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THE O'JAYS_SHIP AHOY ◇ 2008年 04月 24日
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今回紹介するのは、1970年代に"フィリー・サウンド"と称され大ブームとなったフィラデルフィア・ソウルの代表的なグループであるTHE O'JAYSが1973年にリリースした『SHIP AHOY』です。THE O'JAYSと言えば彼等の代表作でもある1972年のアルバム『BACK STABBERS (裏切り者のテーマ)』が有名ですし、このアルバムを思い浮かべる人も多いでしょうが、私はこの『SHIP AHOY』の何と言うか一種重苦しい雰囲気が好きでして、愛聴盤となっているんです。聴き易く親しみ易いメロディにメッセージ色の強い歌詞、実にTHE O'JAYSらしい1枚なのではないでしょうか。

プロデュースはもちろん優れたソングライティング・チームでありプロデューサー・チームであるケニー・ギャンブルとレオン・ハフの二人。ギャンブル&ハフは、フィリー・ソウルの立役者として有名ですね。そしてバックで演奏しているのがM.F.S.B.(Mother, Father, Sister, Brother)なんですから、これで悪い訳はありません(笑)
M.F.S.B.はフィラデルフィアのシグマ・サウンド・スタジオを本拠地にしていた総勢50人にも及ぶ人種混成のミュージシャン集団です。スタジオ・ミュージシャンとしての活動だけでなく、自己名義のアルバムもリリースしていました。素晴らしい楽曲、演奏、歌の3拍子揃った、私にとっては理想的なアルバムなんです。

先ほど重苦しい雰囲気が好きだと書きましたが、ジャケットを見てもらうと何となく理解して頂けるかも知れませんね。実はこのジャケットのイラストは、奴隷船の船倉を描いたものなんです。アルバム・タイトルにもなっている「SHIP AHOY」は、10分を超す大作で奴隷船の模様を歌ったものです。初めてこの曲を聴いた時、言葉も分からないのに何故か哀しい気分になってしまいました。ただ暗いだけでなく、ダンサブルなナンバーもあり、典型的なフィリー・サウンドありでバラエティに富んだ素晴らしいアルバムに仕上がっています。

『THE O'JAYS / SHIP AHOY』
01. PUT YOUR HANDS TOGETHER
02. SHIP AHOY
03. THIS AIR I BREATHE
04. YOU GOT YOUR HOOKS IN ME
05. FOR THE LOVE OF MONEY
06. NOW THAT WE FOUND LOVE
07. DON'T CALL ME BROTHER
08. PEOPLE KEEP TELLIN' ME

多くのカヴァーが存在する01は、ゴスペル・タッチのご機嫌なダンス・ナンバーです。M.F.S.B.らしいリズム・セクションとホーン・セクションのバランスの良い演奏が印象的です。

奴隷船の模様を歌った02。波の音、木造船ならではの木の軋む音、雷鳴の音、そして鞭の音のSEが挿入されており、歌詞が分からなくても内容を窺い知ることが出来ます。10分を超える大作でありながら、そのドラマティックな構成に長いという印象は全くありません。"AHOY"とは掛声の"おーい"みたいなものらしいです。

軽快なギター・カッティングで始まる03は、フィリー・サウンドの妙味が味わえるナンバー。02とは全く違うタイプの曲ですが、このバラエティに富んだ内容が聴いていて本当に楽しいのです。

コーラス・ワークが堪能出来るバラード・ナンバー04。今聴くと時代の音なんですが、妙に古臭さを感じさせないのはボビー・マーティンのアレンジとM.F.S.B.の演奏の素晴らしさのおかげでしょうね。

05も多くのカヴァーが存在する何とも格好良いナンバー05。名曲です。とにかくアレンジの格好良さが光る1曲です。印象的なのはまるでギターのリフのように聴こえるロニー・ベイカーのベース・プレイです。とにかく格好良いの一言です。

イントロからフィリー・サウンドの醍醐味が味わえるメロディアスなナンバー06。このアルバムの中に入ってしまうと若干浮いた感じもしますが、コーラスをフィーチャーした聴きやすいナンバーで個人的には大好きな1曲。

メッセージ色の強いソウルフルなナンバー07。穏やかな部分と力強い部分のメリハリがはっきりしている演奏が、まさにソウルフルです。

最後を飾る08もフィリー・サウンド全開の軽快なナンバーです。フィリー・サウンドの特色のひとつにストリングスの美しさがありますが、この08はまさにその代表例のようなナンバーと言えるかも知れません。派手さは無いのですがリズム・セクションとストリングスのバランスが絶妙な1曲です。

"古き良き時代"という言葉がありますが、このアルバムのサウンドはまさに"古き良き時代"のサウンドそのものという気がします。確かに録音機材も今に比べればお粗末なものだったに違いありません。いわゆるお世辞にも良い音とは言い難いものです。しかし、聴こえてくるサウンドは実に活き活きとしていて、躍動的で、説得力に満ちたものです。やはり素晴らしいミュージシャンの手によって奏でられた素晴らしい演奏(サウンド)は、どんなに時を経ても色褪せたりしないものなんだと感じさせてくれるアルバムです。フィリー・サウンドがお好きな方にはお薦めの1枚です。
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by kaz-shin | 2008-04-24 00:19 | 洋楽系 | Trackback | Comments(4) | |
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Commented by Kenny U at 2008-07-02 00:07 x
こんにちは!今日からまた時間の許す限りコメントを書かせていただきます。
といっても、私の担当は、主に、ブラコンとフュージョンだろうなー
との認識から取り合えずは、ここにコメントを…(笑)

さて、このアルバム、そのものズバリは持ってはいないのですが
ベスト盤などで有名曲はほとんど聴いていますよ。

まず、SHIP AHOY、邦題を「暁光の船出」と言います。
これはすごーいバラードですね!

そして、もう一曲、FOR THE LOVE OF MONEY、
こちらは、邦題「緑色の神様」と言いますが、これも抜群に良いですね!!

ちなみにこの曲のカヴァーについて、一曲だけ!
●映画『ニュージャックシティ』1991
このサントラCDに入っているんです。
(ここでは、オージェイズのエディ・リヴァートの
子供達のバンド"LeVERT"が、カヴァーしています)
そして、Stevie Wonder「Living for the City」とのメドレーでして
何とシングルカットもされているとか…

このサントラは、結構良い曲が有ったりするのです。
例のお店の洋楽サントラコーナーでもよく見かけるので、
一度、手にとって見てくださいませー。
Commented by kaz-shin at 2008-07-02 23:32
Kenny Uさん、こんばんは。ご無沙汰してました。
どうですか?新居は。だいぶ落ち着いてきましたか?
これからまた色々教えて下さい。よろしくお願いします。

この手の音楽のコメントしてくれるのはKenny Uさんくらいなので、また黒っぽい音楽を取り上げた時にはよろしくです。

映画『ニュージャックシティ』のサントラ盤ですね。今度BOOK OFFへ出向いた際に探してみますね。
Commented by Kenny U at 2008-07-03 00:34 x
本当にご無沙汰でしたー!
引越し後、やっと落ち着いてきましたが、
まだ鍵盤を弾けるところまでセッティングは出来ていないし、
音楽データを作成するPCも
やっとダンボール箱から引っ張り出したところです!

でも、音楽CDやレコードの整理は終わりましたよー!
それでコメント出来る様になったって訳です。

しかしまあ、この間にも、
どんどんと記事を書かれていて"本当にすごい"…"情熱"です。
(…見るだけでしたが、勿論、閲覧はしてましたよ!)

こちらこそまた色々教えて下さーい。
この手の音楽(黒っぽい音楽)…に限らすあちこちに登場させてくださいね。

↑↑↑ このサントラ盤も、気長に探せばですけど、
最近も何度か見かけたので、
前に申し上げたミーシャ・パリス(小田 育宏さんの記事関連)と同様、
250円コーナーで充分見つけられると思いますよ。
Commented by kaz-shin at 2008-07-06 21:26
Kenny Uさん、こんばんは。レスが遅くなってゴメンナサイ。
あの特注の棚にCDやレコードが綺麗に整頓されている光景を想像しています。圧巻でしょうねぇ。
私も整理整頓したいのですが、場所が無くて無造作にダンボールに詰めて何段も積んでいる状態です(笑)

最近BOOK OFFへ行っていないので、落ち着いたらゆっくり探してみたいと思います。
また面白いCD情報があったらぜひ教えて下さいね。
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