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邦人アーティストによる洋楽カヴァー・アルバム・シリーズ第二弾となる今回紹介するのは、元オルケスタ・デ・ラ・ルスのカルロス菅野がプロデュースし、日本を代表するミュージシャンが一堂に会したラテン・ジャズ・ビッグバンド、熱帯JAZZ楽団が2004年にリリースした『熱帯JAZZ楽団 Ⅷ ~The Covers~』です。前回の吉野 千代乃のカヴァー・アルバムが大人のしっとりとした雰囲気の洋楽カヴァー集だったので、今回は元気一杯かつ陽気な洋楽カヴァーが良いなと思いチョイスしました。本当に理屈抜きに楽のしめるカヴァー・アルバムになっています。

このアルバム・リリース時のメンバーは、カルロス菅野(per)、美座 良彦(per)、コスマス・カピッツア(per)、神保 彰(ds)、高橋 ゲタ夫(b)、森村 献(key)、佐々木 史郎(tp)、鈴木 正則(tp)、奥村 晶(tp, flh)、松島 啓之(tp)、中路 英明(tb)、青木 タイセイ(tb)、西田 幹(btb)、近藤 和彦 (as, fl)、藤陵 雅裕(as)、野々田 万照(ts)、宮本 大路(bs, fl)の総勢17人。そこにゲスト・プレイヤーも迎えてのまさにビッグ・バンドによる迫力ある演奏が、熱帯JAZZ楽団の最大の魅力ですね。

『熱帯JAZZ楽団 Ⅷ ~The Covers~』は、タイトルでも分かるように通算8作目となるアルバムです。既発表曲9曲と新録音曲3曲の12曲が、誰もが1度は耳にしたことのあるような馴染みの深い洋楽をラテン・ジャズでカヴァーしているインスト(1曲はヴォーカルが入っていますが)集です。いわゆるベスト盤に近いアルバムですね。既発表曲もニュー・ミックスになっているようです。

『熱帯JAZZ楽団 / 熱帯JAZZ楽団 Ⅷ ~The Covers~』
01. CELEBRATION
02. I WISH
03. I WANT YOU BACK
04. DON'T STOP 'TIL YOU GET ENOUGH
05. GOT TO BE REAL
06. SEPTEMBER
07. MISSION IMPOSSIBLE
08. DEAR MR. JONES
~IRONSIDE (Theme from "IRONSIDE)~
~SOUL BOSSANOVA~
~AI NO CORRIDA
09. GETAWAY
10. 007~THE JAMES BOND THEME
11. LUPIN THE THIRD
12. BITTER SWEET BOMBA (BITTER SWEET SAMBA)

1980年に全米1位を獲得したクール&ザ・ギャングの名曲01。イントロからラテン・グルーヴが炸裂します。ビッグ・バンドの魅力は迫力のあるホーン・セクションですが、熱帯JAZZ楽団の場合はそこに怒涛のパーカッションが加わって、ご機嫌なラテン・グルーヴを聴かせてくれることが最大の魅力ですね。曲中のサックス・ソロは野々田 万照。新録音曲です。

スティーヴィー・ワンダーが1976年にリリースした超名盤『Songs In The Key Of Life』に収録されていた02。ラテン・ジャズにピッタリな1曲と言えるかも知れませんね。神保 彰のタイトなドラミング、目立ちませんが森村 献のオルガンのプレイが光っています。トロンボーン・ソロは中路 英明。この曲も新録音曲です。

ジャクソン・ファイブが1969年にリリース、大ヒットしたシングル曲03。幼い頃のマイケル・ジャクソンの歌声が印象的な曲ですが、ここではスペシャル・ゲストに60年~70年代のSOULやDISCO MUSICを歌わせたら抜群の女性3人組"スリービックリーズ"が、オリジナルに匹敵するような素晴らしい歌声を聴かせてくれます。サックス・ソロは近藤 和彦。3曲目の新録音曲になります。

マイケル・ジャクソンの1979年の名盤『OFF THE WALL』に収録され、シングルとしても大ヒットしたダンサブルなナンバー04。ここではビッグ・バンド色を全面に出したJAZZエッセンスが強いアレンジになっています。高橋 ゲタ夫の強烈なベース・ソロが聴けます。

TOTOのデヴィッド・ペイチのプロデュースで1978年にデビューしたシェリル・リンの代表曲05。作曲にはデヴィッド・フォスターも加わっているというのは有名ですね。ここではオリジナルなFUNKYなグルーヴを損なわない素晴らしいFUNKグルーヴを聴かせてくれます。ホーン・セクションが主役な1曲ですね。

E,W&Fが1978年に放った名曲06。日本でE,W&Fの名前が広く知れ渡ったのは、この曲のおかげとも言えるナンバーです。元々大編成のE,W&Fですから、こういうビッグ・バンドの演奏との相性は抜群と言えるでしょう。グルーヴ感がたまらない1曲。

TVや映画音楽の世界では巨匠と言われるラロ・シフリンが作曲した07。「スパイ大作戦」のテーマとしてもお馴染みなナンバーです。ラテン色を抑えていますが、スリリングな演奏が魅力です。

天才プロデューサー・クインシー・ジョーンズを称えて3曲のメドレー形式にした08。「アイアンサイド」はTVドラマ「鬼警部アイアンサイド」のテーマ曲ですが、我々の年代には「ウィークエンダー」のテーマと言った方がピンとくるかも知れません。「ソウル・ボサノヴァ」も頻繁にTVのCMやBGMで使われているので、知っている人も多いでしょう。「愛のコリーダ」は1981年の大ヒット曲です。ラテン色の強いアレンジの「愛のコリーダ」もなかなか良いですね。

E,W&Fの1976年のアルバム『Spirit』の冒頭を飾った彼等の代表曲でもある09。本当に熱帯JAZZ楽団とE,W&Fの相性は抜群ですね。本当に格好良いと思います。ゲストの小池 修のサックス、カルロス菅野のボンゴ、佐々木 史郎・奥村 晶のトランペットがフィーチャーされていますが、森村 献のピアノや高橋 ゲタ夫のプレイも聴き逃せません。

お馴染みジェームス・ボンドのテーマ10。オリジナルに比べてスウィング感が強いというか、独特な緊張感が薄れてしまったのは残念な気がします。森村 献のラテン色の濃いピアノ・プレイが印象的です。

洋楽のカヴァー集と言ってましたが、この11の1曲だけが日本の曲です。すみません(笑) 大野 雄二を一躍有名にしたルパン三世のテーマですね。ただ、この演奏は正直?です。変則的なリズムが、この曲の持ち味であるスピード感やスリリングな雰囲気を壊してしまった気がします。唯一好きになれないアレンジです。

トランペット奏者で音楽プロデューサーであるハーブ・アルパートによるハーブ・アルパート&ザ・ティファナ・ブラスの1965年のアルバム『Whipped Cream & Other Delights』に収録されていた12。ラジオの深夜放送「オールナイト・ニッポン」のテーマ曲と言った方が断然分かりやすいですね。佐々木 史郎のトランペットをフィーチャーして、古い時代のステレオ効果のようなミックスが施してあります。

ラテン=陽気というイメージがありますが、まさにこのアルバムを聴くとそういう印象を受けます。このアルバムを聴いて、気分が凹む人はおそらくいないでしょう(笑)
私は朝起きて、会社へ行くのが億劫な時にテンションを上げる為にこのアルバムを聴きながら出勤する時もあります。とにかく元気をもらえる1枚です。
普段、FUSIONやJAZZといったインスト系の音楽を聴かない人や、興味があっても何から聴いて良いのか迷っているような人に、こういう有名曲ばかり集めたアルバムをお薦めします。
そう、音楽は理屈じゃなくて聴いて楽しければそれで十分なんですから・・・。
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吉野 千代乃_Songs For You ◇ 2008年 01月 30日
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自分が好きで始めたブログですが、長く続けてくると今日は何のアルバムを紹介しようかと迷うことも多くなります。何も考えずに記事を書いているとマンネリっぽくなりそうですし、なかなか難しいものですね(笑)
そんな時には、何かテーマを決めて記事を書いてみようかと考えて、思い付いたのが日本のアーティストによる洋楽カヴァー・アルバムの紹介でした。それも何日か連続でジャンルも様々なものを紹介してみようと思います。私は結構カヴァー・アルバムというのが好きでして、昨今のカヴァー・ブームのずっと前から色々聴いてました。今までも当ブログで沢山紹介してきましたが、カヴァー・アルバムが面白いなと思ったのは、しばた はつみの『LOVE LETTERS STRAIGHT FROM OUR HEARTS』(1977年)や石川 セリの『NEVER LETTING GO』(1978年)という素晴らしいカヴァー・アルバムに出会ったからかも知れません。

邦人アーティストによる洋楽カヴァー・アルバム・シリーズ第一弾となる今日紹介するのは、吉野 千代乃が1990年にリリースした『Songs For You』です。実は吉野 千代乃のアルバムを聴いたのは去年の秋の事で、それ以降彼女の歌声に魅了されて色々とアルバムを探してきました。これまでも2枚のアルバム『Montage』(1988年)と『JOURNEY TO LOVE』(1992年)を紹介しましたが、彼女がカヴァー・アルバムをリリースしていたことを知り、探していたんですが見つけることが出来ました。そんなこともあって、今回の企画を思い付きました(笑)
このアルバムに収録されている11曲は70年代に大ヒットした曲中心になっており、1962年生れの吉野 千代乃が当時本当に好きで聴いていたんだろうなと思える選曲になっています。

『吉野 千代乃 / Songs For You』
01. Killing Me Softly With His Song
02. A Song For You
03. Never Gonna Fall In Love Again
04. Will You Dance?
05. Have You Never Been Mellow
06. I'm Not In Love
07. If We Hold On Together
08. So Far Away
09. Theme From Mahogany (Do You Know Where You're Going To)
10. Just The Way You Are
11. All By Myself

1973年にロバータ・フラックが歌って大ヒットさせた、邦題「やさしく歌って」で知られる01。名曲ですね。日本ではネスカフェのCMでお馴染みです。佐藤 博一人によるシンセで演奏されていますが、これが実に良い雰囲気なんです。そして吉野 千代乃のヴォーカルやハーモニーが本当に素晴らしい1曲です。

アレサ・フランクリン、フランク・シナトラ、ウィリー・ネルソン、カーペンターズ等によってカヴァーされたレオン・ラッセルの1970年の名曲02。松下 誠のアコースティック・ギター1本をバックにしっとり歌われています。シンプル過ぎる位にシンプルなのに物足りなさを感じないナンバーです。

エリック・カルメンの1976年の名曲03。邦題「恋にノータッチ」として知られています。この曲は、クラシックのラフマニノフの交響曲第2番をモチーフにしたと言われていますが、それを意識したのかストリングスとアコーディオンだけの美しい演奏をバックに歌われています。

ジャニス・イアンが1977年にリリースしたシングル曲04。日本では「岸辺のアルバム」というドラマの主題歌に使われて大ヒットしましたね。吉野 千代乃の多重コーラスと高水 健司のウッド・ベースのみという秀逸なアレンジが光る1曲です。

1975年にリリースされたオリビア・ニュートン・ジョンのヒット・シングル05。ストリングスとピアノによるシンプルな演奏ですが、オリビアの持つ透明感はよく出ていると思います。オリビアを初めて知った時、こんなに綺麗な容姿と声の持ち主だったことに度肝を抜かされましたね(笑) 

1975年に大ヒットした10ccの代表曲06。松下 誠のアレンジで、打ち込みによるリズムとシンセ、そして松下のギターとコーラスによる演奏ですが、オリジナルの近い雰囲気を醸し出しています。ただ、オリジナルよりビートが効いてます。松下 誠のコーラス・ワークが見事です。

アルバム中唯一の80'sナンバー07。ダイアナ・ロスの名バラード曲ですね。元はディズニー映画のサントラに使われたらしいですが、日本では1990年に放映された今井 美樹主演のドラマの主題歌で広く知られるようになりました。

キャロル・キングの1971年リリースの名盤『Tapestry』に収録されていた名曲08。佐藤 博のワンマン演奏です。コーラスを含め、吉野 千代乃のヴォーカルが光っているナンバーです。

ダイアナ・ロスが俳優として出演した映画『マホガニー』の主題歌を自ら歌って全米No.1に輝いた09。「マホガニーのテーマ」として知られる曲ですが、日本ではやはりCMで使われているので多くの人が知っているであろう1曲ですね。この歌を聴いていたら、日本人が歌っているということをすっかり忘れてしまうほど、自然に歌っているのが印象的です。

ボズ・スキャッグスの「WE'RE ALL ALONE (二人だけ)」と並んで70年代を代表する名バラードとしてお馴染みのビリー・ジョエルの1977年のアルバム『Stranger』に収録されていた10。邦題は「素顔のままで」で有名ですよね。本田 雅人のサックスが渋いです。

エリック・カルメンの03と並ぶ1975年リリースの名曲11。この曲は、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を元にして作られたと言われています。スケールの大きなバラードに仕上がっています。というのもアルバムで唯一バンド形式で録音された曲です。青山 純(ds)、伊藤 広規(b)、松下 誠(g)、重実 徹(key)が参加しています。

本当に良いカヴァー・アルバムに仕上がってますね。特に吉野 千代乃のヴォーカルが素晴らしいの一言です。11曲の名曲達の持っているメロディーや歌詞の魅力を聴く者に伝えようとしているかのような歌声が、心地良く耳に届いてきます。数曲聴いている内に、日本人が歌っているということを本当に忘れてしまいます。本当に上手いシンガーだと思います。
洋楽好きの方にもぜひ聴いてもらいたい1枚ですね。もし中古店等で見つけたら購入をお薦めします。
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今回紹介するのは、カイリー・ミノーグが1988年にリリースしたデビュー・アルバム『KYLIE (邦題:ラッキー・ラブ)』です。最近、洋楽の紹介が増えてますね・・・。私のブログでは珍しいことなんですが、1週間程前だったかTVの音楽番組でカイリー・ミノーグが出演してまして、あの「I SHOULD BE SO LUCKY (ラッキー・ラブ)」を歌っているのを見て懐かしくなり、CD棚から引っ張り出して聴いていたもので、折角なら紹介してみようと思った訳です(笑)

TVで見たカイリーは、さすがに今年で40歳とのことで老けてましたね。と言っても洋楽に疎い私はこの1枚以外は聴いたことがありませんし、彼女がどんな経歴かもよく知りません。ただ、「I SHOULD BE SO LUCKY (ラッキー・ラブ)」は、日本がバブル景気の最中に流行った曲で、当時は嫌というほど耳にした曲でした。ですから私にはバブル景気とこの曲が密接に結びついているんですよね。そして、やはりバブル絶頂期に大人気だったWINKも、このアルバムに収録されていた「TURN IT INTO LOVE (愛が止まらない)」をカヴァーして大ヒットさせたのも強い印象として頭に残っています(笑)

カイリーは、オーストラリア生まれで、11歳の頃から女優として活躍していたようです。14歳の時に人気TVドラマ『ネイバーズ』のシャーリーン役で人気爆発し、19歳の時に、オーストラリアのインディーレーベルから”ロコモーション”のカヴァーでデビュー。これが大ヒットしたのだそうです。ドラマ『ネイバーズ』はイギリスでも放映され大ヒット。イギリスでの知名度が上がり、当時勢いのあったイギリスのプロデューサー・チーム"ストック・エイトケン・ウォーターマン"の目にとまり、1988年に「I SHOULD BE SO LUCKY (ラッキー・ラブ)」でデビューという経歴のようですね。このアルバムは、シングル曲が6曲も含まれていることもあり700万枚ものセールスを記録したとか・・・。ストック・エイトケン・ウォーターマンらしい軽快でキャッチーでナンバーが揃っていて聴きやすいですね。私の年代よりも30歳代の人の方が思い入れが強いかも知れませんね。

『KYLIE MINOGUE / KYLIE (邦題:ラッキー・ラブ)』
01. I SHOULD BE SO LUCKY (ラッキー・ラブ)
02. THE LOCO-MOTION
03. JE NE SAIS PAS POURQUOI (涙色の雨)
04. IT'S NO SECRET (ノー・シークレット)
05. GOT TO BE CERTAIN (恋は急がず)
06. TURN IT INTO LOVE (愛が止まらない)
07. I MISS YOU (元気にアイ・ミス・ユー)
08. I'LL STILL BE LOVING YOU
09. LOOK MY WAY
10. LOVE AT FIRST SIGHT

今回は全曲でなく、数曲だけピック・アップしてレビューします。(完全に手抜きです・・・笑)

お馴染みのナンバー01。これほど耳に残る曲というのも珍しいかも知れませんね。バブル全盛期に、この曲に合わせてディスコのお立ち台で踊っていたお姉さん達もあれから20年経って、どんな風に変わっているんでしょう?(笑)

アルバム唯一のカヴァー曲02。沢山のカヴァーが存在する曲ですが、私の1番好きなカヴァーはやはりグランド・ファンクです。カイリー・バージョンのディスコ・ビートに乗せ、軽快に仕上がっています。当時のディスコ・ブームなら頷けます。

ポップ色の強い04。割と好きな曲のひとつです。打ち込みのリズムは他と同様ですが、ギターのカッティングを全面に出し、ポップ色を強めた感じのアレンジが良い感じですね。

WINKでもお馴染みの06。これは確かにメロディーが魅力的ですね。ストック・エイトケン・ウォーターマンの本領発揮といった感のある1曲です。それにしてもWINKにこの曲をカヴァーさせた制作スタッフのセンスはたいしたものですね。WINKの歌も聴き直してみましたが、俄然WINKの方がこの曲は似合ってる気がします。名曲と言える曲だと思っています。

跳ねた感じのリズム・アレンジが心地良いポップ・チューン07。不思議なんですが、こういう曲調でのカイリーのヴォーカルは実に魅力的に聴こえるんですよね。

振り返ってみると、80年代というのは面白い時代でしたね。もちろん音楽においてもです。本当に色んな音楽形態が登場した10年間だったように思います。私の好みで言えば、やはりAORやCITY POP関連の音楽が好きなので80年代半ば頃までの音楽が1番魅力的でしたが、カイリー・ミノーグやWINKの音楽もバブル景気時代の思い出とリンクしていて、たまに聴くと楽しいですね。
また別の機会に、今度はWINKでも紹介してみようかとも思い始めてます(笑)
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楠木 勇有行_THE ONE AND ONLY ◇ 2008年 01月 28日
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今回紹介するのは、楠木 勇有行が1988年にリリースしたL.A.録音アルバム『THE ONE AND ONLY』です。楠木 勇有行は、高校時代にアイドルグループとしてデビュー、25歳の時にはキャラメルバンドというグループでアルバム1枚リリース。その後はレイニー・ウッドのボーカルやカシオペアのゲスト・ヴォーカル等を務め、1985年には楠木 恭介名義でソロ・デビュー・アルバム『JUST TONIGHT』をリリース。
以降は勇有行名義でも何枚かのソロ・アルバムをリリースしています。特に凄いのは彼の歌ったCMソングは1,000曲を超えるらしいです。楠木 達志名義では、SMAPやMISIAに曲を提供していたようですし、同じく達志名義で参加した角松 敏生プロデュースによる『VOCALAND 2』に参加していましたね。
私が楠木 勇有行の存在を知ったのも、実はこの『VOCALAND 2』でした。

アルバム『THE ONE AND ONLY』は楠木 勇有行と松居 和がプロデュース、松居 和のプロデュース作品には欠かせない存在であるデレク中本(key)や百石 元(g)がアレンジを担当し、あまり馴染みの無いL.A.のミュージシャン達が参加しています。楽曲全ての作曲は楠木 勇有行自身です。ソング・ライターとしても優れたセンス、才能を持っていると思いますが、やはりソウルフルな歌声が楠木の最大の魅力でしょうね。

『楠木 勇有行 / THE ONE AND ONLY』
01. STAY OUT OF MY HEART
02. MY PRECIOUS LOVE
03. シルクの星座
04. YOU'RE THE ONE
05. TRUE ROMANCE
06. IF・・・
07. MIDNIGHT
08. うたかた
09. 楽園のメモリー
10. HEAVEN'S WHERE WE ARE

ダンサブルな打ち込みのリズムに、百石 元のキレのあるギター・カッティングが印象的な01。スクラッチ・ノイズやSEを入れているあたり時代を感じますが、キャッチーなメロディーとFUNKYなサウンドは今聴いても不自然さを全く感じません。

打ち込み全盛だった頃の角松サウンドにも通じるようなミディアム・ナンバー02。キャッチーなメロディーで、大好きな1曲です。アレンジを変えればかなりメロウなAORナンバーに変身すると思います。ここでの打ち込みのアレンジでもかなりメロウな雰囲気を持っていますが・・・。

バンド形式で録音されたFUNKYなナンバー03。軽快なギター・カッティング、迫力のあるスラップ・ベースにホーン・セクションが加わり、打ち込みでは出せないグルーヴ感が心地良い1曲です。伸びのある楠木のヴォーカルと演奏とのバランスも良いですね。

ソフト&メロウなミディアム・バラード・ナンバー04。パーカッションを上手く使い、リズム感を大切にしたアレンジが絶妙なナンバーです。デレク中本のアレンジ・センスが光る1曲。

美しいスロー・バラード曲05。ベタな位のラヴ・バラードに仕上がっています。ソフトに歌う楠木のヴォーカルとコーラス・ワークの美しさが素晴らしいです。

打ち込みによるグルーヴ感を全面に出したFUNKYチューン06。百石 元のギターのバッキングとホーン・セクションが単調な打ち込みのリズムをよりグルーヴ感溢れるものにしています。サビのメロディーが耳に残ります。

バンド演奏による都会的で洒落たミディアム・グルーヴが格好良い07。楠木のヴォーカルも変に力が入っていない、余裕すら感じさせるスタイルが曲調によく似合っています。

ボッサ・テイストのサウンドが心地良いミディアム・バラード・ナンバー08。

ウエスト・コーストのAORサウンドといった趣きのある軽快なミディアム・ナンバー09。サビのメロディーよりもAメロがとてもキャッチーで耳に残ります。百石 元のギター・ソロが素晴らしい1曲。

アルバム中唯一英語詞のバラード・ナンバー10。これが1番AOR色の強いナンバーで、メロディーやアレンジにデヴィッド・フォスターの影響を色濃く感じます。ある意味ではベタな感じなんですが、素直に洒落たバラード・ナンバーとして良く出来た曲だと思います。メロディーではアルバムの中では1番好きですね。

このアルバムが、楠木初体験となるアルバムだったのですが、もっとブラコン色の強いアーティストかと思っていました。ところが実際に聴いてみると、ブラコン色の強いナンバーもありますが、AOR色の強い曲もあって楽しめました。メロディーも分かりやすくて聴きやすかったですし、意外にもあっさり目のヴォーカルも良かったですね。
去年ソロ・デビュー・アルバム『JUST TONIGHT』がCD化されました。これを機会に『JUST TONIGHT』を始め、他のアルバムも聴いてみたいと思っています。BOOK OFFでも、ごくたまにですがアルバムを見かけますので、気長に探してみようと思っています。
CITY POPやJ-AOR路線が好きな方にはお薦め出来るアルバムです。
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Wii Fit ◇ 2008年 01月 27日
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今回は音楽以外の話題をたまには取り上げてみようかと思います。
最近、任天堂のゲーム機"wii"のソフト「Wii Fit」に嵌っています。TV-CMでも流れているのでご存知の方も多いと思いますが、体重計のような"Wii Board"とソフトがセットになったもので、家庭で手軽に出来るフィットネスをコンセプトに作られたものです。
去年の12月1日に発売され、発売後1ヶ月で100万本を売り上げたという驚異的なソフトなんですが、これがゲームとは思えない程良く出来てるんですね。さすがは任天堂、コンセプトがしっかりしてますし、丁寧に作り込められたソフトだと感心しています。

50歳間近なおっさんですが、意外にもゲーム遍歴は長いのです。大学生時代には、100円玉を積み上げて興じたテーブル・ゲーム「インベーダー・ゲーム」に始まり、ゲーセンも通いましたし、任天堂"ファミコン"に飛び付き、ディスク・システムも購入。しばらくしてNECの"PCエンジン"も購入しましたし、セガ機もやりました。
ソニーのPSが登場してからPS2までは、その圧倒的なグラフィック性能に魅了されPSの時代が続きましたが、ここへきて再び任天堂機へと戻りました。"Wii"に魅力を感じたのは、やはりリモコン・コントローラーの可能性でした。
確かにPS3のグラフィック性能は素晴らしいものがありますし、とても魅力的ですが如何せんゲーム機が高いのと、グラフィック性能とゲームの面白さは決して比例しないことを、それまでのPSシリーズで経験してきましたので、ゲーム機の性能よりも楽しく遊べそうな"Wii"を選んだのです。

さて、「Wii Fit」の話に戻しますが、私のような年代になるとどうしてもカロリー摂取量と消費量の間に
『カロリー摂取量>カロリー消費量』という固定数式が出来てしまいます(笑)
そうなればメタボ体型になるのは必須で、御多分に洩れず私もメタボ体型な訳です。これはではいけないと思ってはいても実際に運動不足なのは明白で、その運動不足解消の為にジムへ高いお金を払って通うか?、あるいは飽きっぽい性格を改めてウォーキングでもするのか?
どれも一抹の不安の残るものばかりで・・・。そこへ登場したのが「Wii Fit」だった訳です。ボードとソフト込みで8,800円という価格や、ゲーム感覚で楽しみながら家で出来るというので購入しました。

「Wii Fit」には、からだ測定(体重・BMI・重心)とトレーニング(ヨガ・筋トレ・有酸素運動・バランスゲーム)との分かれていて、からだ測定で毎日の体重の変化等が記録されますし、トレーニングでは1回数分程度のトレーニングやゲームが沢山入っています。
たかがゲームで一体どれだけの効果があるのかと疑う人も多いと思います。確かに本格的なジムでの効果は期待できないでしょう。それでもここに入っている筋トレや有酸素運動を真剣にやると、筋肉痛にもなりますし汗もかきます。そして何より楽しいのが良いんですよね。
家でパジャマ等の気楽な格好で出来ますし、トレーニングを積むと新しいトレーニングやゲームが出来るようになったりというのもやる気に繋がっているようです。
ゲームやトレーニングで高得点を出していたのに、知らないうちに嫁さんに記録を塗り替えられたりして・・・。それが悔しくてまた一生懸命トレーニングしたりしています(笑)

「Wii Fit」を購入してからというもの、私も嫁さんも毎日30分~1時間位トレーニングやゲームで楽しんで良い汗かいています。これなら続けられそうな気がしますね。
全く運動しなかったことを考えれば、ほんの少しでも体を動かすようになったので購入は正解でした。
それにしても任天堂さんの発想は素晴らしいものがありますね。これだけ売れるのが頷けます。
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RANDY GOODRUM_FOOL'S PARADISE ◇ 2008年 01月 26日
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今回紹介するのは、1970年代にソング・ライターとして頭角を表したランディ・グッドラムが満を持してという感じで1982年に放ったソロ・デビュー・アルバム『FOOL'S PARADISE』です。AOR好きな人には、ソロ・アーティストとしてよりもソング・ライターとしてお馴染みかも知れませんね。そういう私も彼のソロ・アルバムを聴いたのは最近になってからのことなんです。ただソング・ライターとしては、マイケル・ジョンソン、アン・マレー、マイケル・マクドナルド、スティーブ・ペリー、ジョージ・ベンソンへの楽曲を提供していましたし、マイケル・マッサーとかデヴィッド・フォスターといった大物作曲家・プロデューサーから請われてコラボしたりしていたので、その名前は当然知っていましたし、注目していた一人でした。

ランディ・グッドラムは、日本のアーティストとも結構関わりがあって、松田 聖子の1988年のアルバム『Citron』(デヴィッド・フォスターのプロデュース)や1985年のオフコースのアルバム『Back Streets of Tokyo』でも彼の名前を見つけることが出来ますし、先日紹介した小田 和正のカヴァー・ソング集『Love Story ; Kazumasa Oda Songbook』では素晴らしい歌声も聴かせてくれました。

さて、本題に入ります。『FOOL'S PARADISE』は、プロデュースはスティーリー・ダンのエンジニアとして有名なエリオット・シャイナーとランディの共同名義です。参加しているミュージシャンは、私の所有している1991年リリースのCDにはクレジットが無いのですがライナーによると、ジェフ・ポーカロ(ds)、ニール・ジェイスン(b)、スティーヴ・カーン(g)等が参加しているようです。ソング・ライティングの才能は既に証明されていましたが、シンガーとして素晴らしい歌声を聴かせてくれています。デビュー・アルバムにも関わらず、力みが無く優しく知的な歌声は確かにランディの魅力と言えるかも知れません。

『RANDY GOODRUM / FOOL'S PARADISE』
01. WE'RE SO CLOSE
02. ONE MORE FOOL
03. SAVIN' IT UP
04. WIN BACK YOUR HEART
05. DUES
06. ONE STEP AHEAD OF THE BAD NEWS
07. SECOND CHANCE AT LOVE
08. FOOL'S PARADISE
09. TIME TO SAY I'M SORRY
10. HELLBENT FOR MEXICO

イントロのエレピの音からAOR色全開で、あのビル・ラバウンティの名曲「LIVIN' IT UP」を彷彿させる渋いナンバー01。この曲を共作しているベッキー・フォスターがビル・ラバウンティの奥さんだというのも何かの因縁でしょうか(笑)

ボビー・コールドウェル風な作品02。優しく伸び伸びと、しかもスウィング感のあるヴォーカルが何とも言えず心地良いです。女性コーラスを上手く使っていて、とても軽快でJAZZYな味わいのあるAORナンバーに仕上がってます。

美しいストリングスとコーラス、メロディー・ラインを持ったバラード・ナンバー03。美しい中にも明るい雰囲気を持ったサウンドやメロディーが、ランディの歌声とよくマッチしています。ランディのソング・ライターとしての才能を感じさせる1曲ですね。

電話での会話をテーマにした04。洒落た場面設定の歌詞が印象的です。ジェフ・ポーカロ(おそらくですが)のドラミングが見事です。

冴えないBARで弾き語りをしているミュージシャンの姿や野望を歌った05。冴えない現状といつかスポット・ライトを浴びてやるという野望とが、ランディのヴォーカルから感じ取れるほど表現力が豊かなヴォーカルが魅力です。

サイレンのようなSE(シンセ)が印象的な、軽快で渋いAORナンバー06。ポーカロらしいドラミングと、スティーヴ・カーンらしいトーンのギター・ソロが素晴らしいの一言です。

メアリー・マクレガーとのデュエット・ナンバー07。イントロのリフから期待させてくれます。ストリングスの美しさが際立っていて、ランディとメアリーの優しい歌声に癒されるようなバラード・ナンバーです。

アルバム・タイトル曲08。メリハリの効いたアレンジが素晴らしい1曲。サウンドとは裏腹にあくまでランディのヴォーカルは優しくマイルドなのが良いですね。

甘いバラード・ナンバー09。まさにバラードの王道といった感じの仕上がりになっています。アルバム収録曲の中で最もランディの声にフィットしているのが、この09という気がします。ベタな感じはしますが、良い曲には違いありません。

ラスト・ナンバー10。ライナーにも書かれてましたが、本来なら09で終わる方がスマートな感じがするのですが、あえて最後にちょっとFUNKYなナンバーを持ってきているのも洒落ています。

ソング・ライターとしての実績は十分なので、あえてアーティスト、ヴォーカリストとしてのランディ・グッドラムの魅力を表面に出したといった感のある本作ですが、結果的にそれが大成功だったと思います。とにかくランディのヴォーカルの心地良さは格別で、聴くほどに味わい深さをましていくような作品に仕上がっています。名曲03のように、他のアーティストにカヴァーされている曲を中心に楽曲の良さも光っていますし、AORアルバムとしてかなりの傑作だと思います。落ち着いた雰囲気で音楽を楽しみたいという大人のリスナーにはお薦めの1枚です。
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増尾 好秋_Sunshine Avenue ◇ 2008年 01月 25日
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今回紹介するのは、私の大好きなギタリストの一人である増尾 好秋が、日本のフュージョン・レーベル"Electric Bird"から1979年にリリースした第二弾となるリーダー・アルバム『Sunshine Avenue』です。当ブログでも今までもElectric Bird第一弾『Sailing Wonder』(1978年)とElectric Bird第三弾『Good Morning』(1980年)を紹介しました。この2枚は比較的CDでも入手しやすかったのですが、『Sunshine Avenue』だけは1990年にCD化されてから再発されておらず、買いそびれていた私はずっとCDを探していたんですが、この度BOOK OFFで念願叶って見つけることが出来ました。これで昔よく聴いていた3枚全てがCDで揃ったのは嬉しい限りです。

前作『Sailing Wonder』ではデイヴ・グルーシン、エリック・ゲイル、リチャード・ティー、ゴードン・エドワーズ、スティーヴ・ガッドという壮々たるスタジオ・ミュージシャンを招いて制作されたアルバムでしたが、どうも増尾自身は納得のいく作品では無かったようです。増尾は自分のバンドを作り、そのグループの一体感や信頼感からくる温かい雰囲気をサウンドに出したいというコンセプトで制作されたのが、この『Sunshine Avenue』ということです。
メンバーは、T.M.スティーヴンス(b)、ヴィクター・ブルース(key)、ロビー・ゴンザレス(ds)、パポ・コンガ・プエルト(per)、チャールズ・タレラント(per)、シャーリー増尾(per)に加えゲスト・ミュージシャンとしてホルヘ・ダルト(key)、マイケル・チャイムズ(harmonica)が参加しています。特に注目したいのはヴィクター・ブルースとチャールズ・タレラントの二人で、二人ともレコーディングはこれが初めてだったらしいのですが、素晴らしいプレイを聴かせてくれます。そして、収録曲6曲中でヴィクターが2曲、チャールズが3曲も曲を書いているんです。いかに増尾がこの二人を評価していたのかが窺えます。

前作に比べて、ずっとロック色の強いナンバーが多く、スリリングで緊張感溢れるメンバーのプレイと増尾のギター・プレイが圧巻です。そして強烈なグルーヴを放つT.M.スティーヴンスのベース・プレイも聴き所になっています。

『増尾 好秋 / Sunshine Avenue』
01. Sunshine Avenue
02. Your Love Is Never Ending
03. A Threesome
04. Look To Me (And See The Sun)
05. Someone
06. I Will Find A Place

アルバム中たった1曲の増尾 好秋のオリジナル曲01。ブルースっぽいイントロと思いきや、なんとも軽快なロックン・ロールとJAZZが絶妙に融合したような感じのノリの良いナンバーです。明らかに前作には無かったタイプの曲ですし、ロック色の強いギター・プレイも強く印象に残る名曲です。新人とは思えぬヴィクター・ブルースのピアノ・プレイにも注目です。

ヴィクター・ブルースが作曲、プレイ、ヴォーカルにと大活躍のFUNKYなナンバー02。増尾のギター・リフと初めてのレコーディングとは信じられないくらいのヴィクターの堂々たるヴォーカルとピアノのプレイが耳に残る1曲です。

02と同じくヴィクター・ブルースの作曲したジャズ・ロックといった趣きのスリリングなナンバー03。聴き所は何と言っても増尾 好秋、ヴィクター・ブルース、T.M.スティーヴンスの3人のソロのバトルですね。まさにFUSIONの醍醐味が詰った1曲といった感じに仕上がっています。

本職がドラマーであるチャールズ・タレラントの書き下ろしたナンバー04。メロディアスはミディアム・ナンバーで、ウェス・モンゴメリーを彷彿させる増尾 好秋のギター・プレイが非常に心地良いです。シンプルな演奏にストリングスが加わって、ロック色の強いアルバムの中でほっと一息つかせるような1曲になっています。

同じくチャールズ・タレラントの作曲によるバラード・ナンバー05。04から05へスロー・ダウンしていく感じが凄く良いですね。増尾のアコースティック・ギターとマイケル・チャイムズの哀愁の漂うハーモニカの組み合わせが素晴らしいですね。

ラスト・ナンバー06は、やはりチャールズ・タレラントの作曲による8分を超えるサンバ曲です。疾走感のある増尾 好秋のギターが印象的です。中盤辺りから徐々にテンションが上がっていく演奏が素晴らしく、パーカッションが大活躍するとともにホルヘ・ダルトのピアノのバッキングが加わって、まさにハイ・テンションになっていく感じが圧巻です。

曲の良さだけで言えば『Good Morning』の方がはるかに聴きやすいし、親しみやすいと思いますが、これだけロック・フィーリングが強い増尾 好秋のギターが聴けるというのが本作の特徴だと思います。『Sailing Wonder』、『Sunshine Avenue』、『Good Morning』の3枚を聴くと増尾 好秋のギターの魅力を存分に楽しめるという意味では、私にとっても重要な3枚になっています。増尾 好秋を初めて聴くのであれば、まず『Good Morning』をお薦めしますが、既に増尾 好秋の魅力に触れた人であれば本作は面白く聴けるのではないかと思います。
最後に余談ですが、増尾 好秋は1965~6年に早稲田大学のモダン・ジャズ研究会での新人メンバーのオーディションを受けたらしいのですが、その時の審査員に一人に1年先輩になるジャズ・ベーシストの鈴木 良雄がいて、その鈴木が増尾のギター・プレイを聴いてぶっ飛んだらしいですね。"ウェス・モンゴメリー現る"と大絶賛だったらしいですね。ちなみにタモリと増尾は同級だったとのことです(笑)
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二村 敦志_AOR ◇ 2008年 01月 23日
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今回紹介するのは、私にしてはとても珍しく2004年にデビューという最近のアーティストです。そのアーティストは、大阪を中心に積極的にライブ活動を続けている二村 敦志という1977年生れの若いアーティストです。おそらく、このブログを訪れて下さる皆さんの多くは二村 敦志をご存知の方は少ないと思います。
私も彼のことを知ったのはつい最近のことでした。
いつものようにBOOK OFFを探索中、何気に目に飛び込んできたのが、今回紹介する二村 敦志のデビュー・アルバム『AOR』でした。特にジャケット写真に惹かれた訳ではなかったのですが、『AOR』というタイトルがとにかく気になってしまったというのが正直なところです。値段も1,000円という手頃な値段でしたので、興味本位で購入しました。

二村 敦志について全く知識が無かったのでHP等で調べてみると、18歳より敬愛していたジェームス・テイラーに影響を受けて音楽を始めたらしいです。好きなアーティストは、ジェームス・テイラー、キャロル・キング、ジャクソン・ブラウン、マイケル・フランクス、タック&パティー、デヴィッド・T・ウォーカー、スティーリー・ダン等らしいです
そんな二村 敦志が自ら作詞・作曲した全10曲を収めた1stアルバムが『AOR』です。千原 拓也、宇田川 妙、中野 督夫をアレンジャーに迎え、また憧れのデヴィッド・T・ウォーカーをゲストに迎えて制作されています。相当拘りを持って作られているようで、今の時代にあえてアナログ・レコーディング、そしてヴォーカル録りはほぼ一発録りされているようで、随所に緊迫感に溢れていますし、アナログ独特の音が印象的です。曲作りにおいてはまだ荒削りな感じもしますが、数をこなせばもっと良い感じになるのではないでしょうか。

『二村 敦志 / AOR』
01. Fragile
02. LUZ
03. 虹
04. 散歩へでかけよう
05. Summer Breeze
06. Promised Land
07. Christmas Serenade ~If~
08. 星に願いを
09. 祈り
10. Kiss

ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロによる三重奏のストリングスが美しいバラード曲01。アナログ録音独特な音の柔らかさが曲調にぴったりですし、一発録りのヴォーカルもなかなかです。曲の終盤に向けて盛り上げるアレンジも良いですね。

アコースティック・ギターのサウンドを軸に、デヴィッド・T・ウォーカーらしいギターが聴けるミディアム・バラード曲02。とても聴きやすいメロディー・ラインと丁寧に歌うヴォーカル・スタイルが二村 敦志の魅力かも知れません。

無伴奏で歌い始める03。ギターに中野 督夫を迎えウエスト・コースト風なサウンドに仕上がっているポップなナンバー。コーラスで参加している大西 亜里が良い歌声を聴かせてくれます。

中野 督夫のアレンジ、ギターによる軽快なポップ・ナンバー04。爽やかな風を感じるようなさウンドと歌声印象的なナンバーです。

夏向けの洒落たボッサ・ナンバー05。この曲は歌を聴かせるというより演奏で楽しめるといった感じの1曲です。岩田 晶によるウッド・ベースとアコースティック・ギターのプレイが素晴らしい、まさにAORなナンバー。

二村 敦志自身が弾くアコースティック・ギターが渋いミディアム・ナンバー06。ホーン・セクションを加え、厚みのあるサウンドに仕上がっています。この曲もAORな1曲と呼べるナンバーですね。

夜の静寂さとクリスマスの煌びやかさがよく表現されているアレンジが秀逸なバラード・ナンバー07。クリスマス・ソングという捕らえ方は当然出来ますが、いつでも楽しめるバラード曲に仕上がっていると思います。ゲストで参加している土岐 英史のサックス・ソロは流石というプレイです。

思い切りJAZZYなナンバー08。ポップでキャッチーなメロディーと4ビートのJAZZとの相性も抜群で、アルバムの中で最もお洒落なナンバーかも知れません。

ピアノとヴァイオリンのみをバックに歌われるバラード・ナンバー09。

二村 敦志によるギターの弾き語りによる10。一発録りの緊迫感が伝わってきますが、彼の歌の良さがよく出ている気がします。

このアルバムが「AORか?」と問われれば、AORチックな曲もありますので「NO」では無いのですが、如何せんバラード曲が多いのが残念です。曲自体はメロディー・ラインも良いですし、二村のヴォーカルも良いと思います。もうちょっとハネたリズムの曲やロックっぽい曲が聴いてみたい気がします。まだアルバムはこの1枚だけみたいですから、これからが楽しみな若手アーティストとして注目しています。どなたか関西地区に在住の方で彼のことをご存知な方はいらっしゃいますか?HPで試聴も出来るようですので、興味があったら覗いてみて下さい。
アドレスは、http://www.atsushinimura.com/index2.html
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今回紹介するアルバムは、とても優れた女性シンガー・ソング・ライターとして大好きな中原 めいこが1989年にリリースしたバラード曲を集めたベスト盤『Happy Birthday,Love for you』です。
私にとって中原 めいこはある種特別な思い入れのあるアーティストでした。まず出身が私が2歳の頃から現在まで暮らしている千葉県の出身だということ。そして1959年生まれで私と同年齢なんです。これはもう親近感が沸くのも当然で・・・(笑)

中原 めいことの出会いは1982年でした。当時週に2~3回はレコード店へ出向いては、何か良いレコードはないかと物色中にたまたま見つけたのが彼女の1stアルバム『COCONUTS HOUSE』でした。いかにも夏らしいポップな印象のジャケットとレコードの帯に書かれていたコピー「CITY POSのスーパー・モダン・ガール、中原めいこ、リゾート感覚いっぱいにつめ込んで、Welcome to COCONUTS HOUSE」に惹かれて購入したのがきっかけでした。彼女の書くとびきりポップでキャッチーなメロディーに魅了され、以降レコードを何枚か購入して聴いてきました。

私はご存知のようにBOOK OFF巡りをライフ・ワークのひとつにしていますが、CD化された中原 めいこの初期のアルバムを探すのも目的のひとつなんですよ。5枚目のオリジナル・アルバム『MOODS』以降のアルバムは比較的見つかるのですが、それ以前のアルバムはほとんど見つからないですね。
そんな中、自宅から車で10分程度のところに去年の暮れBOOK OFFがオープンしまして早速物色に出かけたところ、今回紹介する『Happy Birthday,Love for you』が新品未開封の状態で1,000円で売られているではありませんか!これはもう即効で購入しました。

バラード集ですから、彼女の持ち味である元気一杯のポップなナンバーは聴けません。しかし、彼女のメロディー・センスはバラードでも十分発揮されている訳で、逆に彼女のセンスの良さを再発見出来たアルバムでもありました。安易にリリースの年代順に曲を並べているのではなく、十分に練られた曲順になっているのが良いですね。これは選曲、構成に中原 めいこが関わっているのが大きいのでしょう。ライナーで萩原 健太氏が書いていますが、まるで自分が作って編集したカセットのベストみたいというのは全くの同感です。

『中原 めいこ / Happy Birthday,Love for you』
01. Happy birthday, Love for you
02. Cloudyな午後
03. 涙のスロー・ダンス
04. ケンカのあとの口づけ
05. マスカレード(仮面舞踏会)
06. Infinite Love(無限の愛)
07. PUZZLE
08. We Were In L.A.
09. 極楽鳥のテーマ(Bird of Paradise)
10. So Shine
11. 夜はMusical
12. I Miss My Valentine
13. 2時までのシンデレラ
14. In your eyes

1987年リリースのアルバム『PUZZLE』に収録されていた01。アレンジは小林 信吾です。切ない歌詞と彼女らしいキャッチーなサビのメロディーが胸に響きます。

1984年のアルバム『ロートスの果実 - LOTOS -』に収録されていた02。新川 博による都会的で洒落たアレンジが格好良いミディアム・バラードです。スムースな流れのメロディー・ラインを持ったナンバーですね。

1982年のデビュー・アルバム『COCONUTS HOUSE』に収録されていた03。夏の夕暮れの風景に似合うそうなバラード・ナンバーで、大好きで思い入れの強い1曲なんです。間奏のハーモニカ・ソロ(八木 のぶお)が素晴らしいです。

1983年のアルバム『Mint - ミント -』に収録されていた04。中村 裕介(どういう人物かはよく知りませんが・・・)とのデュエットによるバラード曲です。どことなくフィリー・サウンドを意識したような新川 博のアレンジが見事です。

アルバム『PUZZLE』に収録されていた05。大村 雅朗の都会的で大人の雰囲気が漂うアレンジが印象的な1曲。CITY POPなバラード曲。控え目ですが、坪倉 唯子のコーラスが良いですね。

1988年のアルバム『鏡の中のアクトレス』に収録されていた06。お洒落なミディアム・ナンバーで、大好きな1曲です。小林 信吾のアレンジが秀逸ですね。

アルバム『PUZZLE』に収録されていた07。ミディアム・バラード・ナンバーです。小林 信吾のアレンジ曲で、小林 信吾のピアノのプレイ、松原 正樹のギターのプレイが光ってます。

1986年のアルバム『MOODS』に収録されていた08。中原 めいこらしさ全開のバラード・ナンバーですね。アレンジは小林 信吾です。

同じく『MOODS』に収録されていた09と10。バラードというよりもミディアム・テンポが軽快な南アバー09。こういう曲調、メロディーは中原 めいこの最も得意とするところでしょう。渋いアレンジが印象的な10はミディアム・バラードです。09も10もアレンジは小林 信吾です。

1985年のアルバム『CHAKI CHAKI CLUB』に収録されていた11。JAZZYなムード漂う佐藤 準のアレンジが冴えたナンバーです。

アルバム『『ロートスの果実 - LOTOS -』に収録されていた12。ストリングスが美しさが際立つバラード・ナンバーですが、オーソドックスな1曲といった感じですね。

1982年リリースの2ndアルバム『FRIDAY MAGIC』に収録されていた13。AOR風バラード曲で、新川 博のアレンジが素晴らしい1曲です。

アルバム『鏡の中のアクトレス』に収録されていた14。中村 哲のアレンジが渋いナンバーで、村上 秀一のドラム、高水 健司のウッド・ベース、今 剛のJAZZYなギター、美しいストリングスというアルバムの最後に相応しい大人のバラードですね。

ベスト盤なのでおいしい曲が揃っているんですが、中原 めいこの魅力は軽快さとポップ、ラテン色の強い踊りたくなるようなダンサブルな曲にもある訳で、やはりアルバムにその動と静の曲がバランス良く収録されているのが1番中原 めいこらしいのかも知れません。もちろん、このベスト盤もお薦め出来る1枚ですが、でもそろそろ春頃にでも夏に向けて初期の入手困難なアルバムを、紙ジャケットのリマスターで再発して欲しいものですね。
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鈴木 茂_BAND WAGON ◇ 2008年 01月 21日
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今回紹介するのは、鈴木 茂の初のリーダー作となる1975年にリリースされた『BAND WAGON』です。はっぴいえんど→キャラメル・ママ→ティン・パン・アレーとバンドの一員としての活動を中心に行ってきた鈴木 茂が、満を持して単身渡米して制作されたソロ・アルバムで、第1作目にして名盤と誉の高い1枚です。

鈴木 茂が1970年代前半に登場したことは、その後のJ-POPシーンに多大な影響と変化をもたらしたのは間違い無い事実だと思います。もちろんこれは、鈴木 茂に限らず当時のティン・パン・アレーの他のメンバー、細野 晴臣、林 立夫、松任谷 正隆の3人にも同様のことが言えると思います。それまでレコーディングにおいては、レコード会社専属のオーケストラによって演奏されていましたが、ティン・パン・アレーの出現によって少人数のバンド形式でもオーケストラ以上の迫力のあるリズム感、ダイナミックかつ繊細なサウンドが出せることを実証してしまいました。
私が邦楽(J-POP)が心底格好良いとか、面白いと思い始めたのは、やはりティン・パン・アレーの出現以降の彼等の演奏に関わった音楽に出会ったからのことです。
そんな中、素晴らしいギター・プレイの数々を聴かせてくれていた鈴木 茂のソロ・アルバムに、当然のように興味と期待を持ちましたし、実際に聴いてみて予想通り期待を裏切らない素晴らしいアルバムに仕上がっています。

このアルバムのレコーディングのために集められた腕利きミュージシャン達は、鈴木 茂自身も大きな影響を受けたであろう故・ローウェル・ジョージが結成した"リトル・フィート"から、ケニー・グラッドニー(b)、リッチー・ヘイワード(ds)、ビル・ペイン(key)、サム・クレイトン(per)の4人が、"タワー・オブ・パワー"のデビッド・ガリバルディ(ds)、"サンタナ"でも活躍していた故・ダグ・ローチ(b)、スライ&ファミリー・ストーンでの活躍が有名なグレッグ・エリコ(ds)に加え、ドン・グルーシン(key)等です。
これだけでも鈴木 茂の意気込みが感じられますね(笑)

『鈴木 茂 / BAND WAGON』
01. 砂の女
02. 八月の匂い
03. 微熱少年
04. スノー・エキスプレス
05. 人力飛行機の夜
06. 100ワットの恋人
07. ウッド・ペッカー
08. 夕焼け波止場
09. 銀河ラプソディー

イントロのギター・カッティングが格好良い名曲01。ダグ・ローチとデビッド・ガリバルディのリズム隊のコンビネーションも良いですし、ドン・グルーシンのローズのプレイも素晴らしく、鈴木 茂を含めて4人だけの演奏というのがやはり凄いの一言です。活き活きしたギター・プレイがたまりません。

個人的に大好きな02。ホーン・セクションが加わってサウンドはよりダイナミックになっていますが、やはり鈴木 茂のスライドを含むギターのプレイに尽きる1曲ですね。堅実なダグ・ローチのベース・プレイも素晴らしいですし、ビル・ペインの迫力のあるピアノもたまりません。

ドン・グルーシンの弾くクラヴィネットがFUNKYな疾走感溢れる03。グレッグ・エリコのスリリングなドラミングと鈴木 茂のヴォーカルが印象に強く残る1曲です。

FUNKYなインスト・ナンバー04。まさに鈴木 茂 with Little Featといった感じです。"エキスプレス"の名の通り、疾走感と爽快感がたまらない仕上がりになっています。

南部の香りと泥臭さを感じさせるところが格好良い05。気張った鈴木 茂のヴォーカルも曲調によく似合っています。そして、気持ち良く掻き鳴らすギター・プレイの数々に聴き惚れてしまいますね。目立ちませんが、ビル・ペインのピアノ・プレイは本当に格好良いです。

歌詞にショーケン(萩原 健一)が登場するのが時代を感じさせますが、名曲のひとつ06。このアルバム制作当時は、ちょうど萩原 健一主演の名作ドラマ「傷だらけの天使」が放映されていた頃ですね。私と同年代の方ならば、あのショーケン演じる木暮 修のアウトローな生き方やファッションに憧れた人も多かったのではないでしょうか。コンビーフの丸かじりを真似た人は相当数いたはず・・・(笑)

バリバリのスライド・ギターを披露してくれるインスト・ナンバー07。向こうのミュージシャン達も当時東洋の小国・日本にこれだけギターの上手い奴がいたことに驚いたんではないでしょうかね。これだけの面子をバックに臆せずというか互角かそれ以上のプレイをしているのは凄いですね。

タイトルがどことなく演歌っぽい感じがいかにも松本 隆らしい08。軽快でノリの良いリズムが心地良いですね。これだけリトル・フィートの面々を揃えたんだったら、彼等のカヴァーを1曲入れても良かったのでは?と今となっては思いますね。

鈴木 茂が珍しくシンセ(おそらくソリーナだと思います)でクレジットされている09。これも軽快なポップ・ナンバーです。鈴木 茂のギター・プレイの楽しみ方が私なりにあって、ある時はソロやスライド・ギターのプレイに集中して聴いて、ある時はカッティングやリフのバッキングに集中して聴いたりしています。今更ですが本当に上手い人ですね。

私の憶測なんですが、鈴木 茂という人は本当にギターを弾くのが好きなんだと思います。リーダー作でのプレイとスタジオ・ミュージシャンとして参加したプレイの間に全く隔たりを感じないんですね。自分のギターを必要としてくれるなら、何処へでも馳せ参じるという感じではなかったでしょうか。
当時、あちこちからひっぱりだこでしたでしょうし、スタジオ・ミュージシャンとしての活動だけで十分に生活出来たと思います。これが逆に鈴木 茂というギタリスト、アーティストには良い結果を生んだんだと思います。つまりスタジオ・ワークでの収入で生活の基盤はしっかりしていた訳ですから、リーダー作では売れる売れないよりも自分の好きなことを自由奔放に出来たことで、これだけ数多い名アルバムを残せたんだと思うんですね。33年も前に作られていながら、サウンド自体には古臭さは感じませんし、その躍動的なプレイの臨場感が伝わってくる名盤だと思います。
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