Music Avenue
musicave.exblog.jp
Top
CHARLENE_I'VE NEVER BEEN TO ME ◇ 2008年 04月 16日
e0081370_20533420.jpg 

今回紹介するのは、名曲「愛はかげろうのように」を含むシャーリーンが1982年にリリースしたデビュー・アルバム『I'VE NEVER BEEN TO ME』です。彼女は苦労人のようで、1歳の時に重い病気にかかり病床の生活を余儀なくされて孤独な子供時代を過ごし、17歳で結婚し子供を出産。その後は麻薬に溺れたり、離婚したり・・・、若くして波乱万丈な人生を送ってきたシャーリーン。
そんな彼女が11974年にモータウン・レコードに持ち込んだデモテープがベリー・ゴーディJrの耳にとまり、1977年にシングル「愛はかげろうのように」をリリースします。モータウンからデビューした白人女性シンガーという話題性は十分だったものの、ヒットには至りませんでした。ここまで来ると可哀相になってきますが、そんな彼女にもついに陽のあたる日がやってきます。

デビューから6年後の1982年、フロリダにあるラジオ局のDJが「愛はかげろうのように」をオンエアしたところ、問い合わせが殺到。この年再リリースされ大ヒットしました。アメリカのような大きな市場においては、どんなに実力があって楽曲が良くても駄目なんですね。その上にタイミングとか運も味方にしないといけないという成功の難しさを感じます。
この『I'VE NEVER BEEN TO ME』は、名曲「愛はかげろうのように」を筆頭に、どちらかと言えばスローからミディアム・テンポのバラード・ナンバーを主体にしたアルバムです。「愛はかげろうのように」が突出してますが、プロデューサーであり作詞家であるロン・ミラーと、作曲家でアルバムでもピアノをプレイしているケン・ハーシュのコンビによる全10曲は、とても聴きやすいですし、シャーリーンのヴォーカルも力が抜けた自然体で心地良く耳に響きます。

参加ミュージシャンも、ケン・ハーシュ(key)、レジナルド・バーク(key)、エド・グリーン(ds)、ウィルトン・フェルダー(b)、リー・スクラー(b)、リー・リトナー(g)、ジェイ・グレイドン(g)、ゲイリー・コールマン(per)という豪華な顔触れです。

『CHARLENE / I'VE NEVER BEEN TO ME』
01. I'VE NEVER BEEN TO ME (邦題:愛はかげろうのように)
02. IT AIN'T EASY COMIN' DOWN (邦題:愛の終曲)
03. CAN'T WE TRY (邦題:昨日へ帰りたい)
04. HUNGRY
05. HEY MAMA
06. I WON'T REMEMBER EVER LOVING YOU (邦題:追想)
07. JOHNNY DOESN'T LOVE HERE ANYMORE (邦題:ジョニーへの想い)
08. AFTER THE BALL
09. I NEED A MAN
10. IF I COULD SEE MYSELF

心和む名曲01。良い曲ですよね。ロン・ミラーは男性が歌う曲として作詞をしたそうですが、シャリーンの為に書き直したとのこと。何とも彼女にぴったりな歌詞ですね。パラダイスを色々探したけど見つからない・・・、そうパラダイスというのは心の中に存在するものと語りかけられているような気がします。

01に劣らない美しいバラード曲02。スケールが大きくストリングスの美しさが際立つナンバーですね。

表現力豊かなヴォーカルが素晴らしいしっとりとしたバラード曲03。技巧的に上手い下手ではなく、説得力のあるヴォーカルがシャーリーンの魅力なのかも知れません。

少し擦れ気味の歌声が切なさを誘うバラード曲04。ロン・ミラー&ケン・ハーシュのコンビによる曲はどれもシャーリーンの歌声の魅力を上手く引き出していると思います。

シャーリーンの生い立ちを考えながら聴くと切なくなってくるナンバー05。しみじみと歌うシャーリーンのヴォーカルには説得力があります。

聴く回数が多くなるほどに味わい深さを増すようなバラード・ナンバー06。メロディーの美しさに拘ったという感じのする曲ですね。

カントリー風なナンバー07。バラード・ナンバーも良いですが、こういうカントリー・フレーバーの軽いタッチの曲にも彼女の歌声は似合っていると思います。気持の良い曲です。

アレンジがAOR風でポップでキャッチーなナンバー08。何とも可愛らしいヴォーカルが印象的です。この曲のアレンジが結構好きで、お気に入りの1曲になっています。こういうタイプの曲があと2~3曲あっても良かったような気もします。

美しいメロディーに切ない歌詞、そして心の叫びが歌になっているような09。とても良い曲なんですが、歌詞を見ながら聴くと本当に切なくなってしまう、そんな曲ですね。

ラスト・ナンバー10も美しいバラード曲です。ストリングスの使い方が効果的で、シャーリーンの透明感のある歌声とよくマッチしています。

このアルバムは実に不思議な魅力に溢れている気がします。これだけバラード曲ばかりのアルバムですと、興味の無い方には地味に感じるでしょう。私の音楽的な嗜好においても普通ならあまり聴かないタイプのアルバムなんです。しかし、このアルバムだけは1曲目から10曲目まで必ず通して聴いてしまいます。曲が良いのは勿論なんですが、やはりシャーリーンの表現力豊かなヴォーカルに聴き入ってしまうというのが正直なところです。
歌詞が英語ですから、意味などほとんど訳詞を見ないと意味不明ですが、彼女の歌声には言葉を超えた説得力があるように思えます。頻繁に聴くアルバムではないのですが、たまに無性に聴きたくなる1枚です。
[PR]
by kaz-shin | 2008-04-16 22:38 | 洋楽系 | Trackback(1) | Comments(2) | |
トラックバックURL : http://musicave.exblog.jp/tb/7756542
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Tracked from 音楽の杜 at 2008-04-17 23:57
タイトル : Charlene 「I've Never Been To..
エイティーズ・ファン必聴の「愛はかげろうのように」を含むシャーリーンのデビューアルバム 1982年に大ヒットした「愛はかげろうのように」は本当によく聞いたし、未だに思い出したように聞いています。当時は日本未発売の曲で、一体どういう歌手なのか、不思議でしたね。 今回このアルバムを購入し、初めて知ったことが2点。 1点はシャーリーンの本当のデビューは1977年。あのモータウンレーベルからのデビューで、ベリー・ゴーディなどは「我が社初の、大型ポップ・シンガーになる」と予言し、精鋭を集めてこ...... more
Commented by 240_8 at 2008-04-18 00:00
こんばんは!
ついに登場ですね。
(TBさせて頂いた小生記事にもKaz-shinさんからコメントを頂いてましたね)
やっぱりなんといっても①ですよね。椎名恵のヴァージョンも捨てがたいのですが、原曲がいちばん。当時は日本未発売ながらも大好きな曲でした。彼女の境遇などを知った上で、この曲を聴くと、より一層感情移入してしまいますね。
Commented by kaz-shin at 2008-04-18 02:05
240_8さん、こんばんは。コメントとTBありがとうございます。
シャーリーンの歌声とメロディー、歌詞が見事にマッチした名曲が01ですよね。
何故か曲よりも、その歌声に魅了されたアルバムなんですよね。
そういう意味では印象的な1枚です。
<< 高中 正義_SAUDADE ページトップ 村田 和人_HELLO AGAIN >>
XML | ATOM

個人情報保護
情報取得について
免責事項
Ice Green Skin by Sun&Moon