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河合 夕子_不眠症候群 ◇ 2008年 09月 17日
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今回紹介するのは、現在では廃盤となって入手困難なタイトルをリクエストによって復刻するという、Sony Music Shopの「オーダーメイドファクトリー(OMF)」で、9月16日に発売(予約数のみの販売)されたアルバムで、1983年にリリースされたシンガー・ソングライター、河合 夕子の3rdアルバム『不眠症候群』です。
実は今年の3月に同じOMFから彼女の2ndアルバム『フジヤマ・パラダイス』がリリースされ、その時もレビュー記事を書きました。(過去記事はコチラです)
わずか半年の間に2枚のアルバムがリクエストによって復刻した訳ですから、きっと根強いファンが多かったのでしょうね。
音楽的にもメロディーもキャッチーですし、ポップスと歌謡曲が融合したような今の時代では聴けなくなってしまった音楽が楽しめます。

『不眠症候群』は、前作の路線を引き継いだかのようなオリエンタルなジャケットになっています。確かにオリエンタルな雰囲気の曲もありますが、どちらかというと歌謡ポップ路線が色濃く出てきており、全曲のアレンジを担当した水谷 公生によってロック色の強いもの、ちょっとマイナーな感じのミディアム・ナンバー等、バラエティに富んでいます。河合 夕子のヴォーカルにも余裕が感じられて楽しんで聴けるのが特徴です。
最近のCD化、再発ではボーナス・トラックが収録されるケースが多いですが、本作も例外では無く、1982年にカセットテープのみでリリースされた唯一のベストアルバム『オールナイトHong Kong』からの選ばれた6曲に、アルバム未収録曲1曲を加えた7曲が収録されたのも嬉しい限りです。

『河合 夕子 / 不眠症候群』
01. 摩天楼サーカス
02. 舞踏会の絵(デカダンスは私と・・・)
03. 千年カスバ
04. ペルシャン・ルージュ
05. 不眠症候群
06. ペパーミント・デイズ
07. スノー・ビーチ
08. 赤色エアロビクス
09. 避暑地の雨
10. 去年の夏、エーゲで
Bonus Tracks-1
『オールナイトHong Kong』ダイジェスト
11. 話術師による話(小林 克也)~東京チーク・ガール
12. 話術師による話(田代 マサシ&河合 夕子)~ハリウッド・ヴァケーション
13. 話術師による話(小林 克也)~チャイナタウンでスクールデイズ(香港街学校日々)
14. 話術師による話(小林 克也)~蝶々夫人のララバイ
15. 話術師による話(小林 克也&河合 夕子)~東洋微笑
16. 話術師による話(田代 マサシ&河合 夕子)~ヨコハマ・エナジー
Bonus Tracks-2
17. REDS AEROBICS(JAPANESE ENGLISH)

河合 夕子の十八番とも言えるオリエンタルなポップ・ナンバー01。"おセンチ・キャラメル おひとついらんかね"というフレーズが強烈に印象に残ります。オリエンタルな雰囲気の中にも歌謡曲チックな味付けが楽しいナンバーです。

重厚なビートを利かせたミディアム・ナンバー02。この曲も歌謡曲全盛時代のアイドル歌手が歌っていそうな曲に仕上がっています。歌謡曲風メロディーとヘビーなサウンドのアレンジのアンバランスが面白いですね。

タイトルからも分かるように、アラビアンな雰囲気を持ったナンバー03。水谷 公生のアレンジが若干Too Muchな感じもしますが、何故か惹き付けられるメロディーと力強い河合 夕子のヴォーカルが魅力的です。

今度は中近東が舞台ながらオリエンタル・ムードたっぷりといった不思議なナンバー04。アレンジ次第では久保田 早紀が歌っても似合いそうな曲かも知れません(笑)

アルバム・タイトル曲05。赤ちゃんの泣き声で始まります。確かにこの泣き声が続いたなら、眠れないでしょうね。テクノ・ポップっぽいアレンジですが、メロディーは結構洒落ていると思います。アレンジによって印象が変わるタイプの曲だと思います。好きな曲のひとつなんですが、どうしてもアレンジに納得がいかない曲です(笑)

ピュアなポップ・ナンバーで、いかにも80'sらしいPOPチューンに仕上がっている06。河合 夕子というとどうしてもオリエンタルなイメージが強いのですが、こういう曲をもっと聴かせて欲しい気がします。彼女のヴォーカルも他の曲に比べると凄くキュートです。

正統派の美しいバラード曲07。どうしてもイメージが先行してしまってオリエンタル・ムードの曲を書いていたけれど、本当はこの手の曲の方が得意なのではないかと思います。スタッフ次第でCITY POPの分野でも勝負出来たと思うのですが・・・。

確かにエアロビクスに最適なリズムで、明るく楽しいポップ・ナンバー08。元気一杯に歌っている河合 夕子と全盛期のEPOが何故かダブリました。最近こういう楽しい曲が少なくなりましたね。

今度はヨーロピアン・タッチかと思いきや、JAZZYな香りの強い09。かなり渋い曲だと思います。この曲もアレンジで化ける曲ではないかと思ってます。作曲家としての才能を感じさせる曲ですね。雨がテーマの曲なんですが、河合 夕子のヴォーカルも湿った感じを出していて、ヴォーカリストとしても前作よりも成長しているのが分かります。

美しいバラード曲10。01や08とこの曲を同じ人(もちろん河合 夕子ですが・・・)が書いたというのが驚きです。やはり彼女はCITY POP路線でも成功したと思いますね。デビュー時の彼女のビジュアル的なイメージや曲のイメージが、方向性を狭めてしまったのでしょうかねぇ。

11~16迄は、"スネークマンショー"的な喋りと曲がセットになっています。カセットのみの企画だったようですが、80年代には面白い企画が沢山ありました。このボートラで嬉しいのは、11、12、13の3曲が1981年の1stアルバムからの曲だということなんです。この1stも入手困難なので、ぜひとも再発して欲しいものです。
デビュー曲でスマッシュ・ヒットとなった名曲11。爽やかなサマー・ソングです。ビーチ・ボーイズ風コーラスはおそらく町支 寛二でしょう。
12は夏を意識したオールディーズ風バラード・ナンバーです。この頃の水谷 公生のアレンジは結構好きなんですが・・・(笑)
タイトルほどオリエンタルな感じはせず、オールディーズ風なポップ・ナンバー13。
14、15、16は2nd『フジヤマ・パラダイス』からのナンバーで、17は08の英語ヴァージョンです。

正直なところ、河合 夕子の書いたメロディー、ヴォーカルに何の不満も無いのですが、本作に限っては水谷 公生のアレンジがどうもしっくりきません。
明確な理由は無いのですが、どうもチグハグな印象を受けてしまいます。個人的な意見ですが、このアルバムのアレンジが井上 鑑だったらもっと良くなっていた気がします。
井上 鑑は、山口 未央子のアルバムでもオリエンタルな雰囲気を前面に出した素晴らしいアレンジを聴かせてくれていますし、CITY POP風なアレンジはもちろん得意ですからね。もっともっと洒落たアルバムになっていたような気がします。
その辺りで多少残念な気がしますが、どこか懐かしくキャッチーなメロディーは文句無く魅力的です。機会があったらぜひ聴いてみて下さい。
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by kaz-shin | 2008-09-17 23:30 | J-POP | Trackback | Comments(5) | |
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Commented by ぐま at 2008-09-19 07:52 x
本作はレコードで持っていましたが、当時「ジャケット、何じゃこら?」と思った記憶が……。
作品自体は好きなんですけどねw。
『赤色エアロビクス』も当然EPで、B面の英語ヴァージョンばかりを聴いていましたっけねぇ。

いやぁ、懐かしい♪

結局手に入らず終いだったカセット企画。
『リトル・トウキョウ』からは、できれば『北京挫折街』を採用して欲しかった!
あと『フジヤマ・パラダイス』からは、『タイトル・スーパーマーケット』……( ̄▽ ̄;)
この2曲、いちばん彼女らしいテイストだと思うんですがw。
ホント、CDで再発して欲しいですね。

いつもアリガトウございます。m(_ _)m
Commented by kaz-shin at 2008-09-20 23:48
ぐまさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
確かにジャケットは"何じゃこら?"ですよね(笑)
結構ジャケットで損をしていると思うのですが・・・。
内容は良いのですし、勿体無い気がしますね。
こうなると1stアルバムの再発をぜひともお願いしたいです。
Commented by 哲学者になりたい猫 at 2008-10-01 22:59 x
ようやくじっくり聴いてみました。確かに、井上さんやもしくはよりテクノ寄りの清水信之さんで聴いてみたいって思いは沸き起こってきますね。ただ、そうなると都会的でオシャレになってこのような歌謡曲風POPと少し違ってきちゃうでしょうけどね。活動期間が短かったとはいえ三枚とも河合ー売野ー水谷=エキゾチック路線で貫いたというのはある意味コンセプトが一貫していたといえますが、もうすこし一般的な曲調も聴いてみたかったなぁという感想はありますよね、ここまで声質も歌も魅力的だと。こういうエキゾチック路線は本人が望んだのか、事務所の意向だったのか謎ですが、綺麗で歌が上手い人はたくさんいる中で独自色を出そう…という事だったんでしょうけどね。基本的には多作な人ではなく苦労してひねり出す人であったのか裏方転進は作曲家ではなくボイス・トレーナの方に行った人ですが今の彼女が作り出す自作の歌も聴いてみたいですよね。あとは1St復刻を待つのみ、 kaz-shinさん…「フジヤマ…」レビューPart2も忘れないでいつの日かお願いしますね^_^;
Commented by 哲学者になりたい猫 at 2008-10-01 23:07 x
ご免なさい、書き忘れたことを一つ。カセットの方はつまらなくはないですけどやはりスネークマンショーって傑作だったんだなぁ思いましたね。ただ意外に河合さん声の演技が出来ていて、小林さんと田代さんの芸達者振りが凄いですね。本当に田代さんは惜しい事をしたものだと…実感させられます。
Commented by kaz-shin at 2008-10-02 00:37
哲学者になりたい猫さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
確かに歌謡曲風POPという側面もありますよね。それが河合さんの魅力だったと思います。
そんな中において07みたいな曲を聴くと、もしCITY POP路線を狙って井上鑑さんがアレンジを施したら
どんな風になっていたかななんて考えてワクワクしておりました(笑)
でも80年代って本当に面白い音楽で溢れてましたよね。

田代さんは才能豊かな人だっただけに本当に残念ですね。
話術も巧みでしたし、絵も上手く、お洒落でした。
何故あんなことになってしまったのですかね?芸能界というのは計り知れないですね(笑)
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