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高岡 早紀_Sabrina ◇ 2008年 05月 08日
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最近、アイドル系のアルバム紹介が増えてますが・・・、今回もアイドル系です(笑)
とは言っても、単なるオヤジ趣味ではありませんよ。発売された当時は全く興味が持てなかったのに、実際に聴いてみると思いの他面白いアルバムや楽曲に出会えるののがアイドルものなんですね。今回紹介する高岡 早紀もそんな一人でした。当ブログにいつもコメントを頂戴するkotaroさんにお薦め頂いたのですが、少し前にBOOK OFFでこのアルバムが250円で売られていたので、興味本位で買ってみました。ところがこれが実によく出来たアルバムでして、もっと早くに聴いていれば良かったと後悔しました。

1980年代終盤頃というのは、もはやアイドルの衰退期と言っても良い時代でした。アイドル系に変わって"ガールズ・ポップ"が台頭し始めた頃でもありました。谷村 有美辺りはまさに"ガールズ・ポップ"のはしりと言えるでしょう。その反面、美少女系アイドルも頑張っていて、高岡 早紀、小川 範子、宮沢 りえ、観月 ありさ等は結構頑張っていました。しかし、私には彼女達はシンガーというイメージが全く無かったのも事実で、まともに楽曲やアルバムを聴いたことはありませんでした。

前置きが長くなりましたが、今回紹介するのは高岡 早紀が1988年にリリースした1stアルバム『Sabrina』です。1stアルバムとは思えない程、よく練られたアルバムだと思います。例えるなら"日本人の手によって制作されたフレンチ・ロリータ"とでも言いましょうか・・・。
当時の所属事務所であるボンド企画の高杉 敬治と、数々のアイドルを手掛けた大物プロデューサー・飯田 久彦が手を組み、加藤 和彦、清水 信之、千住 明を迎えて上質かつバラエティに富んだヨーロピアンの香り漂う楽曲を集めて制作されたアルバムです。歌は上手くはありませんが、当時16歳(高校生)とは思えない表現力、色気には驚かされます。

『高岡 早紀 / Sabrina』
01. 野蛮な憂鬱
02. ×××のデザート
03. ナイフの鳥、綺麗な石
04. 太陽はひとりぼっち
05. SLEEP WALKER
06. 真夜中のバレリーナ
07. 悲しみよこんにちは
08. ROSE
09. 眠れぬ森の美女
10. ガラスの夜想曲

清水 信之作・編曲による01。いかにも清水 信之らしいアレンジで、ポップな曲調ながらどこか物憂げな感じの高岡 早紀のヴォーカルが印象的です。度胸が良いのか、才能なのか、堂々とした歌いっぷりです。

加藤 和彦らしさ全開のフレンチ・ポップ色の強い02。この曲での高岡 早紀のヴォーカルには驚かされました。とても高校生とは思えないコケティッシュな雰囲気と歌声、凄い存在感です。おそらく加藤 和彦のヴォーカル・ディレクションなんでしょうね。魅力たっぷりのナンバーです。

清水 信之作・編曲によるヨーロピアン・ポップ・ナンバー03。憂いのあるメロディーと打ち込み主体ながら嫌味の無いサウンドは、清水 信之ならではですね。この曲では素直な歌い方で、アイドルらしい楽曲に仕上がってます。

イタリアン・ポップスの香りのする04は、加藤 和彦の作・編曲によるナンバー。一面の向日葵畑を照らす輝く太陽を感じさせますね。いかにもヨーロッパの夏を連想させる曲調が心地良い1曲です。

何だかミカ・バンドを聴いているような錯覚に陥る05。加藤 和彦の作・編曲です。それにしても高岡 早紀は色んなタイプの曲を器用に歌いこなしますね。リズム感もかなり良いですね。曲によって声質も多少変わるのも魅力ですね。

加藤 和彦のアルバム『VENEZIA』に収録されていた曲のカヴァー06。それまでの5曲とは違って美しいストリングスをバックに、流れるようなワルツが心地良いです。千住 明のアレンジが光る1曲です。力みの無いヴォーカルが曲によくマッチしています。

イタリアン・ポップスをスペクター・サウンドで装飾したような07。綺麗なメロディーと繊細なアレンジを聴くと、さすがに加藤 和彦だなと思いますね。シングル・カットされたようですが、それも納得できるクオリティの高さです。

イタリアの次はフランスですね。陽のイタリアに対し、独特な暗さと言うのか陰鬱な雰囲気があります。しかし、加藤 和彦の書くメロディーはあくまでも美しく、耳に優しいですね。

2ndシングル曲としてリリースされた09。ヴァイオリンの音色が美しく印象的なナンバーです。キャッチーなメロディーで良い曲だと思いますが、ヒットするタイプの曲では無いと思います。実際にどれだけ売れたのかは分かりませんが・・・。サビ部の歌詞にある「バーブラ プーシュカ」というのは何かの呪文なんでしょうか?

千住 明作・編曲による美しいバラード曲10。夜想曲のタイトルに相応しいアレンジとヴォーカルが光ります。高岡 早紀のヴォーカルは、本当に高校生とは思えない表現力と魅力的な声質を持っていますね。

80年代に入ってからは、RAJIEや大貫 妙子、小林 麻美等がヨーロピアン嗜好の強い作品をリリースしてきましたが、いずれも大人が歌うフレンチ・ポップであり、イタリアン・ポップでした。この高岡 早紀のアルバムは大人には出せない味、まさに"フレンチロリータ"という言葉に相応しい雰囲気を持っています。
私はグラビアや役者としての高岡 早紀しか知りませんでしたが、こんなに魅力的な歌を歌っていたとは・・・。
単なるアイドル系のやっつけで作ったアルバムではありません。
興味のある方はぜひ聴いてみて下さい。想像以上に面白く、良いアルバムですから。
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by kaz-shin | 2008-05-08 00:00 | J-POP | Trackback | Comments(12) | |
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Commented by まつのすけ at 2008-05-08 01:37 x
でもオヤジ趣味に見えてしまうのは、私だけでしょうか(爆)
高岡さんって、やはりこの時から悪女の雰囲気がありますよね。80年代のアイドルが嫌いな理由として、特有の青くささを挙げたのですが、高岡さんはなさそうな気がしますね。アイドルがアイドルフリーク以外の支持を広げるためには、特有の青くささは無くす必要がある気がしました。Perfumeを例に取れば、テクノという音で、アイドル特有の青くささを打ち消すことによって、支持を広げたのですが、アイドルというよりもアーティストであることが要求されているように思えるのです。とあるアイドル評論家のコメントを借りて言えば、90年代からそれが顕著になったということです。
Commented by まつのすけ at 2008-05-08 01:50 x
でも、アイドルのアーティスト化は、小室系に見られるように、音の画一化という皮肉な面もあるように思えます(おそらく、この点では哲学猫さまたちと近いと思いますが)。私がアイドルを嫌いな理由としては、アキバ系というイメージがありますが、やはりモーニング娘。というアイドルの消耗品化が大きいですね。アイドルに対して否定的な一面を、私が持っているのは、必ずしもアイドルを必要としない世代であるということを、ご理解していただき、私の拙文が新たな問題提起になれば嬉しいです。
Commented by kaz-shin at 2008-05-08 09:56
まつのすけさん、こんにちは。いつも興味深いコメントありがとうございます。
まつのすけさんはアイドル系の話題になると敏感に反応しますね(笑)

私の"Music Avenue"というブログは、アーティスト自身を紹介するのでは無く、
私が聴いて面白い、気持ち良い、感性を揺さぶられた作品(アルバム)を紹介したくて
始めたブログです。ですから、その作品をリリースしたのがアイドルだろうが、アーティストであろうが
私にはあまり関係無いんですよ。
アイドル系という言葉を使うのも伝わりやすいであろうと思い、便宜上使っているだけで
基本的に私には垣根が無いんです。
作品が良ければ新旧に拘らず紹介しようと思っていますが、残念ながら最近の作品は
私の琴線に触れる作品が少ないだけのことです。
Commented by kaz-shin at 2008-05-08 10:04
まつのすけさん、続きです。
私は今とは比べものにならないくらい、情報量の少ない70年代から音楽鑑賞を趣味としてきた人間で、
アーティスト(作品をリリースした人という意味です)との接点は楽曲であり、アルバムだけだったんです。
ですから、作品が自分にとって良いものであればそれで良いんですよ。

前にも書いてますが、私はアーティスト自身については何の興味も無いんです。
そんな訳で、このブログで書いている記事はあくまでも私のお気に入りの作品であることをご理解頂けると嬉しいですね。
Commented by hisa at 2008-05-09 22:43 x
私も作品が先ですね。いわゆるアイドル系はかなり持ってますが、気に入った作品を歌っていたのがたまたまアイドルといわれている人だったという感じです。
Commented by まつのすけ at 2008-05-09 23:55 x
失礼しました。実は、大学生の頃、J-POPの研究をしていたこともあって、アイドルは研究の対象としては好きなんです。謂わば、哲学者もどきの未熟者と言ったとこですね。おっしゃることは、了解しました。
Commented by kaz-shin at 2008-05-11 22:30
hisaさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
レスが遅くなってしまい、すみませんでした。
私のように昔からクレジット買いをしていた人間は、やはり作品が良ければそれで良しという思いが強いですね。
クレジット買いのおかげで、新人だろうがそれまで全く聴いていなかったアーティストでも抵抗無く買えました。
そのおかげで色んなアーティストにも出会えたので、振り返ってみても良かったと思ってます。
Commented by kaz-shin at 2008-05-11 22:34
まつのすけさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
レスが遅くなりました。ごめんなさい。
そうですか、J-POPの研究していたんですか!?
私の場合、聴く専門でした(笑)
良い作品を探すことが楽しかったですね。友人の誰もが知らないアーティストを発掘しては
自慢したりしてました。
情報量が少なかったですから、作品で判断する以外に判断材料が無かったというもありますよ。
今でも聴いて楽しければそれが自分にとっての良い音楽というのは変わっていません。
Commented by kotaro at 2009-08-09 06:18 x
ようやくコメントつけます。
酒井法子の事件は大きな事件になりました。考えさせられたことが多くあります。「アイドルはイメージが大事」と同じビクターの小泉今日子が歌の中で言ってたとおり本音と商品としての私、その中で生身の人間としてどう生きるか、ではないでしょうか。
松田聖子に「Star」という曲があります。「恋の悩みもある、時間がなくてファンにごめんね、私も一人になれば女、でもいいでしょ」そんな内容でしたと思います。
高岡早紀さんもこの16の時からはっとする部分がありました。早熟を音楽で押し込めて、ヨーロピアンでデコレートした禁断のケーキのよう。その後の生き方も奔放だけど実像と虚像の差に無理がなかったのでしょう。
のりピー、もう無理だと思います。その差を埋める方法を間違えましたね。
Commented by kaz-shin at 2009-08-09 08:53
kotaroさん、コメントありがとうございます。
酒井法子の一件は本当に驚きました。
不謹慎かも知れませんが、覚醒剤を所持していたことより、逃げていたという事実にショックを受けましたね。
ある意味ではアイドルというのは、仰るようにイメージを売るということなのかも知れません。
上手く方向転換して頑張っているタレントさんも存在する中、あくまでも"酒井法子"というブランドに拘り過ぎたんでしょうかね・・・。
亡くなった父親や弟のことを含め、色々な噂は耳に入っていましたが、ななんだかとても残念という思いです。
Commented by DNA at 2011-10-12 23:01 x
彼女のアルバムは、アイドルというよりアーティステッィクな印象を受けます。
「野蛮な宝石」も大好きですし、
「ペテン師バッドムーン」「セザンヌ美術館」という曲も大スキです。

私もどちらかというと広く浅くなので、
普通の人よりは詳しいと思うんですけどもっとすごい方々もいらっしゃいますし・・・。
Kaz-shinさんもスゴイ思います。
いつもそう思いながら拝見させていただいてます。
Commented by kaz-shin at 2011-10-16 01:18
DNAさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
普通の人よりはるかに詳しいと思いますよ~(笑)
私よりも数段上だと思いますし・・・。
それにしても私のブログに集ってくれる方々は、女性アーティスト、女性シンガーに詳しい人が多くて驚かされます。
もっと勉強しなければいけませんね。
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