になる今とでは
また違った感じに聴こえますね(笑)。
限定版ではないようなので新譜を買った時に一枚ずつ買い揃え
ていくつもりです。
今回は『林檎ちゃん』の新譜とお買い上げでした。
Commented by kaz-shin at 2009-06-28 23:25
アンクル・トムさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
>十代の頃に聴いた時と もう少しで50になる今とではまた違った感じに聴こえますね(笑)。
本当にその通りですね。昔あまり好きではなかったタイプの曲が凄く良いなと思えたりしますよね。
それにしても圧倒的な歌唱力には驚かされます。ぜひとも若い世代の人にも聴いて欲しいなと思います。
本当に歌の上手い人とはこういう人を指すんだよと教えてあげたい気がします(笑)
Commented by 豪太 at 2015-04-15 01:11 x
NHKFM で内田春菊が紹介していた大橋純子の39年前のアルバム初めて聴きました。
スゴい凄すぎる!そんな昔にこんな素晴らしいアルバムを彼女が歌ってたとは!
豪太が幼児の頃なんですよ。
大橋純子はシルエットロマンスしか知らなかったけど、歌がめちゃめちゃ上手いなぁとは思ってたんですけど、女性歌手は聴かなかったのでラジオのお陰で再発見しました。
ライブ行ってみたいです。歌の上手い人ってほんと彼女のことを言うんですね!
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