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大滝 裕子_ミリオン・キス + 8 ◇ 2008年 05月 11日
大滝 裕子_ミリオン・キス + 8_e0081370_2045635.jpg 

現在では廃盤となって入手困難なタイトルをリクエストによって復刻するという、Sony Music Shopのサービス「オーダーメイドファクトリー(OMF)」から、GW中の5月5日に届いた1枚を紹介します。現在はAmazonsのメンバーとして活躍しており、様々なセッションにおいてコーラス要員として活躍している大滝 裕子が、アイドル歌手時代の1980年にリリースした1stアルバム『ミリオン・キス』にボーナス・トラックとしてシングル曲や未発表曲8曲を追加して再発された『ミリオン・キス + 8』です。

大滝 裕子のアルバムを通して聴くのは初めてですし、楽曲についても詳しくは知らなかったのですが、後藤 次利のプロデュースによる1979年のデビュー曲「A BOY」は強烈に印象に残っています。サビ部の「ボーイ、ボーヤ、ボーイ」というフレーズは1度聴いたら忘れられないほど、強烈なインパクトがありました。OMFで再発の予約を開始した時に、アルバムもおそらく後藤 次利が絡んでいるだろうと思い、予約しました。そして無事再発が決定し、GWに届いた次第です。残念ながらスタッフやミュージシャンに関するクレジット類が一切無い為、詳しいことは不明ですが、アルバム収録曲19曲中7曲に後藤 次利が作曲あるいは編曲に関わっていますので、私の予想はさほど的外れでも無かったようです(笑)

『大滝 裕子 / ミリオン・キス + 8』
01. ヒラ ヒラ!
02. A BOY
03. ミスター・スモウク (BERNARD SONG)
04. クレイジー・マン
05. 離愁
06. バタフライ
07. ミリオン・キス
08. ノー・サンキュー・ブレックファースト、ママ
09. 愛のコザック
10. 黄色いかぶと虫
11. そばにいさせて (LET ME BE YOUR WOMAN)
Bonus Tracks
12. YOKOHAMA 24時
13. YOKOHAMA・ヘッドライト
14. 恋のウォーミング・アップ
15. 異性
16. P.S.アイ・ラブ・ユー
17. WANT YOU BACK AGAIN
18. MR. PRIVATE EYE
19. サラダ・モーニング

ロック色の強い01は、後藤 次利の作・編曲によるナンバーです。同じ後藤 次利が手掛けた1979年の福島 邦子のアルバム『I'm ready』の中のナンバー「時は気まぐれ」に似た雰囲気を持っています。ミュージシャンもおそらく福島 邦子の曲と同じようにロバート・ブリル(ds)、後藤 次利(b)、佐藤 準(key)、鈴木 茂(g)といったメンバーではないかと思います。堂々たる大滝 裕子の歌いっぷりも良いです。

一聴で後藤 次利のベースと判るイントロが印象的なデビュー・シングル曲02。記憶が正しければ、後藤 次利が初めてアイドルを手掛けたのがこの大滝 裕子だったと思います。Aメロではぶ厚いシンセ・ベースを使い、Bメロ~サビにかけて後藤 次利らしいベース・プレイに変わるところが面白いですね。やはり次利のベースの存在感は凄いです。

洋楽カヴァーの03。大滝 裕子の艶っぽいヴォーカルが魅力的な1曲です。それにしても新人離れした歌いっぷりを聴いていると、現在に至るまで歌の世界で活躍し続けていられるのも当然という気がしますね。渡辺 茂樹らしいアレンジです。

都会的で洒落たメロディーとアレンジが印象的な04。後藤 次利の作・編曲によるナンバーです。歌謡曲チックなメロディーとAORなメロディーが融合したようで、次利のセンスを感じる1曲です。ストリングスの使い方も上手いですし、アレンジも秀逸ですね。

作曲:岡本 一生、編曲:萩田 光雄によるボッサ調のナンバー05。70年代の香りを引き継ぐメロディー・ラインと職人・萩田 光雄のアレンジが絶妙にマッチしています。当時16~17歳が歌っているとは思えないですね。門 あさ美が歌っても似合いそうな1曲です。

後藤 次利の作・編曲による06は、それまでの曲に比べても歌謡曲といった趣が強い1曲です。例えるなら工藤 静香路線とでも言ったら分かりやすいかも知れません。個人的にはあまり好きになれない曲ですが・・・。

アルバム・タイトル曲07は、馬飼野 康二の作・編曲によるアイドル路線全開のナンバーです。軽快で明るい曲調で、大滝 裕子がアイドル歌手としてデビューしたんだと思い出させてくれる1曲です(笑)

作曲:南 佳孝、編曲:鈴木 茂による08。ゆったりしたリズムが心地良いポップ・チューンです。どこかオールディーズを彷彿させるメロディーが、いかにも南 佳孝らしいです。大滝 裕子のヴォーカルも曲毎に声質、表現力を微妙に変えていて、その器用さに驚かされます。

アイドル向けの歌謡曲といった趣の強い09は、後藤 次利の作・編曲です。キャッチーなメロディーも耳に残りますが、後藤 次利のベース・プレイも光っています。

08と同じ作曲:南 佳孝、編曲:鈴木 茂によるバラード・ナンバー10。哀愁漂うAメロ、スケールが大きさが印象的なサビ部と、展開が面白いバラードです。難しい曲だと思いますが、大滝 裕子は難なく歌いこなしています。伸びやかな歌声が素晴らしいです。

洋楽カヴァーのバラード・ナンバー11。洋楽のバラードらしいダイナミックな曲です。この曲でのヴォーカルも素晴らしく、大滝 裕子のヴォーカリストとしての資質、才能の高さに改めて驚かされた曲です。

12、13は1980年8月リリースのシングルです。2曲とも作曲:岡本 一生、編曲:井上 鑑によるものです。12はテクノ歌謡曲といった趣のナンバーで、CITY POP色の強い井上 鑑らしいアレンジが印象的なミディアム・ナンバーです。個人的には13の方が好みですね。

14は1980年10月リリースのシングル曲。椎名 和夫の作・編曲による心地良いCITY POP風ナンバーです。夏の終わりにぴったりくるような爽やかなポップ・ナンバーです。このアルバムの中でもかなりお気に入りの1曲で、今の時期にもぴったりな曲だと思います。アレンジが良いですよ。

15、16は1981年3月リリースのシングル。2曲とも作曲:筒美 京平、編曲:後藤 次利によるナンバーです。70年代のアイドル・ソングを彷彿させる15。まさに筒美 京平ワールド全開の1曲です。16はロック色の強い曲で、15とは対照的な1曲です。同じ歌手の曲とは思えない程色の違いがはっきりしています。

17は1986年11月にリリースされた「あぶない刑事」のテーマ(主題歌?)だった曲のようです。ゴダイゴのTommy Snyderの英語詞、三浦 一年の作曲、志熊 研三のアレンジによるAOR色の強いナンバーです。アイドル時代とは明らかに色が違う曲で、Amazons時代の曲に近いですね。この曲も大好きな曲です。

18は1987年6月にリリースされた「CITY HUNTER」のテーマ(主題歌?)だった曲のようです。この曲も英語詞で、Linda Hennrickが作詞、国吉 良一が作・編曲によるミディアム・ナンバーです。曲調からするとエンディング・テーマとして使われていたんでしょうか・・・。

未発表曲19は作詞、作曲、編曲者が不明となっているナンバーです。サウンド面から推測するとこの1980年~81年頃にレコーディングされた曲だと思いますが、どうも音的にもラフなミキシングしか施されていないようなので、一応レコーディングしたものの早い時期に没になったのかも知れません。パラシュート系のミュージシャンのサウンドが印象的です。悪い曲では無いですね。

ある意味でマニアックとも言えるこのようなアルバムが再発されるだけでも私にとっては嬉しいのですが、ボーナス・トラックが8曲も付いてアルバム2枚分のボリュームでリリースされるというのはこの上無く嬉しいですね。このボートラ8曲が加わったことで、歌謡曲チックな曲とCITY POP、AOR色の強い曲とが程よいバランスになって、バラエティに富んだ内容になっていますし、聴き応えのあるアルバムになっていると思います。
何よりヴォーカリストとしての大滝 裕子の魅力がたっぷり詰まったアルバムになっています。個人的にはお薦めのアルバムですが、如何せんOMFのアルバムは予約数だけの限定生産なので、一般には発売されません。アンコール・プレスの可能性もありますので、興味ある方はOMFのサイト(コチラです)を覗いてみては如何でしょうか。
次にOMFから届く予定なのが、以前紹介した河合 夕子の1983年のアルバム『不眠症候群』です。今から楽しみです。
by kaz-shin | 2008-05-11 22:10 | J-POP | Comments(16) | |
Commented by 哲学者になりたい猫 at 2008-05-11 23:10 x
ついにこの作品がきましたね。このアルバムは傑作だと個人的には思ってます。POPからROCKから様々なものを高い歌唱力を誇るこの人で試みたと言えますし、またいい意味で「アイドル」というカテゴリーだったからこそ何でもありで出来た一品だと思います。それにやはり驚いたのは最後までクオリティが高い楽曲が続いていた事です。売れない人だと得てして途中から投げやりな現代の観点からするとモンド的な曲を歌わされたりしがちなんですがスタッフが良かったんでしょうね最後まで力が入っています。(ただ最後の曲製作者不肖ってどうよっては思いますが(苦笑)製作に携わった人達怒ってるだろうなぁ)アニメの曲は主題歌じゃなくて挿入歌でした。よく闘いの直前やハッピーエンド前に流れていて印象的でした。あのアニメは曲が豪華で実は河合夕子さんも一曲挿入歌歌ってるんですよ。ただ今回個人的に一番嬉しかったのは本人から好意的なメッセージがちゃんと付いてた事です。河合さんの時と違い予告が無かったのでああやっぱり黒歴史扱いなんだぁと思っていたので。様々な場面でコーラスの仕事で現在でもお目にかかりますがこの時代の曲も聴いてみたいですね。
Commented by kaz-shin at 2008-05-12 01:04
哲学者になりたい猫さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
このアルバム、初めて聴きましたが確かに良い楽曲が揃ってますね。
後藤さんが作曲に編曲にと大活躍してますよね。そして何より大滝さんの
ヴォーカルの迫力に驚かされました。上手いですね。
バラエティに富んでいて楽しめるアルバムです。
Amzonsでは曲も書くようになっている大滝さんですが、本当に音楽的な才能に恵まれた人ですね。
Commented by kotaro at 2008-05-12 01:31 x
僕はミリオンキスのEP1枚だけ持っています。
やはり大学時の友人が「こりゃあええで」というので探してもとめました。
歌詞は〇〇〇〇ですが、ソウルフルな女の子やなあ、というのが感想でした。

今のようにカッコよく英語で日本人が歌える時代でもなく、歌謡曲の端っこだったけど、この人の出現は、ちょっとした事件でした。
僕も音楽全体の中から、興味を持ったものを探して聴くようにしています。
あまり先入観や外見にとらわれず、好きなものをハンティングしながら、続けていきたいと思います。
Commented by ぐま at 2008-05-12 08:01 x
はじめまして。
このアルバムは初CD化の際に購入したのですが、「+8」と聞くと、また欲しくなりますね。アイドル時代の音源は、これで全てCD化されたんでしょうか?
ジョアのCMソング(小柳ルミ子の後任ってことで話題になった)、クリアな音で聴いてみたいものですw。
私のお気に入りは、01と13でしょうか。『YOKOHAMA~』は、シングルを買って、B面ばかりを聴いていた記憶があります。

そういえば。
大滝裕子さんといえば、当時、桑江知子さんと一緒にラジオをやってましたね。二人とも好きだったんで、毎週のように録音して聞いていました。

ところで。桑江さんのアルバムもあと2枚。『Mr.Cool』と『TOMOKO Ⅰ』のCD化を期待しているのですが、あまり話題に上らないようですね…。特に移籍後の後者は…_| ̄|○
映画版・ヤマトの挿入歌ほか、名曲がいっぱいなんですけどねぇ。残念っスわ。

また、寄らせていただきます。
Commented by トシユキ at 2008-05-12 09:21 x
CMで声を聴いた時にはまだ中学生になったばかりのような気がしますが、女性シンガーという存在を意識した最初のきっかけで今に至ったように思います。
やはり1フレーズ聴いただけでも何か他と違う光るものを感じたのだと思います。結局、レコードなど買わずじまいで私にとっては、気高い存在ですが、聴きたくなっても聴けないというのは残念ですね。
Commented by daisuke_Tokyocity at 2008-05-12 20:44
こんばんは!
僕もこのCD買いました。初CD化の時買い逃し、某オークションでも5桁はいったのでオーダメイドでの再発はうれしかったですね、しかもボートラ+8ですからたまりません。

椎名和夫作・編曲の14はきめ細かいアレンジが最高で、これまた歌が上手い大滝さんの声とマッチしておりますね。それだけ実力あるシンガーの証拠でしょうね!
新しいソロアルバム、作ってほしいな!
Commented by kaz-shin at 2008-05-14 00:42
kotaroさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
レスが遅くなりました。すみませんでした。

当時はそれほど感じなかったことが、今の時代になって聴き直すと改めて感じることが多くて驚くことがあります。
当時何気無しに聴いていましたが、その歌の上手さや凝ったアレンジ等こうやって今じっくり聴くのも楽しいですね。
Commented by kaz-shin at 2008-05-14 00:47
ぐまさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
拙いブログですがこれからもよろしくお願いします。

桑江さんのアルバムもレコードでよく聴いてました。CDで聴きたいと思っているのですが、
BOOK OFF等の中古店でもベスト盤以外は見かけたことがありません。
ベスト盤を否定はしませんが、コンセプトのしっかりしたオリジナル・アルバムはやはり面白いですからね。
未CD化のアルバムも含めて再発して欲しいですね。
Commented by kaz-shin at 2008-05-14 00:51
トシユキさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
OMFの再発は予約数だけで、店頭に並ばないのが残念です。
しかし、評判の良いアルバムはアンコール・プレスという形で再発されることもありますので、
もし興味があればOMFのサイトを定期的にチェックしてみて下さい。
以前紹介した大野雄二さんや河合夕子さんのアルバムもアンコール・プレスで再発されてました。
Commented by kaz-shin at 2008-05-14 00:56
daisukeさん、こんばんは。コメントとTBありがとうございます。
最近は毎日覗けてませんが、daisukeさんのブログは必ずチェックしてますよ。
本来は私の方からTBさせていただくのが筋なんですけど・・・すみません。

椎名さんの楽曲14は良いですね。初めて聴いた曲だったんですが、その出来栄えの良さに虜になった曲です(笑)
最近はこの手のアレンジが少なくなって淋しい気がします。
Commented by おっりょー at 2008-06-20 21:01 x
なんでミリオンキスを初めとして彼女の歌が売れなかったのはホント不思議でしょうがない。
今日も会社の帰りに聞いてたけど、メロディアスな歌が無い今に出しても全然違和感ないな。 売れるよ。
 ヒットしなかった名曲ばかり集めていたおっりょーです。
Commented by kaz-shin at 2008-06-21 09:32
おっりょーさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
おっりょーさんとは同い歳みたいですね。学年は私が一つ下になるかも知れませんが・・・。
これからもよろしくお願い致します。
最近の復刻ブームというのは単に懐古主義的なものではなくて、おっりょーさんの仰るように
メロディアスな曲が減ってきている現在のJ-POPシーンへのアンチテーゼなのかも知れないと
感じる時があります。大滝さんも今だからこそ聴いて欲しいアーティストですね。
私もヒットしなかった名曲を聴くのが大好きです(笑)
Commented by berry at 2009-04-18 14:04 x
はじめまして。
kennyさんの所からやってきました。
大滝裕子さんは、週間セブンティーンの読者モデルのような専属で何かをされていたので、中学の頃に何度か雑誌で見た事があります。
すごくセンスよくて、当時流行ってたものを先取りされて紹介されてました。
今の読者モデルさんのような感じ。

そんな彼女の歌を初めて聞いた時、パンチのある歌声と洗礼された曲で、ますます好きになったような気がします。
Commented by kaz-shin at 2009-04-20 20:13
berryさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
kennyさんのお友達でしたか!kennyさんには色々お世話になっています。
こんな拙いブログですが、今後ともよろしくお願いします。

大滝さんがモデルをされていたのは存じませんでした。
でもボーイッシュでスタイルも良いので、モデルをしていたと聞いても違和感を感じませんね。
今尚現役で歌を歌い続けていらっしゃるのは、やはり彼女がシンガーとして本物であると証拠なんでしょうね。
またソロ・アルバムでもリリースしてくれたら良いのになんて、好き勝手に思っています(笑)
Commented by DNA at 2011-10-12 23:17 x
私もこのCDはOMFで買いました。
シングルレコードでもかなり入手困難なものもありますし、
それに加えてサントラの曲や未発売曲もプラスとあらば聴かずにはおれません。

アイドルという売り方が良くなかったんでしょうか。
売れない女性アイドルが集結していた1979年デビューというのも運命かもしれませんね。

でも、以前のCD化された復刻盤より音が悪いですね・・・。
全編、無音部分で「サー」って音が鳴ってます。

未発売曲「サラダモーニング」を聴いた時、「あれー?」って思ったら、
東京パフォーマンスドールの米光美保の「予感」だったんですね。
米光美保の「予感」は大滝裕子のお蔵入り曲をカバーしたという事ですが、
それがコレ(サラダモーニング)だったんですね!
Commented by kaz-shin at 2011-10-16 01:22
DNAさん、コメントありがとうございます。
SonyのOMFも良いシステムだと思うのですが、なかなか自分の希望通りにいかないのも歯痒いですね。
そういう意味ではコロンビアのOn Demand CDというのは、良いシステムですね。
ぜひともSonyも同じようなシステムにして欲しいものです。長い目で見れば利益はでるような気がするんですけどね。
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