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松原 正樹_THAT'S COOL! ◇ 2009年 05月 31日
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ここ数日間は雨が続いており、梅雨入りも近いかなと思わせる日々で若干気分も滅入りがちです。
雨自体は嫌いではないのですが、やはりどんより曇った暗い空は好きにはなれませんね。
気分が滅入りがちになった時に、"すっきり爽やか"な気分にさせてくれるアルバムを紹介しましょう。

今回取り上げるのは、私が敬愛しているギタリスト・松原 正樹が1988年にリリースしたベスト盤『THAT'S COOL! - The Best of Insturumental Version -』です。このアルバムは、松原 正樹のポニー・キャニオン時代のアルバム4枚(『SNIPER』、『PAINTED WOMAN』、『BEEN』、『STORIES』)から選り抜いたインスト曲13曲が収録されています。
このアルバムと同時発売された『SOMEDAY - The Best of Vocal Version -』というヴォーカル曲を集めたアルバムがありますが、こちらも別の機会に紹介したいなと思っています。

松原 正樹のギターが好きな理由は、とにかくフレーズが聴いていて心地良いことですね。スタジオ・ミュージシャンとしてのキャリアを活かして、その曲に合った音色、フレーズを作り上げてくることですね。特にアドリブ・パートにおいては、こういう曲調にはこういう入り方が格好良いというのを熟知している感じがたまらないですね(笑)
そして、アレンジャーとしても素晴らしい才能・センスを持っていて、当然のことかも知れませんがギター・サウンドを軸とした実に私好みのアレンジが多いのです。もし松原 正樹のギターに出会っていなかったら、こんなに音楽にのめり込むことはなかっただろうと思います。
それ程私にとっては重要なミュージシャンです。

『松原 正樹 / THAT'S COOL!』
01. S.O.S (Society Of Soul)
02. HUNCH
03. PACIFIC COAST HIGHWAY
04. SUNSET LULLABY
05. BUSTED
06. SHINING STAR
07. YOU BABE
08. AFTERNOON
09. TEQUILA TOAST
10. THAT'S COOL!
11. STAND!
12. AYUMI
13. FAR AWAY

軽快でダンサブルなナンバー01。この曲はシングルとして全米、ヨーロッパでも発売されました。ホーン・セクションを取り入れており、曲の良いアクセントになっています。ソロ・パートでは相変わらず耳に心地良いフレーズばかりです。ヨーロッパで人気が高かったというのも頷けます。1983年のアルバム『PAINTED WOMAN』から。

夏の夜のドライブにピッタリな感じのメロディアスなナンバー02。深夜の車の少なくなった高速なんかを走りながら聴きたいような曲です。1987年のアルバム『STORIES』から。

夏らしさ全開のナンバー03。眩しい太陽、渇いた風、潮風の香り・・・それらが見事にサウンドで表現されているような気がします。梅雨時のジメジメ感を一掃してくれる、そんな1曲です。アルバム『PAINTED WOMAN』から。

ビーチで沈んでいく夕陽を見ながら聴きたい、そんなナンバー04。松原 正樹らしいギターの音色と、フリューゲル・ホーンの音色の美しさが際立っています。アルバム『PAINTED WOMAN』から。

松原 正樹らしいフレーズのオンパレードといった感じの05。都会的なCOOLなサウンドが涼しげで、大好きな1曲です。1983年のアルバム『SNIPER』から。

タイトルのイメージとサウンドが結び付かなかった06(笑)。決して悪い曲という意味ではありません。ホーン・セクションやEVEのコーラスが入ったダンサブルなアレンジが印象的です。アルバム『PAINTED WOMAN』から。

メロウなナンバー07。TVでもよく使われていたので、聴いたことがある人も多いでしょう。ここではソロ・パートのギターが本当に格好良いんですよ。名曲です。アルバム『SNIPER』から。

真夏の昼下がりを感じさせる08。痛いほどに暑い陽射しなのに木陰は涼しく心地良い、そんな木陰で小休止しているといった感じでしょうか。ロック色のソロがまるで暑い陽射しのように迫ってきます。アルバム『STORIES』から。

昼夜関係なく車を走らせながら聴きたいような疾走感がたまらない09。これも良い曲です。軽快なテンポとギター・ソロが実に気持ちの良いナンバーですね。アルバム『PAINTED WOMAN』から。

メロウなナンバー10は、タイトル通りまさにCOOLな1曲。JAZZYなギター・プレイは、大人による大人のための音楽という雰囲気が漂っています。カクテルでも飲みながら聴きたい、そんなナンバーですね。アルバム『STORIES』から。

AORチックなナンバー11。少しですがマイク・ダンのヴォーカルがフィーチャーされているところも実にAORっぽいですね。全編でギターが堪能出来る曲でもあります。アルバム『BEEN』から。

水平線付近にわずかにオレンジ色が残っている程度の夕闇、そんなイメージのナンバー12。短くも美しいバラード・ナンバーです。アルバム『BEEN』から。

私のイメージでは12とは逆に、夜の帳からまさにもうすぐ陽が昇ろうとしている朝焼けの情景を感じる13。力が漲ってきそうなギター・ソロがヤル気を起こしてくれそうです(笑)。アルバム『STORIES』から。

夏にGuitar Fusionはよく似合います。と言うかギターに限らずFUSION系音楽が夏に似合う気がします。夏にギターだったら"高中 正義"というのも定番ですが、私にとって高中 正義の音楽は、まさに夏の盛りに聴きたい音楽なんです。梅雨時の滅入る気分を晴らしてくれるという意味では、この松原 正樹の『THAT'S COOL!』はピッタリだと思います。
これから暫くの間、つまり梅雨明けまでの間、毎年活躍してくれる1枚です。
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小柳 ゆき_KOYANAGI the DISCO ◇ 2009年 05月 29日
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5月23日のパブロ・クルーズのアルバム紹介記事を書いた時に、30年程前のサーフィン・ブームの事を書きました。そのサーフィン・ブームとほぼ並行してブームだったものにディスコ・ブームがありました。私の記憶では1970年代半ば頃から流行の兆しがありましたが、1977年に公開された映画「SATURDAY NIGHT FEVER」の大ヒットによって一気にヒート・アップしたという感じでしょうか。
この1977年頃から1980年代始め頃までのブームを第一次ディスコ・ブームと呼んでいるようですね。このブームの頃にディスコで頻繁にかかっていた音楽を"Disco Classics"と呼んでいます。
私と同年代の方の中には、夜な夜なディスコに通って踊りまくっていた人も多いのではないでしょうか(笑)

今回紹介するのは、そんな70年代にディスコに通っていた人たちには何とも懐かしい曲ばかりを集めたカヴァー・アルバムです。
そのアルバムは、小柳 ゆきが2003年にリリースした『KOYANAGI the DISCO』です。以前小柳 ゆきのJ-POPカヴァー・アルバム『KOYANAGI the COVERS PRODUCT 2』という良いカヴァー・アルバムを紹介しましたが、この『KOYANAGI the DISCO』も本当に良いカヴァー・アルバムに仕上がっています。
収録曲12曲中7曲が1970年代に"ディスコの女王"の異名をとったドナ・サマーのカヴァー、5曲がフィリー・ソウルの主要グループであるスタイリスティックスのカヴァーで構成されています。とにかく当時ディスコに通っていた人にとっては馴染みの深い曲ばかりという選曲の良さ、打ち込み中心ながらオリジナル曲のイメージを大切にしているアレンジ、そして何よりずば抜けた歌唱力を持った小柳 ゆきのヴォーカルが三つ巴となった素晴らしい仕上がりのカヴァー集です。"Disco Classics"が好きな方にはお薦めの1枚です。

『小柳 ゆき / KOYANAGI the DISCO』
01. ON THE RADIO
02. HOT STUFF
03. BAD GIRLS
04. HEAVEN KNOWS
05. COULD IT BE MAGIC
06. MacArthur PARK
07. NO MORE TEARS (Enough Is Enough)
08. CAN'T GIVE YOU ANYTHING (But My Love)
09. YOU ARE EVERYTHING
10. YOU MAKE ME FEEL BRAND NEW
11. LET'S PUT IT ALL TOGETHER
12. LOVE IS THE ANSWER

※01~07がドナ・サマーのカヴァー、08~12がスタイリスティックスのカヴァーです。

1979年のヒット曲01。とにかくヴォーカルの迫力と堂々たる歌いっぷりに圧倒されます。英語の発音に関してはよく分かりませんが、違和感無く聴こえます。知らない人に「黒人アーティストが歌っているんだよ」と言えば納得してしまうのではないかと思いますね(笑)

02と03はメドレー形式になっています。1979年の連続ヒットですね。この2曲だけでも相当テンションが上がること請け合いです。

1978年のヒット曲04。この曲はとても好きな曲でドナ・サマーに興味を持った曲でもありました。ここでも小柳 ゆきは溌剌と歌っています。ディスコ通いしていた人なら踊りたくなるのではないでしょうか・・・?(笑)

1976年のヒット曲05。邦題「恋はマジック」としてお馴染みの曲ですね。冒頭の囁きがなかなかセクシーです(笑)。この曲ではパワフルというより情感豊かなヴォーカルが魅力的です。

1978年のシングル曲06。出だしはバラード調で、途中から盛り上がります。これだけ声が出るシンガーというのはそうはいないでしょうね。本当に上手いシンガーだと思います。

1979年のシングル曲07。この曲も出だしは美しいバラード調ですが、中盤から典型的ディスコ調に変わります。バラードを歌っている時の声とは別人のようなパワフルな歌声が印象的です。

08以降の曲は"チークタイム"といった趣に変わります。私の大好きなスタイリスティックスのスウィート・ソウル・ナンバーへと続きます。

最近ではキムタクの出演している「ギャッツビー」のCMでもお馴染みの08。1975年のヒット曲で邦題は「愛がすべて」です。オリジナルはヴァン・マッコイのアレンジですが、オリジナルのイメージに損なうことのない良いアレンジです。

09も名曲中の名曲ですね。1972年にスタイリスティックスがヒットさせ、後にダイアナ・ロス&マーヴィン・ゲイのデュエットでカヴァーされたことでも有名です。男性黒人(多分)コーラスを入れ、非常に甘い雰囲気に仕上げています。やはり良い曲を上手いシンガーに歌うというのは実に気持ちが良いですよね。

私にとって特に思い入れの強い曲10。1973年のヒット曲で邦題は「誓い」。このアルバムを購入した時に、この曲をどう歌っているのかが一番気になりました。というのもこの曲は、二人のヴォーカルの色の違い、特にラッセル・トンプキンス Jr. のファルセット部が命といっても過言では無い曲だからです。この曲のカヴァーで過去に素晴らしいと思ったのは、山下 達郎の『ON THE STREET CORNER 2』でのカヴァーだけでした。小柳 ゆきヴァージョンは、Dorian Hollyなる人物とのデュエット形式になっています。なるほどなぁという感じでしたね。ラッセル・トンプキンス Jr. のパートを歌っています。この曲ではデュエット相手のDorian Hollyの声の良さに驚かされ、小柳 ゆきは少し霞んでしまいました(笑)

11も個人的には大好きな曲のひとつです。1974年のヒット曲で、何とも柔らかい感じがする名曲です。ここではしっとりと抑え気味の小柳 ゆきのヴォーカルがとても良いですね。

最後の12の名曲ですね。1974年のヒット曲。この曲はミディアム・バラードといった趣で、チーク・タイムも終わりに近づき、また汗を流す前のウォーミング・アップ的な曲と言えるかも知れませんね。小柳 ゆきのヴォーカルもそんな意味を含んでいるのかは不明ですが、若干パワフルに歌っています。

デビュー当時は人気もあってセールス的にも順調でしたが、最近の状況はちょっと淋しい気がしますね。
BOOK OFFでも彼女のアルバムの多くが250円コーナーに並んでいます。もっと評価されて良いシンガーだと思うのですが、音楽業界の難しいところですね。でも逆に考えればこの値段でこんなに良いアルバムが楽しめるのですから、この記事を読んで興味を持った人がいたならぜひ聴いてみて下さい。
本当に歌の上手い人ですから・・・。
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TOSHITARO_Paradise ◇ 2009年 05月 27日
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現在では廃盤となって入手困難なCDをBOOK OFFや中古を扱うお店で探しているのですが、そうは簡単に見つかるものではありません。
しかし、人間諦めてはいけませんね。今回紹介するアルバムもずう~~~っと探し続けていたアルバムなんですが、ようやく見つけることが出来ました。
仕事先の近くにあったBOOK OFFに時間があったので何気に除いて見たら、あったんですよ。探し物が見つかる時って意外にあっけないものなのかも知れませんね(笑)

その見つかったアルバムというのが、以前当ブログでも1度紹介しているTOSHITAROの1985年リリースの2ndアルバム『Paradise』です。以前紹介したのは、1986年にリリースした大村 憲司プロデュースによる3rdアルバム『chic』です。この3rdアルバムも実は『Paradise』を探していた時にたまたま見つけたアルバムでした。
『chic』も良いアルバムなんですが、やはり私は『Paradise』の方が思い入れも強く、好きなアルバムだったので、今回見つけられたことは大変ラッキーでした。
ちなみに950円で売られてました。昔だったら250円だったろうなと思いつつ、やはり思い入れが強いアルバムなので速攻GETした次第です。

TOSHITAROは、本名・稗島 寿太郎。ヤマハ主催のコンテスト"East-West" に出場し、やがて1979年に深町 純のプロデュースで"とし太郎&リバーサイド"としてアルファ・レコードからデビューします。この頃の音源も聴いてみたいのですが・・・。バンド解散後、1984年にソロ・デビューを飾っています。
私がこの2nd『Paradise』を購入したきっかけは、アルバム・タイトルとジャケット写真に惹かれたからです。
それまでTOSHITAROなんてアーティストの事は全く知りませんでした。
このアルバムがリリースされた頃だったと思いますが、カセット・テープ"That's"のCMにこのアルバムにも収録されている「Am9にジェイ ~鋭角ボーイでいてくれよ~」が起用されてまして、この曲が唯一TOSHITAROで知っている曲でした。

『Paradise』は、タイトルやジャケ写真からも察しがつくと思いますが、夏にぴったりなCITY POP系のアルバムです。全曲の作曲と1曲の作詞、8曲のアレンジをTOSHITAROが手掛けていますし、演奏でもキーボード、パーカッションで参加しています。残り2曲のアレンジは鳥山 雄司です。

『TOSHITARO / Paradise』
01. Funky Summer
02. トライアングル・ミステリー
03. ハネムーンはチャイナタウンで
04. Am9にジェイ ~鋭角ボーイでいてくれよ~
05. BY AIR MAIL
06. SUNNY GIRL
07. ひたいのKissからもう一度
08. Make A Romance
09. Paradise Dream
10. Thanks For Time In Your Love

タイトルには"Funky"と付いていますがサンバ調のリズムを基本にしたPOPなサマー・ソング01。何とも80年代らしさ全開の1曲で、海岸線を走らせながらの夏のドライブにぴったりです。私はどういう訳か、夏に夏らしさたっぷりの曲を聴くのが昔から好きなので、この手の曲には弱いです(笑)

スピード感溢れる02のアレンジは鳥山 雄司で、流石にプロのアレンジといった感じです。CITY POPらしい洒落たアレンジとキャッチーなメロディーが特徴と言えますね。ただシンセの音に時代を感じてしまうのはご愛嬌ということで・・・。

02と同じ鳥山 雄司のアレンジによるPOPなナンバー03。最近はこういうリズムの曲をほとんど聴かなくなりましたが、実に軽快でウキウキ気分がサウンドで上手く表現されている気がします。耳に馴染むキャッチーなメロディーも良いですね。

シングル曲04。カセット・テープのCMで使われていたので、おそらく曲を聴けば憶えている人もいるかと思います。タイトルからしてCITY POP色全開ですね(笑)。サビのメロディーが特にインパクトが強いので、CMに使うにはピッタリでしょう。久しぶりに聴きましたが、良い曲です。

しっとりとしたバラード曲05。この曲は冬の曲です。この曲の歌詞がこれがまた気障なんですよ。ただ気障が気障で無かったのが80'sの特徴とも言えるかも知れません。

夏を感じさせるPOPナンバー06。この曲も80年代を感じさせてくれる曲で、個人的にはお気に入りの曲になっています。TOSHITAROの書くメロディーはどれもストレートでキャッチーなものが多くて、初めて聴く人でもすんなりと聴けると思います。間奏のアコースティック・ギターのソロが心地良いです。

都会的なアレンジが印象的なグルーヴィーなナンバー07。都会で生活する人間の日常の時間と余暇の時間を音楽で表現したものをCITY POPと解釈するならば、この曲は都会での日常を歌った曲ですね。当時のCITY POPには、都会の雰囲気とリゾートの雰囲気が1枚のアルバムに収められているケースが多かったですね。

ロック色の強いアレンジが特徴の08。凝ったアレンジになっていますが、やはりシンセの音に時代を感じてしまいますね。

疾走感溢れる英語詞のナンバー09。ウエスト・コースト・ロックを意識して書いたような曲です。これが結構メロディー、アレンジも良くて、ウエスト・コーストの雰囲気もよく出ていて良い曲だなと思います。この曲もドライブのBGMにピッタリな感じです。

最後を飾る10は、ハチロクのバラード・ナンバーです。夏を惜しむようなセンチなメロディーとアレンジがなかなかです。地味と言えば地味な曲ですが、味わい深い曲ですね。

私にとって夏は、盛りの時の高揚感と、終わりの頃の寂寥感という二つの感覚を楽しめる季節なんです。
その二つの感覚を味わせてくれるアルバムが好きなんですが、この『Paradise』もそんな1枚だと思います。
ですが如何せんマニアックですので、知っている人は本当に少ないと思います。セールス的にも決して良かったとは思えませんが、それでもこういう良い作品がゴロゴロしていたのが80年代の特徴でもありますね。

インターネットが普及して、当時とは比較にならない位の情報が入手出来るようになり、アルバムを試聴してから購入するというのも当たり前の時代になりました。これは素晴らしいことだと思う反面、レコードの時代は傷付きやすい媒体がゆえに試聴も難しかったので、ジャケット写真やミュージシャン・クレジットが大きな判断材料になってました。いわゆる"ジャケ買い"とか"クレジット買い"ですね。でもこれはこれで結構楽しかったし、自分の好みに合ったアーティストを見つけた時の喜びも一入でした。
CDの時代になってからは、そういう買い方から遠ざかってしまって少し淋しい気もしますね(笑)
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BREAD & BUTTER_LATE LATE SUMMER ◇ 2009年 05月 24日
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誰にでも青春時代の思い出のアルバムと言うか、時代を超えて愛聴しているアルバムがあるかと思います。
今回紹介するアルバムは、私にとってまさに時代を超えた愛聴盤となっている1枚です。
それはブレッド&バターが1979年にリリースした通算6枚目、アルファ・レーベル移籍第一弾となったアルバム『LATE LATE SUMMER』です。
私がブレッド&バターを聴くようになったアルバムであり、少し大袈裟ですがCITY POPへ傾倒していく引き金となった1枚とも言えるアルバムです。

ブレッド&バター(以降、ブレバタと表記)は、ご存知の方も多いでしょうが岩沢 幸矢、二弓の兄弟ユニットです。
1969年にデビューしてますから、今年で40周年を迎えることになるんですね~。本当に凄いの一言です。
このアルバムがリリースされるまでは、名前こそ知っていましたがフォーク系のユニットだと思っていて、たいして興味を抱きませんでした。たまたま友人がこのレコードを持っていて聴かせてもらってから、何とも夏っぽい雰囲気と洒落た楽曲に衝撃を受け、自分でもこのアルバムを購入してレコードが磨り減る位繰り返し聴いたアルバムです。

アルバムのプロデュースは有賀 恒夫。彼の凄いところは、"ブレバタ=湘南"というコンセプトを明確に打ち出したことですね。以降、ブレバタは湘南サウンドの代名詞とも言える存在になっていったことを考えると、有賀 恒夫のセンスの良さを改めて感じます。
サウンド面では、収録曲10曲中9曲のリズム・アレンジを担当したのが細野 晴臣。残り1曲が佐藤 博です。またストリングスやホーンのアレンジを松任谷 正隆、鈴木 茂、椎名 和夫、田辺 信一が手掛けています。
サウンド的には以前紹介したアルファ第二弾となる『MONDAY MORNING』や第三弾『PACIFIC』の方が好き(アレンジの大半を敬愛する松原 正樹が手掛けている)なんですが、強烈に印象に残っているのはやはりこのアルバムですし、聴いた回数も他のアルバムの比ではありませんでした。それだけ私にとって大切な1枚になっています。

ちなみに参加しているミュージシャンは、坂本 龍一(key)、佐藤 博(key)、細野 晴臣(b、key)、小原 礼(b)、林 立夫(ds)、高橋 幸宏(ds)、鈴木 茂(g)、松原 正樹(g)、椎名 和夫(g)、安田 裕美(a-g)、浜口 茂外也(per)等です。

『BREAD & BUTTER / LATE LATE SUMMER』
01. あの頃のまま
02. タバコロード20
03. 別れたあとの憩い
04. THE LAST LETTER
05. 渚に行こう
06. ゆううつ
07. 忘れ得ぬ貴女
08. SUMMER BLUE
09. 青い地平線 - Blue Horizon -
10. JULIANNE

作詞・作曲:呉田 軽穂、編曲:細野 晴臣、松任谷 正隆によるブレバタの代表曲のひとつである01。元々はユーミンが書いた詞が先にあって、ブレバタもメロディーを付けようとしたが上手くいかず、結局ユーミンがメロディーも書いたといういきさつがあったようです。変わっていく友人と変わらない自分。どちらが良い悪いではなく自分らしく生きていきたいという歌詞が強く印象に残る1曲です。

作詞:呉田 軽穂、作曲:岩沢 幸矢、編曲:細野 晴臣、鈴木 茂による02。歌詞の内容にピッタリな軽快で爽快な疾走感が特徴と言えます。幸矢らしいストレートでキャッチーなメロディー・センスと細野 晴臣のアレンジ・センスの良さを感じさせます。

作詞:岩沢 幸矢、市原 愛彦、作曲:岩沢 幸矢、編曲:細野 晴臣、椎名 和夫によるバラード曲03。ブレバタらしい曲です。ブレバタの場合、曲を書いた方がメイン・ヴォーカルなので兄弟どちらの曲かというのが歌で判ります。ただ、声を区別するのが最初は難しいかも知れませんが・・・(笑)

作詞:高橋ユキヒロ、作・編曲:細野 晴臣による04。ポール・サイモンの「50 Ways」が元ネタであると言われているお洒落なナンバー。グルーヴィーなミディアム・ナンバーで、細野 晴臣がベースだけでなく、コーラス、アコースティック・ギターにと大活躍してます。

作詞:伊達 歩、作曲:岩沢 二弓、編曲:細野 晴臣、鈴木 茂によるサマー・チューン05。ボッサ・テイストのアレンジも心地良く、これぞブレバタといった感じの曲です。二弓の書く曲は、兄の幸矢に比べ洋楽っぽいテイストに溢れていて、CITY POP好きな私には二弓の曲がツボでございます(笑)

作詞:呉田 軽穂、作曲:岩沢 幸矢、編曲:細野 晴臣による南国テイストたっぷりな06。メロディーはフォークっぽいのですが、細野 晴臣ならではの味付けで見事南国風に仕上がっています。細野 晴臣のマリンバが良い味出してます。

作詞:岩沢 二弓、市原 愛彦、作曲:岩沢 二弓、編曲:細野 晴臣、椎名 和夫による美しいメロディーのバラード・ナンバー07。個人的にはサビのメロディーが秀逸だと思っています。間奏での坂本 龍一のピアノが印象的です。聴くほどに味わい深くなる、そんな曲だと思います。

作詞:小林 和子、作曲:岩沢 二弓、編曲:細野 晴臣による名曲08。CITY POPが好きな方にはぜひとも聴いて欲しい1曲です。歌詞、メロディー、アレンジ共に30年前の作品とは思えないほど素晴らしい出来です。
特にアレンジが素晴らしく、こんな洒落たアレンジを30年前にサラッとやってしまう細野 晴臣のセンスには脱帽です。アルバム中最も好きな曲です。

作詞:なかにし礼、LINDA RHEE、作曲:筒美 京平、編曲:細野 晴臣、田辺 信一によるキャッチーなナンバー09。天才・筒美 京平ならではのメロディーですね。この曲は当時TBSの朝の情報番組「おはよう700」で使われており、当然シングル・カットされています。結構視聴率の高かった番組という記憶があるので、憶えている人も多いでしょう。ちなみにシングルは、"Le Mistral"名義でリリースされました。

作詞:岩沢 幸矢、DAVID WALLACE、伊達 歩、作曲:岩沢 幸矢、編曲:佐藤 博によるバラード曲10。美しい佐藤 博のピアノと夏の終わりを感じさせるような何とも切ないメロディーが特徴です。まさにLate Summerというイメージがピッタリなナンバーです。

2005年に再発されたCDにはブレバタと有賀 恒夫のインタビューが掲載されており、そこには非常に興味深いことが書いてありました。
それは、このアルバムにはスティーヴィー・ワンダーが書き下ろした曲が入る予定だったらしいのです。細野 晴臣のアレンジでタイトルは「特別な気持ちで」と決まっており、レコーディングまで終了していたんですが、スティーヴィーのスタッフが「良い曲だから日本人にあげるのは勿体無い」と言い出し、結局お蔵入りになったそうです。その曲が5年後の1984年にスティーヴィー・ワンダーが自ら歌って全米No.1に輝いた「I Just Called To Say I Love You」なんだそうです。これって何気に凄いエピソードですよねぇ(笑)

本来であれば夏の終わり頃に似合うアルバムなんですが、まだ聴いたことの無いCITY POP好きな方の為に早めに紹介しました(笑)
ジャケットの写真も水を抜いたプールで撮影されているところも何とも夏の終わりを感じさせますが、これからの季節だったら気持ち良く聴けることは間違いありません。自信を持ってお薦め出来る1枚です。
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PABLO CRUISE_PABLO CRUISE ◇ 2009年 05月 23日
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今から30年位前、私が大学生の頃にサーフィン・ブームが起きました。
赤いファミリアにシングル・フィンのボードを積んで、波があろうが無かろうが毎週末海に出かけていたサーファー達、また脱色したサーファー・カットの髪に日焼けした肌、サーファー・ルックに身を固めムスクに匂いをプンプンさせながら街中を闊歩していた陸サーファー達が私の周りにも友人にも沢山いました。
そんなサーファー達が当時こぞって聴いていたバンドのひとつが、今回紹介するパブロ・クルーズでした。

パブロ・クルーズは、1976年にデビューした西海岸(サンフランシスコ)出身の4人組で、デビュー当時はサーフロック・バンドという認識は無かったと思うのですが、1977年に彼等の2ndアルバム『LIFELINE(邦題:絆)』に収録されていた「Zero to Sixty in Five」が、1978年に公開されたサーフィン映画「フリーライド」のメイン・テーマに起用されたことでサーファーの間で一躍人気を得てからサーフロック・バンドというイメージが定着したようですね。

1978~1979年頃はFUSIONに夢中になっていた頃で、AOR系の洋楽は多少聴いていたもののロック系統の音楽は積極的に聴いてはいませんでした。
しかし、サーファー(陸サーファー含む)の友人が多かったこともあり、パブロ・クルーズも否応無しに聴かされました(笑)。そして、「Zero to Sixty in Five」を聴いた時にその格好良さに惹かれましたね。友人にアルバムを何枚か借りて聴いていたところ、「これが本当にロック・バンドか?」と思うようなFUSION色の強い曲に衝撃を受けたんですね。それが今回紹介する1976年のデビュー・アルバム『PABLO CRUISE』に収録されていた12分を超す大作「OCEAN BREEZE」でした。

パブロ・クルーズの魅力は、まずPOPな曲あり、アーシーな曲あり、ソウルフルな曲あり、FUSIONライクなインスト曲ありという感じで、非常には幅広い音楽性を持っていることと、高い演奏力にあると思います。
メンバーは、コリー・レリオス(key)、デイヴ・ジェンキンス(g)、バッド・コックレル(b)、スティーヴン・プライス(ds)の4人で、それぞれが確かな演奏技術を持っているのですが特にコリーのピアノ、デイヴのギターはパブロ・クルーズのサウンドの要と言えます。ロックには珍しく、ほとんどの曲において生ピアノを使っているところが特徴です。コリー・レリオスは相当クラシックを勉強してきたのだろうと思わせる指運びで、インスト曲などでのプレイは圧巻です。

『PABLO CRUISE / PABLO CRUISE』
01. ISLAND WOMAN
02. DENNY
03. SLEEPING DOGS
04. WHAT DOES IT TAKE
05. ROCK'N ROLLER
06. NOT TONIGHT
07. IN MY OWN QUITE WAY
08. OCEAN BREEZE

前置きが長くなったので今回は曲毎のレビューを割愛(手抜き)させて頂きます(笑)。
と言うのも正直この1stアルバムは、まだ荒削りの印象があって決して完成度は高くありません。やはり大ヒットした3rdアルバム『A Place in the Sun』や4thアルバム『Worlds Away』の方がアルバムとしてはお薦めですね。
しかし、01や08はまさに彼等がビッグになっていくであろうことを予感させる素晴らしいナンバーで、ライナー・ノーツにも書かれていましたが、"ダイヤモンドの原石"みたいな作品だと思います。

レビューの代わりと言っては変ですが、You Tubeの画像を貼り付けておきます。

まずは私と同年代の人であれば懐かしいであろう名曲「Zero to Sixty in Five」です。



そして、今回紹介したアルバムのハイライト曲「OCEAN BREEZE」です。但し前半部分が大幅にカットされています。
このカットされてる部分が実は凄く良いんですよ(笑)


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薬師丸ひろ子_古今集 ◇ 2009年 05月 21日
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最近はBOOK OFFを探索していても、なかなか低価格で「これは!」という作品に出会えません。BOOK OFF側も値段設定に慎重になっているのかも知れませんね(笑)
それでもしつこく250円コーナーを探していれば良い買い物が出来ます。今回はそんな1枚です。

薬師丸ひろ子が1984年にリリースした1stアルバム『古今集』です。このアルバム、アナログ盤は所有していたんですが、なかなかCDで買いなおすタイミングが無く、中古市場で安いモノを狙っていました。今回250円でGET出来たのはラッキーだったと思います。
ただ安いには安いだけの理由があるものですね。買ったCDには歌詞カードが付いておりませんでした(笑)
しかし、音楽が聴ければそれで十分ですから満足しています。

薬師丸ひろ子の歌の魅力は、ずばりその独特な歌声と滑舌の良いところだと思っています。歌声は何とも言えない雰囲気を醸し出し、歌詞がはっきり聞き取れる滑舌の良さは、歌唱力の有る無しよりも聴く者を惹き付けているのではないでしょか。
加えて彼女の歌は、淡々としているように聴こえますが、私にはちゃんと歌で"芝居"をしているように思えるのです。曲を何度も聴いているとしっかり感情移入されているのが分かります(もしかしたら私だけかも・・・汗)。
派手な曲こそありませんが、薬師丸ひろ子の魅力が詰まったアルバムだと思います。

『薬師丸ひろ子 / 古今集』
01. 元気を出して
02. つぶやきの音符
03. トライアングル
04. カーメルの画廊にて
05. 眠りの坂道
06. 白い散歩道
07. ジャンヌダルクになれそう
08. 月のオペラ
09. アドレサンス(十代後期)

お馴染み竹内まりや作詞・作曲の名曲01。彼氏にふられた女友達を慰めている歌ですね。竹内まりやヴァージョンに比べるとフォーク色の強い素朴なアレンジになっています。アレンジは椎名 和夫。やはり友達って良いものだと思わせるのですが、実はこの曲には意外な結末が待っているのです。それは03へと続きます。

作詞:来生えつこ、作曲:南 佳孝、編曲:井上 鑑による02。澄んだ歌声とワルツのリズムが心地良いナンバーです。決して明るいという印象の曲では無いのですが、彼女の歌声のおかげで暗い感じにはなっていません。2分40秒という曲の長さも丁度良い感じですね。

01と同じ竹内まりやの作詞・作曲、椎名 和夫のアレンジによる03。私は01の女友達二人の数ヵ月後の出来事を歌った歌と理解しています。親友の彼氏と秘密のデートを重ね、キスまで・・・。最後には友達よりも恋を選んでしまうだろうという内容なんです。何故この曲が01のその後なのかは、歌詞をじっくり聞いていれば分かると思います。興味があったらぜひ聴いてみて下さい(笑)

作詞:湯川れい子、作曲:大野 克夫、編曲:鷺巣 詩郎による04。この曲が結構好きなんですよね。キャッチーで印象に残るメロディーと美しいストリングスが、薬師丸ひろ子の歌声とよくマッチしていて何度も聴きたくなる不思議な魅力を持ったナンバーですね。

02と同じ作詞:来生えつこ、作曲:南 佳孝、編曲:井上 鑑による05。美しいメロディーのバラード曲で、パーカッションを効かせたアレンジが絶妙で、ベースや打楽器の低音部と彼女のハイトーンの歌声のコントラストが面白いです。

作詞・作曲:大貫 妙子、編曲:清水 信之による06。清水 信之らしいPOPなアレンジが印象的な1曲。アルバム中で最も可愛らしい歌と言えるでしょう。大貫 妙子のセンスの良さを改めて感じさせます。

作詞:阿木 燿子、作・編曲井上 鑑によるビートの効いたミディアム・ナンバー07。この曲も好きですね~。イントロから井上 鑑のアレンジと分かります。残念ながらミュージシャン・クレジットが無いのですが、重厚感のあるドラムは山木 秀夫、キレの良いギター・カッティングとスリリングなソロは今 剛に間違い無いでしょう。それにしても80年代の井上 鑑の仕事量って半端じゃないですね。

06と同じ作詞・作曲:大貫 妙子、編曲:清水 信之によるしっとりとしたバラード曲08。メロディー的には06よりもこちらの方が好きですね。清水 信之のアレンジには珍しくストリングスを前面に出しているのですが、このストリングスが効果的で曲を盛り上げています。

07と同じ作詞:阿木 燿子、作・編曲井上 鑑によるスケールの大きなバラード・ナンバー09。アルバム・リリース時19歳だった彼女の等身大の歌と言う感じがします。伸びやかな歌声に大人への階段を着実に上がっていこうというような意志の強さみたいなものを感じるのですが、どうでしょう?(笑)

少し前に紹介した原田 知世にしても、今回の薬師丸ひろ子にしても1stアルバムで既に音楽のスタイルが確立されているのが凄いですね。これはスタッフが優秀だったというのは勿論だと思いますが、それだけスタッフを本気にさせる魅力が彼女達にはあったのだと思います。まさに恐るべき眼力の角川 春樹ですね(笑)
ベスト盤などで楽しむのも良いですが、やはりオリジナル・アルバムにはそこでしか味わえない面白さがあります。特に01と03はその良い例だと思います。01の次に持ってくるのではなく、1曲おくことで時間の流れも自然になりますし、そういう意味では曲順もよく練られていて本当に良いアルバムです。
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月曜日の朝の出勤時というのは、やはりどうも気乗りがしないものですよね。
でも今日のように天気が良い時は、ノリの良い音楽を聴いてテンションを上げていきたいもの・・・。
そんな時にピッタリな元気をもらえるアルバムを今回紹介しましょう。

1988年の3月にFM TOKYOのプロデュースによって中野サンプラザにて行われた、OTTOTTRIOのライヴ盤『SUPER GUITAR SESSION HOT LIVE』です。
FUSIONが好きな方ならご存知の方も多いでしょうけど、OTTOTTRIOはカシオペアの野呂 一生、T-SQUAREの安藤まさひろ、野獣王国の是方 博邦の3人の凄腕ギタリストのユニットです。
この3人の名前だけでも十分惹かれるんですが、内容もライヴ盤ならではの白熱した演奏と各々の個性が光るギター・プレイに魅了されてしまいます。ああだこうだ言う前に楽しめてしまう、そんなアルバムと言って良いかも知れません。

この日のライヴを支えているミュージシャンは、則竹 裕之(ds)、吉弘 千鶴子(key)、笹路 正徳(key)、美久月 千晴(b)の4人。総勢7名のバンドということになります。皆スタジオ・ワーク等で活躍しているミュージシャンだけに素晴らしい技術を持っており、ギターの3人を盛り上げています。
こういうギターがバリバリのFUSIONが個人的には大好きで、聴いていると元気になります(笑)

『OTTOTTRIO / SUPER GUITAR SESSION HOT LIVE』
01. BOYS BE AMBITIOUS
02. GUITAR CUBIC
03. PRICIA
04. MR. MOON
05. 上を向いて歩こう
06. WE'RE ALL ALONE

まずは野呂 一生の作・編曲による01。跳ねるようなシャッフル・ビートが心地良いナンバーで、3人によるメロディー演奏の後は、怒涛のソロ合戦。それぞれに音色や弾き方が個性的で、それがまたギター・バトルっていう感じで良いんですよね。聴いた音の感じだとジャケット写真通りに左寄りのギターが是方、中央が野呂、右寄りが安藤ではないかと思います。スリリングな演奏に聴き惚れてあっと言う間に終わってしまいます(笑)

是方 博邦の作・編曲による、なかなかトリッキーでハードなナンバー02。01以上に激しいギター・バトルが繰り広げられます。どうしても3人のギターに聴き入ってしまうのですが、バックの演奏も堅実で、特に笹路、吉弘の二人のキーボード・プレイはかなりなものです。ライヴで映えるタイプの曲ですね。

03も是方 博邦の作・編曲によるナンバーです。メロウな感じで始まり、次第に盛り上がっていくというダイナミックなナンバーです。是方のブルージーなギター・プレイが特に印象的ですが、ここでも3人それぞれが個性的でメロディアスなソロを聴かせてくれます。則竹 裕之のドラムもタイトで非常に気持ちが良いです。則竹 裕之は神保 彰同様、体格的には華奢な感じですがパワフルなドラムを叩きますね。特にこの曲のドラミングは好きです。

以前紹介した安藤まさひろのソロ・アルバム『MELODY GO ROUND』(1990年)にも収録されたナンバー04。もちろん安藤まさひろの作・編曲です。今までの曲とは違ってリゾート系Musicという雰囲気で、聴いていてとても心地良い曲です。ここでも3人のギターの音色にそれぞれ特色があって面白いです。

坂本 九の代表曲であり、中村 八大作曲による名曲「上を向いて歩こう」のカヴァー05。アレンジは是方 博邦。テンポのある明るいアレンジに仕上げています。個人的にこの曲は、切ない歌詞なのに曲調が明るいのが最大の特徴だと思っているので、このアレンジは凄く気に入りました。美久月 千晴のベース・プレイが渋いです。この曲にスラップがこんなに似あうとは思いませんでした(笑)

最後はボズ・スキャッグスの名バラードのカヴァー06。アレンジは是方 博邦ですが、原曲とは全く違うスピード感溢れる「WE'RE ALL ALONE」に仕上がっています。しかも8分近い熱演が繰り広げられます。3人のギター・バトルはもちろんのこと、笹路 正徳と吉弘 千鶴子のキーボードの掛け合いも聴き逃せません。

収録曲が6曲なので、あっと言う間に聴き終えてしまう感じで少し物足りません(笑)
この『SUPER GUITAR SESSION HOT LIVE』はポリドールからリリースされているんですが、同じ日のライヴの別選曲で構成された『SUPER GUITAR SESSION RED LIVE』というのがソニーからリリースされているんですよね。だから2枚聴けばライヴの全容が判るみたいな感じなんだと思います。
しかし、残念ながら『SUPER GUITAR SESSION RED LIVE』は聴いたことが無いのです。と言うのも、この『HOT LIVE』の存在を知ったのは初回のリリースの時ではなく、1994年の廉価盤リリースの時だったからなんです。その時に『RED LIVE』もリリースされていれば気付いたとは思うのですが・・・。
いつかは聴いてみたい1枚ですね。
GUITAR FUSION関連が好きな方にはお薦めの1枚です。またライヴならではの白熱したプレイを聴くとテンションが上がりますので、最近元気の無い方にもお薦めしておきましょう(笑)
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麻倉 未稀_SU・TE・KI ◇ 2009年 05月 17日
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今回紹介するのは、麻倉 未稀が1988年にリリースした『SU・TE・KI』です。
麻倉 未稀と言えば、TVドラマの主題歌としてヒットした「What a feeling~フラッシュダンス」や「ヒーロー ~HOLDING OUT FOR A HERO」という洋楽カヴァー曲を思い浮かべる人も多いでしょう。
どちらの曲も熱唱するタイプの曲なんですが、私は個人的には熱唱タイプの曲は好きではありません。ですが彼女のデビュー曲「ミスティ・トワイライト」が好きでしたので興味を持っていました。そんな時に西海岸録音で、贅沢なミュージシャンを集めてレコーディングされた本作を知って飛び付きました。
それが本作『SU・TE・KI』です。

プロデュースはJEFFREY WERBER。録音・ミキシングにKEVIN CLARK。
そして、JOHN ROBINSON(ds)、JEFF PORCARO(ds)、JOHN PENA(b)、MICHAEL LANDAU(g)、TEDDY CASTELLUCCI(g)、DAVID BENOIT(key)、BILL MEYERS(key)、DAVID GARFIELD(key)、NELSON KOLE(key)、LUIS CONTE(per)、BRANDON FIELDS(sax)、DAVID LASELY(cho)等といったAORやFUSION好きな人にはお馴染みの豪華メンバーが集まっています。このメンバーの名前を見れば購入意欲が湧いたのも当然だと理解してもらえると思います(笑)

『SU・TE・KI』は、ズバリ夏向きのアルバムです。AORチックな曲の数々は、大野 雄二、都志見 隆、南 申午の日本人作家の曲が5曲、海外アーティスト(ミュージシャン)の楽曲が7曲で構成されており、アレンジはJOHN PENA、DAVID BENOIT、BILL MEYERS、DAVID GARFIELD、NELSON KOLE等が手掛けており、素晴らしい演奏を聴かせてくれます。

『麻倉 未稀 / SU・TE・KI』
01. カリフォルニア・ナイト
02. SU・TE・KI
03. オーシャン・ブリーズ
04. 永遠のメッセージ (TOUCHED)
05. Find a New Way
06. ミスティ・トワイライト
07. EXPRESS (Don't Even Feel It)
08. Pray for Love
09. True Love (Every Step Of The Way)
10. ふたりだけのSecret Trip
11. Crazy Love
12. 気がつけばFall in Love (Just Want To Be Wanted)

ダンサブルなビートのAORナンバー01。ダンサブルなビートを叩かせたら天下一品のJOHN ROBINSONのドラミングと堅実なJOHN PENAのベースのリズム隊が主役とも言える曲なんですが、BRANDON FIELDSの熱いテナー・サックス・ソロもかなり格好良いです。

ラテン調で軽快なナンバー02。ラテン系独特の陽気なアレンジはDAVID GARFIELD。当然ながらLUIS CONTEのパーカッションが大活躍です。いかにもMICHAEL LANDAUらしい軽妙なギター・プレイやここでもBRANDON FIELDSのソロが光っています。

ボッサ・テイストのサマー・ソング03。都志見 隆の書いた曲ですが、難しいメロディーなのに聴いている分には実に心地良いというナンバーですね。抑え気味に入っているホーン・セクションとJOHN PENAのベース・プレイが実に渋いです。

AOR色の強いバラード・ナンバー04。ドラム、ベース、ギター、キーボード、パーカッションという小編成ながら、全然物足りなさを感じさせないBILL MEYERSのアレンジが見事です。ソロ・プレイが無くアンサンブルで聴かせるタイプの曲ですが、すごくバランスが良い演奏だなと思いますね。

DAVIT BENOITの作・編曲による爽やかなミディアム・ナンバー05。DAVID BENOITらしい美しいメロディー・ラインが特徴です。派手さはありませんが、キレの良いドラミングはJEFF PORCARO。ファルセットを多用した麻倉 未稀のヴォーカルも曲の雰囲気に似合っています。

麻倉 未稀のデビュー曲で名曲だと思っている06。大野 雄二ならではのメロディーといった感じがします。ここではDAVID GARFIELDのアレンジによるリテイクです。DAVID GARFIELDという人はラテンやボッサ系のアレンジが上手い人ですね。なかなかシックで良いアレンジだと思います。DAVID GARFIELDのキーボード・ソロにも注目です。この曲は1981年当時CMで使われ、頻繁にオンエアされていたのできっと知っている人も多いはず・・・。

FUNKYなナンバー07。アルバム中で最も都会的なサウンドの曲と言えるでしょう。こういう曲調になると俄然JOHN ROBINSONのドラムが元気になるような気がします(笑)。MICHAEL LANDAUが大活躍の曲で、ハードなソロ・プレイは聴き所です。

軽快なリズムのAORナンバー08。南 申午なる作家の曲です。これが良い曲で、個人的には凄くお気に入りの1曲になっています。この曲でのJOHN ROBINSONのドラミングが大好きです。あとTEDDY CASTELLUCCIのギターが凄く良いです。麻倉 未稀のヴォーカルも冴えています。

DAVID BENOITの作・編曲によるバラード・ナンバー09。待ってましたとばかりのDAVID BENOITのピアノ・ソロが堪能出来ます。音数は多くはありませんが、シンプルで良いアレンジです。派手さはありませんがJEFF PORCAROのドラミングは流石だと思わされる曲でした。

爽やかで陽気なミディアム・ナンバー10。南 申午の作曲なんですが、この人良い曲書きますね。曲調に合わせて抑え気味の麻倉 未稀のヴォーカルが魅力的です。

DAVID BENOITのピアノの弾き語りで歌われるバラード曲11。麻倉 未稀には申し訳無いが、どうしてもBENOITのピアノに耳が傾いてしまいます(笑)。歌っている麻倉 未稀もきっと気持ち良かったでしょうね。歌は確かに上手いです。

夏らしい軽快なAORナンバー12。ここではDAVID LASLEYとのデュエットです。何とも贅沢としか言い様がありませんね。DAVID LASLEYのハイトーン・ヴォイスが何とも格好良いんですが、意外にも麻倉 未稀の声との相性も良く、相当格好良く仕上がっています。DAVID BENOITのアレンジは見事ですし、JEFF PORCAROのドラミング、特にハイハット・ワークは格好良いですし、JOHN PENAのベース、TEDDY CASTELLUCCIのギターも文句無く格好良いです。アルバム中最も好きなナンバーです。AOR好きな方にはぜひとも聴いて欲しい1曲ですね。

バブリーな80年代のJ-POPシーンを象徴するかのようなアルバムという感じは否めませんが、それでもサウンド(音)の違いや演奏技術などやはり聴いていて格好良いなと思いますね。特に12のようなAORナンバーは本場ならではの曲という感じがします。
決してお金に物を言わした感じの海外録音を褒め称えるつもりはありませんが、ひとつはっきり言えるのは良い演奏というのは歌を引き立てるのも事実だということなんですよね。
私がCITY POPやAORが好きな理由もそこにあります。
"一粒で二度おいしい"なんてコピーがありますが、CITY POPやAORには、楽曲の良さ、アレンジ・演奏の良さ、歌の良さという風に"一粒で三度おいしい"みたいなところがあるんですよね。聴く度にメロディー中心に耳を傾けたり、演奏に耳を傾けたりというように何度聴いても楽しめるのが良いですね。
この『SU・TE・KI』もそんな1枚だと思います。CITY POPやAORが好きな方にはお薦めの1枚です。
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ERIC GALE_GINSENG WOMAN ◇ 2009年 05月 14日
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今回紹介するのは、私の大好きなギタリストの一人であるエリック・ゲイルが1977年にリリースした2ndソロ・アルバム『GINSENG WOMAN』です。何とも和風なジャケットが印象的ですが、アルバムがリリースされた時に確か邦題が『夢枕』だったように記憶しています。

エリック・ゲイルは、1960年代から活躍したセッション・ギタリストで、その独特なブルージーなプレイと音色はまさにワン・アンド・オンリーなギタリストと言えます。本当に沢山のアーティストのアルバムに参加していますが、彼のギターだけは本当にすぐ判りました。
一言で言うなら"渋い"という形容がピッタリなギター・プレイがエリック・ゲイルなんですね。
容姿は、言葉は悪いですがスラム街を普通に歩いてるオッサンて感じなんですけどね(笑)

FUSIONが好きな方には、あのスーパー・バンド"STUFF"の一員としてもお馴染みだと思いますし、彼のギターを聴いたことが無いFUSION好きは皆無と言って良いほどのギタリストです。
もちろんFUSION MUSICに限らず、様々なアーティストのバックを務めてきているので名前は知らずとも彼のギターを聴いている人はきっと多いでしょう。

『GINSENG WOMAN』は、ボブ・ジェームスがプロデュースを手掛けています。参加しているミュージシャンは、Bob James(key)、Richard Tee(key)、Anthony Jackson(b)、Gary King(b)、Steve Gadd(ds)、Andrew Smith(ds)、Ralph MacDonald(per)、Grover Washington,Jr.(sax)、George Young(sax)等で、本当に豪華の一言です。

『ERIC GALE / GINSENG WOMAN』
01. GINSENG WOMAN
02. RED GROUND
03. SARA SMILE
04. DE RABBIT
05. SHE IS MY LADY
06. EAST END, WEST END

ボブ・ジェームスの作曲による01は、オリエンタル・ムード漂うナンバーです。ホーン・セクションの使い方等ボブ・ジェームスらしいアレンジが施されているのが特徴と言えるでしょう。エリック・ゲイルのソロ・プレイでのギターの音色、フレーズがどことなく"琴"をイメージしているような感じで、独特の雰囲気を持っている曲に仕上がっています。堅実なスティーヴ・ガッド&アンソニー・ジャクソンのリズム隊の渋いプレイとグローヴァー・ワシントン,Jrのサックス・ソロも聴き所です。

エリック・ゲイルのオリジナル曲02。心地良いメロディーとギターの音色が印象的なミ軽妙なナンバーです。個人的にはこの曲でのギター・プレイが凄く好きなんです。ソロではエリック・ゲイルらしいブルージーなプレイが聴けます。グローヴァー・ワシントン,Jrの吹くティン・ホイッスルというアイルランド発祥と言われる笛が、フルートにも似た音色でとても気持ちが良いです。

ホール&オーツの名曲のカヴァー03。FUSIONの世界では結構カヴァーされている曲ですね。ここではレゲエ調にアレンジされた「SARA SMILE」が楽しめます。盟友・リチャード・ティーのオルガン・プレイ、スティーヴ・ガッド&アンドリュー・スミスのツイン・ドラム、伸び伸びと歌っているエリック・ゲイルのギターなど聴き所が詰まった曲のひとつですね。

エリック・ゲイルのオリジナル曲04。何ともSTUFFっぽいサウンドがたまらない陽気でFUNKYなナンバーです。この曲を聴いていると"STUFF"というグループは、リチャード・ティーとエリック・ゲイルの二人がサウンドの中心だったんだなと改めて感じます。アンソニー・ジャクソンの太いベースも良いですね。まさにN.Y.ならではのサウンドという気がする1曲。

オリジナルはMorgan Amesの「I am His Lady」のカヴァー05。このアルバムのハイライトとも言える1曲です。アレンジが冴えており、穏やかに始まり、徐々に情熱的になっていくといった感じの演奏が素晴らしく、エリック・ゲイルのギターの魅力が凝縮されているかのようですね。ジョージ・ヤングのサックス・ソロもエモーショナルで良いですし、リチャード・ティーならではのピアノ・プレイも素敵です。

エリック・ゲイルのオリジナル曲06。何とも聴いていて楽しくなってしまうような曲です。歩きながら聴いていたら、いつの間にかスキップしていた・・・みたいな感じですかね(笑)。この曲の影の主役は、ゲイリー・キングのベースとラルフ・マクドナルドのパーカッションかも知れません。この曲もエリックらしいギターが堪能できて嬉しい限りです。

1970年代、特に後半のFUSION MUSICって本当に好きなんですよね。私がFUSIONに興味を持ったのがこの頃というのもあるのですが、あまり商業的な匂いがしませんし、何より仲間が集まって楽しんでセッションしているといった温もりを感じる作品が多いように思えるのです。まぁ、これはあくまで私個人の感想ですが・・・(笑)
エリック・ゲイルもリチャード・ティーも亡くなってしまい、二人の独特なプレイを新たに聴くことは叶いませんが、それでもこうやってアルバムを聴けば確かに彼らは生きていますし、その存在感を感じることが出来ます。
このようなアルバム(作品)はこれからも大事にしていきたいなと思います。
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原田 知世_PAVANE ◇ 2009年 05月 11日
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毎年GWの頃になると暑い日があるのですが、今年も例外ではないようで日本各所で5月としては観測史上最も高い気温を記録している所もあるとか・・・。
夏は決して嫌いではないので個人的には嫌ではないのですが、近い将来日本は南国になってしまうのではないかとさえ思ってしまいますね(笑)
さて、暑くなってくるとせめて音楽だけでも涼しげなものが聴きたくなるのが人情ですよね。
そんな訳で今回は、聴いていて涼しく爽やかな気分にさせてくれるアルバムを紹介しましょう。

取り上げるのは、原田 知世が1985年にリリースした3rdアルバム『PAVANE』です。
3rdアルバムとは言え、1stと2ndがミニ・アルバムだったのでフル・アルバムとしては実質的には1枚目となるのかも知れません。
実はこのアルバム、個人的にはかなりの名盤だと思っております。原田 知世本人よりも彼女を囲むスタッフの本気を感じさせるアルバムです。

とにかくスタッフ陣が凄い!エグゼクティブ・プロデュースは角川 春樹、スーパーバイザーに酒井 政利、リリック・プロデュースに康 珍化、ディレクションには当時南野 陽子等も担当していた吉田 格。この顔触れだけでも原田 知世に寄せられた期待の大きさというのが分かりますし、スタッフ陣に先見の目があったというプロの凄さを感じました。

作家陣もバラエティに富んだ実に豪華な布陣で、作詞には康 珍化、吉元 由美、大貫 妙子、戸沢 暢美、当山ひとみ、佐藤 純子、麻生 圭子、佐藤ありすに加え、原田 知世が1曲書いています。作曲は山川 恵津子、かしぶち哲郎、佐藤 隆、大貫 妙子、中崎 英也、水越 恵子、加藤 和彦、伊藤 銀次、岸 正之、REIMY、大沢 誉志幸という顔触れです。

『PAVANE』の面白いところは、アナログ盤A面にあたる6曲が"Water Side"と名付けられ、水や自然をモチーフとした落ち着いた雰囲気の楽曲が集められています。ある意味、現在に至る彼女の音楽のルーツみたいな感じがしますね。
"Water Side"のアレンジを担当しているのが萩田 光雄。彼の素晴らしいアレンジが堪能出来ます。特に彼のストリングス・アレンジが素晴らしく、緻密で繊細な萩田 光雄の本領発揮といった感じでアレンジですね。
"Water Side"の参加ミュージシャンは、中西 康晴(key)、倉田 信雄(key)、大谷 和夫(key)、松原 正樹(g)、鳥山 雄司(g)、高水 健司(b)、岡沢 章(b)、富倉 安生(b)、渡辺 直樹(b)、山木 秀夫(ds)、滝本 季延 (ds)、吉川 忠英(a-g)、安田 裕美(a-g)、斉藤ノブ(per)、堀口ノア(cho)等が参加しています。

一方アナログ盤B面にあたる5曲が"Light Side"と名付けられ、POPな感じの楽曲が集められています。
この中には以前紹介した後藤 次利プロデュースの『NEXT DOOR』や『Soshite』の世界観に通じる楽曲も含まれており興味深いものがあります。"Water Side"を陰とするならば"Light Side"は陽といった感じでしょうか・・・。
"Light Side"のアレンジを手掛けているのが井上 鑑。こちらも実に井上 鑑らしさが出ているアレンジばかりです。
"Light Side"の参加ミュージシャンは、井上 鑑(key)、今 剛(g)、鳥山 雄司(g)、高水 健司(b)、山木 秀夫(ds)、笛吹 利明(a-g)、浜口 茂外也(per)、土岐 英史(sax)、惣領 智子(cho)、浜田 良美(cho)、比山 貴詠史(cho)、木戸 やすひろ(cho)、岸 正之(cho)等が参加しています。

『原田 知世 / PAVANE』
Water Side
01. 水枕羽枕
02. 羊草食べながら
03. 姫魔性
04. 紅茶派
05. 早春物語
06. 夢七曜
Light Side
07. カトレア・ホテルは雨でした
08. HELP ME LINDA
09. いちばん悲しい物語
10. ハンカチとサングラス
11. 続けて

作詞:康 珍化、作曲:山川 恵津子による01。瑞々しいという表現がぴったりな感じの曲です。特徴のあるメロディーという訳では無いのですが、原田 知世の歌声とよくマッチしていて心地良く聴ける曲ですね。ここではストリングスを使わないシンプルなアレンジで聴かせます。

作詞:康 珍化、作曲:かしぶち哲郎による02。川のせせらぎのSEや美しいストリングス・アレンジが印象的な曲です。ヨーロピアンな雰囲気と日本の情緒みたいなものが融合したという感じでしょうか・・・。涼しげな渓谷の情景が思い浮かんできます。

作詞:吉元 由美、作曲:佐藤 隆による03。いかにも佐藤 隆らしいメロディー・ラインの曲で、タイトルの「姫魔性」は歌詞の中に繰り返し出てくる"秘めましょう"にかかっています。どことなく怪しげな雰囲気と原田 知世の透明感のある歌声はミスマッチのようにも思えますが、全然そんなことはなくてなかなか似合ってますね。堀口ノアのコーラスが良い雰囲気を醸し出してます。緻密に計算されているアレンジだと思います。

作詞・作曲:大貫 妙子による04。とにかく萩田 光雄のアレンジが秀逸です。大貫 妙子の世界観を上手く引き出しています。原田 知世も大貫 妙子の歌唱指導のおかげなのか、決して上手いとは言えないけれど良い歌を聴かせてくれます。これは良い曲ですね。

作詞:康 珍化、作曲:中崎 英也によるシングル曲としても有名な05。シングルのアレンジは大村 雅朗ですが、ここでは萩田 光雄のストリングスが印象的なアルバム・ヴァージョンになっています。オリジナルのイメージを損なうこと無く、このアルバムのカラーにピッタリのアレンジが施されています。ストリングスの美しさに耳を奪われる1曲です。

作詞:原田 知世、作曲:水越 恵子による06。私が1番気に入っている曲です。水越 恵子のソングライターとしての才能を再確認させられたような楽曲でした。自分で書いた詞ということもあって実に気持ち良さそうに歌っているように聴こえます。地味ですがアレンジがAORチックで本当に良い曲ですね。

作詞:戸沢 暢美、作曲:加藤 和彦による07。チャイニーズ・ムードの漂うキャッチーで軽快なナンバーです。こういう雰囲気のアレンジは井上 鑑の得意とするところですね。

作詞:当山ひとみ、作曲:伊藤 銀次による英語詞のナンバー08。当山ひとみが英語の発音指導もしたようです。実に銀次らしいと言えるリバプール風サウンドの曲です。当山ひとみは発音の指導もしたようで、発音が良いのか悪いのかは不明ですが頑張ってます(笑)。浜田 良美のコーラスと今 剛のペダル・スチール・ギターが渋いです。

作詞:佐藤 純子、作曲:岸 正之による09。アイドル・原田 知世としては1番お似合いの曲かも知れません。岸 正之らしい繊細なメロディーが良いです。井上 鑑にしては凄く地味な部類のアレンジという感じですが、この辺りの使い分けの上手さは流石だなと感じます。

作詞:麻生 圭子、作曲:REIMYによる10。夏の終わりの海辺という雰囲気が漂うナンバーです。高水 健司のベースが影の主役といった感じで、派手さはありませんが渋いプレイを聴かせてくれます。

作詞:佐藤ありす、作曲:大沢 誉志幸による11。アルバム中最もリズムが協調されたFUNKYなナンバーです。とは言え、原田 知世の声量、声質に合わせて控え目のFUNKYというアレンジが絶妙です(笑)。こういう曲を最後に持ってくるのは珍しいですね。後藤 次利プロデュースの次作に繋がっていく布石というのは考え過ぎでしょうか・・・。

まだまだ歌はこれからという感じですが、単なるアイドル歌手ということで終わらせたくないというスタッフの意気込みみたいなものを感じます。
当時、同世代には歌の上手い人も沢山いる中で、スタッフをその気にさせた原田 知世には分かる人には分かる魅力を持ち合わせていたんでしょうね。
私はたまに寝る前にこのアルバムを聴くんですが、"Water Side"があまりに心地良いので"Light Side"を聴く前に必ず深い眠りに陥ってしまいます(笑)
車を運転しながらというより、どこかに腰を落ち着かせて聴くというのが似合っているアルバムなのかも知れません。
地味ですが良いアルバムなので、興味があったら聴いてみて下さい。
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