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木之内 みどり_苦いルージュ(ROUGE AMER) ◇ 2008年 03月 25日
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今回紹介するのは、1978年にリリースされた木之内 みどりのラスト・アルバム『苦いルージュ』です。2004年に『77-78 ぼくらのベスト 木之内みどり アナログ・アルバム完全復刻パッケージ2』という4枚組アルバムに収録されています。この復刻BOXを買おうかずっと迷っていたんですが、皆さんにお勧め頂いたこともあり、少し前ですが意を決して購入しました(笑)

収録された4枚の中でも評判が良く、実際セールス的にも最も売れたという本アルバムですが、実際聴いてみると本当に良いあるばむですねぇ。当時は"木之内 みどり=歌が下手"というイメージが強く、確かに可愛かったのですがアルバムを買うまでには至りませんでした。
ところが今じっくり聴くと当時のアイドル歌手というのは、単に可愛いだけでレコードを出していたんじゃないというのがよく分かりますね。彼女も本当に丁寧に歌を唄います。しかも歌詞を理解しているからこその表現力もしっかりしています。大人の雰囲気を漂わせるような曲調が多く、ヨーロピアン・イメージの曲やCITY POP風な曲もあって洒落た仕上がりになっています。

作家陣も豪華で作詞に三浦 徳子、小林 和子、東海林 良の3人、作曲に出門 英、林 哲司、後藤 次利、大野 克夫、佐瀬 寿一の5人が作品を提供しています。編曲は大村 雅朗、林 哲司、後藤 次利、船山 基紀が手掛けています。残念なのはミュージシャン・クレジットの記載の無いことですね。かなりのミュージシャンが参加してるはずなんですが・・・。

『木之内 みどり / 苦いルージュ(ROUGE AMER)』
"PART 1 海から"
01. 漂いながら・・・
02. MON AMOUR, I LOVE YOU
03. サマー・フェスティバル
04. 海の百合
05. ひと夏の兄妹
"PART 2 街へ"
06. 渇いた都会
07. NO, NO, NO
08. 苦いルージュ
09. 木曜にはきっと・・・
10. 白い馬
Bonus Tracks
11. 無鉄砲
12. 一匹狼 (ローンウルフ)
13. ターン・テーブル
14. 嘆きの天使

大村 雅朗のメロウなアレンジが冴える01。作曲はヒデとロザンナでお馴染みの故・出門 英。本当に良い曲を書きます。1977年に小柳ルミ子に提供した『星の砂』がヒットしましたが、生きていれば作曲家として活躍できたであろう才能を持っている人ですね。これは名曲です。

林 哲司の作・編曲による02。石川 ひとみの「まちぶせ」路線の曲とでも言いましょうか、林 哲司にしては歌謡曲チックなメロディーとアレンジが印象的です。途中台詞が入っていて、普通なら聴いていると恥ずかしくなってしまうのですが、不思議にこの曲に関しては全く嫌悪感がありません(笑)

後藤 次利の作・編曲によるサマー・チューン03。次利が作曲家としての才能を開花し始めた頃の曲と言えるでしょう。良いメロディーですね。シンプルながらも次利らしいベース・プレイが堪能出来る1曲。(この曲のベースは100%次利ですね)

出門 英が作曲、大村 雅朗のアレンジによる04。しっとりとしたボッサ調のナンバーですが、この曲のメロディーも素晴らしいですね。大きな展開は無いのですが、ゆったりと流れるようなメロディー運びが実に心地良いです。間奏のフリューゲル・ホーンは数原 晋っぽいですね。

大野 克夫の作曲、船山 基紀のアレンジによる05。アレンジは嫌いでは無いのですが、メロディーがどうも歌謡曲っぽさが強くて個人的にはあまり好みではありません。

佐瀬 寿一の作曲、船山 基紀のアレンジによる06。それまでとは一転して都会的でFUNKYなアレンジが印象的です。佐瀬 寿一はキャンディーズにもヒット曲を書いている作曲家なんですが、いかにも佐瀬 寿一らしいナンバーです。凝ったアレンジです。

後藤 次利の作・編曲による07。軽やかなポップ・ナンバーです。ギターは鈴木 茂っぽいですね。03に比べると少し退屈な感じがします。

ビートを効かせたダンサブルなアレンジに歌謡曲チックなメロディーとの組み合わせが、いかにも70年代を感じさせる08。佐瀬 寿一の作曲、船山 基紀の編曲です。この曲もおそらくベースは次利だと思うのですが、素晴らしいプレイを聴かせてくれます。

林 哲司の作・編曲による09。歌謡曲チックな曲が多いアナログ盤B面(06~10)の中においてメロウという表現がぴったりな1曲ですね。さすが林 哲司です。ボッサ調のアレンジも洒落ていて、ストリングスの美しさが際立っています。

タイトルがいかにもアイドル・ソングを連想させる10。林 哲司の作・編曲によるナンバーです。キャッチーなサビのメロディーが耳に残る1曲。

ボーナストラック11は、1978年リリースの12枚目のシングル曲です。大野 克夫の作曲、船山 基紀のアレンジですが、いわゆるツッパリ・ソングの部類ですね。

12は13枚目のシングル曲。大野 克夫の作曲、大村 雅朗のアレンジです。これも12同様、ツッパリ・ソングですね。個人的には11やこの曲のようなタイプは好きにはなれませんね(笑)

12のB面曲13。しっとりと聴かせるバラード曲です。ツッパリ・タイプの曲よりもしっとりとした曲が木ノ内 みどりには似合いますね。歌は上手く無いですが、好感の持てる唄い方です。

1982年のベスト・アルバムに収録されていたという14。思い切り70年代の香り漂う歌謡曲といった感じの1曲です。佐瀬 寿一の作曲、船山 基紀の編曲です。

1978年という時代背景を考えれば歌謡曲チックなのはむしろ当然で、01、02、03、04、09といった曲を書いた出門 英、林 哲司、後藤 次利の3人のセンスの良さが際立っていたんだと思います。80年代に入ってからの林・後藤の活躍はご存知の通りです。80年代は俳優としての活動が多かったという印象が強い出門 英。もっと曲を書いて欲しかったですし、数多くの名曲を残せたんじゃないかなとも思うと残念です。
上記の5曲は本当に好きな曲で、今聴いても十分通用するメロディーだと思います。70年代を思い出させる歌謡曲と洒落たCITY POP風な曲とが混在しているので、聴いていて厭きのこない仕上がりになっていると思います。木之内 みどりが下手な歌手と思っている人は、実際に聴いてみると印象が変わると思いますよ(笑)
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by kaz-shin | 2008-03-25 00:12 | J-POP | Trackback | Comments(5) | |
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Commented by kotaro at 2008-03-25 10:47 x
久しぶりに聴き直しました。
中学以来の友人がこのアルバムを持っていて、ヤツの車の中で
木之内みどりを繰り返し聴いている内に批判よりはまってしまった
ワタシです。
70年代アイドル歌謡をいち早く脱ぎ捨ててニューミュージック、
それ以上「恋人達のシティポップ」くらいまで行こうとしたのがわかります。

声量がなくても表現力が伴うようになれば完成度の高い好作品が
作れるという良い見本だったのかもしれません。
ブレーンやスタッフはヨーロピアン、とりわけフレンチポップの
テイストで行こうとした後期の木之内みどりですが最後の「白い馬」はスリーディグリーズの「天使のささやき」をモチーフにしてますね。
初期の林哲司と後藤次利、それに今は亡き出門英の味わいを思い出すのに好適な掘り出し物のアルバムだと思います。
繰り返し聴いたのが25年以上前、いま出門さんが生きていれば
イタリアンなクラシックカーに夫婦で乗って、堺正章よりかっこいい
おじさまになっていただろうなあ、と思います。
Commented by kaz-shin at 2008-03-26 00:48
kotaroさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
以前、このアルバムを紹介して下さって、ありがとうございました。
多少のムラはありますが良いアルバムですね。
特に出門さん、林さん、次利さんの曲は良いですね。
70年代の林さんの作品にはヨーロピアンなテイストの曲が多いですね。
80年代に入るとAOR色が俄然強くなりましたが・・・。3人とも木之内さんの声質が
活きるような素晴らしいメロディーを書いています。
こんな素晴らしい曲が書けて、ベースも超一流の腕前を持っている次利さん。
木之内さんが惚れたのも無理はありませんかね(笑)
Commented by ayuki at 2008-03-26 06:58 x
お邪魔致します。
いいですね。木之内みどりさん。現在も、全くマスメディアに登場しないところがまた良かったりします。実はほぼ最初に買ったシングルレコードが、『東京メルヘン』でした。
Commented by hisa at 2008-03-30 09:14 x
ついに購入されたのですね。このアルバムは夏の夜に聴くといいのですが、久しぶりに聞きました。だんだん歌手としてもよくなってさあこれからというときにああいうことになって、本当に残念でした。
私も無鉄砲とローンウルフはいただけなかったですけどね。一度はこっちに行ってみたいのかもしれないですね。その他のアルバムも是非感想をきかせてください。
Commented by kaz-shin at 2008-03-31 00:20
hisaさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
ついに買ってしまいました(笑)
音楽的な好みで言えば、やはり『苦いルージュ』が1番好きですね。
でもアレンジ面や演奏面では、他のアルバムも結構良いので機会が
あったら他のアルバムも取り上げてみたいと思います。
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