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私のブログには"洋楽系"というカテゴリがあって、たまに洋楽のアルバムを紹介しているのですが、よくよく考えてみると私のブログ仲間の皆さんは洋楽に精通している方ばかり・・・。
私の紹介しているアルバムなんて、1970年代後半~1980年代初め頃に流行したAORが中心で、いわゆる"ベタ"な部類なんですよね(笑)

「そんなことではいけない!もっと勉強せねば!」と一念発起しまして、最近BOOK OFF等の中古店でも洋楽コーナーをじっくり探索しております。とは言え、悲しいかな洋楽の知識が乏しいので何を聴こうか迷うばかりで・・・。しかし、そこは昔とった杵柄でクレジット買いという手が残っておりました(笑)

今回紹介するアルバムはまさにクレジット買いの1枚です。私は初めて接するアーティストですが、皆さんの中には既にお馴染みのアーティストなのかも知れませんね・・・汗。
1982年デビューのトレイシー・ソーンとベン・ワットという英国人の男女二人のグループ"EVERYTHING BUT THE GIRL (略してEBTG)"が1990年にリリースした通算6作目となるアルバム『THE LANGUAGE OF LIFE』を紹介します。
まさに典型的なクレジット買いでしたが、大当たりでした。購入の決めてになったのは、裏ジャケを覆う程の大きな帯に書かれたいたコピーでした。

「ジャズ~フュージョン界の名プロデューサー、トミー・リピューマを迎えた本作によって注目を集めているEBTG。彼らは、トレイシー・ソーンとベン・ワットからなるデュオである。二人は英ネオ・アコースティック・シーンを代表するソロ・アーティストとして活躍していたが、82年にEBTGを結成。以来、4枚のアルバムを発表。イギリスでは、シンプルな中にもハートウォームなサウンドとシリアスな詩が、すでに高い評価を得ていた。今回初めてイギリスを離れ、L.A.でレコーディングされた本作には、オマー・ハキム、ジョー・サンプル、スタン・ゲッツ、マイケル・ブレッカーら一流ミュージシャンが参加。90年代のオープニングを飾るスタンダード・アルバムである。」
このコピーを読んだ後、すぐにこのCDをレジに持って行ったのは言うまでもありません(笑)

『EVERYTHING BUT THE GIRL / THE LANGUAGE OF LIFE』
01. DRIVING
02. GET BACK TOGETHER
03. MEET ME IN THE MORNING
04. ME AND BOBBY D
05. THE LANGUAGE OF LIFE
06. TAKE ME
07. IMAGINING AMERICA
08. LETTING LOVE GO
09. MY BABY DON'T LOVE ME
10. THE ROAD

前置きが長かったので曲のレビューはあっさり目に・・・(笑)
曲のタイトルからは疾走感溢れる曲なのかという印象ですが、極上のメロウ・ナンバー01。マイケル・ブレッカーのテナーがむせび泣きます。真夜中のドライブ向けですね。

息の合ったコーラスを聴かせてくれるAORなナンバー02。マイケル・ランドゥのJAZZYなギター・プレイが聴き所です。

朝靄立込める風景を連想させる美しいバラード曲03。ラッセル・フェランテのピアノとベン・ワットのアコースティック・ギター、そしてジェリー・ヘイのフリューゲル・ホーンの美しい音色が印象的です。

ブリティッシュ・ポップといった趣きの04。カーク・ウェイラムのテナー・サックス、マイケル・ランドゥらしいギター・カッティング、ジョン・パティトゥーチのベース・プレイなど贅沢な演奏に聴き入ってしまうナンバーです。

メロウなバラードのアルバム・タイトル曲05。ピアノはジョー・サンプルです。ジェリー・ヘイのアレンジによる控え目なホーン・セクションがお洒落ですが、やはりジョー・サンプルのピアノ・ソロに尽きる曲です。

軽快なリズムが心地良い06。オマー・ハキムのキレのあるドラミング、ラッセル・フェランテのピアノ、カーク・ウェイラムのテナー、マイケル・ランドゥのギター・リフ、派手は無いのですが素晴らしい演奏が実に心地良いです。

タイトルとは裏腹に独特な陰のムードが漂う07。決して暗い訳ではないですよ。洒落たメロディーですが、アメリカのイメージとは結び付かない感じです。この曲でドラムを叩いているのはヴィニー・カリウタで、泣きのサックスはカーク・ウェイラムです。

ミディアム・スローのメロウ・ナンバー08。トレイシー・ソーンの歌声が実に気持ち良く響きます。ジョン・パティトゥーチのベース・プレイとマイケル・ブレッカーのサックス・ソロがたまりません。

明るくポップな09。実にアメリカ西海岸らしいサウンドのナンバーですね。シンプルなアレンジなんですが、実に西海岸を感じさせてくれる演奏です。

しっとりとしたバラード曲10。渋いサックスは、なんと大御所・スタン・ゲッツです。何とも贅沢なナンバーです。間奏のスタン・ゲッツのテナーのソロは年季の成せる技でしょうね。ベン・ワットが味のあるヴォーカルを聴かせてくれます。

EBTGの他のアルバムを聴いたことが無いので比較は出来ませんが、このアルバムを聴いて率直に思うのはトミー・リピューマの手掛けた作品は素晴らしいということですね。
アレンジはベン・ワットとラリー・ウィリアムスで大半を手掛け、録音がアル・シュミット、ミキシングがビル・シュネーです。これもまた贅沢な布陣ですね(笑)
とにかく曲もアレンジも演奏もお洒落なアルバムで驚きました。
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SOUTHERN ALL STARS_TINY BUBBLES ◇ 2007年 07月 30日
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先日の高中 正義のアルバム『JOLLY JIVE』の記事を書いた時に、oceanさんとのコメントのやりとりで、1980年の夏によく聴いたアルバムとしてサザンオールスターズの『TINY BUBBLES』の名前が出て、懐かしくなったのと無性に聴きたくなってきたので今回紹介することにしました(笑)

『TINY BUBBLES』は、1980年にリリースされたサザンの3rdアルバムです。とにかくよく聴いたアルバムでしたね。夏の間中聴いてた記憶があります。カセットに録音してはカーステやラジカセで聴いてました。
聴いた回数で言えば、サザンの数多いアルバムの中でもベスト3に入るのは確実ですし、好きなアルバムのベスト3に入ります。個人的には名盤だと思っている1枚です。

この頃は、まだデビューして3年目頃ということもあり、新曲が出る度に桑田 佳祐の書くメロディーの斬新さや日本語をまるで英語のように聴かせる歌詞、独特な桑田の歌い方に驚かされていましたね。正直凄い奴が現れたと思ったものです(笑)
現在の方が歌が上手いのは間違い無いのですが、当時の歌い方が結構好きなんですよね。

『SOUTHERN ALL STARS / TINY BUBBLES』
01. ふたりだけのパーティ ~ Tiny Bubbles (Type-A)
02. タバコ・ロードにセクシーばあちゃん
03. Hey! Ryudo!
04. 私はピアノ
05. 涙のアベニュー
06. TO YOU
07. 恋するマンスリーデイ
08. 松田の子守唄
09. C調言葉に御用心
10. Tiny Bubbles (Type-B)
11. 働けロック・バンド (Workin' for T.V.)

サザンオールスターズの十八番ともいえるサザン・ロック調の01。スチール・ギターやヴァイオリンを使ったいかにもサザン・ロック風なアレンジですね。日本でこんなにサザン・ロックが似合うのは桑田くらいかも知れません。

何とも訳の分からないタイトルながらも曲は最高に格好良い02。新田 一郎のアレンジによるストリングスが曲によくマッチしていて、ストリングスの効果が大きいナンバーでしょう。桑田のヴォーカルが冴えてます。

ディキシーランド・ジャズ風なアレンジが特徴の03。記憶違いかも知れませんが、当時宇崎 竜童にインスパイアされて書いた曲だというのを聞いたことがあります。この曲を聴いても桑田がいかにアメリカ南部の音楽が好きなのかが窺えますね。

原 由子の初のソロ・ヴォーカル曲となった04。桑田はこういう昭和歌謡風な曲を書かせても上手いですね。高田 みずえがカヴァーしてヒットしました。初のソロ・ヴォーカル曲ということで少し固い感じの歌ですが、それが今聴くと新鮮に聴こえますね。

6枚目のシングル曲だった05。横浜を題材にしたブルース色の強いバラード曲です。聴けば聴くほどに味が出るタイプの曲だと思います。特に思い入れが強い訳でも無いのにふと口ずさんでしまう、そんな曲でした。

軽快でポップ色の強い06。曲を先に書き、詞を後から付けるという桑田のソング・ライティング法を象徴したような曲です。

7枚目のシングル曲07。レゲエ調のナンバーですが、当時こんな曲を書き、しかもシングルにするというのは驚きでした。天才とバ○は紙一重というのを感じた曲ですね(笑)

ドラムの松田 弘がメイン・ボーカルのバラード曲08。この曲が凄く好きで、一時期この曲ばかり繰り返し聴いていたこともありました。おそらく赤い鳥の「竹田の子守唄」を捩ったであろうタイトルですが、サビのメロディーが耳に残る名ラブ・バラードです。

5枚目のシングル曲09。実はこの曲が、サザンの歴代シングル曲の中で1番好きな曲なんです。どこが良いと問われても困るのですが、メロディーや歌詞も含めて当時から妙にこの曲に惹かれれてました。私の中では強く夏を感じる曲になっています。

英語詞による10。桑田のヴォーカルを聴いていると日本人に生まれたのは間違いだったのでは?と思える曲ですね(笑)

当時のサザンの忙しさを歌ったバラード曲11。一躍スターになり、TV出演の連続で忙しかった頃の彼等の苦悩が伝わってきますね。歌番組を単純に批判するのではなく、自らを奮い立たせるようなタイトルにしておいて、思いの丈を歌っているのが桑田らしいところかも知れません。

おそらく自分の思い入れの強さのせいだと思いますが、今聴いても古臭く感じないのが不思議です。
今のサザンの曲を聴くと「いかにも桑田っぽいなぁ」等と感じることが多いですが、当時は出す曲出す曲が新鮮で驚きの連続でしたね。それに加えて、大学生だった当時の楽しい思い出が重なって曲に輝きを与えているのかも知れません(笑)
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今回紹介するのは、まさに夏本番にピッタリなFUSIONアルバムです。1990年にリリースされた堀井 勝美プロジェクトの通算6作目となる『SUMMER'S』です。
堀井 勝美プロジェクトのアルバムを何枚か所有しているので、何を紹介しようか迷いましたがタイトルがまんま"夏"の本作をチョイスしました。初の海外録音、そして海外のミュージシャンを起用しているということも本作の魅力でもあります。

堀井 勝美プロジェクトはご存知の方も多いかも知れませんが、名前の通り堀井 勝美を中心にしたプロジェクトで、堀井 勝美自身は基本的には演奏には加わらずにコンポーザー、アレンジャー、プロデューサーに徹しており、国内外の凄腕ミュージシャンを集めての演奏というのが特徴です。
本作の参加ミュージシャンは国内からは石川 雅春(ds)、青木 智仁(b)、梶原 順(g)、難波 正司(key)、難波 弘之(key)、森山 良(key)、本田 雅人(sax)、土岐 英史(sax)、八木 のぶお(jazz harp)で、海外からはティム・グラハム(b)、ラス・フリーマン(g)、バジー・フェイトン(g)、ブランダン・フィールド(sax)、ジェラルド・アルブライト(sax)が参加しています。

『堀井 勝美プロジェクト / SUMMER'S』
01. SUMMER'S
02. GREEN
03. WALKING ON AIR
04. JUST NEWLY BORN !!
05. WILD NIGHT (Guitar Version)
06. LUCKY RASCAL
07. VANITY FAIR
08. WILD NIGHT (Sax Version)
09. ALONE AT LAST, FOR THIS SUMMER

イントロから夏らしさを感じる軽快なギター・カッティングが爽やかなアルバム・タイトル曲01。梶原 順のギターが爽やかにメロディーを奏で、石川 雅春と青木 智仁による強いビートとがアクセントとなって心地良いサウンドとなっています。本田 雅人らしいちょっと尖がったサックス・プレイも曲によくマッチしています。

当時、NHKの連続テレビ小説「凛々と」のテーマ曲だった02。メロウなナンバーで、ブランダン・フィールドのソプラノ・サックスがフィーチャーされています。緑が眩しい夏の早朝といった趣きがあって、涼しげな感じがたまらない1曲ですね。

ラス・フリーマンのギターをフィーチャーした03。軽やかにウォーキングしているような雰囲気がよく出ています。やはり、この曲の主役はラス・フリーマンですね。アコギとエレキのユニゾンによるメロディーは音色が柔らかくとても心地良いですし、ソロもメロディアスで聴きやすいです。

ブランダン・フィールドのソプラノ・サックスをフィーチャーした美しいバラード曲04。バッキングに徹したラス・フリーマンのギターも聴き逃せませんし、全般的に美しい雰囲気を作っている難波 弘之のキーボード・プレイが素晴らしいです。

FUNKYながらもメロディアスなナンバー05。バジー・フェイトンがギターを弾きまくります。この曲のベースはティム・グラハムなんですが、青木 智仁の方が良かったかも知れないと思います。バジーのギター・プレイが好きな人にはたまらない1曲ではないでしょうか。

八木 のぶおのジャズ・ハープをフィーチャーした06。イントロではブルース色の強いハープでしたが、メロディーでは軽やかなハープを聴かせてくれます。さすが、ハープの第一人者だけあって変幻自在のハープは素晴らしいの一言です。青木 智仁のジャコ・パストリアスを彷彿させるベース・プレイにも注目です。

デジタル色の強いダンス・ナンバーといった趣きの07。跳ねた感じのリズムは、個人的に好きなんでお気に入りの1曲です。土岐 英史のエモーショナルなアルト・サックスが素晴らしいですね。シンセを巧みに使ったダンサブルなナンバーで、都会的なイメージの1曲ですね。

05のサックス・ヴァージョン08。メロディーとの相性で考えると、このサックス・ヴァージョンの方が個人的には好きです。素晴らしいアルト・サックスを吹いているのはジェラルド・アルブライトです。

ラストは堀井 勝美プロジェクトではお馴染みのバラード"ALONE AT LAST"シリーズです。今回は打ち込みを一切使用せずにミュージシャンのみの演奏による1発録音だとか・・・。シンプルですが凄く良いですね。土岐 英史のソプラノ・サックス、難波 弘之のローズのソロ、青木 智仁のベース・プレイなど聴き所が一杯ですが、土岐 英史のサックスは鳥肌モノですよ。

堀井 勝美の書くメロディーはキャッチーで聴きやすいものが多く、アレンジも凝ったものからシンプルなものまで幅広くセンスの良さを感じます。ただ、どうも堀井 勝美の好みなのか強いビートの曲が多く、個人的にはもう少し軽いビートの方が似合うような気がします・・・。これは単に好みの問題ですね。
高中 正義と同じく夏になると必ず聴きたくなる堀井 勝美プロジェクト。高中の作品の多くは"海"をイメージさせる曲が多いですが、堀井 勝美の場合は"海"に限らず、"山"でも似合いそうな曲があり、オールマイティーのシチュエーションに似合うFUSIONといった印象です。夏の行楽のお供に最適な1枚だと思います。
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昨夜、先行ロードショーされていた話題のディズニー映画『レミーのおいしいレストラン』をレイトショーで観てきました。ご存知の方も多いと思いますが、『レミーのおいしいレストラン』はピクサー・アニメーション・スタジオ制作による長編アニメーション映画です。

わたくし、50間近の中年(初老か?・・・笑)のオヤジですが、ピクサー作品が大好きでほとんど観ています。ここ2~3年に作られた作品は劇場公開と同時に見ている程です。

ストーリーは、
「ネズミのレミーは、今は亡き天才シェフのグストーに憧れ、フランス料理のシェフになることを夢見ていた。
もちろんそれは、かなわない夢。レストランのキッチンにとって、ネズミは"招かざる客"だからだ。
ある嵐の日、レミーは家族とはぐれてしまい、ひとりぼっちでパリにたどりつく。
途方にくれるレミーに手をさしのべてくれたのは、あのグストーの幽霊!ゴースト・グストーはレミーを励まし、自分のレストラン"グストー"へと導く。
"グストー"のキッチンでは、落ちこぼれシェフのリングイニがヘマをして、スープを台無しにしてしまっていた。思わずキッチンに足を踏み入れたレミーは、夢中になってスープを作り直すが、それをリングイニに目撃されてしまう。
料理の才能が全く無いことを悩んでいたリングイニは、この小さな天才シェフに人間の言葉が通じると知り、とんでもないアイデアを思いつく。
「二人で、パリ一番のシェフを目指すんだ!」
シェフを夢見るネズミと、料理が苦手な見習シェフ・・・。
その出会いはやがて、フランス料理界をも揺るがす"大事件"を巻き起こす・・・。」(公式HPから引用)

全くの個人的な感想を書きますと、今まで観たピクサー作品の中で1番面白かったですし、最高傑作だと思います。とにかく楽しかったの一言でした。レミーの作った料理のなんとおいしそうなことか・・・(笑)
この映画が私の心を捉えたのには理由があります。以前DVDの紹介記事を書きましたが、私の今まで観たドラマの中でもベスト3に入るであろう三谷 幸喜脚本のコメディー・ドラマ『王様のレストラン』(過去の紹介記事はコチラ)が、やはりフレンチ・レストランが舞台でした。
フレンチ・レストランが題材というだけでも興味津々になってしまうのです(笑)

アニメ作品特有の悪役も登場するのですが・・・憎めない(笑)
笑えますし、観ていて気持ちが温かくなる素晴らしい作品ですし、大人が見ても充分に楽しめるお洒落な映画だと思いますよ。
「果たしてレミーは、シェフになれるのでしょうか・・・?」興味のある方は、ぜひご覧になって下さい。
私はもう1度観たいと思っているくらいで、自信を持ってお薦めできる映画です。
ただ、「ネズミが料理するなんて荒唐無稽だ!」とか「ネズミが料理するなんて衛生的にどうなの?」とか思うような人にはお薦めできませんが・・・(笑)

ちなみに『レミーのおいしいレストラン』の原題は『Ratatouille』。フランス南部の野菜煮込み料理の"ラタトゥイユ"というのもお洒落ですよね。

公式HPはコチラ
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杉 真理_SONG WRITER ◇ 2007年 07月 27日
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今回紹介するのは、今月25日に発売されたばかりのアルバムです。杉 真理のソロ・アルバムの1stから6thアルバムまでが紙ジャケット、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック収録で再発されました。
その6枚の中から、唯一CDで買い損ねていたソロ・デビュー・アルバム『SONG WRITER』(1980年作品)を紹介します。

私が杉 真理の名前を初めて知ったのは、竹内 まりやのデビュー・アルバム『Beginning』(1978年)に収録されていた「目覚め(Waking up alone)」と「ムーンライト・ホールド・ミー・タイト」という曲の作曲者としてでした。この時はまだ"スギ マリ"という女性のソング・ライターだと思っていましたし、特に強く印象には残っていませんでした。翌1979年に竹内 まりやの2ndアルバム『University Street』が発売され、そこに収録されていた「Hold on」を聴いた時に軽い衝撃を受けて"スギ マリ"が何者なのか興味を持つようになりました。

後に"スギ マリ"では無く"スギ マサミチ"で男性であることを知りました。そして、1980年6月に杉 真理の名前を強く私の頭の中に刻み込んだアルバムに出会います。それが、須藤 薫のデビュー・アルバム『CHEF'S SPECIAL』でした。この中で杉 真理は4曲提供しており、どの曲もキャッチーなメロディーが印象的なポップなナンバーで、良い曲を書くソング・ライターだなと思っていました。そして、須藤 薫の1stアルバム・リリースから遅れること1ヶ月1980年7月の杉 真理がソロ・アルバムをリリースしました。当然、レコードを買って当時本当によく聴いていました。ちなみにジャケットは↑で紹介しているものとは違って杉 真理の顔のアップの写真でした。

『SONG WRITER』は、全曲杉 真理の作詞・作曲(1曲だけ平井 夏美との共作)で、アレンジは全曲松任谷 正隆が担当しています。サウンド・プロデュースは松任谷 正隆と杉 真理です。
やはり注目は松任谷 正隆のアレンジですね。2ndアルバム以降は杉 真理自身がアレンジを施すようになりますので、全曲アレンジを他人の手に委ねているのはこのアルバムだけです。しかし、松任谷 正隆ですから悪い訳がありません。杉 真理の音楽をよく理解しているアレンジはさすがだと思います。まだヴォーカルは未熟といった印象がありますが、優れたポップスを書くソングライティングのセンスの良さは、この時点で既に輝きを放っていますね。

『杉 真理 / SONG WRITER』
01. Don't stop the music
02. 恋のかけひき
03. Hold on
04. 悲しきクラクション
05. Send her back to me
06. 追いつめられた恋人たち
07. Catherine
08. サンシャイン ラブ
09. My baby's back
10. Dreamin'
[Bonus Tracks]
11. LIVE CAPSULE / THE HOSPITAL
12. BEE MEN (恋の蜂蜜男) / THE HOSPITAL
13. 悲しきクラクション (Live Version)
14. Send her back to me (Live Version)

平井 夏美(川原 伸司)との共作曲01。元々は西城 秀樹用に書いた曲らしいですが、割りとストレートなポップ・ナンバーですね。今 剛のキレのあるギター・カッティング、高水 健司の太いベース、ファンキーな松任谷 正隆のピアノのプレイが光ってるナンバーです。

今の季節にぴったりな湘南ポップス風なミディアム・ナンバー02。フィル・スペクターを彷彿させる松任谷 正隆のアレンジが素晴らしい1曲です。曲はビージーズの「愛はきらめきの中に」のような曲にしようと書いた曲らしいです。コーラスに竹内 まりやと堀口 和男が参加しています。初期の作品の中では名曲のひとつと言える1曲だと思います。

個人的に思い入れの強いバラード曲にして名曲の03。デビュー・シングル曲ですが、デビュー曲がバラード曲というのは相当な自信が無ければ出来ないですね。とにかく松任谷 正隆のストリングスのアレンジの美しさに尽きる1曲です。

ロック・テイストのサウンドが特徴ですが、メロディーはポップそのもので杉 真理らしいナンバーと言える04。この曲では、鈴木 茂のギター・リフが格好良いのですが、最も素晴らしいのは松原 正樹のギター・ソロです。エンディングでのギター・ソロは圧巻です。

ウエスト・コースト風サウンドが心地良いAORなナンバー05。杉 真理自身のアレンジでは聴く事の出来ないタイプのアレンジかも知れません。コーラスにRajieが参加しているのも個人的に嬉しかったですね。今 剛のギターが光っています。

軽快なポップ・ロック・ナンバー06。鈴木 茂のギター・リフや町支 寛二と杉 真理のビーチ・ボーイズ風なコーラス・ワークが印象的です。

マイナー調のしっとりとしたバラード曲07。青山 純(ds)、岡沢 茂(b)、吉川 忠英(a.g)に松任谷 正隆のキーボード(アコーディオン)のみのシンプルな演奏ですが、これが実にメロディーによくマッチしているのは、松任谷 正隆のセンスの良さでしょう。

ブリティッシュ・ポップ風な08は、やはりビートルズが大好きな杉 真理らしい1曲と言えるでしょう。爽やかな吉川 忠英ならではのアコースティック・ギターのサウンドが心地良いです。

オールディーズ風ロックン・ロール・ナンバー09。須藤 薫に歌わせても似合いそうなナンバーです。テンションの高い松任谷 正隆のピアノのプレイと竹内 まりや、町支 寛二、堀口 和男、杉 真理の素晴らしいコーラス・ワークが聴き所です。

まるでディズニー映画の映画音楽のような優しさに包まれたバラード曲10。ワンコーラス目のオーケストレーションの美しさは格別です。松任谷 正隆ならではのアレンジと言える1曲です。杉 真理の一人多重コーラスも美しいです。

ボーナス・トラック11と12は、ソニーと契約した杉 真理がソロ・デビュー直前にバンド形式でリリースしたシングル曲のA面、B面曲です。ソロ・デビューを控えていた杉 真理は直接参加しておらず、11はサンディー、12は藤本 吉文が歌っています。曲を書いているのが杉 真理(Robert Gravesというペンネームを使用)です。しかし、11のイントロや12の曲のタイトルである"BEE MEN=B面"という洒落たところは杉 真理らしさを感じます(笑)

80年代始め頃のJ-POPシーンにおいて、松任谷 正隆、井上 鑑、少し後の清水 信之もそうですが、人気アレンジャーの多忙ぶりは尋常では無かったような気がしますね。この頃の松任谷 正隆もまさに寝る暇があったのかなと思うほどで、ユーミンが年2枚のアルバムをリリースしていましたし、須藤 薫の1stアルバムでもほぼ全曲アレンジを担当してました。その上『SONG WRITER』も全曲アレンジしており、それでいてこれだけ質の高さを保っているのは驚愕です。
そんな松任谷 正隆と日本を代表するポップス・メーカーである杉 真理がタッグを組んだアルバムです。
2nd以降のアルバムの方が杉 真理らしさが出ていますが、このアルバムも上質なCITY POPのアルバムに仕上がっています。今回の再発を機会にぜひ杉 真理のポップな世界を楽しんでみて下さい。
自信を持ってお薦めできるアーティストの一人です。
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EPO_HI・TOUCH-HI・TECH ◇ 2007年 07月 26日
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今回紹介するのは、特に夏向けという訳ではないのですが、最近何故か繰り返し聴いているアルバムです。EPOが1984年にリリースした通算6作目のアルバム『HI・TOUCH-HI・TECH』です。

EPOと言えば、体育会系で明るく元気溌剌なポップ・ミュージックというイメージですね。今回のアルバムにも当然そんなタイプの曲も含まれていますし、CMやTV番組とのタイアップ曲も含まれています。しかし、『HI・TOUCH-HI・TECH』で耳を奪われるのは明るくポップな曲ではなく、しっとりとしたミディアム系やバラード系の曲なんです。ソング・ライティングの才能はもちろんのこと、特にシンガーとして成長したEPOを感じることの出来る1枚だと思います。

プロデュースは宮田 茂樹とEPO。コ・プロデュースとアレンジがEPOの作品ではお馴染みの清水 信之です。今回の清水 信之のアレンジの特徴は、打ち込み主体のサウンドで清水 信之一人で全ての楽器の演奏(管楽器やコーラスを除きます)している曲が、全10曲中8曲と多いことでしょう。リズム系が打ち込みというのは物足りなさを感じますが、それでも清水 信之らしいセンスの良さを感じるアレンジです。

『EPO / HI・TOUCH-HI・TECH』
01. 恋はハイ・タッチ - ハイ・テック
02. 赤い媚薬
03. くちびるヌード・咲かせます
04. 朝のドライブ
05. 置きざりの郵便
06. RADIO DEAR HEART (WDEAR 499)
07. 涙のクラウン
08. 海沿いの秋
09. こぬか雨
10. ラスト・ワルツ

EPOらしい明るくキャッチーなポップ・トラック01。この曲ではベースに後藤 次利、サックスに矢口 博康が参加しています。EPOならではのコーラス・ワークも素晴らしいです。

伊東 ゆかりの隠れた名盤『MISTY HOUR』(1982年)の為に書き下ろした曲のセルフ・カヴァー02。伊東 ゆかりに提供した時には「告白」というタイトルですが、歌詞を変えて収録されています。伊東 ゆかりヴァージョン、EPOヴァージョン共に大好きな1曲で、渋いナンバーです。
コーラスで安部 恭弘が参加しています。

化粧品のCF曲として高見 知佳へ提供しヒットした曲のセルフ・カヴァー03。歌の上手さは高見 知佳の比ではありません。EPOらしい曲ですし、こういう曲をアレンジさせたら清水 信之はピカ一ですね。

EPOのソング・ライティング、ヴォーカル、コーラス・ワークともに素晴らしく、個人的は名曲だと思っているミディアム・バラード曲04。レコーディングが終わり早朝に家へ帰る時に、トラックが増えた国道を走っている時にアイディアが浮かんだという曲らしいです。

軽快なミディアム・ナンバー05。清水 信之のギター・カッティングが心地良いナンバーですが、曲調とは裏腹に切ない歌詞が印象的なナンバーです。

タモリのラジオ番組向けに作ったという06は、英語詞でスリリングなアレンジが特徴のポップ・ナンバーで、ジングルとしても使いやすいように工夫されていますね。鈴木 さえ子がシモンズで、ホーン・セクションにジェイク・H・コンセプション、数原 晋が参加しています。

当時の人気バラエティ番組『オレたちひょうきん族』のエンディング・テーマになっていた07。コーラス・ワークの緻密さが素晴らしいナンバーです。

3連タイプのミディアム・バラード曲08。夏の終わりの台風シーズンを迎える頃の海をテーマにしたしっとりと聴かせる1曲です。安部 恭弘のヴォーカルも堪能出来ます。

このアルバムのハイライト曲とも言える09。70年代のCITY POPを代表する名曲のひとつである「こぬか雨」です。伊藤 銀次、山下 達郎の作詞、伊藤 銀次の作曲によるこの曲は、1977年の伊藤 銀次の1stソロ・アルバム『Deadly Drive』に収録されており、シュガー・ベイブのレパートリー曲でした。このEPOのカヴァーは、伊藤 銀次ヴァージョンを凌駕するほどの出来栄えです。EPOのシンガーとしてのポテンシャルの高さを感じますね。この曲のみ、村上 秀一(ds)、富倉 安生(b)、村松 邦夫(g)、乾 裕樹(key)、小山 かおる(cho)、坂井 利衣(cho)が参加しており、清水 信之のアレンジが光るナンバーでもあります。

美しいストリングス系シンセが印象的なスロー・ワルツの短いバラード曲10。スケールが大きくミュージカルの1場面を見ているような錯覚に陥ります。

派手さは無いですが、佳曲揃いのアルバムだと思います。特にシンガーとしてのEPOの魅力が詰ったアルバムとしてお薦めです。
ただ、ジャケットのセンスが・・・。EPO自身も大嫌いなジャケットらしいです(笑)
夏の終わり頃の何となく寂しさを感じる季節に聴くのがピッタリな1枚だと思います。
CITY POP好きな人には、ぜひ「こぬか雨」は聴いて欲しいですね。本当に素晴らしいですよ。
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the AEGEAN SEA (エーゲ海) ◇ 2007年 07月 25日
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今日の東京地方は、久々の快晴でした。気温も高かったのですが、湿気が無く暑くてもそれ程苦になりませんでした。夜になると涼しくて気持ちが良いですね。今回は、今日のような天気に聴きたくなるアルバムを紹介します。

CBSソニーが1970年代の後半に企画したサウンド・イメージ・アルバムのシリーズのひとつで、1979年に制作された『the AEGEAN SEA (エーゲ海)』です。『エーゲ海』は文字通りエーゲ海をモチーフに、松任谷 正隆、細野 晴臣、石川 鷹彦の3人が書き下ろしたインストゥルメンタル曲を中心に構成された企画アルバムです。以前紹介した1978年に太平洋をモチーフに制作された『Pacific』やニューヨークをモチーフに制作された『NEW YORK』も同じシリーズの作品です。

『エーゲ海』はシリーズの中で最もリラクゼーション・サウンドの色合が濃く、アルバムを聴いているとエーゲ海の紺碧の海と爽やかな風を感じさせてくれます。BGMとしても最適な1枚です。
サポートするミュージシャンは、松任谷 正隆のセッションには村上 秀一(ds)、高水 健司(b)、松原 正樹(g)、今 剛(g)、ペッカー(per)等。石川 鷹彦のセッションには島村 英二(ds)、杉本 和弥(b)、山田 秀俊(key)、斉藤 ノブ(per)等。細野 晴臣のセッションには高橋 ユキヒロ(ds)、佐藤 博(key)、椎名 和夫(g)、ペッカー(per)等が参加しています。

『the AEGEAN SEA (エーゲ海)』
01. エージアン・ファンタジー
①魅せられて
②アイランド・ガール
02. アトランティス
03. レゲ・エーゲ・ウーマン
04. ミコノスの花嫁
05. イマージュ
06. 波間の薔薇
07. デイ・ブレイク
08. アプロディーテの嘆き

ジュディ・オングの大ヒット曲「魅せられて」をプロローグにした01は、松任谷 正隆の作・編曲によるナンバーです。マンドリンのアンサンブルを中心に、ジェイク・H・コンセプションのサックス・ソロ、松原 正樹のアコースティック・ギターのソロが美しいナンバーです。海からのそよ風といったイメージでしょうか・・・。

石川 鷹彦作・編曲による02。軽快なリズムに乗せて、フラット・マンドリンと12弦のアコースティック・ギターでメロディーを奏で、途中で日色 純一による幻想的なヴァイオリン・ソロが入ります。

細野 晴臣作・編曲による03は、いかにも細野らしいテクノ・サウンドによるナンバーですが、若干抑え気味なのが聴きやすさにつながっているように思います。タイトルからも分かるように、コミカルで明るい曲調が印象的です。

続く04も細野 晴臣の作・編曲によるナンバーです。03と違ってしっとりしたヨーロピアンな雰囲気のメロディー・ラインが特徴ですね。この曲もテクノ風な味付けが施されていますが、嫌味は全くなくメロディーや曲の雰囲気によく似合っています。

松任谷 正隆の作・編曲による05。FUSION色の強い曲と言えるかも知れません。シンセを巧みに使ったメロディーも良いですし、松原 正樹、今 剛のツイン・ギター。間奏で今 剛が素晴らしいソロを聴かせてくれます。村上 秀一と高水 健司のリズム隊はさすがという他ありません。ジェイク・H・コンセプションのエモーショナルなフルート・ソロにも注目です。

続く06も松任谷 正隆の作・編曲によるナンバーで、心地良いサウンドを聴かせてくれます。中沢 健次によるフリューゲル・ホーンをメインに、メンバー各々がキレのあるプレイを聴かせてくれます。松任谷のピアノ・ソロ、ジェイク・H・コンセプションのフルート・ソロが素晴らしいですね。表には出てきませんが、村上 秀一と高水 健司の堅実なプレイあってこそという気がします。

石川 鷹彦の作・編曲による07。乾いた爽やかな風のようなナンバーです。ストリングスが美しく、杉本 和弥のベース・プレイが主役と言っても過言ではないと思います。石川 鷹彦はあくまでバッキングに徹していますが、これが凄く効果的で素晴らしい仕上がりになっていると思います。

16も石川 鷹彦の作・編曲の08。今度は石川 鷹彦のマーチンD-45が主役の1曲で、バックは山田 秀俊のピアノと山川 恵子のハープのみです。もの悲しいメロディーが名器・マーチンの音色によく似合っています。水平線に沈みゆく太陽の最後の一瞬というイメージが浮かびます。

細野 晴臣のテクノ風サウンドは、個人的にはエーゲ海のイメージとは重ならず、今ひとつという感じがします。しかし、松任谷 正隆と石川 鷹彦の曲は素晴らしい仕上がりだと思います。特に松任谷 正隆のアレンジが素晴らしいですね。ユーミンのアルバムでも起用している気心知れたミュージシャンを集め、彼等の個性を上手く活かしたアレンジが素晴らしいです。もちろんミュージシャンの演奏も素晴らしいものです。
歌モノのバックだったらドラムはおそらく林 立夫だったと思いますが、インスト曲ということで村上 秀一を起用しているのも松任谷らしい拘りかも知れませんね。
暑さにバテた時や仕事に疲れた時、窓から心地良い風が吹き込んできた時など、気分をリラックスさせたいなと思った時にお薦めの1枚です。
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MICHAEL FRANKS_THE ART OF TEA ◇ 2007年 07月 24日
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今回紹介するのは、蒸し暑い夜を快適な夜へと変えてくれる、そんなアルバムです。
マイケル・フランクスが1976年にリリースした2ndアルバム『THE ART OF TEA』です。
AOR好きな人なら『SLEEPING GYPSY』(1977年)と肩を並べる名盤としてお馴染みの1枚ですね。

まず、プロデュースがトミー・リピューマ、ミキシング・エンジニアがアル・シュミット、ストリングス・アレンジがニック・デカロという、この3人の名前をクレジットで発見しただけで、これは良いアルバムであるいう暗示にかかってしまう訳です(笑)
それに加え、バックを務めるのが、ジョー・サンプル(key)、ラリー・カールトン(g)、ジョン・ゲラン(ds)、ウィルトン・フェルダー(b)、マイケル・ブレッカー(sax)、デヴィッド・サンボーン(sax)、ラリー・バンカー(vib)といった豪華な顔ぶれ。このメンバーがクレジットされているのを見た瞬間に、このアルバムは良いアルバムから名盤へと変化してしまいます(笑)
実際に聴いても、その期待は裏切られることなく素晴らしい作品に仕上がっています。正直なところ、マイケル・フランクスの歌を1度たりとも上手いと思ったことは無いのですが、彼の書いた洗練された曲と豪華なスタッフ、ミュージシャンによって、味のある歌声に聴こえてくるのが不思議です。

『MICHAEL FRANKS / THE ART OF TEA』
01. NIGHTMOVES
02. EGGPLANT
03. MONKEY SEE - MONKEY DO
04. ST. ELMO'S FIRE
05. I DON'T KNOW WHY I'M SO HAPPY I'M SAD
06. JIVE
07. POPSICLE TOES
08. SOMETIMES I JUST FORGET TO SMILE
09. MR. BLUE

ラリー・カールトンの伸びやかなギターで始まり、ジョー・サンプルのローズが絡んでくるメロウな01。控え目ながら美しいニック・デカロのアレンジによるストリングスも素晴らしいですが、ラリー・カールトンとジョー・サンプルのプレイが光ってますね。

4ビートのJAZZYなナンバー02。ジョン・ゲランの軽やかなドラミングが心地良く、いかにもジョー・サンプルらしいコロコロと転がるようなローズのプレイがたまりません。それにしてもタイトルが「茄子」というのはどんなもんでしょうか・・・。

アルバムの中ではFUNKY色の濃い03。メリサ・マンチェスターやリンゴ・スターもカヴァーしていた名曲ですね。ラリー・カールトンの渋いリフとカッティングも印象的ですが、デヴィッド・サンボーンのアルト・サックスのソロがこの曲のハイライトです。

アル・シュミットならではの音のバランスの良さを感じるバラード曲04。ジョー・サンプルのローズとラリー・カールトンのギターの対比や、ストリングスの音のバランスを聴くとさすがという他言葉が見つかりません。

ブラジリアン・フレーバーの香り漂う05。ジョー・サンプルの弾くローズの音が、まるで跳ねて踊っているような軽やかな感じが何とも心地良い1曲で、大好きなナンバーです。

基本は4ビートながら変則的なリズムが面白いJAZZYなナンバー06。ジョン・ゲランのドラミングとマイケル・ブレッカーのサックス・ソロが聴き所であり、この曲のハイライトです。

唯一チャート・イン(全米43位)したというJAZZYな07。ウィルトン・フェルダーのベースのプレイが大好きなナンバーで、ラリー・カールトンのギター・リフとの絡みが渋いですね。

まるでラリー・カールトンの為の曲のようにも思えるブルージーな08。バッキング、ソロともにラリー・カールトンのプレイに尽きる曲と言っても過言ではないでしょう。思わず体が揺れてしまうスウィング感もたまりません。

最後にしてジョー・サンプルの美しい生ピアノが堪能できるバラード曲09。個人的には名曲「Antonio's Song」のプロトタイプとも言える曲だと思っている1曲です。ジョー・サンプルのピアノとデヴィッド・サンボーンのサックス、そして繊細で美しいストリングスが際立った素晴らしいナンバーです。

いつも驚かされるんですが、トミー・リピューマの手掛けたアルバムはどれも完成度が高いですね。アーティストのジャンルやキャリアに関係なく、リピューマが手掛けると楽曲達が一際輝きを増すような感じがしますね。こうなるとプロデューサーというより、音の魔術師と呼んだ方がお似合いかも知れません。
そして、何故こんなにも繊細で美しく響くストリングのアレンジが出来るのかと思わせるニック・デカロ。30年以上前に録音されたにも関わらず、その音の良さとバランスの良さは驚愕に値するアル・シュミットのミキシング。彼等もまた音の魔術師ですね。
そんな音の魔術師がタッグを組み、当時のクルセイダーズの面々を迎え、洒落たマイケル・フランクスの楽曲に輝きを与えています。まさに贅沢な1枚であり、名盤と呼ぶに相応しい1枚だと思います。
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高中 正義_JOLLY JIVE ◇ 2007年 07月 23日
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今回紹介するのは、私にとって夏には欠かせないアルバムで、楽しい思い出が沢山詰った1枚です。
そのアルバムは高中 正義が1979年にリリースした『JOLLY JIVE』です。名曲「BLUE LAGOON」を含んだ高中の代表作の1枚で、私と同年代の人ならば聴いていたという人が多いでしょう。
このアルバムは1979年の12月にリリースされているので、実際にこのアルバムを夏に堪能したのは翌1980年ということになります。

『JOLLY JIVE』には本当に楽しい思い出が沢山ありまして、1番の思い出は1980年の夏の出来事でした。当時大学生だった私は、仲間10人位で夏休みに海辺の貸し別荘を借りて、1週間の間昼は海で目一杯遊び、夜は自炊による正体不明の料理を肴にドンチャン騒ぎを繰り広げてましたんですが、本当に楽しかったんですよ。その時、海までの行き帰りの車の中や、ビーチで繰り返し聴いていたのが、サザンのアルバムとこの『JOLLY JIVE』だったんです。

あともう一つの思い出というか強く印象に残っているのが、新婚旅行で行ったモルジブです。当時、モルジブへはシンガポールで飛行機を乗り継ぎ、現地の空港に着くのが真夜中。そこから小型船に乗って宿泊する島へと渡って行くんですが、真夜中なので海の様子などは全く解らない状態なんです。
翌朝起きてコテージから20m程の海へ出た時のあの感動は、今も忘れられません。
まさに"Blue Lagoon"そのもの・・・。その海を見た瞬間、「BLUE LAGOON」のメロディーが頭の中でグルグルと回ってました(笑)
そんな訳で、『JOLLY JIVE』は私の楽しい思い出とリンクしているアルバムで、夏になると必ず聴きたくなりますし、聴けば楽しい思い出が蘇ってくる大切な1枚なのです。

『高中 正義 / JOLLY JIVE』
01. BLUE LAGOON
02. RADIO RIO
03. EXPLOSION
04. 珊瑚礁の妖精
05. TAJ MAHAL
06. BAMBOO VENDER
07. パラレル・ターン
08. RAINY DAY BLUE

言わずと知れた名曲01。高中の代表曲ですね。とにかくメロディー、アレンジ共に完成度の高い素晴らしい曲で、高中のセンスの良さに改めて驚かされた曲でした。井上 茂(ds)と高橋 ゲタ夫(b)のリズム隊の強力なまでの疾走感、乾 裕樹と小林 泉美がキーボードで参加。小林 泉美のオルガンのプレイも光ってます。そして、主役の高中の奏でる軽快なカッティングと爽やかなメロディーは最高ですね。発売された当時はミニコンポのCMで使われていた記憶があります。

サンバ調の曲なんですが、リズムが面白くどこかスカっぽい印象もあるノリの良いナンバー02。この曲では、林 立夫(ds)、坂本 龍一(key)、浜口 茂外也(per)が参加していますが、林 立夫のドラミングが見事です。キャリアとセンスを感じるドラミングですね。

アルバム中最もロック色の強いハードなナンバー03。井上 茂(ds)、高橋 ゲタ夫(b)、乾 裕樹(key)と高中によるシンプルな編成です。ヴォコーダーを使ったコーラスも印象的ですし、ゲタ夫のベースも渋いです。

ボリューム奏法を巧みに使った美しい音色と、浮遊感溢れる雰囲気がたまらない04。高中のアレンジはアイディアに富んでいて、本当にセンスの良さを感じます。小林 泉美の弾くソリーナも時代を感じさせず、心地良く響きます。

アルバム中唯一のカヴァー曲05。ブラジルの巨匠・ジョルジュ・ベンの曲のようですが、途中のメロディーを聴いていると何故かロッド・スチュワートの「Do Ya Think I'm Sexy?」を思い出すのは私だけでしょうか?(笑) この曲のドラムは上原 裕です。

"竹や~、竿竹"、"金魚や~、金魚"といった行商の掛け声を上手く使ったサルサ調の06。こんな掛け声まで夏らしい曲に変えてしまうアイディアには脱帽です。高中自身が叩くスチール・ドラムも味があって好きです。

おそらく歌が無くてインストだったら夏向きの曲としても似合っていたであろう07。この曲だけが冬を連想させる歌詞・タイトルですが、夏スキーが可能なところもあるので、このアルバムに入っていても特別違和感を感じないのはそのせいかも知れませんね。

メロディアスでブルージーな08。参加メンバーの各々のプレイが光っているナンバーで小林 泉美のピアノ・ソロや高橋 ゲタ夫のベース・プレイは特に聴き所と言えるでしょう。個人的には01に続いて好きな曲で、ギター・プレイに高中らしさを強く感じられるのが良いですね。

アルバム収録曲の良さや完成度の高いアルバムは、他にも沢山あります。実際に私もこのアルバムより好きなアルバムがあります。しかし、夏の楽しい思い出とリンクしていて、聴いた回数ではこのアルバムが断トツ1位なんです(笑)
アナログ盤の歌詞カードは、1曲毎に写真が付いていて切り離すとポスト・カードとして使えるようになってました。実際には紙がペラペラでしたし、わざわざ切り離して使った人はいないでしょうけど・・・。
ちなみにジャケット写真は浅井 慎平でした。
FUSIONが好きな人にはベタな部類に入るアルバムかも知れませんが、思い出深い1枚として今回紹介させてもらいました。皆さんにもそんなアルバムがあるのでは?
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村田 和人_Boy's Life ◇ 2007年 07月 22日
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人間我侭なもので、暑い日が続けば涼しくなって欲しいと願うくせに、梅雨空が続いて曇りや雨の天気ばかりだと照り返す陽射しが恋しくなります(笑)
そんな我侭な私が梅雨明けを願って選んだアルバムは、村田 和人が1987年にリリースした『Boy's Life』です。村田 和人の数多いアルバムの中でも、山下 達郎プロデュースの『ひとかけらの夏』(1983年)と並んで人気・評価の高いアルバムで、彼の代表作の1枚と言えるアルバムでしょう。

このアルバムの帯に書かれていたコピーが、「灼い夏のスプリンクラー・サウンド!心に熱い夏がある。くすぐったい夏もある。スリリングを期待する夏がある。忘れたくない少年の夏・・・いつでも、そしていつまでも"終らない夏"」というもの。村田のアルバムで初めて全曲の作詞を一人の作詞家(安藤 芳彦)が担当したことも、アルバムに統一感が生れてバランスの良いものになった気がします。
プロデュースとアレンジは、『Showdown』(1986年)に続いての参加となるロニー・フォスターと村田 和人。
ベーシックなオケ録りをL.A.で行い、日本でオーヴァー・ダビングと歌入れが行われているようですが、これが前作と比べて同じロニー・フォスターがアレンジに関わっていても、はるかに村田 和人らしいサウンドの仕上がっている大きな要因だと思いますし、結果的に大成功だったわけです。

『村田 和人 / Boy's Life』
01. Boy's Life
02. 天気雨を待ちながら
03. Mrs.Julyへの伝言
04. Stay The Young
05. Tokyo Transfer
06. 湾岸ウィング
07. Love Is a Mystery
08. 幸せに疲れて
09. 土曜日のLina
10. 夏のスケッチブック

村田の多重コーラスで始まるアルバム・タイトル・ナンバー01。軽快なポップ・ロック・ナンバーで、ライブで盛り上がる定番曲です。この曲のコーラス・リフは、ジャーニーの「Anyway You Want It」という曲から拝借したとか・・・。

70年代の輝かしき湘南ドリームを歌ったという02。ヴィニー・カリウタのタイトなシンセ・ドラムが印象的です。このアルバムでは、ヴィニーが全曲シンセ・ドラムを叩いているのですが、これもまた珍しいのですね。

心地良いサウンドに包まれるバラード曲03。この曲は、『ひとかけらの夏』に収録されていた「So Long, Mrs.」のアンサー・ソング的なものだとか。不倫の歌です(笑)

名曲04。これは私の大好きな曲で、J-AORの名曲だと信じて疑わない1曲です。年齢を重ねていくごとに、この曲の歌詞は妙に心に沁みてきます。今までの村田 和人にはあまり無かったタイプの曲なんですが、良い曲ですね。間奏の渋いサックス・ソロは、ブランドン・フィールズです。当時、カロッツェリアのCMに使われていましたね。

ラグタイム風な05。JAZZYなアレンジが心地良いですね。ロニー・フォスターのピアノのプレイが光る1曲で、ゆったりとしたリズムとコーラス・ワークの絡みが絶妙です。

アルバム中で1番好きな1曲06。東京近郊にお住まいの方ならご理解頂けると思いますが、私が高速湾岸線を走る時に必ず聴きたくなるドライヴィング・ミュージックです。この曲を聴きながら舞浜辺りを走っている時の爽快感はたまりません。明け方の時間帯ならば、その感動は何倍にも膨れ上がります(笑)
この曲は、ドン・ヘンリーの「Boys Of Summer」からアイディアを貰ったということです。

07もミディアム・テンポのAORナンバーです。L.A.録音ならではの乾いたサウンドがメロディーによくマッチしています。佐野 久美と村田 和人によるコーラスですが、女性の声が入ると雰囲気も柔らかくなって気持ち良さが倍増しますね。

ボッサ調のバラード曲08。村田にしては珍しい歌謡曲チックなメロディーですね。でも不思議と彼の声に似合っています。こういうタイプの曲も面白いと思います。

これも私の好きなAORナンバー09。L.A.でオケを録音しておきながらも、サビが気に入らずにドラムとサックス以外は全て差し替えたという曲。元のメロディーがどんな風なものだったか興味がありますが、結果的には成功だったですね。サビの部分の村田の一人三重唄が印象的です。

スケールの大きなバラード曲10。夏の終わりを感じさせる少し寂しさの漂うメロディーとアレンジが特徴です。間奏のメロディアスなギター・ソロは、マイク・ミラーのプレイです。

昨年、ムーンレーベル時代のアルバム5枚が紙ジャケットで再発されましたが、その時にはボーナス・トラックがこのアルバムにも7曲付いてました。ちなみにそのボーナス・トラック曲は、
11. In The Southern Sky
12. Morning Selection / Honey & B-Boys
13. On The Wind / 村田 和人 & B-Boys
14. Boy's Life (カラオケ)
15. Stay The Young (カラオケ)
16. 湾岸ウィング (カラオケ)
17. Love Is a Mystery (カラオケ)

シングル「湾岸ウィング」のカップリングだった11。ホンダのCMで使われていた曲で、英語の詞はCINDYが書いたものです。山下 達郎の多重コーラスのアレンジに似た雰囲気の多重コーラスが特徴で、曲の始めはアカペラです。爽やかな1曲。

シングル「Stay The Young」のカップリングだった12。Honey & B-Boysのアルバム『BACK TO FRISCO』に収録されていた曲で、ヴォーカルはサビ部分を村田 和人、それ以外を山本 圭右が歌っています。サビのメロディーはいかにも村田らしいメロディーです。

1987年頃、当時の三菱銀行の行内だけで流れる曲として作られたという13。レアな音源ですね。予算が無くて音楽学校のスタジオをタダで借りて、その学校の生徒さんがエンジニアを務めたとのことです。確かに音は今ひとつの感じはしますが、良い曲ですよ(笑)

1982年デビューの村田 和人も今年でデビュー25周年を迎えるわけです。その25年間もの間、毎年夏になると必ず村田 和人の歌声を聴き続けています。その夏が暑ければ、暑いほど村田 和人の歌声を聴きたくなり、そしてその歌声に乾いた風を感じて心地良い一時を過ごしています。
1995年のアルバム『sweet vibration』以降、オリジナル・アルバムがリリースされていませんが、ライブ等活動は続けているようなので、ぜひ新しいアルバムを届けてもらいたいですね。
それまでは、このアルバムを含め過去の作品を大事に聴いていこうと思います。
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