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タモリ_ラジカル・ヒステリー・ツアー ◇ 2007年 12月 29日
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今回紹介するのは、今月12月19日に念願の再発、初CD化されたタモリのアルバム3枚の中の1枚『ラジカル・ヒステリー・ツアー』(1981年作品)です。タモリがまだ"密室芸人"などと呼ばれて、今のように日本のお昼の顔になる以前に制作されたものです。今回再発されたのは『タモリ』(1977年)、『タモリ2』(1978年)で、初CD化となったのが今回紹介する『ラジカル・ヒステリー・ツアー』です。

タモリがデビューして、今のような大御所的存在になるまでリアル・タイムで見てきましたし、"密室芸人"と呼ばれていた頃の芸も見てました。もちろん『タモリ』を聴いたことがありましたが、私の中で音楽という捉え方をしていなかったのです。ところが、いつも当ブログにコメントを寄せて下さるブログ"歌心=猿心"のたにぴさんから、このアルバムをお薦めいただいたので購入してみました。
結論から言いますと、贅沢かつ斬新、そして面白いアルバムでした。これは聴く価値がありましたね。

まずスタッフ、ミュージシャンの豪華さに驚かされましたね。プロデューサーは、今年定年でSMEを退社しフリーとなった敏腕プロデューサー・伊藤 八十八です。伊藤 八十八は、ザ・スクェアやマリーンなど育て上げた人で、JAZZ/FUSION系のアルバムを数多く手掛けていましたし、一時期は邦楽アーティストも手掛けていたことのある人です。アルバム監修は田辺 昭知、サウンド・エフェクト監督に赤塚 不二夫、録音が鈴木 良博、ジャケット写真は浅井 慎平という豪華なスタッフが顔を揃えています。
豪華なのはスタッフだけでなく作家陣、ミュージシャンも凄い顔触れになっています。曲を書いているのは久米 大作、鈴木 宏昌、安藤 正容、桑田 佳祐ですし、演奏しているのがプレイヤーズとスクェアの当時のSMEを代表する2大フュージョン・グループというのだから驚きです。
また曲間にはタモリのハードボイルド風(ショート・コント風?)なナレーションが入っているのが特徴です。(個人的にはあまり笑えませんでしたが・・・笑)

『タモリ / ラジカル・ヒステリー・ツアー』
01. ラジカル・ヒステリー・ツアー / 作詞:タモリ、作曲:久米 大作
02. イケネコ・ドドネコ / 作詞:タモリ、作曲:鈴木 宏昌
03. 雨降り午後 / 作詞:タモリ、作曲:安藤 正容
04. ミンク・タッチ / 作詞:タモリ、作曲:久米 大作
05. 狂い咲きフライデイ・ナイト / 作詞・作曲:桑田 佳祐
06. スタンダード・ウィスキー・ボンボン / 作詞・作曲:桑田 佳祐
07. クレイジー・ガイ・ライク・ミー / 作詞:L. ヘンリック、作曲:鈴木 宏昌
08. 惑星流し / 作詞:タモリ、作曲:安藤 正容
09. ラジカル・ヒステリー・ツアー:テイク2 / 作詞:タモリ、作曲:久米 大作
Bonus Track
10. タモリのワーク・ソング / 作詞:高平 哲郎、作曲:鈴木 宏昌
11. 久美ちゃんMy Love / 作詞・作曲:スタン・ゲッツ、日本語詩:伊達 歩

スクェアがバックを務める01はどこかコミカルな歌謡曲風のナンバーですね。歌詞の意味が歌詞カードを呼んでも意味が解らないものなので、歌詞カード無しで聴いているだけではさっぱり意味不明な曲ですね(笑)

プレイヤーズがバックを務める02はご機嫌なラテン系ナンバーです。ほとんど意味の無い歌詞ですが、語感の響きだけ聴いているとラテン系になっているのがタモリの凄いところでしょう。とにかく演奏が格好良いですね。渡嘉敷 祐一と岡沢 章コンビのキッチリしたリズムと松木 恒秀のギターが渋いです。ギター・ソロは圧巻です。

スクェアがバックの03。安藤 正容の書いたメロディーキャッチーで、ポップな感じに仕上がった洒落たナンバーです。01では永田 敬一が叩いていますが、ここでは青山 純が叩いています。伊藤 毅のサックス・ソロが素晴らしいのとタモリの終盤のアドリブのフェイクがなかなかです。

歌詞らしい歌詞の無い04(笑) よく聴いていると有名曲の英語のタイトルを並べて英語の歌っぽくしているみたいです。スクェアのスリリングな演奏が印象的なナンバーで、安藤 正容のギター・カッティングやソロのプレイが堪能出来る1曲で、かなり渋い仕上がりです。

桑田 佳祐らしさ全開の05。演奏はプレイヤーズですが、数原 晋のトランペットがフィーチャーされています。JAZZYなアレンジで、鈴木 宏昌のピアノ、渡嘉敷のドラミングが光る1曲です。誰が聴いても桑田が書いた曲と判るでしょうね。

06も桑田のナンバーですが、こちらはポップな感じの曲で桑田らしさをあまり感じない曲です。演奏はプレイヤーズですね。流石にプレイヤーズといった感じの渋い演奏で、やはり松木 恒秀のギターが強く印象に残りますね。

英語詞のナンバー07は鈴木 宏昌の作曲、プレイヤーズがバックを務めるナンバーです。美しいメロディーのバラード曲で、ルパン3世のサントラで使われても可笑しくないような雰囲気です。渡嘉敷、岡沢のリズム隊と鈴木 宏昌のピアノが兎に角渋いですし、ストリングスも美しいです。

安藤 正容のナンバーで、スクェアがバックを務める08。スケールの大きさを感じるナンバーで、アレンジも凝っています。ロック色の強い青山 純のドラミングが耳に残ります。良い曲ですね。

エピローグ的な09。

ボーナス・トラックの10は鈴木 宏昌のアレンジが光る1曲です。おそらく演奏はプレイヤーズだと思いますが、タイトな渡嘉敷 祐一のドラミングが主役と言っても良いような1曲です。タモリのヴォーカルがイケテル1曲だと思います。

スタン・ゲッツが50年代初めにスウェーデンを訪れた時に現地のミュージシャン達と吹き込んだと言われている「ディア・オールド・ストックホルム」が原曲の11。数多名演が存在するスタンダード的なナンバーですね。これもタモリのヴォーカルがなかなか良いです。スタン・ゲッツの作詞・作曲となってますが、どうも北欧の民謡のようですね。

今回このアルバムを"J-POP"のカテゴリとして紹介しましたが、"CITY POP/J-AOR"のカテゴリでも"FUSION系"のカテゴリでも可笑しくないと思います。つまり、J-AORが好きな人もFUSIONが好きな人にも楽しめる1枚だろうという気がします。ナレーション部分で笑わそうとしていますが、曲(音楽)に関しては至って真面目に取り組んでいますので、興味がある方は聴いてみて下さい。
思った以上に素晴らしい出来栄えに驚くと思いますよ。お薦めの1枚です。
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by kaz-shin | 2007-12-29 02:15 | J-POP | Trackback | Comments(6) | |
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Commented by たにぴ@もまゆきゅ at 2007-12-30 10:32 x
昨日漸く入手しました。
爆発的に売れてるらしく、紙ジャケは一瞬で消えた(銀座)そうです。
さて、内容に不満が…(^^;
コント部分と楽曲とは、出来ればトラック分けして欲しかったです。
コントのBGMでも、松木さんのギターが冴えまくって、いい感じ。
ちなみに、Long Good Byeを知っているかどうかで、コントの味わいは変わるのですが、
あまり笑えないのは同感です(^^;;;;;
Commented by kaz-shin at 2007-12-31 01:36
たにぴさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
そして良いアルバムを紹介してくれてありがとうございました。
これ本当に面白いですね。曲も良いですし、演奏も素晴らしいですしね。
勢いを感じるアルバムです。

>コント部分と楽曲とは、出来ればトラック分けして欲しかったです。
同感です。確かにコント部分のBGMも渋いですけど・・・。
今はこういうアルバムが少ないですね。残念です。

今年1年本当にお世話になりました。
良いお年をお迎え下さい。
Commented by ギムリン at 2008-01-03 05:14 x
kazさん、今年もよろしくお願いします。
タモリさんの復刻は、どのCD屋さんでも大きく宣伝していて、相乗効果で売れ行き凄いみたいですね。
一方、岩崎宏美さんにしても八神純子さんにしても、復刻内容はすばらしいのに、全然宣伝していないので、ファンだった人でも全然知らない人がまだまだいるんですわ(だから上位にランクしない)。
まあ、ビクターさんも宣伝費が限られているでしょうから、しかたないのかも知れませんが、何か割り切れない感じもします。
Commented by kaz-shin at 2008-01-04 00:39
ギムリンさん、明けましておめでとうございます。
コメントありがとうございます。
確かに宣伝の効果って大きいでしょうね。
岩崎さんにしても八神さんにしても首を長くして待っていた人も多いと
思うのですが、リリースしたことが伝わらなければ意味が無いですよね。
ただ、TV-CMを流すほどの宣伝費もかけられないでしょうし、難しいところですね。
今のような再発ブームが続いていって、再発モノがレコード会社の利益の一定部分を
担うような状況になれば変わっていくかも知れませんけどね。
Commented by アベル at 2008-01-14 10:53 x
こんにちは!先日渋谷のタワーレコードで試聴してきました!歌は確かにヘタウマですが、楽曲はまさにシティポップですね!クオリティ高いです。曲もメロディがいいし、これでボーカルがよければかなりいいアルバムになっていたでしょうね!おっしゃる通り桑田の曲なんてコテコテの桑田節全開ですね!
Commented by kaz-shin at 2008-01-14 22:03
アベルさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
アルバムとしてのクオリティはかなり高いと私も思っています。
確かにタモリさんの書いた歌詞と歌は、本職の人に比べれば見劣りしますが・・・。
スタッフ含めて、ある意味本気で音楽に取り組んだ1枚だと思います。
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