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カズ・マツイ・プロジェクト_Time No Longer ◇ 2009年 01月 25日
カズ・マツイ・プロジェクト_Time No Longer_e0081370_2312172.jpg 

今回紹介するのは、久しぶりのFUSIONネタです。しかも長い間ずっとCD化(再発)されるのを心待ちにしていたアルバムです。一時期は"CD化してくれ!"のカテゴリの中で記事を書こうと思っていた1枚なんですが、昨年12月にCOOL SOUNDより再発されました。
そのアルバムとは、L.A.に活動の拠点を置く尺八奏者であり、音楽プロデューサーである松居 和の初のリーダー作品『Time No Longer』(1981年)です。CDでは"カズ・マツイ・プロジェクト"名義になっておりますが、アナログ盤は"KAZU"名義になっており、『愛の黙示録』という邦題がついていました(個人的にはいただけないタイトルのような気がしてます・・・笑)。

当時のレコードの太い帯には、「この顔合わせを、いったい誰が予想できたか? 4大スーパー・ギタリスト世紀の競演!」と書かれており、「フィーチュアリング:ラリー・カールトン、リー・リトナー、スティーヴ・ルカサー、ロベン・フォード」の名前が載っていました。
この頃は「松居 和って何物よ?」って感じでしたが、FUSIONに嵌ってた時代でもあり、この4人のギタリストが参加しているというだけで、私にとっては購入する価値のあるアルバムだったんですね(笑)
尺八という楽器に関しても、1978年に横倉 裕が伝統的な和楽器を取り入れたFUSIONの名盤『LOVE LIGHT』をリリースしており、当時私の愛聴盤だった為に違和感なく聴くことが出来ました。

CDのライナー・ノーツによると、当初初のリーダー作はドン・グルーシンのプロデュースで制作される予定だったのが駄目になり、ドンの薦めもあって自分でプロデュースすることになったとか。その時にドンから紹介されたのが、ロベン・フォードだったそうです。たちまち意気投合し、前面的に協力をしてくれて完成したのが、このアルバムだったようです。確かにロベン・フォードは収録曲9曲中、6曲にギタリストとして参加。アレンジを4曲手掛け、曲も2曲提供しています。まさにロベン・フォード無しでは完成しなかったアルバムと言えるかも知れませんね。

そして驚くのは参加ミュージシャンの豪華さですね。前述の4人のギタリストに加え、Paul Jackson,Jr.(g)、Russell Ferrante(key)、Brian Mann(key)、Terry Trotter(key)、Victor Feldman(key)、Jeff Porcaro(ds)、John Ferraro(ds)、Vince Colaiuta(ds)、Alphonso Johnson(b)、Abraham Laboriel(b)、Steve Forman(per)、Alex Acuna(per)、Grant Gullickson(vo)、Carl Anderson(vo)等が参加しています。

『カズ・マツイ・プロジェクト / Time No Longer』
01. Overture (Rainy Moon)
02. Sunset And The Minstrel
03. Voice From The Dark
04. Dwarf's Workshop
05. Goblin Hunt
06. Farther On (Song from the Prison)
07. Bonfire (Centeredance)
08. The Desert
09. Time No Longer (The Great Time - Giant Wakes Up)

西洋と東洋の融合といった感のあるロック調FUSIONナンバー01。Robben Fordのアレンジ曲です。尺八という日本の伝統楽器の音色の魅力が上手く引き出されている曲だと思います。Robben Fordの泣きのギター・ソロも良いですし、バスドラがまるで太鼓のように聞こえるJeff Porcaroのドラミングも見事です。オープニングに相応しい1曲ではないでしょうか。

波の音のSEから始めるAORチックなバラード・ナンバー02。Grant Gullicksonのヴォーカルがフィーチャーされています。アレンジはBrian Mannです。Russell Ferranteのピアノ・プレイがとにかく渋いですね。

とにかく格好良いナンバー03は、スピード感溢れるロック・ナンバーです。特にSteve LukatherとJeff Porcaroのプレイは圧巻です。ライナー・ノーツで松居 和はRobben Fordはアーティスト肌、Steve Lukatherは職人肌みたいなことを書いてますが、私はSteve Lukatherは天才だと思いますね。この曲でのソロを聴いていると、もはや頭であれこれ考えてギターを弾いているという印象は受けません。勝手に指が動いているというような感じなんですね。凄いソロを聴かせてくれます。加えてCarl Andersonの力強いヴォーカルも印象的です。

Robben Fordの作曲、アレンジによるユーモラスな小曲04。

Larry Carltonの作曲、アレンジ、プロデュースによる05。Larry Carltonらしいギターが堪能出来る曲ですね。ただ、松居 和の為の曲と言うより、Larry Carltonの曲という印象が強いです。Larry Carltonのギターはもちろん良いですが、Abraham Laborielのベース・プレイも素晴らしいです。

独特な世界観を持ったヴォーカル曲06。このアルバムのコンセプトにある意味ではぴったりな陰のイメージの曲だと思います。地味ですが堅実なVinnie Colaiutaのドラミング、Grant Gullicksonの切ないヴォーカル、美しいRobben Fordのギター・ソロが聴き所ですね。

Abraham Laborielの作曲、アレンジによる07。Lee Retenourのギターがフィーチャーされてますが、いつものRetenourらしくないスタイル、音色だなと感じましたね。ルーズなプレイという印象がありますね。この曲ではAbraham Laborielのベース・プレイが1番光ってます。

神秘的かつ東洋的なイメージの色濃い08。ドラム・レスの曲なんですが、心地良さと不気味さが同居しているような不思議な曲です。驚いたのはPaul Jackson,Jr.がこういうアコースティック・ギターのプレイを聴かせてくれたことですね。

壮大なアルバム・タイトル曲09。Robben Fordの作曲、アレンジによるナンバーです。緻密に計算されたRobben FordのギターやRussell Ferranteのピアノ等聴き所の多い曲に仕上がっています。このアルバムの中で1番FUSIONというイメージが強い曲かも知れません。

非常に素晴らしい仕上がりのアルバムだと思います。反面、松居 和の尺八のプレイが控え目で、どちらかというとGUITAR FUSIONという印象が強いのも事実です。私は尺八の音色が大好きですし、世界に誇れる日本の伝統楽器だと思っているので、もっと尺八が聴きたかったというのが本音です(笑)
それでもこれだけのメンバーを揃えて作られている贅沢なアルバムですし、ミュージシャンのプレイも素晴らしいの一言です。FUSIONが好きな方、特にGUITAR FUSIONが好きな方にはぜひとも聴いて欲しい1枚です。自信を持ってお薦め出来るアルバムですね。
by kaz-shin | 2009-01-25 11:36 | FUSION系 | Comments(8) | |
Commented by デンタ at 2009-01-25 13:59 x
わーい、やっとフュージョンネタだぁ~♪
と、喜んだものの、松居さんの事はあまり知らなく、松居慶子の旦那さんだと言うことぐらいしか知りません(´・ω・`)
奥さんのオリエンタルな雰囲気は好きなので、興味がありますね。
機会があれば買ってみたいと思います。
Commented by たにぴ@もまゆきゅ at 2009-01-25 14:50 x
最近は知らないけど、当時のマツイさんは、尺八奏者としては、
まだルカサーやロベン・フォードと並ぶのはキツカッタんじゃないかなあ。
ソロ少なめで良かったと、ぼくは想います。
ご本人も多分(勝手な予想ですが)、エスニックよりもモダンでお洒落なものがやりたかった気がします。
Commented by Musicman at 2009-01-25 15:52 x
私も『Standing On The Outside』と同時購入しました!
発売当初は聴いていませんでしたけど、今聴いても完成度の高さには目を見張るものがありますよね。
過去のアルバムも一気に再発してくれると嬉しいですね!
Commented by kaz-shin at 2009-01-26 20:58
デンタさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
本当に久しぶりのFUSIONネタです(笑)
まだ紹介したいものがありますので、今後は少しFUSIONネタも増やそうかと思ってますので、期待してて下さい。
このアルバムは聴く価値あると思いますよ。
たにぴさんのコメントにもあるように、変に東洋っぽくなくてお洒落ですし、
何よりこれだけのギタリストが集まってますから、聴き応えもあります。
お薦めです。
Commented by kaz-shin at 2009-01-26 21:05
たにぴさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
>エスニックよりもモダンでお洒落なものがやりたかった気がします。
確かにそんな印象を受けますね。
でも尺八好きなんで、もっと聴きたかったというのがありますね(笑)
正直、このLPを買った当初はギターばかりが目立っていて、松居さんの印象が本当に薄かったです。
今は昔より細かいところに注意して聴けるようになったんで、これでも十分楽しめてます。
Commented by kaz-shin at 2009-01-26 21:14
Musicmanさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
私は予算の都合上、『Standing On The Outside』は購入しませんでした。
どうですか?やはり良いでしょうね・・・ちょっと後悔してます(笑)
でもまだ購入出来そうですね。
当時、松居さんのことは全く知りませんでしたが、このメンバーを見たら
買わずにはいられませんでした。
クレジット買いの典型です(笑)
Commented by ギター小僧 at 2009-01-27 21:34 x
こんばんわ、僕も買いました!
ディスクユニオンかCool Sound通販での特典「1983年渋谷公会堂での来日公演DVD-R」は入手されました?
貴重な映像を堪能できました!
Commented by kaz-shin at 2009-01-31 00:34
ギター小僧さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
レスが遅くなってしまい、本当にすみませんでした。

そんな特典があったのですか!?
私はこのアルバムだけ、アマゾンで購入したので知りませんでした。
1983年のライブですか・・・、観てみたいです。
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