どうして休みというのは、時間が経つのが早いのでしょうか。夏休みも今日で終わり。それにしても通常の仕事をしている時と、休みの時とでは同じ時間でも、休みの時の方が2倍も3倍も時が経つのが早く感じるのは、何故なんでしょうね(笑)
さて、今回紹介するのは、1988年リリースの木村 恵子の1stアルバム『STyLE』です。鈴木 茂のプロデュースによるライトメロウな雰囲気が詰まったCITY POPなアルバムで、私のお気に入りの1枚になっています。
以前、彼女の3rdアルバム『CAFE 1984』(1989年)を紹介しました。『CAFE 1984』では、ソングライターとしての木村 恵子の魅力が詰まったアルバムでしたが、この『STyLE』では彼女の気怠い感じのアンニュイなヴォーカルが魅力的で、鈴木 茂の素晴らしいアレンジとの相乗効果によってCITY POP色の強い作品に仕上がっていると思います。
曲を提供している作家陣も豪華で、作詞は松本 隆、湯川 れい子、安井 かずみ、作曲には鈴木 茂、杉 真理、加藤 和彦、門 あさ美という顔触れです。木村 恵子も作詞で2曲、作曲で2曲加わっています。
『木村 恵子 / STyLE』
01. Good Morning
02. 泉に誘って
03. 電話しないで
04. シンジラレネーション
05. 水の都
06. コルトレーンで愛して
07. Do you remember me
08. 黒いマニキュア
09. Good-bye Eggman
10. シャレード'88
軽快なギター・カッティングが心地良いAOR風アレンジが印象的なCITY POPナンバー01。どことなくアル・ジャロウの名曲「Mornin'」を彷彿させますね。爽やかなサウンドと気怠さ漂う木村 恵子のヴォーカルとが絶妙にマッチしています。作詞:松本 隆、作・編曲:鈴木 茂です。
ボッサ調のメロウ・ナンバー02。木村 恵子の声質にボッサは本当によく似合っています。間奏のアコースティック・ギター・ソロも渋いです。メロディー云々ではなく、とにかく雰囲気が最高に良いですね。作詞:松本 隆、作・編曲:鈴木 茂です。
グルーヴィーなミディアム・ナンバー03。都会的でCITY POPと呼ぶに相応しい1曲だと思います。雰囲気的には80年代初め頃のCITY POP全盛期を思わせる曲で、この手の曲が大好きな私としては凄く喜ばしい1曲です(笑)。この曲も作詞:松本 隆、作・編曲:鈴木 茂です。
作詞:木村 恵子、作曲:杉 真理、編曲:鈴木 茂によるミディアム・ナンバー04。洒落たメロディーが印象的で、POPSの職人・杉 真理らしさを感じる1曲です。木村 恵子のヴォーカルともよくマッチしています。
作詞:松本 隆、作・編曲:鈴木 茂によるバラード・ナンバー05。美しいメロディー・ラインとストリングス・アレンジが耳に残りますが、この曲で1番印象的だったのは、いかにも松本 隆らしい歌詞でした。良い曲だと思います。
作詞:湯川 れい子、作・編曲:鈴木 茂によるボッサ調のしっとりとしたナンバー06。これも雰囲気があって良い曲ですね。木村 恵子のヴォーカル・スタイルに似合うようなアレンジを施している鈴木 茂のセンスには脱帽と言った感じです。
1980年に岡崎 友紀がYUKI名義でリリースし、大ヒットした曲のカヴァー07。数多いカヴァーが存在する安井 かずみ、加藤 和彦夫妻による名曲ですね。鈴木 茂のアレンジは、オリジナルのイメージを壊すこともなく、オーソドックスなPOPチューンに仕上げています。
作詞:松本 隆、作曲:木村 恵子、編曲:鈴木 茂によるアンニュイなナンバー08。彼女の音楽のベースは、ブラジル音楽だったり、ボサノヴァだったりするんだろうなと感じる1曲ですね。インパクトの強さはありませんが、聴けば聴くほどに味わい深い、そんな曲です。
作詞・作曲:木村 恵子、編曲:鈴木 茂によるミディアム・ポップ・ナンバー09。ジョン・レノンを歌ったナンバーで、ビートルズ・ナンバーの曲名が歌詞に沢山登場します。アルバムの中でもガールズ・ポップという言葉が1番似合うナンバーかも知れません。
作詞:湯川 れい子、作曲:門 あさ美、編曲:鈴木 茂による10。門 あさ美の曲ということで期待したんですが、初期の作風ではなくヨーロピアン・サウンドに傾倒していた頃の影響を色濃く感じる曲でした。決して悪い曲ではありませんが、もっと門 あさ美らしい色香の漂う曲が聴きたかったです。
1988年頃と言えば、打ち込み系のサウンドが幅を利かせていた頃でした。そんな中でもこのようなCITY POP色の強いバンド・サウンドに拘っていたのは、やはりプロデューサーでありアレンジャーの鈴木 茂の影響なのでしょうね。CITY POPが大好きな私にとって、01~03の流れは素晴らしく、大好きなナンバーになっています。他の曲も繰り返し聴いても厭きのこない感じの曲ばかりです。CITY POP好きな方には、ぜひ聴いて欲しい1枚です。
BOOK OFF等の中古店を探せば見つかると思いますし、駄目ならR盤で入手可能です。
夏の終わりから初秋にかけて気持ち良く聴けるアルバムとしてもお薦めです。
卒業30年、キャンディーズ解散と同じです(笑)
さて、木村恵子さんですが、私はこの1枚しか聴いたことがありません。
当時、鈴木茂氏がラジオで紹介していたので早速試聴。でも、いま手元にないのでこのジャケット写真を見てハッとしたところです。
いいですね、眉毛のメイクは時代を感じますが、僕はこのくらいの方が好きです。
あ、音楽の話でした。すいません。 何度も繰り返して聴いたのですが
茂さんファンの私ですが、強い印象は残っていません。
部分的には好きな所は多いのですが、彼女のめざしていた(と思うのですが)「悪女」路線と、鈴木さんのからっとしたサウンドクリエートが「ちょっと違うかな」と、そんな感想が残っています。
木村恵子というやや平凡な名前と、数年後の「M」を打ち出した
ギャップにはびっくりした記憶がありますが、確かに美人、でもなんだろう。
LPやカセットテープが廃れてCD中心に移行の時期、このジャケット写真が30センチだったら楽しみも増したでしょうね。
過渡期ゆえの悲哀だったのか、インパクトに欠けた感はありました。
そろそろかな、おかしいな、と想ってました。
確かに眉の太さに時代を感じますね(笑)
名盤と呼べるかと言われれば"?"ですが、個人的にはこの気怠い感じは結構好きです。
その割にはサウンドはkotaroさんの仰る通りカラッとしており、そのアンバランスな面白さが気に入ってます。
もしかしたら今聴いたらまた違った印象を持たれるかも知れませんよ。
私もそういう経験が多いですから・・・(笑)