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遠藤 京子_夢見るスター ◇ 2009年 04月 05日
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今回紹介するのは、シンガー・ソングライターであり、女優としても活動していたことのある遠藤 京子(現在は遠藤 響子)が1985年にリリースした3rdアルバム『夢見るスター』です。
私が所有している彼女の唯一のアルバムです。彼女に関してはほとんど何も知らないに等しいので調べてみると、1981年にデビューしているようです。
またソングライターとして多くのアーティストに楽曲提供しており、なかなか才能豊かな人みたいですね。
私がこのアルバムを購入したのは、木村ユタカ氏監修のCITY POPのガイド本『JAPANESE CITY POP』に紹介されており、そのジャケットの雰囲気や筒美 京平が前面的にバック・アップしているらしいというところに興味を惹かれたからです。結構探すのに苦労しました(笑)

私がこのアルバムが魅力的だと感じる点は2つ。
1つは、全10曲中7曲の作詞(補作詞含む)・作曲を手掛けている月代 京兵なる人物の存在です。『JAPANESE CITY POP』によれば"月代 京兵"は、遠藤 京子と筒美 京平のコラボ・ネームだということです。サイトによっては遠藤 京子のペンネームと紹介されているところもありましたが、残り3曲が遠藤 京子の作詞・作曲とクレジットされているので、やはりコラボ・ネームであると考えるのが自然ですし、メロディーにも筒美 京平らしいところか垣間見れるので私は筒美 京平とのコラボ・ネームだと思っております。そしてこの"月代 京兵"の作品が実にポップでキャッチーであり、程好く歌謡曲チックなところが実に良いですね。

もう1つの魅力は井上 鑑のアレンジですね。当時とんでもない仕事量にも関わらず、キラリと光るセンスと井上 鑑らしさの詰まったアレンジは流石の一言です。参加しているミュージシャンは、井上 鑑(key)、今 剛(g)、青山 徹(g)、土方 隆行(g)、高水 健司(b)、山木 秀夫(ds)、浜口 茂外也(per)、数原 晋(tp)、新井 英治(tb)、平内 保夫(tb)、Jake H.Conception(sax)、土岐 英史(sax)、砂原 俊三(sax)等が参加しています。

『遠藤 京子 / 夢見るスター』
01. 夢見るスター
02. Be Love
03. 待ちぼうけ
04. とても幸わせ
05. 銀色の夏
06. あなたのカナリヤ
07. 乙女ですもの
08. 夢だけにしましょう
09. 雪が降るまえに
10. 輝きたいの

ビートの効いたPOPナンバー01。文字通りスターを夢見る女の子と歌手の卵が夢を語り合っているというシチュエーションです。曲自体はキャッチーですしアレンジも悪くないのですが、気になるのがスネアの音の強さですね。決して力があるとは言えない遠藤 京子のヴォーカルが余計引っ込んでしまうような気がします。井上 鑑の意向なのか、エンジニアの意図なのかは分かりませんが・・・。

いかにも筒美 京平らしさを感じる歌謡曲チックでメロディアスな02。間奏部はいかにも井上 鑑らしいアレンジだと思います。こういうノスタルジックな曲を書かせたら筒美 京平は天下一品ですね。最初に聴いた時からお気に入りになった1曲です。

ホーンセクションを巧みに使った可愛らしいという形容がぴったりな03。喫茶店のマスターという役柄でヴォーカル参加しているのはおそらく井上 鑑本人ではないかと思います。それにしても遠藤 京子の歌声は不思議な歌声です(笑)

2分弱という小曲04。シンプルな演奏とメロディーが特徴で、デュエット・ヴォーカルが細野 晴臣というのもこの曲の大きな魅力となっています。

軽快なPOPナンバーで、GIRLS POPという感じがピッタリな05は遠藤 京子名義の作品です。この曲の爽やかな印象は、井上 鑑のアレンジによるところが大きいような気がします。そして遠藤 京子のソングライターとしての才能を感じさせる曲でもありました。

南国ムード満点のアレンジが心地良いミディアム・ナンバー06。この曲なんかもいかにも筒美 京平っぽさを感じる曲ですね。特にサビのメロディーは筒美 京平が書いたものだろうという気がします。夏というキーワードは出てきませんが、夏の夕暮れ時に聴いたら似合いそうなナンバーです。

いんとろから井上 鑑色全開のアレンジが私好みの07。中原 めいこを彷彿させるような曲と言えば何となくニュアンスは伝わるかと思います(笑)。こういう曲調も筒美 京平がいかにも書きそうなタイプのような気がします。

今 剛のギター・カッティングが絶妙なミディアム・スロー・ナンバー08。個人的には1番CITY POP色が強い印象を受けた曲です。この曲に関してはメロディー、アレンジ、ヴォーカルのバランスがとても良くて、アルバムの中でも特にお気に入りの曲になっています。

遠藤 京子名義の作品09。シングル曲であり、TVドラマの主題歌だったという曲で、馴染み易い歌謡曲風なメロディーが印象的です。メロディーに関しては多分に筒美 京平の影響を受けているのかなと思えます。

スロー・バラード曲10も遠藤 京子の作品です。三拍子のゆったりした曲調と美しいメロディーが素敵です。アルバムの冒頭では変な声だなと思っていたのが、ラストに近づくにつれてと魅力的な声だなと思えてくるのが不思議です(笑)

このアルバムをきっかけに他にも聴いてみたくなりましたが、私としては1stアルバムや2ndアルバムをぜひとも聴いてみたい気がしています。
当時の腕利きミュージシャンを集めた1stアルバム『オペレッタ』やTHE SQUAREをバックに迎えた2ndアルバム『Green Room』は残念ながらCD化されていないようです。CD化されてないと余計に聴いてみたくなりますね(笑)
それにしても80年代というのは個性的なアーティストが本当に数多く存在していたんだなと改めて感じました。懐古主義という訳ではありませんが、やはり80年代の音楽シーンは面白かったというのが率直な想いです。
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by kaz-shin | 2009-04-05 01:17 | J-POP | Trackback | Comments(17) | |
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Commented by たにぴ@意外と詳しい at 2009-04-05 13:51 x
細野さんは、アンビエント路線に行ってたから、
歌うのがすごく恥ずかしくて、
スタジオで2人とエンジニアだけで録ったらしいです。
Commented by アンクル・トム at 2009-04-05 17:41 x
遠藤京子さんなら1st LPの『オペレッタ』を持ってましたよ
あれからもう28年経ってしまって もうどんな曲だったか
忘れてしまいましたが・・・・・。
CD化されたらまた聴きたいですね
Commented by gemini at 2009-04-05 23:29 x
こんばんは、僕もCITY POPの本で興味をもって買いました。
音がなんというか80年代独特ですよね。
最初は違和感があったのですが、聞き込むうちにあの音が聞きたくて聞いてるという感じになってきました。
もちろん曲もいいと思います。
「輝きたいの」は鈴木茂編曲のシングルバージョンよりもこちらのほうがグっときます。
ビクター時代であとCDになっているのは編集盤のバラードベストだけなんですね(個人的にはニール・セダカのカヴァーが良かったです)。
それと筒美京平のオムニバス盤に収録されたデビュー曲「告白テレフォン」くらいですか?
紙ジャケでまとめて再発して欲しいですね。

この作品の後にCBSソニーへ移籍して発表した「Girl Life」というアルバムを探し回っていてようやく見つけたのですが、こちらのアルバムも素晴らしいです。
その中の「歌う小鳥」という曲が去年のクリスマス時期のヘビーローテーションでした、名曲です。
Commented by kotaro at 2009-04-06 23:37 x
おどろき。もう3人書いてる!
遠藤京子は任せて、(笑い)、 最初のオペレッタからずっと聴いていました。
個人的には最初のシングル「告白テレフォン/それぞれのシングルス」は名曲なのではないでしょうか。
細野とコラボし始めたのは後に松本伊代が「月下美人」タイトルで歌う
「天女の羽衣」(違ったっけ)、これはNHK-FM番組中で作った作品でしたね。
同じvictorの松本伊代にLP中の曲ですが「赤いリボンのプレゼント」と
「チャイニーズキッス」のB面で「エリオット」という佳品を書いています。
セカンドアルバム「green room」も持っていますがお勧めはファーストの「オペレッタ」で面白く興味深いアルバムです。
須藤薫らの対岸にこういう子がガールポップの一翼にいて後藤次利のベースで歌ってる。1981年はやはり収穫の多い一年でした。
Commented by rato-lion at 2009-04-07 14:43 x
そんなに詳しいファンではないのですが、
デビュー当時から聴いております。
さて、そんな彼女もデビューして28年、マイペースながらもウッドベース、ドラムを加えた、トリオユニットで活動されています。
近々は5月に小規模なツアー、しかも関西と名古屋はヴァイオリンの
特別ゲスト付き。
レパートリー(?)は数百曲、懐かしいナンバーや、最新のナンバーまで、
各会場のお近くの方なら、参加して損のないライブかと存じます。

ご予約は上記リンク(私のHNです)まで!!デス。
Commented by kaz-shin at 2009-04-07 23:09
たにぴさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
レスが遅くなってしまいました。すみません。

それにしても何故細野さんにお願いしたんでしょうかねぇ。
不思議と曲に似合っていて私は好きなんですけど(笑)。
Commented by kaz-shin at 2009-04-07 23:12
アンクル・トムさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
レスが遅くなって申し訳ありませんでした。
ビクター時代の音源でCD化されているのは3rdアルバムだけみたいなんですが、
調べてみると1stも2ndも参加しているミュージシャンも豪華なんで、ぜひとも聴いてみたいですね。
それにしてもビクターという会社は、良い音源を数多くCD化せずに眠らせている会社ですね(笑)
Commented by kaz-shin at 2009-04-07 23:16
geminiさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
レスが遅くなってしまい、すみません。

ファンハウス時代のアルバムは、たまにBOOK OFFで見かけました。
今度見かけたら買ってみようかと思ってます。
でもCBS時代のアルバムは今まで見かけたことないですね。
これからは注意して探してみます。
Commented by kaz-shin at 2009-04-07 23:26
kotaroさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
流石に80'sのアイドル系、Girls Pops系は詳しいですね。
私はまだこのアルバムしか遠藤さんは聴いたことが無いんです。
色々聴いてみたいのですが、とりわけビクター時代の1st、2ndが気になります(笑)
1980年、81年にデビューしたアーティストには本当に個性的であり、魅力的な人が多かったですよね。
80年代って本当に面白い10年間でしたね。
Commented by kaz-shin at 2009-04-07 23:30
rato-lionさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
そしてライブの情報ありがとうございます。
興味のある方はぜひ足を運んで下さい。

私はこのアルバムしか知らないので、他のアルバムも探して聴いてみたいと思っています。
ファンハウス時代のアルバムなら比較的入手しやすそうなので・・・。
Commented by たにぴ@もまゆきゅ at 2009-04-08 07:52 x
「細野晴臣の作曲セミナー」「松本隆の作詞セミナー」「松任谷正隆のアレンジ・セミナー」「井上鑑のアレンジ・セミナー」
全てNHK-FMで放送した特番で、
ホステス役が遠藤さんだったんです。
誰か書いてくれてた「月下美人」=「天女の羽衣」は、
遠藤京子作詞バージョンの、「Oh ミステイク」ってタイトルのもあります。
Commented by kotaro at 2009-04-08 22:24 x
長年の月代京兵の謎がとけました。
また、思い込みコメント=松本伊代「月下美人」は彼女はノータッチで「オーミステイク」の詞を松本隆が書き換えたものです。
訂正いたします。

しかし月代のペンネームは「月下美人/松本伊代」からの語呂合わせで京兵は京平センセイが正体かなと一瞬思ったのですが、もういい加減なことを言うのはやめておきましょう。

ファースト/セカンドに比べて格段に本人のコンポーザー能力が
高くなったと感じた3rdアルバムなのですが、今回この解説を読んでそう納得したのが結論で、当時は伏線が読めなくて、結果としては損していますね。いやこのアルバムはいい曲が多いと思います。
それから僕は初期のことしか知らなくて、今も地道に活動されていることを知り興味を持ちました。汗顔の至りです。
でもここのブログのおかげで随分すばらしい情報を得られています。
音楽は時間軸を超え共有できる芸術だ、と改めて思いました。

Commented by kaz-shin at 2009-04-08 23:59
たにぴさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
なるほど、そういう繋がりがあって細野さんにヴォーカルを依頼したんですね。
それにしても面白そうな企画の番組ですね。
当時のNHK-FMって本当に良い番組が多かったですね。
「お昼の歌謡曲」はよくエアチェックしました(笑)
Commented by kaz-shin at 2009-04-09 00:22
kotaroさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
私はこのブログの拙い記事が、音楽を愛する人達の新しい作品の出会いのきっかけとして少しでもお役に立てたら良いなと思っているのですが、
逆にkotaroさんをはじめ、沢山の皆さんから素晴らしい作品を紹介して頂いて、私が1番充実したMusic Lifeを送っているような気がします(笑)

色んな音楽情報の交換の場として、このブログを活用して頂けるのならこれ以上嬉しいことはありません。
これからも引き続き、よろしくお願いします。

さて月代京兵=筒美京平+遠藤京子ということを頭に置いて、改めてこのアルバムを聴くとメロディーに筒美京平さんらしさを感じてしまいますね。
Commented by DNA at 2011-10-07 23:32 x
これは名盤ですね!
ジャケットが良ければなおイイんですけど・・・。
「雪が降るまえに」「輝きたいの」は共にアルバムバージョンですが、
どちらもアルバムバージョンのほうがGOODです。
「雪が降る~」は80年代アイドルの相川恵里がカバーしてますが、退屈な感じです。
アレンジとボーカル次第でだいぶ感じが変わりますネ。

未CD化の2ndアルバム「Green Room」と
インディーズ行ってからの第1弾「ホッチキス」が特に名盤。
「ホッチキス」は前編引き語りのみなのに芳醇で退屈せず、引き込まれるアルバムです。
Commented by kaz-shin at 2011-10-10 22:59
DNAさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
それにしてもDNAさんて、女性アーティストに本当に詳しいですね~。
勿論男性アーティストにも詳しいのでしょうけど・・・。
私は広く浅くなものですから、いつも感心しています。
また色々教えて下さい。
Commented by アンクル・トム at 2013-04-23 14:08 x
おひさしぶりです お元気でしょうか?
ブログが更新されていないので
書き込みは遠慮してましたが
ちょっと嬉しい事もあり 投稿させて頂きますね
遠藤京子がVictorに在籍してた頃の音源が
配信限定で発売されてます
早速『オペレッタ』をダウンロードしました
新たにマスタリングされてるようで
音も良かったですよ
それでは また

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