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NICK DeCARO_ITALIAN GRAFFITI ◇ 2008年 03月 31日
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今回紹介するのは、「AORはこのアルバムから始まった」とも言われる名盤で、アレンジャーとしても大活躍していたニック・デカロが1974年にリリースしたアルバム『ITALIAN GRAFFITI』です。AOR関連の音楽が好きな人にとっては、お馴染みのアルバムでしょう。もはや定番・名盤と呼ばれるアルバムを紹介するというのは、何を今更っていう気持ちもありますして、レビュー記事を書くのを躊躇してしまいます。
それで今までニック・デカロのレビュー記事は、このアルバムを避けて、『LOVE STORM』(1990年)と『In Loving Memory of NICK DeCARO』(1992年)の2枚を紹介してきましたが、良い作品(アルバム)を紹介するというのが私のブログのポリシーでして、やはり紹介しない訳にはいかないと思い、重い腰を上げて今回記事を書いてみることにしました(笑)

名匠トミー・リピューマとはハイ・スクール時代からの友人で、一緒にコーラス・グループを結成していたこともあるらしいです。
リピューマがリバティ・レコードに入社した時、誘われてデカロもリバティ・レコードに入社、リピューマがA&Mに移った際にデカロも独立して、アレンジャー/プロデューサーとしての活動を始めたという経緯があるようです。1969年にはイージーリスニング調の初のリーダー作をリリースしています。ぜひともこのアルバムも聴いてみたいのですが・・・。
リピューマのプロデュース作品には必ずと言って良いほど、デカロはアレンジで参加してました。まさにリピューマの片腕とも言える存在でしたね。もちろん本作もトミー・リピューマのプロデュース(正確にはデカロとの共同プロデュースですが)です。

『NICK DeCARO / ITALIAN GRAFFITI』
01. Under the Jamaican Moon (邦題:ジャマイカの月の下で)
02. Happier Than the Morning Sun (邦題:輝く太陽)
03. Tea for Two (邦題:二人でお茶を)
04. All I Want
05. Wailling Wall
06. Angie Girl
07. Getting Mighty Crowded
08. While the City Sleeps (邦題:町はねむっているのに)
09. Canned Music
10. Tapestry

職人デヴィッド・T・ウォーカーのメロウなギター・ワークがたまらない01。スティーヴン・ビショップとリア・カンケルの共作ナンバーです。何とも都会的で、デカロのアレンジによる美しいストリングスが印象的です。個人的にはデヴィッド・T・ウォーカーのギター・ソロ、これで悩殺されました(笑)

スティーヴィー・ワンダーの1972年リリースのアルバム『Music of My Mind (邦題:心の詩)』に収録されていたナンバーのカヴァー02。優しいメロディーとデカロの決して上手くは無いのですが、味のあるヴォーカルがよくマッチしている曲だと思います。パド・シャンクのフルート・ソロとコーラス・ワークの美しさは格別ですね。

アメリカの古い名曲を現代に紹介しようと選曲されたというスタンダード・ナンバー03。聴けば多くの人が知っているであろう名曲ですが、とにかく素晴らしいの一言の仕上がりになっています。まさに大人の為の1曲と言っても過言ではありません。JAZZYで、お洒落なナンバーです。これを聴きながら飲むお酒は格別美味いですよ(笑)

ジョニ・ミッチェルの1971年のアルバム『Blue』に収録されていたナンバーのカヴァー04。軽快で楽しげに歌うデカロが印象的です。アーサー・アダムスの何とも言えぬ味わいのあるギター・ソロにも注目です。

トッド・ラングレンの1971年のアルバム『Runt - The Ballad Of Todd Rundgren』に収録されていた曲のカヴァー05。天才トッド・ラングレンらしいメロディアスなバラード曲で、静かで落ち着きのあるアレンジが心地良いです。

スティーヴィー・ワンダーの1969年リリースのアルバム『My Cherie Amour』に収録されていたナンバーのカヴァー06。デカロ自身が大のお気に入りだという1曲。確かに60'sの香り漂うナンバーで、ストリングスを主体としたサウンド作りも'60's風、聴いていてほのぼのとした気分にさせてくれる1曲。

ヴァン・マッコイの作品で、1965年にR&Bシンガー、ベティ・エヴェレットのヒット・ナンバーのカヴァー07。ヴァン・マッコイらしいソウルフルでありながらもキャッチーなメロディーで、アルバムの中で1番アップ・テンポの曲なんですが、個人的にはかなり気に入っているナンバーです。

ランディ・ニューマンがアーティスト・デビューする以前に書いた曲だという08。名曲ですね。最初にこのアルバムを聴いた時、最も印象深勝った曲がこの曲でした。私にとってはデカロの代名詞的な曲になっています。

ダン・ヒックス&ヒズ・ホット・リックスが1972年にリリースしたアルバム『STRIKING IT RICH』に収録されていたナンバーのカヴァー09。ブルージーな曲なんですが、デカロが歌うと重くならずに心地良さが前にくるといった感じになりますね。アーサー・アダムスのギターが光ってます。

ジェニファー・ウォーンズというシンガーの為に書かれた曲だという10。今の時代ではあまり聴けなくなったポップス・ソングといった感じの曲です。70'sの音楽に親しんできた私としては、メロディー・アレンジ共に懐かしく感じます。地味ですが良い曲です。

いつの時代も変わらないと思いますが、音楽を取り巻く環境の真ん中にいるのは常に10代、20代の若者達でしょう。
70年代においても状況は同じでした。そんな中においてこのアルバムは、30代以上の大人が楽しめるアルバムを作りたい、古いナンバーの中にも素晴らしい曲が沢山あるということを、若い世代に伝えていきたいという強い意志を感じるのです。
ロックに夢中になっている若者達が、たとえ今聴いてもピンと来なくても、大人になった時に聴いてもらえたらそれで良いみたいな暖かさが滲み出ている、そんなアルバムです。こういうアルバムが後世に聴き継がれていくと嬉しいですね。
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by kaz-shin | 2008-03-31 00:04 | 洋楽系 | Trackback(2) | Comments(12) | |
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Tracked from 音楽の杜 at 2008-04-01 00:16
タイトル : Nick DeCaro 「Italian Graffit..
AORの基盤となった名盤! 前回トッド・ラングレンのアルバムをレビューしましたが、そのトッドのアルバムに収録されている「Wailing Wall」が本作でカバーされていることを失念(ネオンパークさん、ご指摘有難うございます)。あらためて本作の凄さを認識しました。 ニック・デカロはAORファン、というかソフトロックファンにはお馴染みかと思います。 60年代後半にはハーパーズ・ビザール、ロジャー・ニコルズといったソフトロックの名盤にアレンジャー等で参加。 それ以降もドゥービー・ブラザーズ、...... more
Tracked from 音楽なしは、人生なし! at 2008-04-02 18:05
タイトル : 王道
王道と言ったら、全日本プロレスですが、 これを避けては通れないというアルバム。 ちゃんと聴き直したら、新たな発見も有ったりして。 なお、今の全日本ではなくて、武藤が行く前の。 Larry Carlton『Larry Carlton』1978 Warner Bros. ... more
Commented by gemini at 2008-03-31 22:56 x
A&Mから出した最初のアルバムは「HAPPY HEART」ですね。
いわゆるイージーリスニングと言ってもいいと思いますが、聞き逃せない
ニック自身のボーカル曲が2曲入ってます。
「君に愛されたい」と「キャロライン・ノー」のカヴァーです。
いずれも次のこのアルバムに繋がる仕上がりになっているのでこの2曲だけでも注目だと思います。
もちろん他の曲もトミー・リ・ピューマとニック・デカロのコンビによる製作なので良いですよ。
ジャケット裏の痩せて髭のない若き日のニックの姿にきっと驚くはずです。
Commented by 240_8 at 2008-04-01 00:26
こんばんは。
ご無沙汰です。AORの祖と云われる名盤の登場に、思わず記事をTBさせて頂きました^^。
ニックにトミー・リピューマ、そしてエンジニアのアル・シュミットの所謂「三巨頭」と云われたAOR界の重鎮トリオがクリエイトした名盤。私も①のデヴィッド・Tのギターに悩殺されたひとりです(笑)。
個人的には素晴らしいスティーヴィーのメロディにニックのアレンジが光る②が大好きです。これを聴くと幸せな気分になれるんです。

これを初めて聴いたときはもう大人でしたが、聞くたびに新しい発見のある素晴らしいアルバムですね。
Commented by まるいチ-ズ at 2008-04-01 07:57 x
おはようございます
この方の名前を知ったのはたぶんM・フランクスからだったと思います、このアルバムが74年のものとは驚きです、洒落ていて今聴いても古さを感じさせませんよね。当時(77~78年頃)このアルバムを聴いていた人と言うのは、ロックやポップス、フォ-クからフュ-ジョンやシティミュ-ジックに関心が移った私たちの年代が多かったように思います、ませてたんですねえ(笑)
Commented by kaz-shin at 2008-04-02 00:14
geminiさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
『HAPPY HEART』ってCD化されてるんですかね?
もしCD化されているのなら、探してぜひとも聴いてみたいです。
ストリングスのアレンジの上手さに定評のあるデカロですから、イージーリスニング系の
アルバムでも凄く気持ちよく聴ける気がします。
Commented by kaz-shin at 2008-04-02 00:19
240_8さん、こんばんは。ご無沙汰してます。
コメントとTBありがとうございました。
こういう定番アルバムのレビュー記事って難しいですよね。
本当に多くの人に愛されている作品ですから・・・。
誰も知らないようなマニアックなアルバムの方が伸び伸びと記事が書けますね(笑)

デヴィッド・T・ウォーカーのギターは良いですよね。本当に"渋い"という形容詞が
ぴったりなギター・プレイです。
近日中にデヴィッドのギターが堪能出来るアルバムを紹介しようと思っています。
楽しみにしてて下さい。
Commented by kaz-shin at 2008-04-02 00:23
まるいチーズさん、こんばんは。いつも朝早くからコメントありがとうございます。
この頃の音楽が好きな人の多くは、一人のアーティストから横へ広がって聴いていくという
聴き方をしていた人が多かったですよね。
意識しなくても自然とそういう聴き方になってしまっていたという感じでしょうか・・・。
音楽が垣根を越えて、まさにクロスオーヴァーしていた時代でした。
聴く音楽すべてが新鮮で楽しい時代でしたね。

話が年寄り臭くなってすみません(笑)
Commented by Sken at 2008-04-02 18:10 x
こんにちは。
先におっしゃってる方がいますが、そのとおり1作目も
聴きのがせません。ヴォーカル曲が2曲あります。
後年の阿川泰子のアルバムでアレンジ&コーラスを
していましたね。
その後日本制作の『LOVE STORM』以降リリースが続きましたね。
私はその『HAPPY HEART』はリマスターの紙ジャケで購入していましたが、そこにはボーナス・トラックも入っていましたよ。
Commented by kaz-shin at 2008-04-03 23:01
Skenさん、こんばんは。コメントとTBありがとうございました。
レスが遅くなって、すみませんでした。
『HAPPY HEART』は紙ジャケでリリースされていたんですね。
全然気づきませんでした。今となっては入手困難なようで・・・。
得意のBOOK OFFを丹念に探し続けたいと思います。
色々と情報ありがとうございました。
Commented by mana99bu at 2008-04-09 10:20 x
タイトルと曲目タイトルの『ITALIAN GRAFFITI』がRになってますよ
Commented by kaz-shin at 2008-04-12 09:59
mana99buさん、こんにちは。ご指摘ありがとうございます。
お恥ずかしい限りです・・・(汗)
早速訂正させてもらいました。
Commented by Backstreets at 2008-05-11 18:50 x
私は高校生、つまりまだ10代の頃にニック・デカロに出会いました。それ以来、魅了されています。デカロ氏の「Happier Than The Morning Sun」も良いのですが、スティービー・ワンダーがハーモニカで参加したB.J.トーマスのヴァージョンも味わい深いですよ。
Commented by kaz-shin at 2008-05-11 22:53
Backstreetsさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
私もデカロとの出会いは10代後半でした。
今の10代の若者のことを考えると、当時は随分大人びていたのかも知れませんね(笑)
B.J.トーマスはアルバムを通して聴いてことがないので、ぜひ聴いてみたいと思います。
色々教えて下さってありがとうございます。
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