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木村 恵子_CAFE 1984 ◇ 2008年 06月 29日
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今回紹介するのは、1988年にシングル「コルトレーンで愛して」、アルバム『STYLE』でデビューを飾ったシンガー・ソングライターの木村 恵子が、1989年にリリースした3rdアルバム『CAFE 1984』です。
木村 恵子は、1990年迄4枚のアルバムをリリースしており、1991年には元パール兄弟の窪田晴男(G)とボサノヴァ・ユニット、ケルカンを結成し、アルバム3枚をリリースしています。その後は結婚、そしてソングライターとしての活動も続けていたようですね。
木村 恵子の作品では、鈴木 茂が作曲、アレンジ面で大きく関わった1stアルバム『STYLE』がCITY POPのガイド本でも取り上げられていましす、人気もあるようです(私もいずれ紹介するつもりですが・・・)が、ソングライターとしての魅力が詰まった本作も個人的には大好きなアルバムです。

アルバム収録曲10曲全てが、作詞:麻生 圭子、作曲:木村 恵子、編曲:佐橋 佳幸の手によるものです。
参加ミュージシャンは、青山 純(ds)、江口 信夫(ds)、渡辺 等(b)、美久月 千晴(b)、有賀 啓雄(b)、佐橋 佳幸(g)、西本 明(key)、乾 裕樹(key)、浜口 茂外也(per)、本田 雅人(sax)、楠瀬 誠志郎(cho)、桐ヶ谷兄弟(cho)、国分 友里恵(cho)等という顔触れです。
お世辞にも歌が上手いとは言えませんが、収録曲はどれもキャッチーなメロディーでポップな曲が多く、非常に聴き易いアルバムだと思います。
ただ、リリースされたのが12月頃だったので冬の曲が多く、今の季節にぴったりと言う訳にはいきませんが、軽快な曲も多いのでドライブのBGMにはピッタリな感じです。

『木村 恵子 / CAFE 1984』
01. 湾岸線はStarry Night
02. クリスマスの椅子
03. June、June
04. CAFE 1984
05. 知らん顔してあげる
06. 明日は雨になる
07. あなたのままでいて
08. 空に返した誕生日
09. 天使を着た女たち
10. 最終ソリチュード便

疾走感溢れるアレンジが心地良いポップ・チューン01。千葉県に住んでいる私にとって湾岸線というのは思い入れの強い高速でもありますし、タイトルがいかにもCITY POPっぽいのも良いですね(笑)

クリスマス・ソング02。一人淋しくクリスマスをレストランで迎える女性の歌です。いかにもクリスマス・ソングという雰囲気ではないのですが、アレンジ、特に楠瀬 誠志郎のコーラス・ワークが秀逸で、しっとりとした美しいバラードに仕上がっています。

軽快で跳ねた感じのリズムに、ドゥービー風リフが印象的なナンバー03。結婚に焦りを感じているにも関わらず、なかなかプロポーズしてくれない彼へのじれったい気持ちを歌った曲です。曲調が明るく、キャッチーなメロディーで馴染みやすい曲です。

アルバム・タイトル曲04。ちょっと暗めのヨーロピアン風なナンバーです。私の勝手なイメージなんですが、ヨーロッパというと夏よりも冬のイメージが強いんですね。そういう意味では冬のイメージの強いこの曲は、私のイメージにぴったりなんです。

リズムが軽快なポップ・ナンバー05。この曲に関しては初夏のイメージがあって、爽やかな空気感が気持ち良いですね。国分 友里恵のコーラスが美しさが際立っています。

ボッサ調の渋いナンバー06。佐橋 佳幸のギターが冴えています。メロディーもキャッチーで、ボッサ調の曲と木村 恵子の歌声の相性はかなり良いですね。後のケルカンでの活動が頷ける1曲と言えます。なかなか良い曲ですよ。

八木 のぶおのハーモニカが哀愁漂うバラード・ナンバー07。特に特徴らしい特徴の無いオーソドックスなバラード曲です(笑)

晴れた昼下がりにサイクリングやウォーキングしながら聴きたいような08。眩しい陽射しと心地良い風に吹かれている、そんな気持ちにさせてくれる曲です。寂しい歌詞と対照的なメロディー、アレンジとのアンバランスなところも面白いと思います。

中西 俊博のE.Violinをフィーチャーしたフォルクローレの香りの強いミディアム・チューン09。どこか70年代の歌謡曲風なイメージのある曲で、どこか懐かしささえ感じた曲でした。歌謡曲に親しんだ世代としては結構お気に入りの1曲になっています。

アルバムの最後に相応しいダイナミックなバラード曲10。佐橋 佳幸のアレンジャーとしての非凡な才能を感じる1曲です。

それにしても1stアルバムのジャケット写真とこの3rdアルバムのジャケット写真では、イメージがかなり違います。サウンド的なイメージに合わせたものでしょうが・・・。女性というのは色んな表情を見せてくれるものですね。それにしても眉の太さに時代を感じますね(笑)
ビジュアル的な話はさておき、木村 恵子のソングライターとしての才能を見事に発揮しているアルバムだと思います。佐橋 佳幸のアレンジも見事で、決して派手ではないですがツボをおさえたもので、木村 恵子のヴォーカルにマッチしていると思います。
メロディアスで聴き易い曲が多いので、興味のある方はぜひ聴いてみて下さい。探せばBOOK OFF等でも見つかると思います。
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車の話・・・ ◇ 2008年 06月 28日
今回は音楽には関係のない話題です。
"Music Avenue"を訪れて下さる皆さんの中には、車好きの方も大勢いらっしゃると思います。私は決して嫌いではありませんが、"車好き"と呼べるほどでもありあせん。ごく一般的な程度に好きです(笑)
ですから車の性能や使われている技術についての知識も浅いものしかありません。とは言え、車は必需品ですし、もちろん今も乗っています。

今乗っている車が今年の冬に7回目の車検(15年目)を迎えることになり、さすがにそろそろ買い替えようかということになり、実は先週契約してきました。
車を買い替えるとなれば、車好きの人なら色々なメーカーの車種を比較、検討した上で、車の性能、デザイン、居住性、価格などを総合的に判断して決めるのがセオリーですよね。
皆さんは車選びで最も重要視しているのは何ですか?
私の場合は少し変わってまして、まず第一に重要視しているのがデザインです。極端に言えばデザインが気に入れば、運動性能は二の次なんですね。第二に重要視しているのが居住性といったところです。私の場合、デザインが気に入ると長く乗り続けられます。今乗っている車も15年前に購入した時に、そのデザインに惚れ込んで購入しました。
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上の写真が、今乗っているユーノス500という車です。写真と同じ形式、色のものに乗っています。
当時、バブリー景気に後押しされたマツダが販売チャンネルを増やしました。ユーノス・ブランドもそのひとつ。このユーノス500は、高級感のある5ナンバーのセダンというコンセプトがあったようで、5ナンバーの車にしては贅沢なスペックを持った車でした。エンジンはV6の2リットルで、長時間運転しても疲れないというオルガン・ペダル式のアクセルを採用していました。塗装も「10年経っても色褪せない塗装」というキャッチフレーズでした。確かに塗装は、15年乗っていて、しかもその内10年近くは野晒しの駐車場でしたが色褪せ、色落ちが全く無く、洗車するだけでかなり綺麗な状態です。
そんな中で私が最も気に入ったのはデザインで、かのジウジアーロも絶賛したと言われるデザインがこの車を購入した最大の理由だったんです。

しかし、今となってはデザイン以外は不満点ばかり・・・。まずはデザイン性を優先した為か居住性の悪さですね。低いフォルムの為にシートを低い位置に設置されており、決して狭くはないのですが長時間運転していると腰が痛くなります。腰痛持ちの私にとっては死活問題でもあります。
次に燃費の悪さ。ハイオク仕様で、しかも街乗りでリッター6kmというのは、ガソリン高騰の現在において実にお財布と環境に優しくない車である訳です。安全性についても、当時はエアバックは高級なオプション品だったため付けていません(笑)
以上の点をふまえて、今回の買い替えに至りました。買い換えるのは↓の写真の車です。
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ホンダのストリームRSZの2.0ℓ、特別仕様車(HDDナビエディション)です。写真と同じクールアンバーメタリックという色にしました。
この車に決めた理由は、以下の6つ。

デザイン:初代ストリームは好きになれないデザインでしたが、今回のデザインはかなりお気に入りです。フロントや後ろから見た感じも私好みです。

大きさ:マンションの駐車場が地上1段、地下2段の3段式駐車場の真ん中で、高さ制限(1550㎜)があります。ストリームは7人乗れるミニバンでありながら、ホンダ自慢の低床で1545㎜に抑えられているので、まさにぴったりの大きさでした。

居住性:5ナンバーの車体の7人乗りを実現していますので、3列目のシートはさすがに長時間乗るには厳しいかも知れませんが、普段は夫婦二人しか乗りませんので3列目は倒して、ラケッジスペースとして使うので問題ありません。年老いてきた両親を乗せて旅行などに出かけても2列目のシートはかなり広いですし、乗り降りも楽なので気に入ってます。

運動性能:エンジンは2.0ℓのSOHC i-VTEC。トランスミッションは以前から乗ってみたかったCVT。しかもRSZには7スピードモードが付いていて、パドルシフトによってマニュアル車のような運転も可能なので、峠道などで威力を発揮してくれそうです。スポーティーな走りが出来るようにチューニングされているRSZなので、単にファミリーカーとしてのミニバンぽく無い所もポイント高いです。

装備:特別仕様車なので、それだけで装備はかなり充実しているのですが、最も期待しているのがナビゲーション・システムです。リアカメラ付きの純正ナビで、やはり1番の注目はホンダ独自のインターナビVICSでしょうか。携帯電話や通信カードを使って、インターナビ・フローティングカーシステムと渋滞予測情報が利用できるというのが魅力です。

価格・費用:グレードの高いタイプの特別仕様車なので、割安感があると言っても決して安い買い物ではありません。しかし、義弟がホンダ関係の会社に勤めているので割引制度を使えたのも助かりました(これが1番大きな理由だったりして・・・笑)。今の駐車場に入るサイズのミニバンとして、同じホンダのオデッセイも候補に入れましたが、もうすぐモデルチェンジしそうなのと、やはり3ナンバーでは維持費に違いが出るので5ナンバーのストリームにしました。燃費もリッター・カーに比べれば落ちますが、今の車に比べればレギュラー・ガソリンでしす、燃費も悪くなるとは考えにくいですからね。燃費消費率も10・15モードで14.6㎞/ℓということでスポーツタイプのエンジンにしては良い方かと思っています。

納車予定は7月20日です。来週末には書類手続きと最終的なオプションを決めようと思っています。主たるオプションは注文済みなので、細かなオプション品を頼もうかと考えているのですが、カタログを見ながら色々考えているこの時期が1番楽しいですね。納車されたらされたで、カー用品を買いに出かけたり、意味も無く車を走らせたりするんでしょう、きっと(笑)
また納車されて乗ってみての感想については、機会をみて記事を書いてみようと思っています。
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最近はBOOK OFFへ中古CDを物色に出かけても、なかなか掘り出し物と思しきCDには出会えていません。そんな時私は、コンピレーションの棚を丹念に探すことにしています。その中には全くリリースされていたことさえ知らなかった企画モノで、私の興味をそそるアルバムがたまに発見出来るからです。
今回紹介するアルバムもそんな1枚です。夏向きの心地良く聴けるFUSION系の企画モノ・アルバム『NAVIGATION TO ISLANDS ~ Sound Image Collection Ⅰ~』(1986年)です。"Collection Ⅰ"がある以上、2作目、3作目が作られたのかどうかは不明です。ネットで検索してみましたが、このアルバムについてはよく判りませんでした。

3組のプロジェクトが夏をイメージした曲(インスト曲を中心にしています)を3曲ずつ演奏している、ヒーリング系にも近い雰囲気を持ったアルバムです。これが予想以上に心地良いサウンドで、夏のドライブにもピッタリな感じなんですね。
3組のプロジェクトというのは、
"OGURA PROJECT"
小倉 泰治(key)、小原 信哉(g)、青木 智仁(b)、土肥 晃(ds)、小池 修(sax)、Cindy(cho)、佐々木 久美(cho)、Carl Moore(cho)
"OGATA PROJECT"
緒方 泰男(All Instruments)、鳴瀬 善博(b)、KAZUO SUGIYAMA(ds)
"HASEGAWA PROJECT"
鈴木"リカ"徹(ds)、草加 浩(ds)、六川 正彦(b)、若宮 巧三(key)、長谷川 純也(g)、Jeffrey Vincent(vo、cho)、Mike Dunn(cho)

どのプロジェクトもなかなか渋いメンバーが集まっています。演奏も実にリラックスした雰囲気で、夏の暑さの中で飲む冷えた清涼飲料水のような趣きがあります。

『NAVIGATION TO ISLANDS ~ Sound Image Collection Ⅰ~』
01. ON THE SHORE OF LOVE
02. BRAZILIAN BIRDS
03. CELEBRATE ANOTHER DAY
04. SQUALL AVENUE
05. DON'T WANNA GO WITHOUT YOU
06. DIFFUSED REFLECTION
07. NAVIGATION TRIANGLE (ISLAND BREEZE)
08. DELICIOUS FRAGRANCE
09. MOONLIGHT RECOLLECTION

OGURA PROJECTのナンバーは、01、04、09の3曲。
作詞:Cindy、作・編曲:小倉 泰治による01は、Cindy等のコーラスが涼しげなリゾート感溢れるナンバー。
01と同じ作詞:Cindy、作・編曲:小倉 泰治による04。テンポのある弾けたナンバーで、青木 智仁らしいベースが印象的な1曲です。真夏のスコールの独特な心地良さを感じます。
作・編曲:小倉 泰治によるバラード・ナンバー09。星空と月が輝く夜空を眺めながら聴きたい、そんな1曲に仕上がっています。
01が涼しい午前中、04は暑い盛りの昼、09は静かな夜というイメージでしょうか・・・。

OGATA PROJECTのナンバーは、02、06、08の3曲。
作・編曲:緒方 泰男による02は、ベースとドラム以外の楽器を緒方 泰男が手掛けていて、ギターもなかなか良い感じで弾いてます。
作・編曲:緒方 泰男&鳴瀬 善博による06。打ち込みのリズムとベースはシンセ・ベースで、鳴瀬はベースでメロディーを弾いているのかも知れません。
作・編曲:緒方 泰男による08は、真夜中の静けさを感じさせるバラード・ナンバー。タイトルの通りで甘い匂いが漂ってきそうな1曲です。

HASEGAWA PROJECTのナンバーは、03、05、07の3曲。
作詞:Mike Dunn、作・編曲:長谷川 純也による03は、Jeffrey VincentのヴォーカルをフィーチャーしたAOR風ナンバー。長谷川 純也のギター・ソロが印象的な1曲です。
03と同じ作詞:Mike Dunn、作・編曲:長谷川 純也による05。パラシュート・サウンドを彷彿させる曲で、03同様Jeffrey Vincentのヴォーカルをフィーチャーしており、やはりAOR風に仕上がっています。サビのメロディーが耳に残ります。
作・編曲:長谷川 純也による涼しげなインスト・ナンバー07。高中 正義の世界観にも似たギター・フュージョンを聴かせてくれます。私の1番のお気に入り。

このアルバムは、BOOK OFFの安棚のコンピレーションのコーナーで250円で売られてました(笑)
夏という季節が大好きな割には暑さに弱い私としては、猛暑を乗り越えるには涼しげな音楽が不可欠なんです。このアルバムは今年から、夏には欠かせないアルバム『Pacific』と共に何度も聴くことになりそうです。
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今回はブログを始めた頃に紹介したものの、今読み返すとあまりにも記事の内容が薄っぺらだったので改めて紹介するPart 2シリーズです。
この季節になると毎年のように聴いている1枚で、レコード時代から換算すればもう30年も愛聴しているのが、サディスティックスの2ndアルバム『WE ARE JUST TAKING OFF』(1978年)です。ご存知の方も多いと思いますが、サディスティックスはサディスティック・ミカ・バンド解散後、高橋 幸宏、高中 正義、後藤 次利、今井 裕によって結成されたスーパー・バンドです。

スーパー・バンドと書いたのは決して大袈裟では無く、メンバー全員が優れた演奏技術を持ったミュージシャンだということ。それだけに留まらず、メンバー全員が作曲・編曲・プロデュースの才能に長けているというのは、長いJ-POPの歴史の中でも本当に稀な存在だと思います。
しかし、各メンバーの個性が強烈だったことが、バンドとしてのサウンドの方向性を見出せない結果となり、結局ライブ・アルバムを含めてたった3枚のアルバムをリリースして自然消滅してしまったのでしょう。

『WE ARE JUST TAKING OFF』は、1stアルバム『SADISTICS』に比べると、あくまでもメンバー各々が持ち寄った、それぞれの個性が前面に出た作品が集められていて、バンド・サウンドとしての面白みはありません。でも、その後のメンバーの活躍を予感させる素晴らしい作品が集まっていて、個人的には大好きなアルバムなんです。こういう形であと2~3枚アルバムを出して欲しかったなというのが正直な私の思いです(笑)

『SADISTICS / WE ARE JUST TAKING OFF』
01. WE ARE JUST TAKING OFF
02. BLUE CURACAO
03. ADIOS
04. CLOSE YOUR EYES
05. NAO
06. GAME
07. ON THE SEASHORE
08. FLOATING ON THE WAVES

今井 裕の作曲・編曲によるアルバム・タイトル曲01。軽快なリズムが心地良いインスト・ナンバーです。キレの良い高橋 幸宏のドラムを軸に、パーカッションと後藤 次利の重厚なベースがアクセントとなっています。コーラスに桑名 晴子が加わり、夏の海辺の夕暮れ時の情景にぴったりな涼しげサウンドに仕上がっています。

高中 正義の作詞・作曲・編曲による02。このアルバムがリリースされている時点で既にソロ・アルバムを3~4枚はリリースしていた高中ですから、すっかり高中カラーというのが出来上がっていますね。いかにも高中らしい1曲です。それでもこの面子で演奏しているというのが、私個人的には貴重な訳でして・・・(笑) ここでも桑名 晴子が良いヴォーカルを聴かせてくれます。

高橋 幸宏の作詞・作曲・編曲による03。このアルバムを同じ年にリリースされた幸宏の1stソロ・アルバム『Saravah!』のアルバム・カラーに通じる作品で、いかにも幸宏らしい洒落た雰囲気がたまらない1曲です。それにしてもサディスティックスの演奏は本当に心地良いですね。

高中 正義の作詞・作曲・編曲による04。高中の決して上手くはないけれど、味のあるヴォーカルを堪能出来る1曲です。それにしてもこの当時から高中=海・夏というイメージはすっかり定着していました。風を感じる爽やかなナンバーです。

後藤 次利の作曲・編曲によるインスト・ナンバー05。このアルバムにおいて1番印象強いのが後藤 次利だと思っています。ベース・プレイはもちろん、作曲家・編曲家として後の活躍を予感させる素晴らしい作品を書いています。このインストもメロディーはもちろんですが、アレンジャー、ベーシストとしての素晴らしい才能を感じさせてくれます。村上 秀一と高橋 幸宏のツイン・ドラムの迫力と、メロディーやソロを奏でる次利の重厚なベース・プレイ。次利好きにはたまらない1曲です。

高橋 幸宏の作詞・作曲・編曲による06。やはり03同様、幸宏らしい作品です。幸宏のヴォーカルもお世辞にも上手いとは言えませんが、声質の良さと繊細な歌声は魅力があります。ヴォーカルだけで言えば、サディスティックスの中では1番でしょうね。夜のドライブのBGMにぴったりな1曲。

作詞:高橋 幸宏、作曲・編曲:後藤 次利による名曲07。次利の作曲センスに脱帽です。私にとって毎年夏の定番曲になっている曲なんですが、メロディーの美しさ、情景が頭に浮かんでくるようなアレンジ、桑名 晴子のヴォーカル・・・。まさに夏に相応しいナンバーです。演奏面では特に派手さはありませんが、トータル的なバランスや情景を音で表現することを優先したような渋い演奏です。そんな中で幸宏のハイハット・ワークは素晴らしいですね。

今井 裕の作詞・作曲・編曲による08。彼の唯一のソロ・アルバム『A COOL EVENING』(1977年)に収録されていても違和感の無い今井 裕らしさを感じる1曲です。美しいバラード調で始まり、途中からレゲエ風に変わっていき、またバラード調に戻るという面白い構成です。まるで夏の1日、涼しい朝~暑い昼間~心地良い夕暮れといった流れを感じます。

私にとってはアルバムがリリースされてから30年経過した今でも、全く色褪せずに輝き続けているアルバムの1枚です。確かに作品はメンバーの個性が前面に出ていますが、演奏はまさしくサディスティックスならではのもので、この演奏を聴くだけでも十分に価値のあると思っています。
夏向きに良い音楽を探している方、あるいはCITY POP好きな人にはぜひとも機会があれば聴いて欲しいアルバムです。30年も前にこれほどセンスの良い曲を書き、アレンジする高い能力・センスを持った4人が集まった稀有なバンド、サディスティックス。
今の時代にこのような音楽がどう受け止まられるかは分かりませんが、ぜひとも多くの人に聴いて欲しいなと思います。
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今回紹介するのは、杉山 清貴&オメガトライブが1984年にリリースした通算3作目となるオリジナル・アルバム『NEVER ENDING SUMMER』です。
夏=オメガトライブというイメージを持っている方も多いと思いますが、この『NEVER ENDING SUMMER』は確か12月にリリースされたアルバムで、歌詞も冬にまつわる曲が多いのが特徴ですね。それでも杉山 清貴の歌声は爽やかで、じめじめとした梅雨時の嫌な気分を吹き飛ばしてくれる気がします。

アルバムも3枚目となり、オメガトライブとしての音楽の方向性も安定期に入った感がありますが、これは当然プロデューサーである藤田 浩一やサウンド・アドバイザーと数多いヒット曲を提供してきた林 哲司がオメガトライブを支えてきた結果であるとも言えるでしょうね。
このアルバムのもう一つの特徴として、杉山 清貴がアルバム収録曲全9曲中4曲という約半分の曲の作曲を手掛けているところでしょう。まさにソングライターとして成長著しい時期だったのでしょうが、面白いのはこの頃の彼の書いた作品の多くは、林 哲司の影響が色濃いところだと思っています。いわゆる林 哲司っぽい曲が多いということなんですが、それが逆にアルバムに統一感をもたらしているのも事実ですね。
飛び抜けて印象深い曲はありませんが、どの曲もキャッチーで聴きやすいというのが、いかにもオメガトライブらしいと言えるかも知れません。

『杉山 清貴&オメガトライブ / NEVER ENDING SUMMER』
01. Misty Night Cruising
02. Eastern Railroad
03. Twilight Bay City
04. Riverside Hotel
05. Stay The Night Forever
06. Never Ending Summer Ⅰ
07. Never Ending Summer Ⅱ
08. Never Ending Summer Ⅲ
09. Never Ending Summer Ⅳ ~ Prolog

疾走感溢れるナンバー01。杉山 清貴の作曲ですが、この曲は特に林 哲司の影響を強く感じますね。とてもキャッチーなナンバーで、アルバムのTOPを飾るに相応しい曲だと思います。アレンジは松下 誠。CITY POP色の強いサウンドですが、シモンズ(シンセ・ドラム)の音が時代を感じさせます(笑)

ホーン・セクションを使ったFUNKYなナンバー02。この曲も杉山 清貴の作曲です。私はこういう都会的なイメージのオメガトライブの曲って凄く好きなんですよね。アレンジを手掛けているのは私も大好きなアレンジャーの一人、志熊 研三です。

爽やかなミディアム・ナンバー03。この曲も作曲:杉山 清貴、編曲:志熊 研三のコンビです。都会的でありながら清々しさを感じるようなメロディー・ラインとアレンジが印象的で、個人的にお気に入りの1曲になっています。

シングル曲04。作詞:康 珍化、作・編曲:林 哲司によるナンバー。彼等のシングルの中では地味な作品と言えるかも知れませんが、私は結構好きな曲なんですよね。AメロからBメロ、そしてサビへと徐々に盛り上げていく構成が、いかにも林 哲司らしいですね。

杉山 清貴の作曲によるしっとりと聴かせるバラード曲05。まさに王道とも言えるバラード曲でしょう。

このアルバムのハイライト曲である組曲06~09。作詞:秋元 康、作・編曲:林 哲司によるもので、組曲らしくストーリー仕立ての歌詞と林 哲司のメロディーとのマッチングが素晴らしいですね。美しいストリングスをバックにバラード調で始まり、テンポ・アップしていく06。この曲に関してはバラード調で通しても良かったような気がします。CITY POP色の強いミディアム・ナンバー07。林 哲司のアレンジのセンスが光る曲で、この曲は好きなんです。08も林 哲司らしいミミディアム・ナンバーで、アイドル系シンガーが歌っても似合いそうな作品ですね。アレンジがいかにも和製デヴィッド・フォスター、林 哲司らしいバラード・ナンバー09。この曲に関してはメロディーよりもアレンジが私の興味を惹きました。

以前紹介した『RIVER'S ISLAND』が私の1番好きなアルバムなんですが、私はいかにも夏っぽいといった作品よりも都会的な作品が好きなんです。杉山 清貴の歌声も夏向きだとは思いますが、どこか都会的な雰囲気に似合うある種の冷たさを持っているような気がしています。ですから本作『NEVER ENDING SUMMER』も、冬という季節感と都会的な雰囲気が強く、どこか冷たさを感じるので個人的には大変気に入っているアルバムなんです。この独特な冷たさは、蒸し暑い日本の夏をクール・ダウンさせてくれるかも知れませんね(笑)
興味のある方はぜひ聴いてみて下さい。
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135_135 ◇ 2008年 06月 22日
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今回紹介するのは、梶原 茂人、高木 茂治、本田 義博の3人組のユニット、135の1987年の1stアルバム『135』です。
135に関しては、名前は目にしていたものの大した興味も湧かず今まで聴かずにきていたんですが、当時センスの良いアーティスト、アルバムを抱えていたairレーベルからリリースされたアルバムですし、唯一彼等の曲で知っていた曲「我愛你(ウォー・アイ・ニー)」が収録されていたことや、BOOK OFFで250円で売られていたので購入してみました。

135は"いち・さん・ご"と読み、その名前の由来は、日本の標準子午線、東経135度を意味するらしいです。彼等の音楽は、幅広いジャンルの音楽を上手く取り入れた耳に馴染みやすいPOPな曲が中心となっています。年代的にリズムは打ち込み中心ですが、生の演奏も組み込んでいて今の時代に聴いても然程違和感を感じませんね。一部の曲を除けば、ほぼ全曲の曲が135名義で書かれたもので、アレンジは林 有三&135名義のものが多くなっています。

『135 / 135』
01. 我愛你 (ウォー・アイ・ニー)
02. 夢勘定はひとり事
03. silent days
04. トキオの顔
05. 0%麗人 (レイパーレイジン)
06. Just a Memory
07. ナスカの風 ~ 自由な蟻
08. ジャイプルの象
09. 湾岸Night

タイトル通り、オリエンタルなムードが漂う01。サビのメロディーが強く印象に残る曲です。ですから昔ラジオなどで聴いていたのをずっと覚えていたんでしょうね。曲毎のクレジットが無いのですが、おそらくベースを弾いているのは故・青木 智仁でしょう。

摩訶不思議なタイトルの02。曲自体はCITY POP風なリズム・アレンジが洒落ているポップ・ナンバーです。メロディーの端々にオリエンタルな香りがするのが、135のひとつの特徴なのかも知れません。

矢島 賢のアレンジによる幻想的なバラード曲03。メロディーは奇をてらったものではなく、あくまでもキャッチーなのがとても聴きやすくて良いですね。ヴォーカルも癖が無くてすんなり耳に溶け込んできます。ギター・ソロはおそらく矢島 賢自身だと思います。

異国情緒漂うミディアム・ナンバー04。メロディーやアレンジにフォルクローレの匂いがする曲です。打ち込み中心ですが、よく練られているアレンジだと思います。

135のデビュー・シングル曲05。元SASの大森 隆志が作曲、矢島 賢のアレンジ曲です。シングル曲だけあってキャッチーなメロディーを持ったPOPナンバーです。ただ、何故かサビ部が大阪弁なんですが・・・(笑)

アコースティックな弦楽器をフィーチャーした、しっとり聴かせるバラード・ナンバー06。美しいメロディーが印象的です。

インスト曲(ナスカの風)とメドレー形式になっている07。インスト・ナンバーは、イメージ的にはクスコに似た雰囲気です。続く「自由な蟻」はカヴァー曲のようですが、不思議な魅力を持ってます。

インスト・ナンバー08。打ち込みとシンセを巧みに使った重厚なサウンドが特徴ですね。林 有三ならではのアレンジと言えるかも知れません。

アルバム中で最もスリリングでFUNKYなCITY POP系ナンバーです。いかにも青木 智仁(おそらくですが・・・)らしいスラップ・ベースが光っています。私個人的には1番好きなナンバーで、こういう路線をもっと増やしてくれたら最高ですね。林 有三がアレンジに関わっているだけに、CITY POP色全開だった頃の角松 敏生のサウンドによく似ています。

調べてみると135は現在、メンバー2名が脱退して梶原 茂人の一人だけになったようですが、特に135が消滅したということは無いようです。確かにメロディーやアレンジのセンスには光るものを感じますし、ワールド・ワイドな音楽的な広がりを感じる面白いユニットですね。
私はこのアルバムが135初体験だったのですが、もっと聴いてみたくなりました。特に09のような曲が、2ndアルバム以降で増えていたのなら尚更聴いてみたい気がします(笑)
最近、忙しくてBOOK OFF探索も出来ませんでしたが、また復活した際には135の他のアルバムも探してみようと思います。もし、お薦めのアルバムとかありましたら、紹介して頂けたら嬉しいです。
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佐藤 博_TOUCH THE HEART ◇ 2008年 06月 20日
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今回紹介するのは、キーボーディスト、作曲家、編曲家、プロデューサーとしての活躍はもちろん、自らもシンガー・ソングライターとして数多くのアルバムをリリースしている佐藤 博の1989年のアルバム『TOUCH THE HEART』です。

佐藤 博は1982年リリースの名盤『awakening』以降の作品は、一貫して多重録音と打ち込みを中心としたサウンドになっているのが特徴と言えるでしょう。しかし、80年代半ば以降に流行した打ち込み系のサウンドと佐藤 博の打ち込み系のサウンドでは、同じ年代に作られたものでも明らかな違いがありますね。前者は今聴くと陳腐とは言わないまでも、非常に古臭く感じるものが多いのですが、佐藤 博の打ち込みのサウンドは今聴いても古臭さはあまり感じません。プログラミングやアレンジ、音に対するセンスの違いでここまで違ってくるんだなと実感させられます。佐藤 博の作り出す打ち込みサウンドは、生演奏とのギャップをあまり感じさせないものなので、本来打ち込み系のサウンドが好きではない私が今でも愛聴している大きな理由なのかも知れません。

『佐藤 博 / TOUCH THE HEART』
01. Stop the Rain
02. Fuzzy Love
03. Another Land
04. Adieu
05. Missing Link
06. My Hometown
07. Rosy Heart
08. Paradise
09. Bay Side Hotel
10. Touch the Heart

メロディアスで軽快なPOPナンバー01。シンセと打ち込み、藤井 美保のコーラスだけというシンプルな構成ですが、何とも心地良いサウンドで溢れています。"雨"を題材にしたナンバーですが、ジメジメしたところが無くて逆に爽やかさを感じる1曲ですね。

青山 純(ds)、伊藤 広規(b)、松原 正樹(g)、浜口 茂外也(per)、EVE(cho)、藤井 美保(cho)が参加したAORなミディアム・ナンバー02。打ち込みのリズムと生のリズムを上手く融合されているので聴いていて不自然さを全く感じません。

青山 純(ds)、鳥山 雄司(g)、本田 雅人(sax)、藤井 美保(cho)が参加している03は、跳ねたようなリズムとスピード感が心地良いナンバー。

打ち込みと吉川 忠英のアコースティック・ギターによるボッサ調のアレンジがお洒落な04。佐藤 博&藤井 美保のデュエット形式のヴォーカルもしっとりとして気持ち良く耳に届いてきます。

FUNKYでスリリングなインスト・ナンバー05。打ち込みとシンセを巧みに使ったFUNKYなリズムに鳥山 雄司と松原 正樹のギターのカッティング、ソロの掛け合い、本田 雅人のブロウがエキサイティングです。鳥山 雄司と松原 正樹という顔合わせは意外にありそうで無かったと思います。音色が似ている二人だけにこのソロ合戦は面白いですよ。

素朴な味わいがどこかカントリー・ソングを彷彿させるような06。松原 正樹のギターと鈴木 茂のスライド・ギターがフィーチャーされており、二人のギター・プレイが実に味わい深く、気分をリラックスさせてくれる曲です。EVEのコーラスも良い味出しています。

佐藤 博がプロデュースした羽根田征子の2ndアルバム『SORA』にも取り上げられていたナンバー07。初夏の昼下がりに聴きたいようなポップ・チューンです。鳥山 雄司のギター・カッティング・プレイが冴えており、サウンド的には都会的でありながらも渇いた風を感じる、そんな1曲です。

メロウなミディアム・ナンバー08。この曲も実にお洒落な1曲で、佐藤 博と藤井 美保のデュエットが素晴らしいです。吉川 忠英(ag)、浜口 茂外也(per)、菅野 洋子(key)が参加しています。

ムーディーかつJAZZYなスロー・ナンバー09。佐藤 博らしいピアノ・プレイと松木 恒秀のアコースティック・ギターのプレイがとにかく渋いの一言ですね。今回のアルバムの中では数少ない夜を感じさせる曲です。

佐藤 博の打ち込み・多重録音によるインスト・ナンバー10。9分に近い大作です。幻想的な雰囲気で、ヒーリング・ミュージック的というよりもプログレに近い感じがします。アルバム中で最も佐藤 博のワン・アンド・オンリーなピアノ・プレイを堪能出来る1曲でもあります。

決して突出した曲がある訳ではないのですが、絶妙なアレンジと音のバランスで聴く者を魅了してしまう、そんなアルバムですね。音に関する佐藤 博の拘りは相当なもので、このアルバムのミキシングは全て佐藤 博自らが手掛けています。
初夏という季節、暑い日はありますが、まだ風が乾いていて心地良い今頃の季節にピッタリと言えるアルバムだと思います。私も毎年この季節になると必ず聴きたくなるアルバムの1枚になっています。
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今回紹介するのは、1970年代初頭からサンディー・アイ、サンディー・オニール、サンドラ・ホーン等の芸名を使い分け、久保田麻琴と夕焼け楽団を母体にしたサンディー&ザ・サンセッツの活躍で知られるSANDIIがリリースしたハワイ音楽を集めたのベスト・アルバム『THE VERY BEST OF SANDII'S HAWAI'I』です。

SANDIIは、スパニッシュの血を継ぐ米国人として日本に生まれ、10歳頃からハイスクール卒業頃まではハワイで暮らしていたようですね。ですからSANDIIが90年代半ば以降、ハワイ音楽に傾倒していったというのも頷ける話です。このベスト盤がリリースされるまでに既に6枚ものハワイ音楽に関するアルバムをリリースしています。
私自身は特にハワイ音楽、ハワイアンに興味があった訳でも知識があった訳でも無いのですが、スラック・キー・ギターやウクレレの音色は好きでしたので、機会があれば聴いてみたいとは思っていました。しかし、何から聴いて良いやら皆目見当が付きませんでした(笑)
そんな時に出会ったのが、このベスト盤でした。歌っているのはSANDIIですし、これは聴いてみる価値はありそうだという事で購入したものです。

収録曲は17曲でボリュームも満点です。J-POPカヴァーもありますし、ハワイアンに何の知識の無い私でも知っている(聴いたことのある)曲が収録されていて聴きやすかったです。何より聴いていてゆったりとしたリラックス気分に浸れる心地良さが、このアルバムに詰まっています。

『SANDII / THE VERY BEST OF SANDII'S HAWAI'I』
01. IN THE SUMMERTIME (Contains:Pakakina)
02. SEA OF LOVE (Contains:Oli Aloha, Pi'i Mai Ka Nalu)
03. 'AKAKA FALLS
04. THE PIDGIN ENGLISH HULA (Ah Sa Mala You Last Night?)
05. WAIKIKI
06. KAUOHA MAI
07. MELE O KE KAHAKAI (Hamabe No Uta)
08. KEALI'I HULU MAMO ~ KIMO HULA
09. PUA MAE'OLE
10. ADVENTURES IN PARADISE ~ FOLLOW ME
11. KAMALANI O KEAUKAHA
12. 真夏の果実
13. PUA LILILEHUA
14. WOMAN
15. DO THE HULA
16. KAIMANA HILA
17. 見上げてごらん夜の星を

17曲も収録されているので曲毎のレビューは割愛させて頂きますが、この中でお気に入りの曲を数曲紹介しておきましょう。

ハワイアンのトラッド・ナンバーに1950年代終わりのフィル・フィリップスのヒット・ナンバーを組み合わせた02。波の音のSEやスラック・キー・ギターが何ともハワイアンな雰囲気を醸し出して最高に心地良い1曲です。

04、05、16はハワイアンに対して知識の無い私でも聴いたことのあるナンバーです。どちらの曲もウクレレとスティール・ギターがフィーチャーされており、その音色がいかにもハワイアンといった感じです。

日本の曲でありながらこれほどハワイアンに溶け込んでしまっている曲も珍しいとさえ思える06。誰もが知っているであろう「浜辺の歌」です。

12はお馴染みサザン・オールスターズのヒット・ナンバーのカヴァーです。打ち込みのリズムにスラック・キー・ギター、ウクレレ、スティール・ギターというシンプルな演奏なんですが、艶っぽいSANDIIのヴォーカルとコーラス・ワークが魅力的です。サザンの曲の中にはハワイアンな演奏が似合う曲がありますが、この曲などはその代表でしょうね。

あのジョン・レノンの名曲をハワイアンにしてしまった14。SANDIIならではの世界が広がっています。実に気持ち良く聴けるアレンジですね。

永 六輔&いずみたくのゴールデン・コンビによる坂本 九の名曲のカヴァー17。スラック・キー・ギター2本がメインとなって演奏されています。このメロディーにはシンプルな演奏が本当によく似合います。ワイキキの浜辺から夜空を仰ぎ見ながら聴きたくなりますね。

音楽の理論に関しては全くの門外漢なのですが、このアルバムを聴いていて感じたのはトラッドなハワイ音楽と琉球音楽(民謡)はどこか似ている気がしてなりません。「どこが?」と尋ねられても明快に答えられませんが、なんとなくそんな気がするんです。
きっとハワイも沖縄も綺麗な海に囲まれた1年中温暖な気候が、そこに暮らす人々の心や生活にゆとりを与え、そのゆとりが穏やかで心地良い音楽を生み出しているのかも知れませんね。
休日の昼下がり、このアルバムをBGMに昼寝するというのも贅沢な時間だと思うのですが、如何ですか?(笑)
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WILL LEE_OH! ◇ 2008年 06月 16日
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今回紹介するのは、ニューヨークを中心に活躍するトップ・セッション・ベーシスト、ウィル・リーが1994年にリリースした初のリーダー・アルバム『OH!』です。ウィル・リーは様々なセッションで活躍してきていますが、私が彼の名前を初めて知ったのは1970年代の終わり頃に日本でも人気の高かった24丁目バンドの一員としてでした。決して派手なプレイ・スタイルではありませんし、特に看板となる奏法を持っている訳ではありませんが、重厚でグルーヴ感を大切にしたベース・プレイは燻し銀とも言えるものだと思います。

70年代から常に一線で活躍していながら、しかもFUSIONブームの最中においても彼はリーダー作を出していませんでした。かなり誘いがあったようですが、断っていたらしいですね。そんなウィル・リーの初リーダー作となれば期待するなという方が無理です。しかもベース・プレイはもちろんですが、彼の素晴らしいヴォーカルが堪能出来るアルバムなんですから・・・。
単にベーシストのリーダー作ではなく、多くの人に楽しんでもらいたかったという思いもあったでしょうし、FUSIONが下火となっていた背景を考えるとこのようなスタイルになったというのは、ある意味当然だったのかも知れません。

ウィル・リーの素晴らしい歌声を初めて聴いたのは1980年頃、日本のCMでした。NEW YORKERS名義でリリースされたパイオニアのステレオ・コンポのCMソング「I Believe In Love (愛のサスペンス)」でヴォーカルを務めていたのがウィル・リーで、とても白人とは思えないほど黒っぽいヴォーカルに驚いたことを鮮明に覚えています。いつかじっくり彼の歌を聴いてみたいと思っていたので、このアルバムで念願が叶ったといったところです。

『WILL LEE / OH!』
01. MARYANNE
02. GEORGY PORGY
03. KISSING MY LOVE
04. I KNOW TOO MUCH (ABOUT SADNESS)
05. SHOW OF HANDS
06. BALLAD OF BILL AND GRETCHEN
07. DRIFTIN
08. I CAME TO PLAY
09. LONELY AVENUE
10. WHITE MAN
11. MY FUNNY VALENTINE

軽快なリズムと心地良いグルーヴが特徴のラヴ・ソング01。打ち込みによるループと生のドラムを組み合わせたリズムに乗せ、ウィル・リーの重厚なベースと溌剌としたヴォーカルが印象的です。

TOTOの名曲をカヴァーした02。洒落たアレンジとヴォーカルでオリジナルに勝るとも劣らない仕上がりになっています。クリス・パーカーの堅実なドラミング、ジョン・トロペイの渋いギター・ワーク、ロブ・マウンジーの繊細なエレピに加え、ウィルの素晴らしいベース・ソロも聴けます。AORど真ん中ストライクといった感じの1曲。

ビル・ウィザースの古い曲のカヴァーだという03。ノリの良い曲で弾けた感じのウィルのヴォーカルが印象的です。演奏自体はシンプルな構成で、スティーヴ・ガッドのドラム、FUNKYなフェリシア・コリンズのギターが冴えた曲です。

美しいメロディー・ラインを持ったバラード・ナンバー04。ジェフ・ミノロフ(g)、ドン・グロルニック(key)、バシリ・ジョンソン(per)等が参加しています。ランディー・ブレッカーの哀愁の漂うフリューゲル・ホーン・ソロがたまらなく素敵です。

ニューヨーク・サウンドが炸裂する05。アレンジが凝っていますね。ウィル・リーのスラッピング・ベースとジェフ・ミロノフの職人技とも言えるギター・プレイがとにかく渋いですね。この曲でのヴォーカルなどは白人が歌っているとは到底思えないほど黒っぽいです。スティーヴ・ガッドのタイトなドラミングも聴き所です。

ブルース色の強いバラード・ナンバー06。堅実で重厚なウィルのフレットレス・ベースが耳に残ります。ギターのジェフ・ミノロフとミュート・トランペットのランディ・ブレッカーの渋いプレイが光っています。

ジミ・ヘンドリックスのカヴァー07。ウィルのフレットレスのピッコロ・ベースのソロも素晴らしいですが、ゲスト参加しているジェフ・ベックのギター・ソロも実に味わい深いです。情感豊かなウィルのヴォーカルも素晴らしいです。

ウィル自身、ベースを弾くのが楽しかった曲と語っている08。陽気で楽しい曲に仕上がっています。ウィルの言葉通り、彼のベース・プレイは本当に素晴らしいですよ。ミュージシャン達が各々プレイを楽しんでいるような雰囲気が伝わってきます。

レイ・チャールズのカヴァーだという09。オリジナルを知らないので比較は出来ないのですが、オリジナルとは違ったハーモニーとメロディーのフレーズを足しているようです。ブルースっぽい雰囲気にウィルの黒っぽいヴォーカルがよく似合っています。間奏で渋いギター・ソロを弾いているのはジョー・カロです。

都会的でJAZZYな雰囲気を持った10。白人を皮肉った歌ですが、切実な思いがウィルのヴォーカルに込められているようで、意味が分からずともその思いが伝わってくるようです。

スタンダードとしてお馴染みのナンバーで様々なカヴァー曲が存在する11。オリジナルとは雰囲気が全く違う都会的でグルーヴィー、全体的にはJAZZYな仕上がりになっています。旧友・ハイラム・ブロックが参加していますが、この曲のハイライトはウィル・リーの父上であるビル・リーのピアノ・ソロかも知れません(笑)

ウィル・リーのソロ・アルバムとなれば、FUSIONが好きな方は当然注目するでしょうが、私としてはぜひAOR好きな人にも聴いて欲しいアルバムです。02辺りを聴けばAOR好きな人も納得頂けると思いますし、バラエティに富んだ内容で純粋に楽しんで聴ける1枚です。
素晴らしい演奏技術を持ったミュージシャンで歌が上手いという人は少なくありません。しかし、私の印象ではその多くは黒人系ミュージシャンで、白人系のミュージシャンは少ないですね。そんな白人系ミュージシャンの中でウィル・リーは群を抜いている気がします。もちろんベースも随所で素晴らしいプレイが聴けますから、まさに一粒で2度おいしいアルバムと言えると思います(笑)
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楠木 恭介_JUST TONIGHT ◇ 2008年 06月 15日
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今回紹介するのは、ソウルフルなヴォーカルに定評のある楠木 勇有行が、楠木 恭介名義で1985年にリリースした1stソロ・アルバム『JUST TONIGHT』です。以前、楠木 勇有行名義でリリースしたアルバム『THE ONE AND ONLY』(1988年)を取り上げましたが、この1stアルバムは2007年にようやく初CD化されました。何故今までCD化されなかったのか不思議なくらい、極上のアーバン・ソウルを聴かせてくれる傑作アルバムです。

楠木 恭介(勇有行)の簡単な経歴は以前の記事(コチラ)を参考にしていただくとして、この1stアルバムをリリースするまでに既にヴォーカリストとしてのキャリアは十分で、このアルバムでも余裕すら感じられる素晴らしいヴォーカルを聴かせてくれます。それだけでなくソング・ライターとしても非凡な才能を発揮しています。しかし、本作を極上のアーバン・ソウル・アルバムに仕上げているのは、素晴らしいアレンジだと思っています。
全9曲中8曲のアレンジを手掛けているのは、私が日本のデヴィッド・T・ウォーカーだと信じて疑わないギタリスト、鳴海 寛です。彼のアレンジとギター、そして楠木のヴォーカルが絶妙に溶け合っていて心地良いサウンドとなって耳に届いてきます。レコーディングには、鳴海 寛(g)、多田 文信(b)、鎌田 清(ds)、松田 真人(key)、柿崎 洋一郎(key)、小池 修(ts,as,fl)、数原 晋(tp)等が参加しています。

『楠木 恭介 / JUST TONIGHT』
01. SUGER DANCE
02. GET DOWN
03. FOR OUR LOVE
04. JUST TONIGHT
05. 渚にて~CLOSE TO YOU
06. LOVE DEVOTION
07. COME TO ME AGAIN
08. 夜を忘れて
09. 地図なき未来

都会的で洒落たメロウ・ナンバー01。イントロからいきなりデヴィッド・T・ウォーカーを彷彿させる鳴海 寛のギターを堪能出来る1曲。落ち着いた雰囲気のリズム・セクションとゴージャスなストリングスのコンビネーションが素晴らしいです。

柿崎 洋一郎の作曲によるグルーヴィーなミディアム・ナンバー02。英語詞の曲なのですが、楠木のヴォーカルはまるで黒人ヴォーカリストが歌っているかのような、日本人離れしたフィーリングを感じさせます。

03も英語詞の曲で、極上のAORナンバーに仕上がっている1曲です。鳴海のギター・プレイ、リチャード・ティーを彷彿させる松田 真人のピアノ・プレイ、小池 修のエモーショナルなサックス等、お洒落という言葉がぴったりな仕上がりです。

まさしく楠木の"歌"を聴いているという感じがする、アルバム・タイトル曲04。しっとりと情感豊かなヴォーカルが見事なバラード・ナンバーです。この曲も英語詞です。オーソドックスなアレンジですが、逆にそれが20年以上経過した今聴いても違和感を感じさせないのでしょうね。

鳴海 寛の作・編曲によるメロウなナンバー05。タイトルから海を連想させますが、あくまでもサウンドは都会的でアーバンな香り立つナンバーです。当時はまだ駆け出しだったであろう小池 修が随所で良いサックスを聴かせてくれます。

FUNKYかつPOPなご機嫌なダンサブル・ナンバー06。ディスコ系ビート、ギター・カッティング、シンセの使い方など少し懐かしい感じがして、私はこういうサウンドが大好きなんです。いかにも80年代の曲って感じがたまりません(笑)

AORなミディアム・ナンバー07。ありがちな曲構成なんですが、だからこそ安心して心地良く聴けるファクターになっているのかも知れません。ホーン・セクションの使い方がボビー・コールドウェルの曲を彷彿させますね。

甘く切なく、そして美しいバラード・ナンバー08。ソウルフルなヴォーカリストというと兎角熱唱タイプを連想しますが、楠木の場合緩急の使い方も絶妙なので一本調子にならず、そこが魅力なのかも知れません。

"未来"と書いて"ゆくえ"と読ませる09。当時シチズンのCMソングだったとか。この曲は元クラフトの三井 誠の作・編曲によるナンバーです。正直なところ、この曲は必要無かったように思います。他の曲と彩が違い過ぎる気がします。08で終わった方がアルバムとしての完成度は高かったように思えるのですが・・・。

解説で金澤 寿和氏が、「でもこれが売れなかった。もし成功していたら、日本のR&Bシンガーのパイオニアは久保田 利伸ではなく楠木 恭介、と言われたに違いない。しかし、当時の日本の音楽シーンにこのスタイルは、些か早すぎた。」と書いています。確かに一理ありますね。でも私は"早すぎた"と言うよりも"渋すぎた"の方が的確な表現ではないかと思っています。
個人的には09を除けば、どれも素晴らしい楽曲であり、サウンド面でも良い仕上がりだと思います。ただ、強烈なインパクトを持った曲が無いのも事実です。つまりシングル・リリースして多くのリスナーの心を射止めるような曲が無い・・・。
それが良いか悪いかは別にして、アルバムとしてはかなり完成度が高く、まさにジャパニーズ・アーバン・ソウルの名作には違いないと思っています。
当時よりも今の時代にこそ、このアルバムの渋さが似合っているような気がします。
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